JPH0570901A - Fe基軟磁性合金 - Google Patents
Fe基軟磁性合金Info
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- JPH0570901A JPH0570901A JP3262733A JP26273391A JPH0570901A JP H0570901 A JPH0570901 A JP H0570901A JP 3262733 A JP3262733 A JP 3262733A JP 26273391 A JP26273391 A JP 26273391A JP H0570901 A JPH0570901 A JP H0570901A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 100kHzを越えるような高周波における
周波数特性に優れるFe基軟磁性合金を提供する。 【構成】 Feba1.Cu1Nb3Si14.5B9(at%)
の組成の合金溶湯を単ロール法により急冷し、幅5m
m、厚さ18μmのアモルファス合金薄帯を作製し、こ
の合金薄帯表面にAl2O3を被覆した後外径15mm、
内径13mmに巻回しトロイダル磁心を作製した。この
磁心に結晶化熱処理を施し、熱処理後の10MHzの透
磁率μ10Mを測定した。測定値としてμ10M=850が得
られた。この合金のミクロ組織を透過電子顕微鏡により
観察したところ、合金は結晶化しており平均粒径は約1
20オングストロームであり、メスバウァー効果により
解析した結果過飽和Fe−B固溶相が体積で23%含ま
れていることが確認された。
周波数特性に優れるFe基軟磁性合金を提供する。 【構成】 Feba1.Cu1Nb3Si14.5B9(at%)
の組成の合金溶湯を単ロール法により急冷し、幅5m
m、厚さ18μmのアモルファス合金薄帯を作製し、こ
の合金薄帯表面にAl2O3を被覆した後外径15mm、
内径13mmに巻回しトロイダル磁心を作製した。この
磁心に結晶化熱処理を施し、熱処理後の10MHzの透
磁率μ10Mを測定した。測定値としてμ10M=850が得
られた。この合金のミクロ組織を透過電子顕微鏡により
観察したところ、合金は結晶化しており平均粒径は約1
20オングストロームであり、メスバウァー効果により
解析した結果過飽和Fe−B固溶相が体積で23%含ま
れていることが確認された。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種トランス、チョ
ークコイル、可飽和リアクトル、磁気ヘッド等の磁心、
その他磁性部品に用いられるFe基軟磁性合金に関し、
特に微細結晶粒からなるFe基軟磁性合金に関する。
ークコイル、可飽和リアクトル、磁気ヘッド等の磁心、
その他磁性部品に用いられるFe基軟磁性合金に関し、
特に微細結晶粒からなるFe基軟磁性合金に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種磁心としては、フェライトや
珪素鋼等からなる磁心が広く一般に用いられてきた。フ
ェライトは高周波における磁心損失が低いため特に10
0kHz以上の高周波領域で使用されている。一方珪素
鋼は飽和磁束密度が高く低周波では磁心を他の材料に比
べ小型化できるため数kHz以下の周波数帯で主に使用
されている。しかし、フェライトについては飽和磁束密
度が低く温度特性が悪いという欠点があり、一方、珪素
鋼については高周波における磁心損失が大きく、透磁率
も低いという欠点があった。このため、フェライト及び
珪素鋼ともにその特性に応じて用途が限定されるという
問題があった。
珪素鋼等からなる磁心が広く一般に用いられてきた。フ
ェライトは高周波における磁心損失が低いため特に10
0kHz以上の高周波領域で使用されている。一方珪素
鋼は飽和磁束密度が高く低周波では磁心を他の材料に比
べ小型化できるため数kHz以下の周波数帯で主に使用
されている。しかし、フェライトについては飽和磁束密
度が低く温度特性が悪いという欠点があり、一方、珪素
鋼については高周波における磁心損失が大きく、透磁率
も低いという欠点があった。このため、フェライト及び
珪素鋼ともにその特性に応じて用途が限定されるという
問題があった。
【0003】近時、以上の従来の磁心材料における問題
を解消するために、飽和磁束密度が高く比較的高周波特
性に優れたFe基アモルファス合金やCo基アモルファ
ス合金が磁心材料としての用途に使用されている。Fe
基アモルファス合金は、特に高周波領域において軟磁気
特性が珪素鋼より優れるという利点を有し、一方Co基
