JPH0571126U - 異径壜の収納に適する包装箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、壜を体裁良く収納できるようにす
るとともに、壜の包装に要する費用を割安にすることが
でき、しかも、資源の再利用を促進し、ゴミとして出す
ばあいにも分別処理を容易とするようにした異径壜の収
納に適する包装箱を提供しようとするものである。 【構成】 角形の箱本体内に断面Ｕ字形でその長さ方向
の一端に壜首保持部が形成された壜区分材が装着され、
壜区分材と箱本体の端面との間に壜の各頭頂部と係合す
る係合穴を備えた位置決め部材が挿入され、壜区分材の
上側に、左右両端部が箱本体の側面と壜区分材との間に
装着されるシート状の壜受け座が、両側を挟持して取り
付けられ、壜受け座は壜の肩部に相当する部分に各頂点
に丸味を有する三角形状の切り抜き部が設けられるとと
もに、切り抜き部の下側にその底辺側中央から箱本体の
端面側中央に達する切断線が設けられた構成としたこと
を特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、贈答用等に使用される包装箱に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、壜を箱内に収納する場合には、壜の断面形状に合わせて穴部を形成した 壜受け部材を長方形状の箱内に装着し、壜受け部材の表面全体に布製生地を敷き 、その上に壜を載置して包装することが行われていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、壜受け部材の表面に布製生地を敷く場合には、壜受け部材の他 に布製生地が必要になるため、壜の包装に要する費用が割高になる不都合があっ た。また近時、資源の再利用が重要視されているところ、壜受け部材の表面に布 製生地を敷いたものでは、紙製の部分と布製の部分とを分別してから再利用しな ければならず、再利用が円滑に行われない。さらに、再利用しないでゴミとして 処理する場合においても、紙部分と布製部分とは分別して出すことを要求される ことが多く、特に布製部分が合成繊維製の布である場合は、紙部分と布部分とを 分別することを要求される。従来の包装箱では、分別処理に手間がかかり十分行 われず、環境上問題があった。

【０００４】 本考案はこれらの事情に鑑みてなされたもので、壜の包装に要する費用を割安 にすることができる異径壜の収納に適し、しかも、資源の再利用を促進し、ゴミ として処理されるばあいにおいても分別を容易として環境を阻害することがない 包装箱の提供を目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記目的を達成すべくなされたもので、角形の箱本体と、その内部 に装着される断面Ｕ字形の壜区分材と、壜区分材の長さ方向の一体に挿入される 位置決め部材と、壜区分材の左右両側に挟持した状態で保持される壜受け座とか らなる包装箱において、壜区分材は、その長さ方向に沿う折り目に沿ってＵ字形 に形成され、位置決め部材は、壜の頭頂部と対応する位置に壜の頭頂部と係合す る係合穴が設けられ、壜受け座は、壜の肩部に相当する部分に各頂点に丸味を有 する三角形状の切り抜き部が設けられるとともに、その底辺側中央から箱本体の 端面側中央に達する切断線が設けられていることを特徴とする異径壜の収納に適 する包装箱としたものである。

【０００６】

【作用】

壜の頭頂部を位置決め部材の係合穴に係合するように傾斜させて包装箱の内側 に押し込むと、切断線によって２つに分離された切り抜き部より下側の壜受け座 は、壜の胴体部分の寸法の大きさに関係なく、胴体部分に接触した状態で左右に 押し拡げられ、円錐傾斜面を有する壜の肩部は、三角形状の切り抜き部に当接し て適合した状態となる。また、壜の頭頂部は、包装箱の一方の端面の内側に位置 する位置決め部材の係合穴と係合して壜を移動しないように保持する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案に係る実施例を図面に基づいて説明する。 図１ないし図７は本考案の一実施例を示したもので、包装箱１は角形の箱本体 ２と、その内部に装着される断面Ｕ字形の壜区分材３と、この壜区分材３の長さ 方向の一端に挿入される位置決め部材４と、前記壜区分材３の上側で左右両端部 を箱本体２の側面と壜区分材３とによって一部湾曲した状態に保持される壜受け 座５とから主として構成されている。

【０００８】 箱本体２はダンボールなどの紙材や板材、またはその他の材料を用いて作られ 、長方形に形成された前面は開口されている。

【０００９】 壜区分材３は、ダンボールなどの紙材を用いてＵ字形に折り曲げ可能に形成さ れている（図４参照）。図３は壜区分材３の展開図の一例を示したものである。 この実施例では、包装箱１内に２本の壜を収納する場合について説明したが、 断面Ｕ字形の壜収納部を１または３以上にすると、１本または３本以上の壜を収 納する包装箱１とすることができる。

【００１０】 位置決め部材４は、壜の頭頂部を係止し得る厚さに作られ、包装箱１内に収納 される各壜の頭頂部と対応する各位置にそれぞれの壜の頭頂部と係合する係合穴 ４ａ，４ａが設けられている。位置決め部材４は各種材料を用いて作ることがで きるが、ダンボールなどの紙材を用いる場合には、巻き込む形で３枚重ねとなる ように折り曲げた後、係合穴４ａ，４ａを貫通すればよい（図６参照）。この位 置決め部材４は、壜首保持部３ｂが形成される壜区分材３の一端を箱本体２の端 面より若干短くなるように形成した切り欠き部３ｃに挿入され、壜区分材３のＵ 字形の両端立ち上がり部によって係止される。

