JPH0572575A - 導波路型マトリツクス光スイツチ - Google Patents

導波路型マトリツクス光スイツチ

Info

Publication number
JPH0572575A
JPH0572575A JP4058458A JP5845892A JPH0572575A JP H0572575 A JPH0572575 A JP H0572575A JP 4058458 A JP4058458 A JP 4058458A JP 5845892 A JP5845892 A JP 5845892A JP H0572575 A JPH0572575 A JP H0572575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
optical switch
waveguide
waveguides
switch element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4058458A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2625312B2 (ja
Inventor
Masayuki Okuno
将之 奥野
Kuniharu Kato
邦治 加藤
Katsumi Kato
勝己 加藤
Masao Kawachi
正夫 河内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP5845892A priority Critical patent/JP2625312B2/ja
Publication of JPH0572575A publication Critical patent/JPH0572575A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2625312B2 publication Critical patent/JP2625312B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 基板(11)の上で光導波路(31a−31
b,32a−32b)を2箇所で互いに近接させて、2
個の方向性結合器(33a,33b)とし、該2個の方
向性結合器(33a,33b)間の2本の光導波路(3
1a−31b,32a−32b)の少なくとも一方に、
光位相シフタ(34a)を設けたマッハツェンダ光干渉
計回路をスイッチ要素とする導波路型マトリックス光ス
イッチ。スイッチ要素内の2個の方向性結合器(33
a,33b)の間の2本の光導波路(31a−31b,
32a−32b)の実効光路長差が、スイッチオフ状態
で信号光波長の2分の1に設定され、しかも光スイッチ
要素内の前記2本の光導波路が、互いに交差している。 【効果】 方向性結合器の結合率設定誤差に強く、消光
比の優れた導波路型マトリックス光スイッチを提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信分野等で用いる
導波路型マトリックス光スイッチに係り、さらに詳しく
は、作製誤差に強く消光比の優れた導波路型マトリック
ス光スイッチ構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ通信の一層の普及のために
は、光ファイバと受・発光素子の高性能化,低価格化に
加えて、光分岐結合器,光合分波器,光スイッチ等の各
種光回路部品の開発が不可欠な段階にきている。なかで
も、光スイッチは、光ファイバ回線を需要に応じて自在
に切り替えたり、回線故障の際の迂回路の確保のため
に、近い将来、重要な役割を占めると考えられる。
【0003】光スイッチの構成形態としては、従来か
ら、1)バルク型、2)導波路型が提案されている。バ
ルク型は、可動プリズムやレンズ等を構成要素として組
み立てられたもので、波長依存性が少なく、比較的低損
失という利点があるものの、組立調整工程が煩雑で量産
に適さず、高価格という欠点があり、広く普及するに至
っていない。導波路型は、平面基板上の光導波路を基本
として、フォトリソグラフィや微細加工技術を利用し
て、いわゆる集積型の光スイッチを一括大量生産しよう
とするもので、将来型の光スイッチ形態として期待され
ている。特にM本の入力ポートとN本の出力ポートを持
つ比較的規模の大きい(M×N)マトリックス光スイッ
チを現実的に構成可能な形態は、導波路型をおいて他に
ないと期待されている。
【0004】図1は本発明が対象とする(M×N)マト
リックス光スイッチの1例としての(4×4)光スイッ
チの構成概念図である。この(4×4)スイッチは見か
け上、4本の入力導波路1a,1b,1c,1dと4本
の出力光導波路2a,2b,2c,2dが4×4=16
箇所で交差する構成を持ち、16箇所の交差部には光ス
イッチの最小単位としての(2×2)光スイッチ要素S
00,…,S33が配置されている。このようなマトリ
ックス光スイッチ構成は「厳密にノンブロッキングなマ
トリックス光スイッチ」と呼ばれ、入力光導波路1a,
1b,1c,1dに入力する4チャンネルの信号光の光
路を4本の出力光導波路2a,2b,2c,2dに振り
分けることができる。
【0005】たとえば、入力光導波路1aへ入射した光
信号を出力光導波路2bから出力する場合は、光スイッ
チ要素S03,S02,S01,S11,S21,S3
1を通る光路を形成する。このとき、光スイッチ要素S
01では、左下の導波路から入った光が右下の導波路か
ら出ていくバー経路が形成され、それ以外の光スイッチ
要素では、左下(または左上)の導波路から入った光が
右上(または右下)の導波路から出ていくクロス経路が
形成される。駆動スイッチ数を最小とするにはクロス経
路は光スイッチ要素がオフのときに形成され、バー経路
はスイッチがオンのときに形成されることが必要であ
り、この場合、1つのスイッチS01だけがオンとな
り、他のスイッチはオフとなる。このことは、他の任意
の光路について当てはまることである。たとえば、入力
導波路1aから出力導波路2aへの光路は、光スイッチ
要素S00のみをオンにし、他の6個の光スイッチ要素
S03,S02,S01,S10,S20,S30をオ
フにして形成される。このように、オンとされてバー経
路を形成する光スイッチ要素数は常に1であり、オフで
クロス経路を形成する光スイッチ要素数は0から6の範
囲で変化する。すなわち、この(4×4)マトリックス
光スイッチにおいて、光信号が通過する光スイッチ要素
数は、最小1で最大7となる。
【0006】従来から様々な材料系の光導波路を用い
て、上記のマトリックス光スイッチを構成する試みがな
されているが、なかでもシリコン基板上の石英系光導波
路の熱光学効果を活用した熱光学式マトリックス光スイ
ッチは、不都合な偏波依存性が無く、光ファイバとの接
続性にも優れているので、実用的なマトリックス光スイ
ッチの最有力候補として期待されている。
【0007】図2(A),(B)は図1に例示した(4
×4)マトリックス光スイッチ構成概念図に対応してシ
リコン基板上に作製された従来の熱光学式(4×4)マ
トリックス光スイッチの構成図であり、図2(A)は全
体平面配置図、図2(B)は光スイッチ要素の拡大平面
図である。図2(A),(B)においては、4本の入力
光導波路1a,1b,1c,1dを含む8本の光導波路
が入力側導波路束4aを構成し、4本の出力光導波路2
a,2b,2c,2dを含む8本の光導波路が出力側導
波路束4bを構成しているが、図2(A)の実配置が図
1の構成概念図とトポロジー的に等価であることは容易
に理解される。
【0008】これらの導波路束4a−4bは、火炎加水
分解反応堆積法と反応性イオンエッチング技術との公知
の組合せにより、基板3上に形成された石英系単一モー
ド光導波路列である。16箇所に配置された光スイッチ
要素S00,…,S33のそれぞれは、図2(B)に示
したように、いわゆるマッハツェンダ光干渉計回路型の