アモルファス合金は軟磁気特性に優れ磁歪が小さいとい
う利点を有する。更に以上の各磁心材料の他に特開平1-
110707号にはFe基の微結晶合金が優れた高周波特性を
示すことが記載されている。
を解消するために、飽和磁束密度が高く比較的高周波特
性に優れたFe基アモルファス合金やCo基アモルファ
ス合金が磁心材料としての用途に使用されている。Fe
基アモルファス合金は、特に高周波領域において軟磁気
特性が珪素鋼より優れるという利点を有し、一方Co基
アモルファス合金は軟磁気特性に優れ磁歪が小さいとい
う利点を有する。更に以上の各磁心材料の他に特開平1-
110707号にはFe基の微結晶合金が優れた高周波特性を
示すことが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかし、以上の各磁
心材料については更に次のような問題があった。Fe基
アモルファス合金については、軟磁気特性が特に高周波
領域においては珪素鋼より優れてはいるものの十分であ
るとはいえず、また磁歪が著しく大きいという問題があ
る。一方Co基アモルファス合金は特に使用温度が高く
なると透磁率、磁心損失等の経時変化が大きいという欠
点があり実用上問題がある。
心材料については更に次のような問題があった。Fe基
アモルファス合金については、軟磁気特性が特に高周波
領域においては珪素鋼より優れてはいるものの十分であ
るとはいえず、また磁歪が著しく大きいという問題があ
る。一方Co基アモルファス合金は特に使用温度が高く
なると透磁率、磁心損失等の経時変化が大きいという欠
点があり実用上問題がある。
【0005】さらに特開平1-110707号に記載されたFe
基の微結晶合金も含めて、これらの合金は、100kH
zを越えるような周波数領域では周波数特性が十分でな
く一層の特性改善が望まれていた。したがってこの発明
は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたもので
あって、100kHzを越えるような高周波における周
波数特性に優れるFe基軟磁性合金を提供することを目
的とする。
基の微結晶合金も含めて、これらの合金は、100kH
zを越えるような周波数領域では周波数特性が十分でな
く一層の特性改善が望まれていた。したがってこの発明
は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたもので
あって、100kHzを越えるような高周波における周
波数特性に優れるFe基軟磁性合金を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明の発明者らは、平均粒径が500オングスト
ローム以下である結晶粒からなる合金であり、少なくと
も一部の結晶粒にに過飽和Fe−B固溶相を含有するF
e基軟磁性合金が特に100kHzを越える周波数領域
において優れた高周波磁気特性を示すことを見いだしこ
の発明に想倒した。
にこの発明の発明者らは、平均粒径が500オングスト
ローム以下である結晶粒からなる合金であり、少なくと
も一部の結晶粒にに過飽和Fe−B固溶相を含有するF
e基軟磁性合金が特に100kHzを越える周波数領域
において優れた高周波磁気特性を示すことを見いだしこ
の発明に想倒した。
【0007】すなわちこの発明は、平均粒径が500オ
ングストローム以下である結晶粒を含み、少なくとも一
部の結晶粒に過飽和Fe−B固溶相を含有するFe基軟
磁性合金を提供する。
ングストローム以下である結晶粒を含み、少なくとも一
部の結晶粒に過飽和Fe−B固溶相を含有するFe基軟
磁性合金を提供する。
【0008】この発明においては、結晶粒の平均粒径は
500オングストローム以下に調製される。この理由は
平均粒径が500オングストロームを越えると高周波磁
気特性が著しく悪くなるためである。結晶粒の平均粒径
は好ましくは20〜30オングストローム、最も好まし
くは50〜200オングストロームとするのが良い。
500オングストローム以下に調製される。この理由は
平均粒径が500オングストロームを越えると高周波磁
気特性が著しく悪くなるためである。結晶粒の平均粒径
は好ましくは20〜30オングストローム、最も好まし
くは50〜200オングストロームとするのが良い。
【0009】ここにこの発明にいう、平均粒径の測定法
としては線分法、X線の半価幅より求める方法、等があ
る。前記過飽和Fe−B固溶相は高周波磁気特性を良好
にするために必要であり、過飽和Fe−B固溶相が存在
しないと、特に100kHzを越える高周波領域におい
て十分な特性が得られない。
