JPH05719U - 水蒸気改質器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外管内に挿通された内管を取り外すことなく
内外管間に充填された改質触媒を交換することができる
水蒸気改質器を得る。 【構成】 改質器本体１の上部に上下二段に管板２，３
を設け、その上下部管板２，３間に改質原料ガス流入室
４を、上記上部管板２上に改質ガス出口室５を形成し、
上記下部管板３に改質原料ガス流路を形成する多数の外
管８を垂下し、その各外管８内に改質ガス流路を形成す
る内管９を挿通すると共に、その上端を上記上部管板２
に支持し、かつ、内外管９，８間に改質触媒１０を充填
した水蒸気改質器において、上記上部管板２に、内外管
９，８間に充填した改質触媒１０を交換するための開閉
可能な触媒交換口１８を多数設けたことを特徴としてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、改質原料ガス流路となる外管内に、改質ガス流路となる内管が挿通 されると共に、それら内外管間に改質触媒を充填した水蒸気改質器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

水蒸気改質器は、図５に示すように、加熱流体路を形成する改質器本体１の上 部に上下二段の管板（上部管板２，下部管板３）が設けられ、上下部管板２，３ 間には改質原料ガス流入室４が、上部管板２上には改質ガス出口室５が形成され 、これら改質原料ガス流入室４，改質ガス出口室５を形成する上部本体６は改質 器本体１に下部管板３を境に取付けボルト７を介して着脱自在に接続されている 。

【０００３】 また、改質器本体１内には、改質原料ガス流路を形成する多数の外管８が上記 下部管板３に垂下され、それら各外管８内には改質ガス流路を形成する内管９が 挿通されると共に、各内管９の上端は上部管板２に支持され、かつ、内管９と外 管８間には改質触媒１０が充填されて構成されている。

【０００４】 上記水蒸気改質器は、外管８内に流入した改質原料ガス（ＣＨ₄ とＨ₂ Ｏ）が 、加熱流体で改質反応温度に加熱され、改質触媒１０で改質反応し、改質ガス（ ３Ｈ₂ ，ＣＯ）に改質され、その改質ガスは内管９を通って改質ガス出口室５か ら外部に取り出されるようになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記水蒸気改質器にあっては、内外管９，８間に充填された改質触 媒１０は次第に活性が劣化するため、劣化した改質触媒１０を除去して新たな触 媒１０と交換する必要があり、その交換を行う場合には、取付けボルト７を取り 外して上部本体６を取り外すと同時に上部管板２と共に内管９を引き抜いた後、 触媒吸引充填ノズル（図示せず）で外管８内の改質触媒１０を吸引除去して新た な改質触媒１０を充填していた。

【０００６】 しかしながら、改質触媒１０の交換の都度、面倒な上部管板２，内管９の取り 外し、取り付け作業を行うため、改質触媒１０の交換作業が長時間となるという 問題があり、装置の改善が望まれていた。

【０００７】 そこで本考案は、上記問題点を解決するために、上部管板及び内管を取り外す ことなく改質触媒の交換を短時間で行うことのできる水蒸気改質器を提供するに ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案は、改質器本体の上部に上下二段に管板を設 け、その上下部管板間に改質原料ガス流入室を、上記上部管板上に改質ガス出口 室を形成し、上記下部管板に改質原料ガス流路を形成する多数の外管を垂下し、 その各外管内に改質ガス流路を形成する内管を挿通すると共に、その上端を上記 上部管板に支持し、かつ、内外管間に改質触媒を充填した水蒸気改質器において 、上記上部管板に内外管間に充填した改質触媒を交換するための開閉可能な触媒 交換口を多数設けて構成したものである。

【０００９】

【作用】

上記構成によれば、改質触媒を交換する場合には、触媒交換口を解放し、その 触媒交換口から触媒吸引充填ノズルを挿入して内外管間の改質触媒を吸引除去し た後、新たな改質触媒を充填すればよく、改質触媒の吸引充填は遠隔的に自動操 作で行われ、改質触媒充填終了後、触媒交換口は閉鎖される。

【００１０】 このように、上部管板及び内管を取り外すことなく改質触媒の交換ができるの で、触媒の交換作業が短時間で容易に行うことができる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。

【００１２】 図１〜図３は本考案の水蒸気改質器の実施例を説明するものである。

【００１３】 図１において、１は改質器本体で、改質器本体１は有底筒状に形成されると共 に、その下部には加熱流体を導入する加熱流体導入口１１が、上部には加熱流体 排出口１２が設けられている。