(2×2)光スイッチ構成を有している。すなわち、2
本の光導波路61a−61bおよび62a−62bの一
部は、2箇所で互いに近接し、方向性結合器63aおよ
び63bを構成している。それらの光結合率は、信号光
波長において50%になるように設定されている。方向
性結合器63a,63bの間を連結する2本の光導波路
61a−61bおよび62a−62bの光路長は、該2
本の光導波路途上に位置する薄膜ヒータからなる熱光学
位相シフタ64aおよび64bを動作させない状態(オ
フ状態)で同一(対称)になるように設定されている。
【0009】このマッハツェンダ光干渉計回路型の(2
×2)光スイッチのスイッチングの入出力特性は、各方
向性結合器のパワー結合率をk、一方の光導波路への入
力信号光のパワーをP10、バー経路とクロス経路の出力
信号光のパワーをそれぞれP1 ,P2 、2つの方向性結
合器を連結する2本の導波路間で生ずる位相差をΔφと
すれば、次の式で表される。
【0010】
【数1】 P1/P10=(1−2k)2 cos2(Δφ/2) + sin2(Δφ/2) (1)
【0011】
【数2】 P2/P10=4k(1−k)cos2 (Δφ/2) (2) 結合率k=1/2のとき、いいかえれば、方向性結合器
が3dB結合器の場合の入出力特性は次のようになる。
まず、オフ状態(薄膜ヒータ無通電状態)では、位相差
Δφ=0であるから、信号光は光スイッチ要素をクロス
経路(61a→62b,62a→61b)で通過する。
一方、方向性結合器63aおよび63bの間の導波路に
180度(πラディアン)の光位相に相当する1/2波
長近傍の光路長差が生じるように、位相シフタ64a,
64bの少なくとも一方を作動(薄膜ヒータに通電)さ
せてオン状態、つまり位相差Δφ=πとすると、信号光
は光スイッチ要素をバー経路(61a→61b,62a
→62b)で通過するように切り換わる。こうして、
(2×2)光スイッチ要素としてのクロス/バー切り替
え動作が達成される。しかし、このような(2×2)光
スイッチ要素を基本単位とする従来の導波路型マトリッ
クス光スイッチには、次のような製作上の大きな問題点
があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述した図2(B)の
マッハツェンダ光干渉計回路型光スイッチ要素が理想的
に動作するためには、構成要素である方向性結合器63
aと63bの結合率が信号光波長において正確に50%
であることが必須条件であるが、実際の光導波路作製プ
ロセスは多少の誤差を含み、結合率を正確に50%に設
定することが困難という製作上の事情があった。これ
は、方向性結合器が、極めて構造敏感な光素子であり、
光導波路幅や光導波路間隔、さらには光導波路のコア・
クラッド間の比屈折率差等の僅かのプロセス誤差により
結合率が変動し易いためであった。
【0013】方向性結合器の結合率が50%からずれた
場合には、オフ状態において、信号光はクロス経路(6
1a→62b,62a→61b)を100%通過せず、
バー経路(61a→61b,62a→62b)に漏れ出
すことになり、このいわゆる光漏話の存在が導波路型マ
トリックス光スイッチ作製上の大きな問題点となってい
たのである。
【0014】例えば、結合率が50%から大きい方に5
%程度、あるいは小さい方に5%程度ずれると、各光ス
イッチ要素においては、オフ状態でバー経路(61a→
61b,62a→62b)に、信号光強度の1%が漏れ
出して、図2(A)の(4×4)マトリックス光スイッ
チ構成では、最終的に15dB程度の消光比しか得られ
なかった。この事情は、マトリックス規模が大きくなる
ほど深刻になり、例えば(8×8)マトリックス光スイ
ッチでは、最終的に11dB程度の消光比にまで、漏話
特性が劣化してしまうのであった。
【0015】方向性結合器の結合率設定が、実際の光導
波路製造プロセスにおいて、50%±5%程度、場合に
よっては50%±10%程度もの誤差を伴うことは、し
ばしばあり、導波路型マトリックス光スイッチの前述の
結合率敏感性は、歩留り良く光スイッチを製作する上で
の最大の障害となっていた。
【0016】そこで本発明の目的は、前記の欠点を解決
し、方向性結合器の結合率設定誤差に強く、消光比の優
れた導波路型マトリックス光スイッチを提供することに
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、複数の入力端と、複数の出力端とを備
え、入力された信号光を切り替え出力する導波路型マト
リックス光スイッチにおいて、前記入力端にそれぞれ接
続された複数の入力光導波路と、前記出力端にそれぞれ
接続された複数の出力光導波路と、前記入力光導波路と
前記出力導波路との各交点位置に配置された複数の光ス
イッチ要素とを具備し、前記各光スイッチ要素は、基板
上で2本の光導波路を2箇所で互いに近接させ、該2箇
所の間の前記2本の光導波路が前記信号光の半波長分の
実効光路長差を有するように構成された結合率の等しい
2個の方向性結合器と、該2個の方向性結合器間の前記
2本の光導波路の少なくとも一方に配設され、前記実効
光路長差を前記信号光の波長の整数倍に切り替える光路
長差切り替え手段と、前記2本の光導波路を交差させた
交差部とを具備することを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明では、光スイッチ要素を構成するマッハ
ツェンダ光干渉計回路の2個の方向性結合器間に、オフ
状態で2分の1波長の光路長差が設定されている。した
がって、オフ状態においては、信号光は、他の光導波路
に移行することなく、光導波路に入力されたままの状態
(スルー状態)でマッハツェンダ光干渉計回路を通過す
る。さらに本発明では、光スイッチ要素内で2本の光導
波路がクロストークを無視できる角度で互いに交差して
いるので、信号光は、クロス経路で光スイッチ要素を通
過することになる。これらの動作は、2個の方向性結合
器の結合率が同一でありさえすれば、その値によらず成
り立つ。
【0019】一方、オン状態においては、マッハツェン
ダ光干渉計回路を構成する光導波路上に設けた光位相シ
フタを駆動し、前記の2分の1波長相当の光路長差を打
ち消す。これによって、交差部を含む光スイッチ要素の
状態をバー経路へと切り替えることができる。
【0020】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例を詳細に説
明する。以下の実施例では、光導波路としてシリコン基
板上に形成した石英系単一モード光導波路を使用し、光
スイッチ要素として熱光学式マッハツェンダ光干渉計回
路型(2×2)光スイッチを採用したマトリックス光ス
イッチについて説明する。これは、この組合せが、単一
モード光ファイバとの接続性に優れ、しかも偏波依存性
の無いマトリックス光スイッチを提供できるためであ
る。しかしながら、本発明は、これらの組合せに限定さ
れるものではない。
【0021】実施例1 図3(A)〜(C)は、本発明の導波路型マトリックス
光スイッチの第1実施例としての(4×4)マトリック
ス光スイッチを構成する光スイッチ要素の構成図であ
り、図3(A)は平面図、図3(B)および(C)は、
それぞれ図3(A)の線分AA′およびBB′における
拡大断面図である。(4×4)マトリックス光スイッチ
の全体平面図は、図1と同一であるので図示を省略し
た。シリコン基板11の上の石英系ガラス光導波路31
a−31bと32a−32bとは、互いに2箇所で間隔
数μmにまで近接して2個の方向性結合器33a,33
bを構成している(図3(B)参照)。方向性結合器3
3a,33bの結合率は、結合部の導波路間隔や長さの
調節により50%を目標に設定されている。2個の方向
性結合器33a,33bの間における光導波路31a−
31b,32a−32bの実効光路長は、光導波路32
a−32b側が31a−31bに比べて信号光の波長
(ここでは1.3μm)の2分の1相当、すなわち0.