としては線分法、X線の半価幅より求める方法、等があ
る。前記過飽和Fe−B固溶相は高周波磁気特性を良好
にするために必要であり、過飽和Fe−B固溶相が存在
しないと、特に100kHzを越える高周波領域におい
て十分な特性が得られない。
【0010】この過飽和Fe−B固溶相は特に好ましく
は合金全体に対し10〜30%の比率で存在する様にす
るのが良い。本発明において前記結晶粒はFe−Si相
を含む場合がある。このFe−Si相は磁歪を低減する
作用や結晶磁気異方性を低減し、透磁率を向上する作用
がある。このFe−Si相とFe−B固溶相とが共存す
る場合の両者の存在形態については、両者が同一結晶粒
内に存在するのか、または各相がそれぞれ別個の結晶粒
内に存在するのか明確となっていない。このFe−Si
相は合金全体に対し30〜70%の比率で存在する様に
するのが望ましい。
は合金全体に対し10〜30%の比率で存在する様にす
るのが良い。本発明において前記結晶粒はFe−Si相
を含む場合がある。このFe−Si相は磁歪を低減する
作用や結晶磁気異方性を低減し、透磁率を向上する作用
がある。このFe−Si相とFe−B固溶相とが共存す
る場合の両者の存在形態については、両者が同一結晶粒
内に存在するのか、または各相がそれぞれ別個の結晶粒
内に存在するのか明確となっていない。このFe−Si
相は合金全体に対し30〜70%の比率で存在する様に
するのが望ましい。
【0011】またこの発明のFe基軟磁性合金は、熱処
理条件や組成を調製することによってアモルファス相が
一部に含まれる場合がある。しかし、このアモルファス
相があまり多く存在すると高周波特性が劣化するため、
最大でも50%以下とすべきである。
理条件や組成を調製することによってアモルファス相が
一部に含まれる場合がある。しかし、このアモルファス
相があまり多く存在すると高周波特性が劣化するため、
最大でも50%以下とすべきである。
【0012】またFe−Si相には一部に規則相が存在
する場合がある。この場合も高透磁率での優れた軟磁気
特性を得ることができる。ここでこの規則相とはX線解
析等によってその存在が認識され得る。
する場合がある。この場合も高透磁率での優れた軟磁気
特性を得ることができる。ここでこの規則相とはX線解
析等によってその存在が認識され得る。
【0013】さらにこの発明のFe基軟磁性合金は、組
成式:(Fe1-aMa)100-x-y-z-α-β-γAxSiyBz
M’αM’’βXγ(at%)(但し、MはCo及び/
またはNiであり、AはCu、Ag、Auから選ばれる
少なくとも一種の元素、M’はNb,Mo,Ta,T
i,Zr,Hf,V及びWからなる群から選ばれた少な
くとも1種の元素、M’’はCr,Mn,Al,白金族
元素、Sc,Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた
少なくとも1種の元素、XはC、Ge、P、Gaからな
る群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、a,
x,y,z,α,β及びγはそれぞれ0≦a≦0.5,
0.1≦x≦10,0≦y≦30,0<z≦30,0≦
α≦20,0≦β≦20,0≦γ≦20を満たす。)に
より表される組成からなる様にするのが好ましい。この
合金系では特に優れた高周波磁気特性が得られるからで
ある。また、a,x,y,z,α,β及びγはそれぞれ
0≦a≦0.1,0.1≦x≦3,0≦y≦25,2≦
z≦25,1≦α≦10,0≦β≦10,0≦γ≦10
とするのがさらに好ましく、さらにa,x,y,z,
α,β及びγはそれぞれ0≦a≦0.05,0.5≦x
≦2,10≦y≦20,3≦z≦18,2≦α≦10,
0≦β≦5,0≦γ≦5とするのが最も好ましい。
成式:(Fe1-aMa)100-x-y-z-α-β-γAxSiyBz
M’αM’’βXγ(at%)(但し、MはCo及び/
またはNiであり、AはCu、Ag、Auから選ばれる
少なくとも一種の元素、M’はNb,Mo,Ta,T
i,Zr,Hf,V及びWからなる群から選ばれた少な
くとも1種の元素、M’’はCr,Mn,Al,白金族
元素、Sc,Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた
少なくとも1種の元素、XはC、Ge、P、Gaからな
る群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、a,
x,y,z,α,β及びγはそれぞれ0≦a≦0.5,
0.1≦x≦10,0≦y≦30,0<z≦30,0≦