【００１１】 壜受け座５は、表面全体を設定された色合い、または模様により包装に適した 仕上げが施された薄手のシート部材で、断面Ｕ字形の壜区分材３に装着される部 分の幅寸法Ｗは、Ｕ字形溝部の幅寸法Ｗ₀ より若干広く、Ｕ字形溝部の一部にお いて凹に湾曲される。壜受け座５は、２Ｗの幅寸法の両側にほぼ箱本体２の端面 間の長さを有する装着部５ｃ，５ｃが設けられており、幅寸法２Ｗの長さ方向の 両端は、位置決め部材４や後述する壜底受け部材６の厚さに相当する寸法の切り 欠き５ｄ，５ｅが形成されている（図５参照）。

【００１２】 壜受け座５は、収納される各壜の肩部に相当する部分に各頂点に丸味を有する 三角形状の切り抜き部５ａ，５ａが設けられている。切り抜き部５ａ，５ａは、 底辺側の中央から箱本体２の端面側中央に達する切断線５ｂ，５ｂが設けられて いる。 三角形状の切り抜き部５ａには、三角形状の底辺に相当する部分を中央部にお いて若干下側に折り曲げた三角形状に近い四角形（図１，図５の二点鎖線参照） も含まれる。

【００１３】 位置決め部材４と対向する箱本体２の端面側には、各種材料を用いて作られた 壜底受け部材６が挿入されている。壜底受け部材６がダンボールなどの紙材を用 いて作られる場合には、狭い間隔でＵ字形に折り曲げられた底辺部を上にして壜 区分材３の下側の切り欠き３ｄと壜受け座５の切り欠き５ｅの部分に挿入すれば よく、壜底受け部材６の左右両端は、箱本体２の端面と壜区分材３とによって形 成される形状と同じ形状に形成される（図７参照）。

【００１４】 包装箱１は、贈り物として用いられる場合には、箱本体２と同じ材料で作られ た蓋によって開口部が塞がれ、展示用の場合には、開口部に透明なフィルムを貼 り付けて用いられる。

【００１５】 次に、上記構成の包装箱１に壜を収納する場合の動作について説明する。 包装箱１内への壜の収納は、壜の頭頂部を位置決め部材４の係合穴４ａに係合 するように傾斜させた状態で壜の胴部を包装箱１の内側に押し込むことにより行 われる。包装箱１内に押し込まれた壜の胴部は、三角形状の切り抜き部５ａより 下側の壜受け座５と接触するが、この部分の壜受け座５は、切断線５ｂによって ２つに分離されて変形可能な構成となっているため、切断線５ｂの両側の壜受け 座５は、壜の胴体部分によって押圧された分だけ弾性変形し、常時、壜の胴体部 分に接続した状態で左右に押し拡げられる。

【００１６】 壜の胴部が包装箱１内に収納された状態では、円錐傾斜面を有する壜の肩部は 、三角形状の切り抜き部５ａの２つの斜辺の外側を押圧して、壜の肩部を三角形 状の切り抜き部５ａに適合させる。また、この状態になると、壜の頭頂部は位置 決め部材４の係合穴４ａ内に位置するため、包装箱１内に収納された壜は、壜の 頭頂部と係合する係合穴４ａにより横方向への移動を防止される。 そして、包装箱１の構成が簡単な上に、壜受け座５に布製生地を貼り付ける必 要がないため、壜の包装に要する費用を割安にすることができる。

【００１７】

【考案の効果】 本考案によれば、箱本体内に装着される断面Ｕ字形の壜区分材の上側に、壜の 肩部に相当する部分に三角形状の切り抜き部が設けられるとともに、その底辺側 の中央から箱本体の端面側中央に達する切断線を備えた壜受け座が、壜区分材の 両側に挟持された状態で設けられ、箱本体の端面側に壜の頭頂部と係合する係合 穴を備えた位置決め部材が装着されているので、高さが同じ壜を体裁良く１つの 包装箱内に収納することができるとともに、包装箱の構成を簡単にして壜の包装 に要する費用を割安にすることができる。しかも、包装箱内に収納された壜は、 その頭頂部が位置決め部材に設けられた係合穴によって係止されるため、壜の横 方向への移動を防止することができる。

【００１８】 しかも、近時重要視されている資源の再利用についても、包装箱全体を紙製と しているので、分別することなく再利用に利用することができ、かつ、ごみとし て処理されるばあいにも、分別して出す必要がなく処理が容易であるとともに環 境上も好適なものであるとともに従来の化粧された包装箱と同等の高級感を保持 させることができるので、贈答用等の包装箱として好適なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す正面図である。

【図２】図１のII−II断面図である。

【図３】壜区分材の一例を示す展開平面図である。

【図４】壜区分材の組立て時の状態を示す斜視図であ
る。

【図５】壜受け座の一例を示す展開平面図である。

【図６】位置決め部材の一例を示す斜視図である。

【図７】壜底受け部材の一例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 包装箱 ２ 箱本体 ３ 壜区分材 ４ 位置決め部材 ４ａ 係合穴 ５ 壜受け座 ５ａ 三角形状の切り抜き部 ５ｂ 切断線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 角形の箱本体と、その内部に装着される
   断面Ｕ字形の壜区分材と、壜区分材の長さ方向の一端に
   挿入される位置決め部材と、壜区分材の左右両側に挟持
   した状態で保持される壜受け座とからなる包装箱におい
   て、 壜区分材は、その長さ方向に沿う折り目に沿ってＵ字形
   に形成され、 位置決め部材は、壜の頭頂部と対応する位置に壜の頭頂
   部と係合する係合穴が設けられ、 壜受け座は、壜の肩部に相当する部分に各頂点に丸味を
   有する三角形状の切り抜き部が設けられるとともに、そ
   の底辺側中央から箱本体の端面側中央に達する切断線が
   設けられていることを特徴とする異径壜の収納に適する
   包装箱。