JPH0570224A - ジルコニア焼結体の製造方法及びジルコニア焼結体 - Google Patents

ジルコニア焼結体の製造方法及びジルコニア焼結体

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JPH0570224A
JPH0570224A JP3030438A JP3043891A JPH0570224A JP H0570224 A JPH0570224 A JP H0570224A JP 3030438 A JP3030438 A JP 3030438A JP 3043891 A JP3043891 A JP 3043891A JP H0570224 A JPH0570224 A JP H0570224A
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JP
Japan
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sintered body
powder
zirconia sintered
zro
mixed
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Withdrawn
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JP3030438A
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English (en)
Inventor
Masayuki Ishizuka
雅之 石塚
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Sumitomo Cement Co Ltd
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Sumitomo Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイクロクラック強化機構を利用することに
より、高い破壊靱性値を有するジルコニア焼結体の製造
方法と、これによって得られるジルコニア焼結体を提供
する。 【構成】 粒径0.1〜2.0μmのZrO2粉末に、粒径0.
05μm以下のZrO2微粉末を2〜10重量%混合して混
合粉末を得、次にこの混合粉末を造粒しさらに得られた
造粒粉末を成形し、次いで得られた成形体を常圧で相対
密度96〜98%まで予備焼結し、その後1480℃以
下の温度にて熱間静水圧加圧処理してジルコニア焼結体
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に高い破壊靱性値を
有するジルコニア焼結体の製造方法とこれによって得ら
れるジルコニア焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にセラミックスにおいては、焼結体
の組織内に本来もっている破壊源の大きさ以下の欠陥が
均一に分散していると、破壊により伝播するクラック先
端近傍で前記欠陥が成長して非弾性領域が形成される。
そして、この領域の弾性率が減少し、これがクラック先
端付近の応力場の強さを小さくする効果をもつことによ
り、破壊靱性などの機械的性質が向上するのである。な
お、このような機構はマイクロクラック強化機構として
よく知られている。
【0003】ところで、焼結体中に欠陥を分散する方法
としては、例えばジルコニア焼結体の場合、ZrO2粒子の
正方晶から単斜晶への相転移の際の体積変化を利用する
方法や、熱膨張係数の異なった粒子を分散させて、マト
リックスとの熱膨張差を利用する方法がよく知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たいずれの方法によっても、マトリックスを微少範囲で
破壊することによって欠陥を導入するため、欠陥の大き
さや量の制御には細心の注意が必要である。すなわち、
十分な破壊靱性の向上に気を取られて欠陥を導入し過ぎ
ると、欠陥の大きさが本来もっている破壊源の大きさ以
上になり、強度が低化してしまうのである。
【0005】また、これらの組織内では、ZrO2の体積変
化や分散粒子の熱膨張差によって生じた応力が欠陥の生
成により完全に緩和されるとは限らないので、それらの
応力が欠陥に残っていることにより、スロークラックグ
ロース現象が起こり、破壊が進行する恐れももある。以
上のことにより、マイクロクラック強化機構は比較的古
くから知られているものの、十分に実用化されていない
技術の一つなのである。
【0006】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、マイクロクラック強化機
構を利用することにより、高い破壊靱性値を有するジル
コニア焼結体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
