JPH0569603B2 - - Google Patents

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JPH0569603B2
JPH0569603B2 JP63056765A JP5676588A JPH0569603B2 JP H0569603 B2 JPH0569603 B2 JP H0569603B2 JP 63056765 A JP63056765 A JP 63056765A JP 5676588 A JP5676588 A JP 5676588A JP H0569603 B2 JPH0569603 B2 JP H0569603B2
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stainless steel
round billet
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JP63056765A
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JPH01228603A (ja
Inventor
Akira Yasui
Yoji Yamaguchi
Yoshio Tanaka
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0569603B2 publication Critical patent/JPH0569603B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B19/00Tube-rolling by rollers arranged outside the work and having their axes not perpendicular to the axis of the work
    • B21B19/02Tube-rolling by rollers arranged outside the work and having their axes not perpendicular to the axis of the work the axes of the rollers being arranged essentially diagonally to the axis of the work, e.g. "cross" tube-rolling ; Diescher mills, Stiefel disc piercers or Stiefel rotary piercers
    • B21B19/04Rolling basic material of solid, i.e. non-hollow, structure; Piercing, e.g. rotary piercing mills

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> この発明は、連続鋳造機で鋳造した丸ビレツト
の穿孔圧延により、内外面の性状が良好な高品質
二相ステンレス鋼継目無鋼管を能率良く、かつ経
済的に製造する方法に関するものである。 <従来技術とその課題> フエライト相とオーステナイト相の二相組織を
有する二相ステンレス鋼は、その優れた耐食性が
注目され、各種化学工業プラントや腐食環境にお
けるラインパイプ等の素材として高い需要を誇つ
ている。そして、二相ステンレス鋼は管部材とし
ての適用形態をとることが多いが、中でも円周方
向の特性が安定している継目無鋼管がその主流を
占めている。 ところで、従来、継目無鋼管は、“鋼塊法で得
られたインゴツト”や“ブルーム連続鋳造機で鋳
造された鋳片”を分塊圧延により丸ビレツトと
し、これを穿孔圧延機で圧延して製造されるのが
普通であつた。 ところが、最近、連続鋳造技術の進歩によつて
継目無鋼管の製造にも丸ビレツト連続鋳造機で鋳
造した丸ビレツトをそのまま適用する趨勢となつ
てきており、製造能率や製造コストの点で大きな
便益を得ている。 しかしながら、二相ステンレス鋼は一般に熱間
加工性が悪く、丸ビレツト連続鋳造機で鋳造した
丸ビレツトを分塊することなくそのまま穿孔圧延
すると素管の内外面に疵を発生することが多く
て、所望の継目無鋼管製品を安定製造するのは極