65μm程度長くなるように設定されており、光導波路
31a−31bに対応する部分のクラッド層14の上部
には、光位相シフタとしての薄膜ヒータ34aが設置さ
れている(図3(C))。光導波路31a−31bと3
2a−32bとは、交差部35においてクロストークを
無視できる交差角度θで交差している。
【0022】方向性結合器33aと33bとの間の領域
は、光路長差2分の1波長の弱非対称マッハツェンダ光
干渉計回路を構成しており、薄膜ヒータ34aに通電し
ないオフ状態では、光導波路31a端から入力した信号
光は、方向性結合器33a,33bを通過した後、光導
波路31a−31bに留まった状態で出力され、光導波
路32a端から入力した信号光は、光導波路32a−3
2bに留まったまま出力される。光干渉計回路領域を通
過した信号光は、交差部35で交差するので、光スイッ
チ要素全体としては、マトリックス光スイッチのオフ状
態としてのクロス経路を実現できることになる。
【0023】ここで、マッハツェンダ干渉計の導波路ア
ームに零とλ/2の光路長差を与えた場合の出力状態
を、モードの干渉を通して視覚的に見てみる。
【0024】方向性結合器部分での光パワーの移行は、
偶モードと奇モードという2つのモードの干渉、つまり
重ね合わせで表現することができる。それぞれのモード
は、位相状態を表現するために虚実空間上に表されてい
る。
【0025】図4に光路長差ΔL=0の場合(すなわ
ち、従来例の場合)のスイッチ素子の各部におけるモー
ドの状態を示す。ここでは、入射光はE10とし、両導波
路中心上の合成電界をベクトル表記した。図4に示す各
位置(1)〜(4)での状態は以下の通りである。
【0026】(1)導波路I側に光が存在する状態と
は、偶モードと奇モードが図のような状態にあり、導波
路I側では両モードが同位相のため強めあい、導波路I
Iでは逆位相のため打ち消しあっていると考えることが
できる。
【0027】(2)奇モードは偶モードに比べ伝搬定数
(位相速度)が遅いため、伝搬するにつれて(偶モード
が実軸上に有るとすると)虚軸側へ回転する。位相差が
90度になると両導波路の電界の強さは同じとなる。こ
れが3dB方向性結合器を通過した状態である。ここで
注目すべきことは、電界の強さは同じであるが、導波路
II側の方が90度位相が進んでいることである。
【0028】(3)導波路アームに光路長差が無いため
(2)の状態が維持されている。
【0029】(4)3dB方向性結合器をもう一度通過
することにより、両モードの位相差はさらに90度つ
き、今度は(1)の状態とは逆に、導波路I側では両モ
ードが逆位相のため打ち消しあい、導波路IIでは同位
相のため強めあい、導波路IIにのみ光が存在する。つ
まり、光が導波路Iから導波路IIへ全て移ったわけで
ある。
【0030】以上のことから、光路長差ΔL=0の場
合、偶モードと奇モードの位相差は方向性結合器部分の
みで起こり、その位相差が正確にπでなければ100%
のパワー移行は起こらず、一部の光がスルー側へ漏れ込
むことになる。
【0031】図5に光路長差ΔL=λ/2の場合(すな
わち、本発明の場合)の状態を示す。図5に示す各位置
(1)〜(4)での状態は以下の通りである。
【0032】(1)および(2)光路長差ΔL=0の場
合と同じ (3)片アーム(ここでは導波路II)側のみ位相がπ
遅れるため、(2)における導波路II側の電界が18
0度回転した状態となる。この電界は、図にあるような
偶モードと奇モードの合成と考えることができる。
【0033】(4)3dB方向性結合器を通過すること
で、両モードの位相差はさらに90度つき、導波路I側
に全ての光が戻ることになる。
【0034】これは、干渉計を構成している2個の方向
性結合器の結合率が同じでさえあれば、結合率の値にか
かわらず必ず起こる現象である。これは、(3)にある
ように、πの光路長差を与えたために、奇モードは偶モ
ードよりも結合率に相当する角度θだけ進んだ状態とな
るが、2段目の方向性結合器でθだけ遅れるために両モ
ードの相対的関係は元の状態((1)の状態)に戻るか
らである。
【0035】これを数式で表してみよう。マッハツェン
ダ干渉計のパラメータを図6のようにする。すなわち、
各方向性結合器の結合係数をδ、結合長をd、波数をk
(=2πneff /λ0 )とすると、方向性結合器単体の
特性マトリックスは
【0036】
【数3】
【0037】となる。δdは前述のモードで言えば、偶
・奇の両モードの位相差を表している。従って、3dB
方向性結合器においては
【0038】
【数4】δd =π/4 である。
【0039】干渉計の導波路アーム間によって生ずる位
相差は
【0040】
【数5】
【0041】となる。干渉計全体の電界におけるマトリ
ックス表記は
【0042】
【数6】
【0043】であり、これを計算し、パワーで表すと、
出力特性は
【0044】
【数7】 P1=P10[cos2(2δd)cos2(kΔL/2)+sin2(kΔL/2)] +P20[sin2(2δd)cos2(kΔL/2)] (6) P2=P10[sin2(2δd)cos2(kΔL/2)] +P20[cos2(2δd)cos2(kΔL/2)+sin2(kΔL/2)] (7) となる。P10のみ入力された場合、光路長差ΔL=0、
すなわち従来例に相当する場合は、次のようになる。
【0045】
【数8】 P1=P10 cos2(2δd) (8) P2=P10 sin2(2δd) (9) また、光路長差ΔL=λ/2(kΔL/2=π/2)、
すなわち本発明の場合は、
【0046】
【数9】 P1=P10 (10) P2=0 (11) となる。従来のように光路長差ΔL=0では、δd=π
/4(3dB方向性結合器)でなければ、P1 から漏れ
光が生じてしまう。一方、本発明のように光路長差ΔL
=λ/2では、方向性結合器の結合率によらずP2 には
漏れ光が原理的に生じないことを表しており、前述のモ
ードの重ね合わせの場合と一致している。
【0047】以上の結果から、ΔL=λ/2の状態をオ
フ状態とすれば、作製誤差等で方向性結合器の結合率が
理想的な値である50%からずれても、2つの方向性結
合器の結合率が同一でありさえすれば、その値に依存せ
ず高い消光比が実現でき、マトリックススイッチとして
もクロストークを大幅に小さくすることができる。ただ
し、マトリックススイッチを構成する場合、駆動スイッ
チ数を最小にするためには、オフ状態でクロス側に光が
出力するように構成しなければならないため、出力ポー
トを入れ替える必要がある。本発明では、スイッチ要素
内で、交差部35において2本の導波路の間に干渉が発
生しない角度で、2本の導波路31a−31bと32a
−32bとを交差させることにより、これを達成してい
る。
【0048】一方、薄膜ヒータ34aに通電し、その下
部の光導波路31a−31bの屈折率値を熱光学効果に
より僅かに増加させ、光干渉計回路の実効光路長差が零
になるように調節すると、2個の方向性結合器33a,
33bの結合率は、図4に示すように相加するように作
用する。よって、仮に理想的な結合率50%に設定され
ていた場合には、光干渉計回路全体としては見かけ上1
00%の結合率状態となり、信号光は光干渉計回路を通
過する際に、光導波路を入れ換わって通過する。ひき続
いて交差部35を経由することにより、光スイッチ要素
としてはオン状態として必要なバー経路に切り換わる。
方向性結合器33a,33bの結合率が理想的な50%
値からずれている場合には、100%バー経路に切り換
えることができず、クロス状態に留まる信号光成分が現
れるが、この残留信号光は最終的には出力ポート2a,
2b,2c,2d以外(図2(A)参照)の不用の出力
側導波路から出射されるので、損失増を伴うものの、マ
トリックス光スイッチとしての消光比劣化には結びつか
ない。
【0049】図7は、(4×4)マトリックス光スイッ
チにおける光漏話により生ずる過剰損失特性の説明図で
あり、7個のスイッチ要素を経由する経路での値を示し
ている。ここで、実線曲線は本実施例の光スイッチの特
性、破線曲線は従来の光スイッチの特性である。方向性
結合器の結合率が大きい方に5%、または小さい方に5
%と、理想的な結合率50%から5%ずれた場合では、
従来の光スイッチの損失増加が0.25dBであるのに
対し、本実施例の光スイッチでは0.05dBと極僅か
であり、また、方向性結合器の結合率が35%または6
