JPH0570922A - 複合材の無機化合物による封孔処理法 - Google Patents

複合材の無機化合物による封孔処理法

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JPH0570922A
JPH0570922A JP28741291A JP28741291A JPH0570922A JP H0570922 A JPH0570922 A JP H0570922A JP 28741291 A JP28741291 A JP 28741291A JP 28741291 A JP28741291 A JP 28741291A JP H0570922 A JPH0570922 A JP H0570922A
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JP
Japan
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composite material
coating film
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sol
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JP28741291A
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Koichi Moriya
公一 守屋
Toshikazu Tomino
寿和 冨野
Yukinori Kamitaka
幸則 神高
Takuo Hara
卓雄 原
Akira Omori
明 大森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材と被覆膜からなる複合材において、無機
化合物を、基材と被覆膜の界面に生成させて、被覆膜の
貫通気孔を減少させようとするものである。 【構成】 基材表面に被覆膜を形成させた、基材と被覆
膜からなる複合材に、ゾル・ゲル法を用い該ゾル・ゲル
法の浸漬操作時に、超音波処理または減圧処理を加えた
後、乾燥させ、さらに150〜1500℃の温度下で一
定時間保持することで、基材と被覆膜の界面に無機化合
物を生成させ、被覆膜の貫通気孔を減少させることを特
徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業用機械装置に用い
られる部材の表面改質法に関するもので、基材表面に被
覆膜を形成させた、基材と被覆膜からなる複合材におい
て、基材と被覆膜の界面に無機化合物を生成させること
で、被覆膜の貫通気孔を減少させる封孔処理法に係るも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、前記複合材の封孔処理法は、樹脂
などの有機化合物を用いたものがほとんどであり、その
有機化合物を封孔したい部材に塗布したり、あるいは部
材自身を有機化合物の溶液中に浸漬することで、被覆膜
の貫通気孔を含む気孔内にしみ込ませたのち、乾燥さ
せ、場合によっては、加熱して有機化合物を固化させる
方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の有機化合物によ
る封孔処理法では、大部分の有機化合物が被覆膜の表面
で固化し、被覆膜内部の気孔に十分に浸透させることが
困難なため、耐摩耗性に問題があり、しかも、封孔剤が
有機化合物であるため熱に弱く、高温になると分解して
封孔が壊れる欠点があり、また耐候・耐久性に問題があ
って長期間の封孔維持は不可能であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の欠点を改
善すべく、表面処理法によって基材表面に被覆膜を形成
させた、基材と被覆膜からなる複合材を、ゾル・ゲル法
を用い、ゾル溶液に浸漬中に超音波処理を加えたのち、
乾燥させ、さらに150〜1500℃の温度下で一定時
間保持することを特徴とするものであり、また前記の超
音波処理に代えて、減圧処理や、超音波処理及び減圧処
理を行うことを特徴とするものである。
【0005】
【作用】複合材をゾル溶液に浸漬するとともに、超音波
処理あるいは減圧処理を加えるため、溶液中のゾルは加
水分解され、重合し高分子化する。そして、該複合材を
乾燥させると、ゾルはゲルに変化し、さらに、最終の1
50〜1500℃の温度下で一定時間保持することで有
機分が分解して、ゲルは無機化合物になる。またこれら
の反応は浸漬時に超音波処理あるいは減圧処理を加える
ため、特に被覆膜と基材との界面で、激しく起こり、優
先的に基材を被覆成膜することとなる。この結果、被覆
膜と基材間の貫通気孔が大幅に減少する。
【0006】
【実施例】実施例1として、超音波処理をゾル・ゲル法
に併用した封孔処理法について説明する。基材として圧
延鋼材(SS400)を用い、その表面をブラストした
後アルミナを溶射して被覆膜を形成させた。その膜厚
は、約250μmであった。つぎに、この基材と被覆膜
からなる複合材に以下の手順で封孔処理を施した。
【0007】ゾル溶液の調製:水90mlに対し、金
属アルコキシドのアルミニウムイソプロポキシドを1
0.22gの割合で加え、同時にHCl(1+1)溶液
を0.5ml加えた後、約30分間攪はん・混合し、さ
らにHCl(1+1)1.2mlを加えて、75℃の恒
温槽中で約1時間攪はん・混合して、ゾル溶液とする。
【0008】浸漬・超音波処理:アセトン中で脱脂・
洗浄した複合材を、上記ゾル溶液中に浸漬し、同時に超
音波処理を約10分間加え、ゾル溶液の重合を促進させ
ると共に、基材界面、特に貫通気孔面にアルミナゾルを
結合させ成膜させる。
【0009】乾燥:複合材をゾル溶液中から取り出し
て、自然乾燥させた後、乾燥機中で105℃の温度で3
0分間乾燥させ、成膜させたゾルをゲル体とする。
【0010】熱処理:乾燥させた複合材を、電気炉中
で500℃の温度で、1時間加熱する。
【0011】次に、実施例2として、減圧処理をゾル・
ゲル法に併用した封孔処理法について説明する。複合材
は実施例1と同じもので、以下の手順で封孔処理を施し
た。
【0012】ゾル溶液の調製:水90mlに対し、金
属アルコキシドのアルミニウムイソプロポキシドを1