α≦20,0≦β≦20,0≦γ≦20を満たす。)に
より表される組成からなる様にするのが好ましい。この
合金系では特に優れた高周波磁気特性が得られるからで
ある。また、a,x,y,z,α,β及びγはそれぞれ
0≦a≦0.1,0.1≦x≦3,0≦y≦25,2≦
z≦25,1≦α≦10,0≦β≦10,0≦γ≦10
とするのがさらに好ましく、さらにa,x,y,z,
α,β及びγはそれぞれ0≦a≦0.05,0.5≦x
≦2,10≦y≦20,3≦z≦18,2≦α≦10,
0≦β≦5,0≦γ≦5とするのが最も好ましい。
【0014】ここで、Co,Niの総和の組成比aが
0.5を越えると高周波特性が劣下し好ましくない。A
は組織を微細化しbccFe相を形成しやすくする効果
を有する。Aの組成比xが0.1at%未満では組織微
細化の効果が得られ難い。逆にxが10at%を越える
と軟磁気特性が劣化し好ましくない。M’は結晶粒成長
を抑え組織を微細化する効果を有する。M’の含有量α
が20%を越えると飽和磁束密度の著しい低下を示すた
めαは20at%以下が望ましい。
0.5を越えると高周波特性が劣下し好ましくない。A
は組織を微細化しbccFe相を形成しやすくする効果
を有する。Aの組成比xが0.1at%未満では組織微
細化の効果が得られ難い。逆にxが10at%を越える
と軟磁気特性が劣化し好ましくない。M’は結晶粒成長
を抑え組織を微細化する効果を有する。M’の含有量α
が20%を越えると飽和磁束密度の著しい低下を示すた
めαは20at%以下が望ましい。
【0015】M’’は磁気特性を改善したり耐触性を改
善する効果を有する。M’’の含有量βが20at%を
越えると飽和磁束密度の著しい低下を示すためβは20
at%以下が望ましい。
善する効果を有する。M’’の含有量βが20at%を
越えると飽和磁束密度の著しい低下を示すためβは20
at%以下が望ましい。
【0016】Xは磁歪を調整したり磁気特性を調整する
効果を有する。Xの含有量γが20at%を越えると飽
和磁束密度の著しい低下を招くためγは20at%以下
が望ましい。
効果を有する。Xの含有量γが20at%を越えると飽
和磁束密度の著しい低下を招くためγは20at%以下
が望ましい。
【0017】Si及びBは磁心損失の改善及び透磁率の
改善に効果があり、Si量yは30at%以下、B量z
は30at%以下が望ましい。yが30at%を越える
と飽和磁束密度の著しい低下を招き好ましくない。zが
30at%を越えるとやはり飽和磁束密度の著しい低下
を招き好ましくない。
改善に効果があり、Si量yは30at%以下、B量z
は30at%以下が望ましい。yが30at%を越える
と飽和磁束密度の著しい低下を招き好ましくない。zが
30at%を越えるとやはり飽和磁束密度の著しい低下
を招き好ましくない。
【0018】以上のこの発明のFe基軟磁性合金は通常
以下のように製造される。まず、周知の単ロール法や双
ロール法、アトマイズ法、回転液中紡糸法等の液体急冷
法や、スパッタ法や蒸着法等の気相急冷法等によりBを
含むFe基アモルファス合金薄帯、粉末、線や膜を形成
する。次にこの合金をアルゴンガスや窒素ガス等の不活
性ガス雰囲気中あるいは真空中で熱処理し平均粒径50
0オングストローム以下の結晶粒を形成し、一部に過飽
和Fe−B固溶相を含有する合金を製造する。
以下のように製造される。まず、周知の単ロール法や双
ロール法、アトマイズ法、回転液中紡糸法等の液体急冷
法や、スパッタ法や蒸着法等の気相急冷法等によりBを
含むFe基アモルファス合金薄帯、粉末、線や膜を形成
する。次にこの合金をアルゴンガスや窒素ガス等の不活
性ガス雰囲気中あるいは真空中で熱処理し平均粒径50
0オングストローム以下の結晶粒を形成し、一部に過飽
和Fe−B固溶相を含有する合金を製造する。
【0019】なお、この発明のFe基軟磁性合金では、
Fe3B、Fe2B、Fe23B6等のFe−B化合物相が
存在する場合もあるがFe−B化合物相は軟磁気特性を
劣下させるためできる限り存在しないようにするのが好
ましく、具体的にはFe−B化合物相は体積率で10%
以下となるようにするのが良く、可能であれば5%以下
最も好ましくは3%以下とするのが良い。
Fe3B、Fe2B、Fe23B6等のFe−B化合物相が
存在する場合もあるがFe−B化合物相は軟磁気特性を
劣下させるためできる限り存在しないようにするのが好
ましく、具体的にはFe−B化合物相は体積率で10%
以下となるようにするのが良く、可能であれば5%以下
最も好ましくは3%以下とするのが良い。
【0020】
【実施例】以下この発明を実施例にしたがって説明す