5%と、理想的な結合率から15%もずれた場合でも、
従来の光スイッチの損失増加が2.5dBにも達するの
に対し、本実施例の光スイッチでは0.4dBと損失増
加が極めて小さい。
【0050】ここで特記すべき点は、マトリックス光ス
イッチの規模が大きくなるに従って、従来の光スイッチ
では損失増加傾向が顕著になるのに対し、本発明のマト
リックス光スイッチでは、損失増加の値(図7の実線曲
線)は常に同じであることである。マトリックス光スイ
ッチ構成では、各入力信号光は、いくつかのスイッチ要
素を通過し出力されるが、通過するスイッチ要素のうち
オン状態のスイッチ要素は一つだけであり、残りはオフ
状態のスイッチ要素である。従来のマトリックス光スイ
ッチでは、方向性結合器の結合率が50%からずれた場
合、オフ状態のスイッチ要素から漏れ光が発生するた
め、マトリックスの規模が大きくなり通過するオフ状態
のスイッチ要素数が多くなるに従って、過剰損失が増加
する。それに対し、本発明のマトリックス光スイッチで
は、オフ状態のスイッチ要素から漏れ光が発生しないた
め、各入力信号光においてオン状態のスイッチ要素1個
からの漏れ光だけが過剰損失となる。従って、マトリッ
クスの規模がいかに大きくなっても、過剰損失の値は常
に同じとなる。
【0051】次に、クロストークの波長依存性について
説明する。
【0052】図8(A),(B)は、本発明のスイッチ
素子と従来型のスイッチ素子のオン状態,オフ状態での
光路長差ΔLを示している。両者は逆の関係にあるのが
分かる。
【0053】図9(A),(B)は、光スイッチ要素の
クロス経路の透過率波長特性の説明図であり、は本実施
例で用いている光スイッチ要素の特性図、図9(B)は
図2(B)に示す従来の光スイッチ要素の特性図であ
る。図9(A),(B)において2本の実線曲線はオフ
状態とオン状態のクロス経路光透過特性であり、破線曲
線は光干渉計回路を構成する方向性結合器の結合率であ
る。方向性結合器は波長1.3μmにおいて理想的な結
合率50%に設定されているものとしている。ここで注
目されるのは本発明に対応する図9(A)では、オフ状
態の波長依存性が小さく、オン状態の波長依存性が大き
いのに対し、従来例に対応する図9(B)においては、
逆にオフ状態の波長依存性が大きく、オン状態の波長依
存性が小さいことにある。実際の(4×4)マトリック
ス光スイッチにおいては、信号光は最大7個の光スイッ
チ要素を経由するが、そのうちの1個のオン状態を除い
て6個はオフ状態にあるので、オフ状態の波長依存性が
小さい図9(A)の光スイッチ要素の方が、マトリック
ス光スイッチ全体としての波長依存性を緩和する上で有
利であることが理解される。
【0054】次に、クロス経路での波長依存性について
数式を用いて説明する。
【0055】まず、従来型のスイッチ素子のクロス経路
での波長依存性をみてみる。
【0056】従来型のスイッチ素子では、オフ状態にお
いては、光路長差ΔL=0である。よって、出力特性は
式(9)から
【0057】
【数10】 P2=P10 sin2(2δd) (12) となり、方向性結合器の結合率の波長依存性に従って図
9(B)のような波長特性を持つ。
【0058】一方、オン状態においては、方向性結合器
の波長依存性に加え、導波路アーム間の光路長差にも波
長依存性が生ずる。その出力特性は、式(7)より、
【0059】
【数11】 P2=P10[sin2(2δd)cos2(kΔL/2)] (13) と表される。光路長差ΔLの波長依存性は、例えば波長
λ=1.2〜1.4μmでは8%以内であり、cos2
(kΔL/2)は0に近い値となる。従って、方向性結
合器の波長依存性にあまり影響されず、出力特性として
も0に近く、波長依存性は小さい。
【0060】次に、本発明のスイッチ素子のクロス経路
出力は、図8(A),(B)に示すように、前記従来型
のスイッチ素子におけるON,OFFと光路長差ΔLと
の関係が逆で、かつ出力ポートの関係も逆である。従っ
て、出力特性は、図9(B)でのON,OFFの表記を
逆にして、また、透過率50%の線で対称に折り返した
特性、つまり図9(A)となる。
【0061】これらの特性から分かるように、従来型の
スイッチ素子では、オフ状態での波長依存性がかなり強
いのに対し、本発明で用いるスイッチ素子では、オフ状
態での波長依存性はほとんど無い。
【0062】図10は、4×4マトリックススイッチに
おいて、7個のスイッチ素子を通過する経路での光クロ
ストーク(メインの信号光に対する他の3つの入射ポー
トからの漏れ光の総和量)の計算結果であり、上述した
スイッチ素子の波長依存性から求めたものである。従来
型が波長依存性の強いオフ状態のスイッチ素子を6個通
過するのに対し、本発明では、波長依存性が強いのはオ
ン状態の素子1個だけであるため、波長依存性が小さく
なっている。
【0063】例えば、15dB以上のクロストークが得
られる波長範囲は、従来のマトリックス光スイッチが5
0nmであるのに対し、本実施例では170nmにまで
拡大している。
【0064】本発明のマトリックス光スイッチの波長依
存性が小さいことは、本発明のマトリックス光スイッチ
が製造誤差に強いことも密接に関係している。
【0065】次に、この実施例のより具体的な製作手順
について説明する。
【0066】この実施例の(4×4)マトリックス光ス
イッチは厚さ1mm,直径6インチのシリコン基板11
上に作製した。
【0067】図11(A)〜(F)は、シリコン基板上
に図3(B)や図3(C)に示した断面構造を有する石
英系ガラス単一モード光導波路をもつ光スイッチ要素を
図2(A)に示したレイアウトで計16個一括形成する
工程を説明する図である。
【0068】まず、シリコン基板11上に、四塩化シリ
コン(SiCl4)を主成分とし、三塩化ボロン(BC
3 ),三塩化リン(PCl3 )を僅かに含む混合ガス
を原料とする火炎加水分解反応で、石英(SiO2 )を
主成分とする下部クラッド用ガラス微粒子層12aを堆
積し、続いて適量の四塩化ゲルマニュウム(GeCl
4 )ガス等を追加した混合ガスに切り替えてSiO2
GeO2 を主成分とするコア用ガラス微粒子層13aを
堆積する(図11(A))。続いて、2層のガラス微粒
子層12a,13aを堆積させたシリコン基板11を電
気炉中で1350℃程度の高温に加熱してガラス微粒子
を透明ガラス化し、下部クラッド層12とコア層13を
形成する(図11(B))。続いて、フォトリソグラフ
ィ工程と反応性イオンエッチング(RIE)によりコア
層13のうち不要な部分を除去して、コア部31および
32を形成する(図11(C))。次に、再びSiCl
4 −BCl3 −PCl3 混合ガスを原料とする火炎加水
分解反応を利用してコア部31および32を埋め込むよ
うに上部クラッド用ガラス微粒子層14aを堆積する
(図11(D))。続いて、再度、基板11を電気炉中
で加熱して、上部クラッド用ガラス微粒子層14aを透
明ガラス化して上部クラッド層14として、所望の単一
モード光導波路が製造される(図11(E))。さら
に、上記の工程でシリコン基板上に作製した光導波路上
の各光スイッチ要素の所定部分に、光位相シフタとして
の薄膜ヒータ34aを設置する(図11(F))。
【0069】作製した光導波路のコア寸法は6μm×6
μmであり、クラッド層12および14との比屈折率差
Δは0.75%とした。本実施例の(4×4)マトリッ
クス光スイッチは、この石英系ガラス光導波路を250
μmピッチに8本並設した構造を基本としている。光ス
イッチ要素は、直線光導波路と曲がり半径4mm前後の
曲がり光導波路とを基本に構成した。
【0070】図12は、曲がり導波路の曲率半径を適正
に設定する設計指針を示す図であり、石英系ガラス単一
モード光導波路の90度曲がり損失の曲率半径依存性を
プロット(実験値)したものである。この実施例で採用
したΔ=0.75%の光導波路では、許容最小曲率半径
は4mm程度であり、限られた面積の基板上にマトリッ
クス光スイッチ全体を収めるため、曲率半径は、用いた
光導波路の許容最小曲率半径に設定した。
【0071】また、交差部の交差角度θは30度とし
た。2個の方向性結合器の間の実効光路長差は、フォト
リソグラフィ工程により信号光波長1.3μmの半分の
0.65μmに正確に設定した。石英系ガラスの屈折率
値が1.45程度であることを勘案し、実際のマスクパ
ターン上の導波路長差は0.65μm/1.45=0.