記載のジルコニア焼結体の製造方法では、安定化剤とし
てY2O3を2〜4モル%含む粒径0.1〜2.0μmのZrO2
粉末に、安定化剤としてY2O3を2〜4モル%含む粒径
0.05μm以下のZrO2微粉末を2〜10重量%混合して
混合粉末を得、次にこの混合粉末を造粒しさらに得られ
た造粒粉末を成形し、次いで得られた成形体を常圧で相
対密度96〜98%まで予備焼結し、その後1480℃
以下の温度にて熱間静水圧加圧処理することを前記課題
の解決手段とした。また、請求項2記載のジルコニア焼
結体では、請求項1記載の製造方法によって得られたこ
とを前記課題の解決手段とした。
【0008】以下、本発明のジルコニア焼結体の製造方
法及びこれによって得られるジルコニア焼結体を詳しく
説明する。本発明者は、ジルコニア焼結体にマイクロク
ラック強化機構を発現させる微小な欠陥を導入するため
に、従来からある微小範囲で破壊させる方法とは全く違
って、簡略な制御により導入することが可能な比較的大
きなクラックを閉気孔の形で焼結体中に導入し、その閉
気孔を熱間静水圧加圧(HIP)処理することによって本
来もっている破壊源の大きさより小さくし、マイクロク
ラック強化機構を発現させる欠陥とすることに思い至り
本発明を完成した。
【0009】比較的大きなクラックを導入する方法とし
て、本発明では、粒径0.1〜2.0μmの通常のZrO2
末に、粒径0.05μm以下のZrO2微粉末を2〜10重量
%混合する方法を採用した。すなわち、粒径が0.05
μm以下のZrO2微粉末は、付着凝集力が大きいため充填
性が悪く、したがって予備焼結において粉末間の空隙が
満たされないまま焼結されるため、閉気孔が生成するの
である。ここで、通常のZrO2粉末へのZrO2微粉末の混合
については、ボールミルなどによる周知の混合方法が採
用できる。また、ZrO2微粉末の混合量を2〜10重量%
としたのは、2重量%未満であると十分な数のクラック
が発生せず、一方10重量%を越えると閉気孔とならず
開気孔となってしまい、この開気孔が後のHIP処理によ
って小さくならず好ましくないからである。なお、前記
通常のZrO2粉末およびZrO2微粉末については、いずれも
安定化剤としてY2O3を2〜4モル%含むものを使用す
る。ここで、Y2O3の添加量を2〜4モル%としたのは、
これより多くても少なくても得られる焼結体の曲げ強度
が低下するからである。
【0010】このようにして通常のZrO2粉末へZrO2微粉
末を混合した後、得られた混合粉末を周知の方法で造粒
し、さらに得られた造粒粉末を所望形状に成形する。次
いで、得られた成形体を大気中常圧下において1300
〜1450℃程度で、相対密度が96〜98%となるま
で予備焼結する。ここで、得られた予備焼結体には、前
述したようにZrO2微粉末を混合したことによる開気孔が
生成されている。なお、ここでの相対密度とは、理論密
度に対しての百分率をいう。
【0011】その後、予備焼結体を1480℃以下の温
度にて熱間静水圧加圧(HIP)処理する。この場合に、
1480℃完全に消滅してしまい、マイクロクラック強
化機構が働くなるため、HIP処理温度は1480℃以下
にする必要がある。なお、HIP処理の雰囲気について
は、アルゴン、窒素およびこれらと酸素との混合気体な
ど、通常採用される雰囲気が採用できる。
【0012】
【作用】本発明における請求項2記載のジルコニア焼結
体によれば、組織内に本来もっている破壊源より小さく
なった閉気孔をもつため、マイクロクラック機構によっ
て高い破壊靱性値を有するものとなる。また、形成され
た閉気孔が応力を加えて生成させた欠陥ではないので、
微小欠陥のスロークラックグロースによる強度劣化の心
配がない。
【0013】
【実施例】以下、この発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。安定化剤としてY2O3を3モル%固溶した平
均粒径0.56μmのZrO2粉末(粉末A)に、安定化剤と
してY2O3を3モル%固溶した最大粒径0.01μm以下の
ZrO2粉末(粉末B)を加え、湿式媒体攪拌型混合機で3
0分間混合した。次に、この混合物にバインダーとして
ポリビニルアルコールを加えてスラリーとし、このスラ
リーより造粒物を得た。次いで、得られた造粒物を冷間
静水圧加圧(CIP)によって成形し、さらに得られた成
形体を常圧大気中において図1の表中に示す温度で4時
間予備焼結した。
【0014】得られた予備焼結体の密度を水置換による
アルキメデス法によって測定した。さらに、測定値から
理論密度6.08g/cm3として相対密度を計算し、その
結果を図1に示す。その後、予備焼結体をアルゴン雰囲
気中2000気圧の加圧下にて図1に示す温度で2時間
熱間静水圧加圧(HIP)処理を行なった。得られた焼結
体について室温でJIS R1601による3点曲げ強度、SENB
法による破壊靱性値を測定した。得られた結果を図1に
示す。
【0015】また、比較のため図1に示す条件で焼結体