る。実施例1 Feba1.Cu1Nb3Si14.5B9(at%)の組成の合
金溶湯を単ロール法により急冷し、幅5mm、厚さ18
μmのアモルファス合金薄帯を作製した。次にこの合金
薄帯表面にAl2O3を被覆した後外径15mm、内径1
3mmに巻回しトロイダル磁心を作製した。次にこの磁
心に結晶化熱処理を施した。熱処理後の10MHzの透
磁率μ10Mを測定した。測定値としてμ10M=850が得
られた。次にこの合金のミクロ組織を透過電子顕微鏡に
より観察した。合金は結晶化しており平均粒径は約12
0オングストロームであった。次に合金をメスバウァー
効果により解析した。その結果過飽和Fe−B固溶相が
体積で23%含まれていることが確認された。
る。実施例1 Feba1.Cu1Nb3Si14.5B9(at%)の組成の合
金溶湯を単ロール法により急冷し、幅5mm、厚さ18
μmのアモルファス合金薄帯を作製した。次にこの合金
薄帯表面にAl2O3を被覆した後外径15mm、内径1
3mmに巻回しトロイダル磁心を作製した。次にこの磁
心に結晶化熱処理を施した。熱処理後の10MHzの透
磁率μ10Mを測定した。測定値としてμ10M=850が得
られた。次にこの合金のミクロ組織を透過電子顕微鏡に
より観察した。合金は結晶化しており平均粒径は約12
0オングストロームであった。次に合金をメスバウァー
効果により解析した。その結果過飽和Fe−B固溶相が
体積で23%含まれていることが確認された。
【0021】比較例1 実施例1と同様な方法によりFeba1.Cu1Nb3Si
12.5B10(at%)の組成を有する合金薄板を作製し結
晶化熱処理を行った。この合金のミクロ組織を透過電子
顕微鏡により観察した。合金は結晶化しており、平均粒
径は約180オングストロームであった。次に熱処理後
の合金をメスバウアー効果により解析した。その結果過
飽和Fe−B固溶相は存在しないことが確認された。ま
た得られた合金の透磁率を測定した結果μ10M=50で
あり、実施例1の過飽和Fe−B固溶相を含む合金より
低い値であった。
12.5B10(at%)の組成を有する合金薄板を作製し結
晶化熱処理を行った。この合金のミクロ組織を透過電子
顕微鏡により観察した。合金は結晶化しており、平均粒
径は約180オングストロームであった。次に熱処理後
の合金をメスバウアー効果により解析した。その結果過
飽和Fe−B固溶相は存在しないことが確認された。ま
た得られた合金の透磁率を測定した結果μ10M=50で
あり、実施例1の過飽和Fe−B固溶相を含む合金より
低い値であった。
【0022】実施例2 実施例1と組成は同じであるが過飽和Fe−B固溶相の
量が異なる合金薄板を準備し、透磁率μ10Mを測定し
た。その結果を図1に示す。図1より過飽和Fe−B固
溶相が存在することにより存在しない場合に比べて著し
く透磁率μ10Mが向上することがわかる。また、過飽和
Fe−B固溶相の量が30%を越えるとμ10Mは低下す
る傾向にあり、過飽和Fe−B固溶相の量は10〜30
%の範囲が望ましいことがわかる。
量が異なる合金薄板を準備し、透磁率μ10Mを測定し
た。その結果を図1に示す。図1より過飽和Fe−B固
溶相が存在することにより存在しない場合に比べて著し
く透磁率μ10Mが向上することがわかる。また、過飽和
Fe−B固溶相の量が30%を越えるとμ10Mは低下す
る傾向にあり、過飽和Fe−B固溶相の量は10〜30
%の範囲が望ましいことがわかる。
【0023】実施例3 表1に示す組成の合金溶湯を単ロール法により急冷し熱
処理を行い、粒径500オングストローム以下の合金を
作製した。500kHz、2kGにおける磁心損失Pc
を測定し、更にこれらの合金をメスバウァー効果により
解析し過飽和Fe−B固溶相が存在するかを確認した。
得られた結果を表1に示す。過飽和Fe−B固溶相を含
む実施例の合金の磁心損失Pcが低く優れていることが
確認された。また表1には、Fe−Si相、アモルファ
ス相、規則相、化合物相の有無も併せて示す。表1に示
すように、Fe−Si相を含む場合に比較的低い磁心損
失が得られ、またFe−B化合物相が存在しない方が、
磁心損失が優れる。
処理を行い、粒径500オングストローム以下の合金を
作製した。500kHz、2kGにおける磁心損失Pc
を測定し、更にこれらの合金をメスバウァー効果により
解析し過飽和Fe−B固溶相が存在するかを確認した。
得られた結果を表1に示す。過飽和Fe−B固溶相を含
む実施例の合金の磁心損失Pcが低く優れていることが
確認された。また表1には、Fe−Si相、アモルファ
ス相、規則相、化合物相の有無も併せて示す。表1に示