45μmに設定した。薄膜ヒータ34aは、金属クロム
を蒸着源とする真空蒸着法により、厚さ0.3μm,幅
50μm,長さ4mmに渡ってクロム薄膜を各々の光ス
イッチ要素上に蒸着することにより行った。2個の方向
性結合器33a,33bと薄膜ヒータ34aおよび交差
部35を含む光スイッチ要素の全長は、約15mmとし
た。
【0072】前記の工程を経てシリコンウエハ上に作製
されたマトリックス光スイッチを、10mm×110m
mの長方形状にダイシングソーにより切り出し、シリコ
ン基板下部には放熱板を設け、また、入出力光導波路に
は光ファイバアレイを接続し、薄膜ヒータ34aには給
電リードを接続することにより、目的とするマトリック
ス光スイッチが完成した。給電すべき薄膜ヒータを適宜
選択することにより、(4×4)スイッチ動作が確認さ
れた。スイッチ動作に必要な各薄膜ヒータ34aの消費
電力は、0.5ワット程度であった。同時に動作する薄
膜ヒータの数は最大4個であるので、全消費電力は最大
2ワット程度であった。マトリックス光スイッチとして
の損失値は、光ファイバ接続損失を含めて3〜4dBで
あり、またマトリックス光スイッチ全体としての消光比
は、製造誤差により方向性結合器の結合率が50%±1
0%程度と大きくずれても、20dB程度より優れてい
た。
【0073】実施例2 図13は、本発明のマトリックス光スイッチの第2実施
例としての(8×8)マトリックス光スイッチの全体配
置図である。11はシリコン(Si)基板、21a−2
1bは8+8=16本の石英系ガラス光導波路からなる
導波路束である。導波路束21a−21bの途上には、
15箇所の光スイッチ群(#1,#2,…,#15)が
配置されている。これらのスイッチ群は、順次、1個,
2個,…,7個,8個,7個,…,2個,1個、の光ス
イッチ要素を含んでいる。この配置図で特徴的なこと
は、光スイッチ群#2と#3の間、#4と#5の間、#
6と#7の間、#7と#8の間、#8と#9の間、#9
と#10の間、#11と#12の間、#13と#14の
間が、それぞれ、90度ないし180度曲がりを有する
導波路束22a,22b,22c,22d,22e,2
2f,22g,22hで連結されている点である。換言
すれば、曲がり導波路束を適宜用いて15個の光スイッ
チ群が限られた基板サイズ上につづら折りに配置されて
いることが特徴的である。
【0074】図14は、図13の光スイッチ群(#1,
#2,…,#15)の配置説明図であり、導波路束21
a−21bの途上にどのように光スイッチ要素が配置さ
れているかを示したものである。これらのスイッチ群
は、順次、1個,2個,…,7個,8個,7個,…,2
個,1個、の光スイッチ要素(図14において楕円印で
象徴)を含んでいる。光スイッチ群#1の左端は、8本
の入力光導波路1a,1b,1c,1d,1e,1f,
1g,1hを含む導波路束21a−21bの入口に連な
っている。光スイッチ群#1と#2との間は直結されて
いる、光スイッチ群#2と#3との間は曲がり導波路束
22aで連結されている、等々であり、最後に光スイッ
チ群#15の右端は8本の出力光導波路2a,2b,2
c,2d,2e,2f,2g,2hを含む導波路束21
a−21bの出口に導かれているのである。
【0075】図15は、図13,図14のマトリックス
光スイッチを構成する光スイッチ要素の平面図であり、
シリコン基板上の石英系ガラス光導波路31a−31b
と32a−32bとは互いに2箇所で間隔数μmにまで
近接し、2個の方向性結合器33a,33bを構成して
いる。この実施例では、交差部35が2個の方向性結合
器33a,33bの間に設けられている。方向性結合器
33a,33bの結合率は、結合部の導波路間隔や長さ
の調節により50%を目標に設定されている。2個の方
向性結合器33a,33bの間における光導波路31a
−31b,32a−32bの実効光路長差は、光導波路
32a−32b側が光導波路31a−31bに比べて信
号光の波長(ここでは1.3μm)の2分の1、すなわ
ち0.65μm程度長くなるように設定されており、光
導波路31a−31bおよび32a−32bに対応する
部分のクラッド層上部には、光位相シフタとしての薄膜
ヒータ34aと34bが設置されている。光導波路31
a−31bと32a−32bとは、交差部35において
クロストークを無視できる角度θ(ここでは30度)で
交差している。図15に示した光スイッチ要素の長さ
は、約12mmとした。この実施例の光スイッチ要素で
は、交差部35を方向性結合器33a,33bの間に設
けているので、2本の光導波路31a−31bおよび3
2a−32bの間隔が大きく離れる箇所を1箇所にまと
めることができる。このため、光スイッチ要素長を第1
実施例の場合(15mm)に比べてやや短くできる利点
がある。
【0076】シリコンウエハ上に作製された(8×8)
マトリックス光スイッチは55mm×55mmの四角状
にダイシングソーにより切り出し、シリコン基板下部に
は放熱板を設け、また、入出力光導波路には光ファイバ
アレイを接続し、薄膜ヒータ34a,34bには給電リ
ードを接続することにより、目的とするマトリックス光
スイッチが完成した。給電すべき薄膜ヒータを適宜選択
することにより、(8×8)スイッチ動作が確認され
た。スイッチ動作に必要な各薄膜ヒータの消費電力は
0.5ワット程度であった。同時に動作する薄膜ヒータ
の数は最大8個であるので、全消費電力は最大4ワット
程度であった。マトリックス光スイッチとしての損失値
は、光ファイバ接続損失を含めて5〜7dBであり、ま
たマトリックス光スイッチ全体としての消光比は製造誤
差により方向性結合器の結合率が50%±10%程度と