(No.3〜7)を作製し、本発明の実施例品(No.1〜
2)と同様に3点曲げ強度および破壊靱性値を測定し
た。図1の表中に示す結果より、本発明の実施例品であ
るNo.1およびNo.2は、10MPam1/2以上の高い破壊靱
性値を示しているのに対し、比較例品のNo.3〜7はい
ずれも9MPam1/2以下の低い破壊靱性値であり、実施例
品が比較例品に比べ破壊靱性値が高いことが確認され
た。
【0016】ここで、No.3は予備焼結密度が大きく、
そのため内部に十分な数の欠陥が生成しないため同じ条
件でHIP処理しても破壊靱性値が大きくならないものと
推察される。また、No.4のようにHIP処理温度が高いと
内部に生成した欠陥が完全に消滅してしまうために破壊
靱性値が大きくならない。さらに、No.5のように粉末B
を加えないと、相対密度が96%以上であってもHIP処
理によって小さくならない開気孔が残ってしまうため、
最終的には破壊靱性値、3点曲げ強度ともに小さな値と
なってしまうものと考えられる。また、No.6のように
粉末Bを加えず、相対密度が96%未満のものや、粉末B
を多く入れたNo.7も同様の理由により、破壊靱性値、
3点曲げ強度ともに小さな値となってしまうものと考え
られる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明における請求
項1記載のジルコニア焼結体の製造方法は、通常のZrO2
粉末にZrO2微粉末を混合して予備焼結することにより、
閉気孔を生成せしめて組織内に本来もっている破壊源の
大きさよりも小さな欠陥を均一に分散させる方法である
から、マイクロクラック機構によって得られる焼結体の
破壊靱性値を高めることができる。また、閉気孔が応力
を加えて生成された欠陥ではないので、微小欠陥のスロ
ークラックグロースによる強度低下のおそれがなく、十
分な機械強度を有するジルコニア焼結体を製造すること
ができる。
【0018】また、請求項2記載のジルコニア焼結体
は、請求項1記載の方法によって得られたものであるか
ら、破壊靱性値が高くしかも十分な機械強度を有するも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例品および比較例品の製造条件お
よび測定結果を示す表である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 安定化剤としてY2O3を2〜4モル%含む
    粒径0.1〜2.0μmのZrO2粉末に、安定化剤としてY2O
    3を2〜4モル%含む粒径0.05μm以下のZrO2微粉末
    を2〜10重量%混合して混合粉末を得、次にこの混合
    粉末を造粒しさらに得られた造粒粉末を成形し、次いで
    得られた成形体を常圧で相対密度96〜98%まで予備
    焼結し、その後1480℃以下の温度にて熱間静水圧加
    圧処理することを特徴とするジルコニア焼結体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 安定化剤としてY2O3を2〜4モル%含む
    粒径0.1〜2.0μmのZrO2粉末に、安定化剤としてY2O
    3を2〜4モル%含む粒径0.05μm以下のZrO2微粉末
    を2〜10重量%混合して混合粉末を得、次にこの混合
    粉末を造粒しさらに得られた造粒粉末を成形し、次いで
    得られた成形体を常圧で相対密度96〜98%まで予備
    焼結し、その後1480℃以下の温度にて熱間静水圧加
    圧処理されて得られたことを特徴とするジルコニア焼結
    体。
JP3030438A 1991-02-25 1991-02-25 ジルコニア焼結体の製造方法及びジルコニア焼結体 Withdrawn JPH0570224A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022075346A1 (ja) 2020-10-09 2022-04-14 第一稀元素化学工業株式会社 ジルコニア粉末、ジルコニア焼結体、及び、ジルコニア焼結体の製造方法
WO2023190119A1 (ja) 2022-03-31 2023-10-05 第一稀元素化学工業株式会社 ジルコニア粉末、ジルコニア焼結体、及び、ジルコニア焼結体の製造方法

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WO2022075346A1 (ja) 2020-10-09 2022-04-14 第一稀元素化学工業株式会社 ジルコニア粉末、ジルコニア焼結体、及び、ジルコニア焼結体の製造方法
WO2023190119A1 (ja) 2022-03-31 2023-10-05 第一稀元素化学工業株式会社 ジルコニア粉末、ジルコニア焼結体、及び、ジルコニア焼結体の製造方法

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