すように、Fe−Si相を含む場合に比較的低い磁心損
失が得られ、またFe−B化合物相が存在しない方が、
磁心損失が優れる。
【0024】
【表1】
【0025】実施例3 表2に示す組成の厚さ3μmの合金膜をスパッタ法によ
り作製した。得られた合金膜を熱処理し10MHzの透
磁率μ10Mを測定した。また、メスバウァー効果により
Fe−B相が存在するかを確認した。得られた結果を表
2に示す。過飽和Fe−B固溶相を含む実施例合金のμ
10Mが高く優れていることが確認された。
り作製した。得られた合金膜を熱処理し10MHzの透
磁率μ10Mを測定した。また、メスバウァー効果により
Fe−B相が存在するかを確認した。得られた結果を表
2に示す。過飽和Fe−B固溶相を含む実施例合金のμ
10Mが高く優れていることが確認された。
【0026】また表2には、Fe−Si相、アモルファ
ス相、規則相、化合物相の有無も併せて示す。表2に示
すように、Fe−Si相を含む合金膜が比較的高い透磁
率μ10Mを示す。また、化合物相は存在しない方が高い
透磁率が得られる。
ス相、規則相、化合物相の有無も併せて示す。表2に示
すように、Fe−Si相を含む合金膜が比較的高い透磁
率μ10Mを示す。また、化合物相は存在しない方が高い
透磁率が得られる。
【0027】
【表2】
【0028】なおこの発明の実施例は、以上の各実施例
に限定されるものではなく、例えば合金製造法としては
実施例の方法の他に双ロール法、アトマイズ法、回転液
中紡糸法等の液体急冷法や、蒸着法等の気相急冷法等を
用いることができる。また製造の対象となる合金の形態
も薄帯、膜に限られず粉末、線状とすることができる。
すなわち平均粒径が500オングストローム以下であ
る結晶粒を含み、少なくとも一部の結晶粒に過飽和Fe
−B固溶相を含有するすべての合金はその製造方法、形
態その他に拘らずこの発明の合金の範囲に含まれる。
に限定されるものではなく、例えば合金製造法としては
実施例の方法の他に双ロール法、アトマイズ法、回転液
中紡糸法等の液体急冷法や、蒸着法等の気相急冷法等を
用いることができる。また製造の対象となる合金の形態
も薄帯、膜に限られず粉末、線状とすることができる。
すなわち平均粒径が500オングストローム以下であ
る結晶粒を含み、少なくとも一部の結晶粒に過飽和Fe
−B固溶相を含有するすべての合金はその製造方法、形
態その他に拘らずこの発明の合金の範囲に含まれる。
【0029】
【発明の効果】以上のようにこの発明のFe基軟磁性合
金によれば、平均粒径が500オングストローム以下で
ある結晶粒からなる合金であり、一部に過飽和Fe−B
固溶相を含有する様にしたので、高周波磁気特性特に1
00kHzを越える高周波の軟磁気特性を向上すること
ができるという優れた効果が奏される。
金によれば、平均粒径が500オングストローム以下で
ある結晶粒からなる合金であり、一部に過飽和Fe−B
固溶相を含有する様にしたので、高周波磁気特性特に1
00kHzを越える高周波の軟磁気特性を向上すること
ができるという優れた効果が奏される。
【図1】 この発明の実施例の合金のμ10Mにおける過
飽和Fe−B固溶相含有量依存性を示す図である。
飽和Fe−B固溶相含有量依存性を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 平均粒径が500オングストローム以下
である結晶粒を含み、少なくとも一部の結晶粒に過飽和
Fe−B固溶相が存在することを特徴とするFe基軟磁
性合金。 - 【請求項2】 平均粒径が500オングストローム以下
である結晶粒及びアモルファス相からなる合金であり、
少なくとも一部の結晶粒に過飽和Fe−B固溶相が存在
することを特徴とするFe基軟磁性合金。 - 【請求項3】 平均粒径が500オングストローム以下
である結晶粒を含み、少なくとも一部の結晶粒に過飽和
Fe−B固溶相およびFe−Si相が存在することを特
徴とするFe基軟磁性合金。 - 【請求項4】 前記Fe−Si相に規則相が含まれる請
求項3に記載のFe基難磁性合金。 - 【請求項5】 組成式:(Fe1-aMa)100-x-y-z-α-
β-γAxSiyBzM’αM’’βXγ(at%)(但
し、MはCo及び/またはNiであり、AはCu、A
g、Auから選ばれる少なくとも一種の元素、M’はN
b,Mo,Ta,Ti,Zr,Hf,V及びWからなる
群から選ばれた少なくとも1種の元素、M’’はCr,
Mn,Al,白金族元素、Sc,Zn,Sn,Reから
なる群から選ばれた少なくとも1種の元素、xはC、G
e、P、Gaからなる群から選ばれた少なくとも1種の