0.22gの割合で加え、同時にHCl(1+1)溶液
を0.5ml加えた後、約1時間攪はん・混合し、さら
に、HCl(1+1)10mlを加えて、40℃の恒温
下で超音波処理を約2時間行なって攪はん・混合し、ゾ
ル溶液とする。
【0013】浸漬・減圧処理:エタノール中で脱脂・
洗浄した複合材を、上記ゾル溶液中に浸漬し、同時にア
スピレータによる減圧処理を約10分間加え、ゾル溶液
の重合を促進させると共に、基材界面、特に貫通気孔面
にアルミナゾルを結合させ成膜させる。
【0014】乾燥:複合材をゾル溶液から取り出し
て、自然乾燥させた後、乾燥機中で、90℃の温度で1
時間乾燥させ、成膜させたゾルをゲル体とする。
【0015】熱処理:乾燥させた複合材を、電気炉中
で、500℃の温度で1時間加熱する。
【0016】次に、実施例3として超音波処理及び減圧
処理を、ゾル・ゲル法に併用した封孔処理法について説
明する。基材としてアルミニウムを用い、その表面をブ
ラストした後チタニアを溶射して被覆膜を形成させた。
その膜厚は、約310μmであった。そして、以下の手
順で封孔処理を行った。
【0017】ゾル溶液の調製:水100mlに、ケイ
酸ソーダ56.5gを加え、約30分間攪はん・混合し
ゾル溶液とする。
【0018】浸漬・超音波,減圧処理:エタノール中
で脱脂・洗浄した複合材を、上記ゾル溶液中に浸漬し、
同時に超音波処理を約5分間加え、その後アスピレータ
による減圧処理を約2時間加えて、ゾル溶液の重合を促
進させると共に、基材界面、特に貫通気孔面にシリカゾ
ルを結合させ成膜させる。 乾燥・熱処理:複合材をゾル溶液から取り出して、自
然乾燥させた後、乾燥機中で、150℃の温度で2時間
加熱する。
【0019】次に成果を確認するため、未封孔の複合材
及び該複合材に、本発明の封孔処理を施した実施例1の
複合材の貫通気孔率を、大阪大学溶接工学研究所大森明
助教授他が開発した電気化学的方法(大森明他:高温学
会誌,16(1990)332)で測定した。図1にお
いて、(1)は封孔をしていない複合材、(2)は本発
明の封孔処理を施した複合材、(3)は界面で成膜によ
る封孔が行われているのを見るため、本発明による封孔
処理を施した後、研磨してアルミナ溶射膜を約200μ
m除いた複合材の測定結果である。この結果から、基材
の界面で成膜されているのが観測される。また、実施例
2及びその他の実施例を図2において説明する。図2
で、(1)は封孔していない実施例2の複合材、(2)
は本発明の減圧による封孔処理を施した実施例2の複合
材、(3)は実施例2のゾル溶液を用い、本発明の超音
波による封孔処理を施した複合材、(4)は本発明の実
施例2の減圧による封孔処理を2回施した複合材の、前
記電気化学的方法による貫通気孔率の測定結果である。
また、実施例3を図3,4において説明する。図3は本
発明の実施例3の封孔処理を施した後、研磨してチタニ
ア溶射膜を約250μm除いた複合材表面の電子顕微鏡
写真である。図4は、封孔が基材界面で行われているの
を見るため、前記と同じ処理を施した複合材表面につい
て、X線マイクロアナライザーでSi元素を面分析した
結果である。
【0020】なお、前記実施例は、金属の基材にセラミ
ックスの被覆膜を形成させた複合材の例であるが、これ
をセラミックスの基材に金属又はセラミックスの被覆膜
を形成させた複合材でも、同等の作用効果を有するもの
である。それは、基材がセラミックスの場合、金属に比
べて無機化合物と濡れがよく、より強固に結合するた
め、基材が金属である複合材に比べて、よりよい封孔の
結果が期待できるためである。また、金属の基材に金属
の被覆膜を形成させた複合材でも、同等の作用効果を有
する。なぜなら、被覆膜がセラミックスから金属になっ
ているため、被覆膜と基材の界面での無機化合物による
被覆成膜が強固に行われるためである。
【0021】また、前記実施例では、いずれも被覆膜が
単層であるが、金属とセラミックスや、金属と金属、ま
たはセラミックスとセラミックスの組合せの、湿式めっ
き法や乾式気相めっき法で成膜させた積層膜でも、同等
の作用効果を有するものである。これは、作用の項で述
べたたように、封孔が基材と被覆膜の界面で優先的に行
われることから明かである。
【0022】
【発明の効果】貫通気孔を有する複合材に、本発明の封
孔処理を施すことで、その貫通気孔が大幅に減少し、そ
の結果、耐食性、耐熱性及び耐候性を有する複合材の製
造が可能となり、広範囲な産業用機械部材への適用が行
え、大きな経済効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】未封孔の複合材及び実施例1の複合材の貫通気
孔率を示すグラフである。
【図2】未封孔の複合材、実施例2の複合材及び他の実
施例の複合材の貫通気孔率を示すグラフである。
【図3】本発明の封孔処理を施した後、研磨処理した実
施例3の複合材表面の電子顕微鏡写真である。
【図4】本発明の封孔処理を施した後、研磨処理した実
施例3の複合材表面のX線マイクロアナライザーによる
面分析結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 卓雄 香川県仲多度郡琴平町685−23 (72)発明者 大森 明 大阪府吹田市江の木町12−5−516

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面処理法によって基材表面に被覆膜を
    形成させた、基材と被覆膜からなる複合材を、ゾル・ゲ
    ル法を用い、ゾル溶液に浸漬中に超音波処理を加えたの
    ち、乾燥させ、さらに150〜1500℃の温度下で一
    定時間保持することを特徴とする複合材の無機化合物に
    よる封孔処理法。
  2. 【請求項2】 超音波処理が減圧処理である請求項1記
    載の複合材の無機化合物による封孔処理法。
  3. 【請求項3】 超音波処理が超音波処理及び減圧処理で
    ある請求項1記載の複合材の無機化合物による封孔処理
    法。
JP28741291A 1991-08-09 1991-08-09 複合材の無機化合物による封孔処理法 Pending JPH0570922A (ja)

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