大きくずれても、15〜20dB程度以上と良好であっ
た。
【0077】ところで、本実施例での光スイッチ要素
(図15)には、2個の薄膜ヒータ34aと34bが設
けられている。通常は短い光路長をもつ側に設けられた
薄膜ヒータ34aのみで足りるが、対の薄膜ヒータを保
有していると、万が一、光路長差が製造上の事故でずれ
ても薄膜ヒータのいずれか一方に軽く通電することによ
り補償できるメリットがある。
【0078】さて、第2実施例のマトリックス光スイッ
チの配置では、入力光導波路1hから入力した信号光を
出力光導波路2hから取り出す場合には、信号光は光ス
イッチ要素を1回しか通過しないのに対し、入力光導波
路1aから入力した信号光を出力光導波路2aから取り
出す場合には15回も光スイッチ要素を通過することに
なり、各光スイッチ要素が一定の通過損失を発生する場
合には、出力信号光レベルが経路によって変動すること
により、場合によっては不都合が発生する。このような
場合には、下記実施例の改善策をとることができる。
【0079】実施例3 図16は、本発明の第3の実施例で採用した光スイッチ
群の構成図である。第3実施例には、図13,図14で
説明した第2実施例と基本構造は同一であるが、光スイ
ッチ群に光スイッチ要素Sに加えてダミー光スイッチ要
素SD を配置している点が異なっている。ダミー光スイ
ッチ要素SD としては、図15の光スイッチ要素から薄
膜ヒータ34aおよび34bを省略したもので、2つの
方向性結合器の結合率が同一である(0%も含む)もの
が用いられる。このようなダミー光スイッチ要素SD
加えると、マトリックス光スイッチの経路差に起因する
光出力レベルの変動が緩和され、マトリックス光スイッ
チ全体としての損失値は、6.5〜7dBであり、消光
比は、製造誤差により方向性結合器の結合率が50%±
10%程度ずれても、20dB以上が達成された。
【0080】以上の実施例では、2本の導波路の交差角
θを30度としたが、次にこの交差角θの設定につい
て、光クロストークと交差損失の観点から考察する。
【0081】図17は、1個の交差部において、交差し
ている相手側の光導波路へ信号光が漏れ込む量、いわゆ
る光クロストークの交差角依存性を説明する図である。
ここで用いた光導波路は、前記実施例と同じく、コア・
クラッド比屈折率差Δは0.75%、コア寸法は6μm
×6μmである。交差角が大きくなるに従って光クロス
トークは減少している。本発明では、光スイッチ要素内
で2本の光導波路は光クロストークを無視できる角度で
交差する必要があるが、この適正角度は、導波路間の交
差による光クロストークが−30dB以下になる角度と
見なしてよい。用いる光導波路のコア・クラッド間比屈
折率差によっても左右されるが、交差角が15度程度以
上であれば、2本の光導波路間の光クロストークは、光
の直進性に助けられ、実用上無視できる。上記実施例で
採用した30度の交差角では光クロストークは−60d
B程度と小さい。
【0082】図18は交差損失の交差角度依存性を説明
する図である。用いた光導波路は、ここでも、コア・ク
ラッド比屈折率差Δは0.75%、コア寸法は6μm×
6μmである。交差損失は交差角が大きくなるに従って
小さくなり、交差1段当たりの交差損失は、光クロスト
ークが無視できる交差角15度程度以上であれば0.2
dB以下が実現できる。前記実施例で採用した交差角3
0度の場合では0.06dBと微小であり、(8×8)
マトリックス光スイッチ全体においても損失の増加量は
1dB以下と小さい。
【0083】前記2つの結果から解るように、一般に交
差部の損失と光クロストークは、交差角が90度に近づ
くほど改善される。従って、交差角は15度以上で、で
きるだけ90度に近いことが特性的には望ましい。しか
し、交差角を大きくとると曲線部の占有面積が増え光ス
イッチ要素のサイズが大きくなる傾向にあるので、マト
リックス光スイッチ所要性能や光導波路の許容曲げ半径
等を勘案して決定することになる。
【0084】次に、交差部分の光導波路形状について考
察する。
【0085】図19(A)〜(E)は交差部の形状を説
明する図である。上記実施例では、光導波路の幅が回路
全体で一様としていたが(図19(A))、交差部にお
ける交差損失を低減するためには、交差部の形状を変え
ることも有効である。
【0086】その一つは、図19(B)および(C)の
ように、交差部の前後で、交差部以外の部分を構成して
いる通常幅の光導波路41a,41b,42a,42b
を、テーパー形状を持つ導波路幅変換用テーパー状光導
波路43a,43b,44a,44bに接続して光導波
路幅を変換し、交差損失が小さくなるような幅を持つ光
導波路45,46とし、それらを交差させるという方法
である。コア・クラッド比屈折率差Δ=0.75%、光
導波路幅および厚さ6μmという通常用いられる光導波
路同士では、光導波路の交差角度30度の場合、交差損
失は0.06dBであるのに対し、交差部の光導波路幅
を4μmおよび10μmとした場合、交差損失は0.0
5dBに改善しており、光導波路幅を最適にすることで
交差損失を低減できることがわかる。ただし、交差部の
前後に配置された導波路幅変換用テーパー状光導波路4
3a,43b,44a,44bのテーパー形状は、放射
損失等が生じない程度にゆるやかにする必要があること
は言うまでもない。
【0087】また、もう一つの方法は、図19(D)お
よび(E)にあるように、交差部まで光導波路幅が減
少、もしくは増加しているテーパー状光導波路47a−
47b,48a−48b同士を交差させる場合である。
前記の例と同様に、コア・クラッド比屈折率差Δ=0.