【００１４】 上記改質器本体１の上部には、上下二段に管板（上部管板２，下部管板３）が 設けられ、上下部管板２，３間には改質原料ガス流入口１３を有する改質原料ガ ス流入室４が、上部管板２上には改質ガス出口１４を有する改質ガス出口室５が 形成されており、これら改質原料ガス流入室４、改質ガス出口室５を形成する上 部本体６は、改質器本体１に下部管板３を境に取付けボルト７を介して着脱自在 に接続されると共に、上端部には上部蓋１５が取付けボルト１６を介して着脱自 在に取り付けられている。

【００１５】 上記下部管板３には、図２に示すように、改質原料ガス流路を形成する多数の 外管８が互いに正三角形状になるよう配列されて垂下され、それら外管８は、改 質器本体１内に間隔を隔てて設けられた邪魔板１７に支持されている。また、各 外管８内には改質ガス流路を形成する内管９が挿通されると共に、その内管９の 上端は外管８から上方に延出されて上部管板２に支持されており、内管９と外管 ８間には改質触媒１０が充填されている。

【００１６】 本考案におて、上記上部管板２には、内外管９，８間に充填した改質触媒１０ を交換するための開閉可能な触媒交換口１８が多数設けられる。

【００１７】 上記触媒交換口１８は、図３に示すように、上部管板２に、内管９の正三角形 状配列のほぼ中心位置に間欠的に開口されており、その触媒交換口１８上には、 図４に示すようにスリーブ１９が設けられると共に、そのスリーブ１９の上端部 にはフランジ２０を介して着脱自在な開閉蓋２１が取付けボルト２２で締結され ている。

【００１８】 次に上記実施例の作用を説明する。

【００１９】 改質原料ガス流入室４から内外管９，８間に流入した改質原料ガス（ＣＨ₄ と Ｈ₂ Ｏ）は、改質器本体１内を流れる加熱流体で改質反応温度に加熱され、改質 触媒１０で改質反応し改質ガス（３Ｈ₂ ，ＣＯ）に改質され、内管９内を通って 改質ガス出口室５から外部に供給される。

【００２０】 上記運転で活性劣化した改質触媒１０を交換する場合には、上部本体３の上部 蓋１５を開放した後、開放した触媒交換口１８から触媒吸引充填ノズル（図示せ ず）を挿入し、内外管９，８間の改質触媒１０を吸引除去して新たな改質触媒１ ０を充填すればよく、その触媒吸引充填ノズルの操作は、遠隔的に自動操作又は 手動操作で行われ、触媒充填終了後は触媒交換口１８を閉鎖する。

【００２１】 このように、触媒交換口１８から挿入した触媒吸引充填ノズルで改質触媒１０ の交換を行うので、従来の装置のような上部管板２，内管９の取り外し、取り付 け作業を行うことなく改質触媒１０の交換を行うことができ、その交換作業を短 時間で容易になし得る。

【００２２】 また、触媒交換口１８は上部管板２に開口するだけなので、改質器本体１内の 加熱流体空間を大気中に曝さずに触媒交換作業を行うことができる。

【００２３】

【考案の効果】

以上要するに本考案によれば、上部管板に触媒交換口を設けたので、上部管板 ，内管等の取り外し、取り付け作業を行うことなく改質触媒の交換を遠隔的に自 動操作で行うことができ、その交換作業を短時間に容易になし得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の水蒸気改質器の実施例を説明する断面
図である。

【図２】内外管の配列を説明する水平断面図である。

【図３】触媒交換口の配列を説明する水平断面図であ
る。

【図４】触媒交換口の詳細断面図である。

【図５】従来例を説明する断面図である。

【符号の説明】

１ 改質器本体 ２ 上部管板 ３ 下部管板 ４ 改質原料ガス流入室 ５ 改質ガス出口室 ８ 外管 ９ 内管 １０ 改質触媒 １８ 触媒交換口

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 改質器本体の上部に上下二段に管板を設
   け、その上下部管板間に改質原料ガス流入室を、上記上
   部管板上に改質ガス出口室を形成し、上記下部管板に改
   質原料ガス流路を形成する多数の外管を垂下し、その各
   外管内に改質ガス流路を形成する内管を挿通すると共
   に、その上端を上記上部管板に支持し、かつ、内外管間
   に改質触媒を充填した水蒸気改質器において、上記上部
   管板に内外管間に充填した改質触媒を交換するための開
   閉可能な触媒交換口を多数設けたことを特徴とする水蒸
   気改質器。