JPH057076B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、上水道の水に浮遊する赤さび粒子を
処理する貯水槽の赤水処理装置に関する。

〔従来の技術〕

上水道の水には、配管や貯水槽などの給水設備
よりもたらされる酸化鉄よりなる赤さびが混入す
ることがあるが、特にこれが微小な赤さび粒子の
場合、容易に沈殿せずに水中を浮遊したままの状
態となる。このような水は、水中の赤さび粒子に
より赤色を呈するために、赤水と呼ばれている。
この赤水は上水道用としては不適であり、赤さび
粒子の除去処理が必要であるため、従来より赤水
処理装置として、実開昭60−144991号公報等に記
載のように、貯水槽の取水口等の配管に磁気処理
装置を直接取付けるものが提案されている。この
赤水処理装置は、貯水槽に流入する赤水に磁気処
理を施し、水中を浮遊する赤さび粒子を磁化させ
て、夫々の粒子が磁気により吸着し合つて結合体
として析出しながら、徐々に貯水槽の底部に沈殿
するようにしたものである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記従来技術においては、既設の貯水槽に赤水
処理装置を取付けた場合に既に貯水槽内に蓄えら
れた赤水については磁気処理が施せず、この部分
に含まれる赤さび粒子は磁気を帯びていないた
め、新たに貯水槽の取水口で磁化された赤さび粒
子を含む赤水が貯水槽内に流入しても、これらの
赤さび粒子間の磁気による吸着力が弱く、磁気を
帯びてない赤さび粒子は水中の浮遊を続ける。こ
のため、貯水槽全体の赤水が入れかわり、赤さび
粒子が磁気を帯びたものとなるまで、赤さび粒子
の除去を行なうことができず、すなわち、赤水処
理の効果が充分表われるまでに約３ケ月以上の長
期間を要するという問題がある。

本発明は、上記した従来技術における実情に鑑
みてなされたもので、貯水槽内の水を循環させな
がら連続的な磁気処理を施すことができ、既設の
貯水槽に取付けた場合でも、従来より短時間の間
に貯水槽内の赤さび粒子を除去できる赤水処理装
置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本発明は、上水道の
水を蓄える貯水槽に設けられ、前記上水道の水に
浮遊する赤さび粒子を磁気処理により沈殿させる
赤水処理装置において、前記貯水槽に蓄えられた
水をくみ上げるポンプと、このポンプによりくみ
上げた水に磁気処理を施し、水に浮遊する赤さび
粒子を磁化させる磁気処理装置と、この磁気処理
装置により処理された水を前記貯水槽に戻す排水
部とからなる処理装置を、前記貯水槽とは別個に
独立して設け、かつ、前記磁気処理装置に配置さ
れる流通路を薄型配管で形成すると共に、この流
通路を挟んで一方に永久磁石、他方に電磁石を設
けた構成にしてある。

〔作用〕

本発明は上記のように構成してあるので、貯水
槽内の水は、ポンプにより吸い上げられて磁気処
理装置を通過した後、再び貯水槽に戻される。そ
の際、磁気処理装置の薄型配管よりなる流通路を
通過中の水には永久磁石と電磁石による強力な磁
界が作用するので、水に含まれる赤さび粒子が磁
化される。このようにして磁気を帯びた赤さび粒
子は、貯水槽内の水の中で浮遊する間に、互いに
吸着し合つて結合体として析出しながら、徐々に
貯水槽の底部に沈殿する。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第１図、第２図によ
り説明する。第１図は本発明の赤水処理装置の一
実施例を備える貯水槽の全体構成図、第２図は第
１図に示す磁気処理装置の説明図である。

これらの図において、１は上水道の水を蓄える
貯水槽で、この貯水槽１には取水口２より水が流
入し、一方、排水口３より外部へ排出される。ま
た、この貯水槽１には、蓄えられた水４を吸水管
５を介してくみ上げるポンプ６と、このポンプ６
によりくみ上げた水を導く配管７と、この配管７
により導かれた水に磁気処理を施す磁気処理装置
８と、磁気処理装置８により処理された水を貯水
槽１に戻す排水部、例えば排水管９とが備えられ
ている。１０は、必要に応じて吸水管５の一端に
設けられるストレーナである。

そして、磁気処理装置８は、第２図に示すよう
に、入口側に配管７が、一方、出口側に排水管９
がそれぞれ連結され、これらの配管７、排水管９
間には流通路１１が設けられている。この流通路
１１の近傍には、永久磁石１２及び電磁コイル１
３を巻いた電磁ピース１４が配置されており、こ
の電磁コイル１３に直流電流を印加して、永久磁
石１２と電磁ピース１４の間に強力な磁界を発生
させる。なお、流通路１１は、流通路１１内を通
過する赤さび粒子に効果的に磁界を作用させるた
め、薄肉の配管によつて形成されている。

このように構成したものにあつて、貯水槽１内
の水４は、この中を浮遊する赤さび粒子と共に、
ポンプ６によつて吸い上げられ、磁気処理装置８
の流通路１１を通過した後、再び貯水槽１に戻さ
れる。その際、磁気処理装置８内では、永久磁石
１２と電磁コイル１３を巻いた電磁ピース１４に
より発生する強力な磁界が、流通路１１を通過中
の水に作用し、この水に含まれる赤さび粒子が磁
化される。このようにして磁気を帯びた赤さび粒
子は、水と共に貯水槽１に戻され、再び浮遊する
間に、互いに吸着し合つて結合体として析出しな
がら、徐々に貯水槽１の底部に沈殿する。

この一実施例によれば、既設の貯水槽に取付け
た場合でも、貯水槽内の水を循環させながら連続
的な磁気処理を施すので、また、永久磁石と電磁
石の併用により磁気処理装置８において強力な磁
界を発生させることができるので、赤さび粒子を
従来より短時間、例えば１週間程度で除去するこ
とができる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、貯水槽内の水を循環させなが
ら連続的な磁気処理を施すことができ、しかも、
永久磁石と電磁石との併用により強力な磁界を発
生させることができ、既設の貯水槽に取付けた場
合でも、従来より短時間の間に貯水槽内の赤さび
粒子を除去する効果がある。

また、磁気処理装置内を通る流通路を薄型配管
で形成し、この薄型配管を挟むように永久磁石と
電磁石を配置するので製作が簡単であり、実用化
が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の赤水処理装置の一実施例を備
えた貯水槽の全体構成図、第２図は第１図に示す
磁気処理装置の説明図である。 １……貯水槽、４……水、６……ポンプ、８…
…磁気処理装置、９……排水管（排水部）、１１
……流通路、１２……永久磁石、１３……電磁コ
イル、１４……電磁ピース。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上水道の水を蓄える貯水槽に設けられ、前記
   上水道の水に浮遊する赤さび粒子を磁気処理によ
   り沈殿させる赤水処理装置において、前記貯水槽
   に蓄えられた水をくみ上げるポンプと、このポン
   プによりくみ上げた水に磁気処理を施し、水に浮
   遊する赤さび粒子を磁化させる磁気処理装置と、
   この磁気処理装置により処理された水を前記貯水
   槽に戻す排水部とからなる処理装置を、前記貯水
   槽とは別個に独立して設け、かつ、前記磁気処理
   装置に配置される流通路を薄型配管で形成すると
   共に、この流通路を挟んで一方に永久磁石、他方
   に電磁石を設けたことを特徴とする貯水槽の赤水
   処理装置。