75%、交差角30°、光導波路幅および厚さ6μmの
場合、交差損失が0.06dBであるのに対し、例え
ば、図19(D)に示した交差で、テーパー長が50μ
m、光導波路幅が6μmから5μmへと交差部分まで細
くなったもの同士の交差では、交差損失は0.03dB
まで減少しており、この方法が交差損失の低減に有効で
あることがわかる。
【0088】以上の実施例では、光導波路は全て滑らか
につながっていた。しかし、光導波路が持つ固有電界分
布を考えると、直線光導波路と曲線光導波路、また曲線
光導波路同士でも曲率半径の異なるもの等では、その形
状も電界分布の中心位置もそれぞれ異なっている。従っ
て、形状の異なる光導波路同士を導波路中心を合わせて
つないだ場合、光導波路の持つ固有電界分布の不一致か
ら、放射損失が生じる上、方向性結合器やマッハツェン
ダ光干渉計の特性を不安定とする光の蛇行現象が発生す
る。そこで、直線光導波路と曲線光導波路、曲線光導波
路同士で曲率半径の異なるものや曲がり方向が異なるも
の等の接続部では、「オフセット」と呼ばれる、光導波
路の中心軸同士を軸折れが無い状態でずらしてつなぎ、
つなぎ合わされた2つの光導波路の固有な光の電界分布
を、つなぎ部分で極力一致させる方法が、損失の低減や
蛇行現象の抑制のために有効であることも付記する。
【0089】図20にその一例として、オフセット構造
部を持つ方向性結合器の構成を示す。ここにあるよう
に、直線と曲線のつなぎ部分53a,53b,53c,
53d,54a,54b,54c,54dおよび曲線同
士で曲がり方向が異なる部分53e,53f,54e,
54fで、オフセット構造が適用される。オフセットの
量は、コア・クラッド比屈折率差や光導波路形状、そし
て信号光波長によっても異なるが、一般的にはサブミク
ロン程度である。
【0090】以上の実施例では、光位相シフタ(薄膜ヒ
ータ)を1/2波長短い方の導波路に設けて、1/2光
路長差を打ち消すように位相制御して、スイッチ要素を
オン状態に切り替えたが、場合によっては、逆に、光路
長差を1波長分増加させることによって、オン状態とす
ることも可能であることを付記する。ただしこの場合に
は、オン状態の波長依存性はより強くなる短所を伴う。
【0091】また、前記実施例では信号光波長が1.3
μmの場合を扱ったが、本発明の構成は、他波長、例え
ば1.55μm波長等にも適用できることはもちろんで
ある。
【0092】以上、本発明のマトリックス光スイッチが
方向性結合器の製造誤差に対して強いことを説明してき
たが、その副次効果として、方向性結合器の偏波依存性
に対しても強いことも指摘しておきたい。
【0093】また前記の実施例では、シリコン基板上の
石英系ガラス光導波路を基本とするマトリックス光スイ
ッチについて構成、作用等を説明したが、マッハツェン
ダ光干渉計回路型の光スイッチ要素を構成し得る他の材
料、例えば、プラスチック光導波路やイオン拡散型ガラ
ス光導波路、さらには電気光学効果を用いた光位相シフ
タを設置したニオブ酸リチウム系光導波路等にも、本発
明を適用できることを付記する。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導波路型
マトリックス光スイッチは、オフ状態で2分の1波長相
当の光路長差を有するマッハツェンダ光干渉計回路構造
を光スイッチ要素として採用し、しかも光スイッチ要素
内で光導波路の交差部を含んでいる。したがって2個の
方向性結合器の結合率が等しければ、その値が50%か
らずれても、オフ状態ではバー経路への光漏話は発生し
ない。50%からずれた場合には、オン状態ですべての
信号光をバー経路に切り替えることができず、クロス経
路に信号光が僅かに残留する。しかしながら、この残留
光は出力側導波路束内の不用の導波路端へと導かれるの
で、マトリックス光スイッチとしての消光比劣化には結
びつかない。また、2個の方向性結合器を連結する途上
に交差部を設けることにより、2本の光導波路の間隔を
大きくとらなければならない箇所を1箇所にまとめるこ
とができるため、光スイッチ要素の占有長さを最小にで
きる。よって、多数個の光スイッチ要素を基板上に集積
したマトリックス光スイッチのサイズを小さくすること
ができる。さらに、本発明の導波路型マトリックス光ス
イッチでは、スイッチ要素内の方向成結合器2個の結合
率が同一でさえあれば、50%からずれたとしても、オ
フ状態において信号光はスイッチ要素を100%クロス
経路で通過することになる。したがって方向性結合器の
製作精度が大幅に緩和され、消光比の優れたマトリック
ス光スイッチを容易に提供することができる。また、前
記光スイッチ要素からなる本発明マトリックス光スイッ
チでは、信号光波長の設定精度も緩和され、波長精度の
低い安価な信号光源を導入することもできる利点もあ
る。このようなマトリックス光スイッチは、複数の信号
光が行き交う光ファイバ通信網の構築などに多大の貢献
をなすと期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の導波路型マトリックス光スイッチの構成
を示す概念図である。
【図2】(A)は(4×4)導波路型マトリックス光ス
イッチの構成例を示す全体平面図、(B)は(A)に示
す光スイッチ要素の拡大平面図である。
【図3】(A)は本発明による導波路型マトリックス光
スイッチの第1実施例としての(4×4)マトリックス
光スイッチを構成する光スイッチ要素の構成を示す平面
図、(B)は(A)のA−A′における拡大断面図、
(C)は(A)のB−B′における拡大断面図である。
【図4】従来のマッハツェンダ光干渉計回路型の光スイ
ッチ要素の各箇所における電界の状態を示す概念図であ
る。
【図5】本発明によるマッハツェンダ光干渉計回路型の
光スイッチ要素の各箇所における電界の状態を示す概念
図である。
【図6】本発明によるマッハツェンダ光干渉計回路型の
光スイッチ要素の各パラメータを示す概念図である。
【図7】本発明の第1実施例および従来型の(4×4)
マトリックス光スイッチの方向性結合器の結合率に対す
る光漏話により生ずる過剰損失特性の説明図である。
【図8】(A),(B)は、本発明によるマッハツェン
ダ光干渉計回路型の光スイッチ要素と、従来のマッハツ
ェンダ光干渉計回路型の光スイッチ要素のオン、オフ状
態を示す概念図である。
【図9】(A)は本発明の第1実施例に対応する光スイ
ッチ要素の波長特性の説明図、(B)は従来の光スイッ
チ要素の波長特性の説明図である。
【図10】本発明の第1実施例および従来型の(4×
4)マトリックス光スイッチの光クロストークの波長特
性の説明図である。
【図11】(A)〜(F)は本発明で用いた石英系ガラ
ス導波路によって構成されるマトリックス光スイッチの
作成工程の説明図である。
【図12】本発明で用いた石英系単一モード光導波路の
曲がり損失特性の説明図である。
【図13】本発明の導波路型マトリックス光スイッチの
第2実施例としての(8×8)マトリックス光スイッチ
の全体配置図である。
【図14】図13に示すマトリックス光スイッチにおけ
る各光スイッチ群の構成を示す図である。
【図15】図13に示すマトリックス光スイッチを構成
する光スイッチ要素の構成を示す平面図である。
【図16】本発明の第3実施例における光スイッチ群の
構成を示す図である。
【図17】本発明によるマッハツェンダ光干渉計回路型
の光スイッチ要素の交差部1段における光クロストーク
の交差角度依存性の説明図である。
【図18】本発明によるマッハツェンダ光干渉計回路型
の光スイッチ要素の交差部1段における交差損失の交差
角度依存性の説明図である。
【図19】(A)〜(E)は交差損失を低減させること
を目的とした交差部分の形状例の説明図である。
【図20】本発明によるマッハツェンダ光干渉計回路型
の光スイッチ要素のオフセットを説明するための方向性
結合器の構成を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h 入
力光導波路 2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2h 出
力光導波路 3 シリコン基板 4a−4b 光導波路束 11 シリコン基板 21a−21b 光導波路束 22a,22b,22c,22d,22e,22f,2
2g,22h 90度 ないし180度曲がり導波路束 31,31a−31b,61a−61b 光導波路 32,32a−32b,62a−62b 光導波路 33a,33b,63a,63b 方向性結合器 34a,34b,64a,64b 薄膜ヒータ(光位相
シフタ) 35 交差部 41,42,41a,41b,42a,42b 通常幅
の導波路 43a,43b,44a,44b 交差部前後のテーパ
形状の導波路 45,46 交差部を形成する特殊幅の導波路 47a,47b,48a,48b 交差部を形成するテ
ーパ形状の導波路 51a−51b,52a−52b 光導波路 53a,53b 方向性結合器 54a,54b 薄膜ヒータ(光位相シフタ) #1,#2,…,#15 光スイッチ群 S 光スイッチ要素 SD ダミー光スイッチ要素 S00,…,S33 光スイッチ要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河内 正夫 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の入力端と、複数の出力端とを備
    え、入力された信号光を切り替え出力する導波路型マト
    リックス光スイッチにおいて、 前記入力端にそれぞれ接続された複数の入力光導波路
    と、 前記出力端にそれぞれ接続された複数の出力光導波路
    と、 前記入力光導波路と前記出力導波路との各交点位置に配
    置された複数の光スイッチ要素とを具備し、 前記各光スイッチ要素は、 基板上で2本の光導波路を2箇所で互いに近接させ、該