めて困難であるとされていた。 つまり、二相ステンレス鋼継目無鋼管の製造に
際して、従来のように“鋼塊法で得たインゴツ
ト”等を出発材料とする場合には分塊圧延が行わ
れるので鋼片表面の結晶粒が微細化され、穿孔圧
延後の素管内外面に疵が発生することは少なかつ
たが、丸ビレツト連続鋳造機で鋳込まれた丸ビレ
ツト鋳片をそのまま適用した場合には、鋳片表面
の結晶粒が粗大であるために穿孔圧延後の素管内
外面に疵が多発し、製品化は困難であつた。 勿論、二相ステンレス鋼の熱間加工性改善を目
指した幾つかの方法がこれまでにも提案されては
いる。 例えば、特公昭62−6616号公報には、二相ステ
ンレス鋼中のS及びO量を低減すると共に、鋳込
み温度を制限して丸ビレツト連続鋳造鋳片を製造
し、これを素材にして健全な継目無鋼管を製造し
ようとの提案が開示されており、また特開昭59−
4953号には、溶湯に強制流動を与えつつ連続鋳造
した丸ビレツト連続鋳造鋳片を素材とする二相ス
テンレス鋼継目無鋼管の製造方法が提案されてい
る。 しかし、これらの提案になる継目無鋼管の製造
方法は何れも“熱間押出加工”によるものであ
り、後述するように、加工変形形態が複雑な上に
苛酷な圧延がなされる“穿孔圧延機による継目無
鋼管の製造法”にこの条件をそのまま適用したと
しても、やはり前述した問題点を解消することは
できなかつた。 <課題を解決するための手段> 本発明者は、上述のような観点から、丸ビレツ
ト連続鋳造機によつて鋳造された丸ビレツト鋳片
を分塊処理することなくそのまま素材とし、かつ
製造能率の良好な穿孔圧延手段によつて内外面疵
の無い高品質の二相ステンレス鋼継目無鋼管を安
定製造すべく、鋼組成をも絡めた総合的見地から
の研究を行つた結果、「鋼中のO含有量を特に
0.0050%の値以下に、かつS含有量も特に0.0015
%の値以下にそれぞれ抑えると共に、更に厳重に
規制された範囲内でCaを添加し、その上で二相
ステンレス鋼として要求される一般特性を付与す
るための他成分を組み合わせてなる二相ステンレ
ス鋼を素材鋼とした上で、穿孔圧延に際しての加
熱温度、穿孔比及びドラフト率を適正に選択すれ
ば、丸ビレツト連続鋳造機によつて得られる丸ビ
レツト鋳片をそのまま穿孔圧延しても素管内外面
に疵の発生が殆んど見られず、品質の優れた二相
ステンレス鋼継目無鋼管を高能率で生産すること
が可能となる」との知見を得ることができた。 本発明は、上記知見に基づいてなされたもので
あり、 「C:0.08%以下(以降、成分割合を表わす%
は重量%とする)、 Si:0.01〜2.00%、Mn:0.01〜3.00%、 P:0.030%以下、S:0.0015%以下、 Cu:0.01〜2.00%、Cr:20.00〜35.00%、 Ni:3.00〜15.00%、Mo:0.5〜8.00%、 sol.Al:0.001〜0.20%、 Ca:0.0015〜0.0070%、N:0.03〜0.35%、 O:0.0050%以下 を含有するか、或いは更に W:0.01〜1.00% をも含み、残部が実質的にFeからなる二相ステ
ンレス鋼を溶製し、丸ビレツト連続鋳造機によつ
て丸ビレツトとした後、これを1200〜1310℃に加
熱してから穿孔圧延機にて 穿孔比:1.40以下、 ドラフト率:5.0以下 なる条件で圧延し、継目無鋼管とすることによ
り、内外面の性状の良好な高品質二相ステンレス
鋼継目無鋼管を能率良く安定製造し得るようにし
た点」 を特徴とするものである。 ここで、本発明において素材たる二相ステンレ
ス鋼の成分組成及び製管条件を前記の如くに数値
限定した理由等について詳述する。 (A) 二相ステンレス鋼の成分組成 (a) C 現在の製鋼技術の下では、Cは鋼中へ不可
避的に随伴される元素である。そして、この
Cには鋼の強度を確保するのに有効である
が、0.08%を超えて含有させることは耐食性
の面で好ましくないことから、C含有量は
0.08%以下と定めた。 (b) Si Siには鋼の脱酸作用があるので好ましい元
素であるが、その含有量が0.01%未満では脱
酸効果が少ない上、現在の製鋼技術でSi含有
量を0.01%未満に抑えることは実際上極めて
困難であり、一方、2.00を超えてSiを含有量
させると鋼の強度が高くなり過ぎ、熱間加工
をも含めて加工性の低下を招いたり、靭性上
も好ましくないことから、Si含有量は0.01〜