元素であり、a,x,y,z,α,β及びγはそれぞれ
0≦a≦0.5,0.1≦x≦10,0≦y≦30,0
<z≦30,0≦α≦20,0≦β≦20,0≦γ≦2
0を満たす。)により表される組成からなる請求項1乃
至5のいずれかに記載したFe基軟磁性合金。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3262733A JPH0570901A (ja) | 1991-09-16 | 1991-09-16 | Fe基軟磁性合金 |
DE19924230986 DE4230986C2 (de) | 1991-09-16 | 1992-09-16 | Nanokristalline, weichmagnetische Legierung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3262733A JPH0570901A (ja) | 1991-09-16 | 1991-09-16 | Fe基軟磁性合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0570901A true JPH0570901A (ja) | 1993-03-23 |
Family
ID=17379833
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3262733A Pending JPH0570901A (ja) | 1991-09-16 | 1991-09-16 | Fe基軟磁性合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0570901A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0780880A1 (en) | 1995-12-20 | 1997-06-25 | Ushiodenki Kabushiki Kaisha | Discharge lamp |
KR19990006483A (ko) * | 1997-06-04 | 1999-01-25 | 므나르드 쟝-가브리엘 | 연자성재로 제조된 부품을 자기장 내에서 열처리하는 방법 |
JP2018053319A (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | セイコーエプソン株式会社 | 軟磁性粉末、圧粉磁心、磁性素子および電子機器 |
JP2018056363A (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | セイコーエプソン株式会社 | 軟磁性粉末、圧粉磁心、磁性素子および電子機器 |
CN109440023A (zh) * | 2018-12-26 | 2019-03-08 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种高磁感氮耦合铁基非晶纳米晶合金及其制备方法 |
-
1991
- 1991-09-16 JP JP3262733A patent/JPH0570901A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0780880A1 (en) | 1995-12-20 | 1997-06-25 | Ushiodenki Kabushiki Kaisha | Discharge lamp |
KR19990006483A (ko) * | 1997-06-04 | 1999-01-25 | 므나르드 쟝-가브리엘 | 연자성재로 제조된 부품을 자기장 내에서 열처리하는 방법 |
JP2018053319A (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | セイコーエプソン株式会社 | 軟磁性粉末、圧粉磁心、磁性素子および電子機器 |
JP2018056363A (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | セイコーエプソン株式会社 | 軟磁性粉末、圧粉磁心、磁性素子および電子機器 |
CN109440023A (zh) * | 2018-12-26 | 2019-03-08 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种高磁感氮耦合铁基非晶纳米晶合金及其制备方法 |
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