    2箇所の間の前記2本の光導波路が前記信号光の半波長
    分の実効光路長差を有するように構成された結合率の等
    しい2個の方向性結合器と、 該2個の方向性結合器間の前記2本の光導波路の少なく
    とも一方に配設され、前記実効光路長差を前記信号光の
    波長の整数倍に切り替える光路長差切り替え手段と、 前記2本の光導波路を交差させた交差部とを具備するこ
    とを特徴とする導波路型マトリックス光スイッチ。
  2. 【請求項2】 前記光路長差切り替え手段は、光位相シ
    フタであることを特徴とする請求項1記載の導波路型マ
    トリックス光スイッチ。
  3. 【請求項3】 前記光位相シフタは、薄膜ヒータからな
    る熱光学効果位相シフタであることを特徴とする請求項
    2記載の導波路型マトリックス光スイッチ。
  4. 【請求項4】 前記光路長差切り替え手段は、前記2個
    の方向性結合器の間において前記2本の導波路にそれぞ
    れ設けられていることを特徴とする請求項1記載の導波
    路型マトリックス光スイッチ。
  5. 【請求項5】 前記交差部は、前記2個の方向性結合器
    の間に配設されたことを特徴とする請求項1記載の導波
    路型マトリックス光スイッチ。
  6. 【請求項6】 前記交差部において、前記2本の光導波
    路は、15°以上の交差角をもって交差していることを
    特徴とする請求項1記載の導波路型マトリックス光スイ
    ッチ。
  7. 【請求項7】 前記光スイッチ要素は、つづら折り状に
    曲折する導波路束によって接続されたことを特徴とする
    請求項1記載の導波路型マトリックス光スイッチ。
  8. 【請求項8】 前記光スイッチ要素を接続する導波路途
    上おいて、前記光スイッチ要素に対応する位置に、ダミ
    ースイッチを設けたことを特徴とする請求項1記載の導
    波路型マトリックス光スイッチ。
  9. 【請求項9】 前記ダミースイッチは、基板上で2本の
    光導波路を2箇所で互いに近接させ、該2箇所の間の前
    記2本の光導波路が前記信号光の半波長分の実効光路長
    差を有するように構成された結合率の等しい2個の方向
    性結合器と、前記2本の光導波路を交差させた交差部と
    を具備することを特徴とする請求項8記載の導波路型マ
    トリックス光スイッチ。
  10. 【請求項10】 前記導波路が直線から曲線に移行する
    部分、および曲線部で曲率半径が変化する部分、あるい
    は曲線部の方向が変化する部分で、導波路中心をオフセ
    ットさせて接続したことを特徴とする請求項7記載の導
    波路型マトリックス光スイッチ。
JP5845892A 1991-03-22 1992-03-16 導波路型マトリックス光スイッチ Expired - Lifetime JP2625312B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5845892A JP2625312B2 (ja) 1991-03-22 1992-03-16 導波路型マトリックス光スイッチ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8123291 1991-03-22
JP3-81232 1991-03-22
JP5845892A JP2625312B2 (ja) 1991-03-22 1992-03-16 導波路型マトリックス光スイッチ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0572575A true JPH0572575A (ja) 1993-03-26
JP2625312B2 JP2625312B2 (ja) 1997-07-02

Family

ID=26399516

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5845892A Expired - Lifetime JP2625312B2 (ja) 1991-03-22 1992-03-16 導波路型マトリックス光スイッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2625312B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5652807A (en) * 1995-08-19 1997-07-29 Nec Corporation Semiconductor optical modulator
KR20020079577A (ko) * 2001-04-11 2002-10-19 후루까와덴끼고오교 가부시끼가이샤 광합분파기
JP2003050323A (ja) * 2001-05-30 2003-02-21 Furukawa Electric Co Ltd:The 光合分波器
JP2007094440A (ja) * 2007-01-11 2007-04-12 Fujitsu Ltd 光導波路、光デバイスおよび光導波路の製造方法
CN114089551A (zh) * 2021-11-24 2022-02-25 上海安湃芯研科技有限公司 一种工作点自稳定型薄膜铌酸锂马赫曾德尔电光调制器

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5652807A (en) * 1995-08-19 1997-07-29 Nec Corporation Semiconductor optical modulator
KR20020079577A (ko) * 2001-04-11 2002-10-19 후루까와덴끼고오교 가부시끼가이샤 광합분파기
JP2003050323A (ja) * 2001-05-30 2003-02-21 Furukawa Electric Co Ltd:The 光合分波器
JP2007094440A (ja) * 2007-01-11 2007-04-12 Fujitsu Ltd 光導波路、光デバイスおよび光導波路の製造方法
CN114089551A (zh) * 2021-11-24 2022-02-25 上海安湃芯研科技有限公司 一种工作点自稳定型薄膜铌酸锂马赫曾德尔电光调制器
CN114089551B (zh) * 2021-11-24 2024-03-12 上海安湃芯研科技有限公司 一种工作点自稳定型薄膜铌酸锂马赫曾德尔电光调制器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2625312B2 (ja) 1997-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5247594A (en) Waveguide-type optical matrix switch
US7590312B2 (en) Interferometer optical switch and variable optical attenuator
Kawachi Silica waveguides on silicon and their application to integrated-optic components
US6411765B1 (en) Optical waveguide element and method for manufacturing optical waveguide element
EP1936322B1 (en) Interferometer and its fabrication method
US8488922B2 (en) Multi-channel dispersion compensator
JP2625312B2 (ja) 導波路型マトリックス光スイッチ
JP3158372B2 (ja) 導波路型光スイッチ及び導波路型マトリックス光スイッチ
JPH04212108A (ja) 導波型光分岐素子
JP2006038897A (ja) 導波路型光スイッチ単位素子および導波路型マトリクス光スイッチ
JP2001272561A (ja) 偏波無依存導波路型光回路
JP4263027B2 (ja) 導波路型光信号処理器
JP3253007B2 (ja) 導波路型光スイッチペアおよび導波路型マトリクス光スイッチ
JP2659293B2 (ja) 導波路型光スイッチ
JP3149088B2 (ja) 光導波回路
CN113424086B (zh) 光波导电路
JP3041825B2 (ja) 導波路型マトリックス光スイッチ
JP3007366B2 (ja) 導波路型マトリックス光スイッチ
US20030016938A1 (en) Planar lightwave circuit type variable optical attenuator
JP4803746B2 (ja) 導波路型光スイッチ
JP3727556B2 (ja) 光マトリクススイッチ
JPH087371Y2 (ja) 方向性結合器デバイス
JPH0743484B2 (ja) 導波路型光スイッチ
JP2001222033A (ja) 光導波路型光スイッチ
JPH0954291A (ja) 光位相シフタ及びこれを用いた光スイッチ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090411

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090411

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100411

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100411

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term