2.00%と定めた。 (c) Mn Mnは鋼の強度及び靭性を改善する好まし
い作用を有しているが、その含有量を0.01%
未満に調整することは現在の製鋼技術では実
際上極めて困難であり、一方、3.00%を超え
て含有させると前記作用による効果が飽和す
る上、Mnがオーステナイト安定化元素であ
ることからオーステナイト過多を招いて二相
ステンレス鋼本来の特性が生かされなくな
る。従つて、Mn含有量は0.10〜3.00と定め
た。 (d) P Pは鋼中へ不可避的に随伴される不純物元
素であり、靭性及び加工性の面から少ない方
が好ましいが、経済性との兼ね合いで容認で
きる0.030%をP含有量の上限と定めた。 (e) S Sは二相ステンレス鋼の熱間加工性に大き
く影響する重要な元素であり、その含有量は
少ないほど好ましい。また、靭性上も極力低
減すべき元素である。 即ち、SはNiS、MnS等の硫化物としてオ
ーステナイト粒界に析出し、穿孔圧延機での
圧延時に割れ発生の起点となり、内外面疵の
発生原因となることから出来るだけ低減すべ
き元素であるが、その含有量を0.0015%以下
にまで低減することによつて上記不都合を容
認できる程度にまで抑え得ることから、S含
有労は0.0015%以下と限定した。 S含有量を低減する方法は、現在種々ある
が、AOD炉、RH真空脱ガス槽等手段を用い
れば良い。 (f) Cu Cuには非酸化性の酸に対する耐食性を改
善する作用があるが、2.00%を超えて含有さ
せると熱間加工性に悪影響を及ぼす。そし
て、通常、鋼中には積極的添加を行わなくて
も0.01%程度までのCuが随伴されることか
ら、Cuの積極的添加量は0.01〜2.00%と定め
た。 (g) Cr Crはフエライト安定化元素であつて二相
ステンレス鋼のフエライト相生成に寄与する
ので、耐食性、強度の面から添加される成分
であるが、その含有量が20.0%未満では所望
の効果を確保することができず、一方、
35.00%を超えて含有させても得られる効果
が飽和してしまい、しかもオーステナイト相
生成に必要な価格の高いNiの多量添加を要
することとなる。従つて、Cr含有量は20.00
〜35.00%と定めた。 (h) Ni Niはオーステナイト安定化元素であつて
二相ステンレス鋼のオーステナイト相生成に
寄与するので、耐食性、強度の面から添加さ
れる成分であるが、その含有量が3.00%未満
では所望の効果を確保することができず、一
方、15.00%を超えて含有させても得られる
効果が飽和してしまう上、Niは高価な元素
であることから、Ni含有量は3.00〜15.00%
と限定した。 (i) Mo Moには孔食等の局部腐食を抑制する作用
があるが、その含有量が0.5%未満であると
上記作用による所望の効果が得られず、一
方、8.00%を超えて含有量させてもその効果
が飽和してしまつて経済的に不利となるばか
りか、熱間加工性にも悪影響を及ぼすことか
ら、Mo含有量は0.5〜8.00%と定めた。 (j) sol.Al Alは鋼の脱酸剤として添加される元素で
あるが、sol.Alとしての含有量が0.001%未満
であると脱酸効果が少なく、本発明の重要な
要件である鋼中酸素の低減が不十分となる。
一方、sol.Al含有量が0.20%を超えると
Al2O3系介在物が多くなつて靭性上好ましく
ない。従つて、sol.Alの含有量は0.001〜0.20
%と定めた。 (k) Ca Caは本発明において重要な役割を果たす
鋼成分である。即ち、Caは鋼中のO及びS
と結合し介在物を形成する元素ではあるが、
十分に規制されたO量及びS量下では、O及
びSをCa−O−S系介在物として固定し無
害化することによつて継目無鋼管圧延時の内
外面の疵発生を抑える効果を発揮する。そし
て、Ca含有量が0.0015%未満では前記効果が
十分でなく、一方、0.0070%を超えて含有さ
せるとCa−O−S系介在物が増加して鋼の
清浄度を悪化するようになることから、Ca
は0.0015〜0.0070%と定めた。 (l) N Nには鋼の耐食性を向上させる作用がある
が、その含有量が0.03%未満では耐食性向上
効果は小さく、一方、0.35%を超えて含有さ
せると溶解度の関係からブローホールを生じ
るようになることから、N含有量は0.03〜
0.35%と定めた。 ところで、Nは一般に継目無鋼管圧延時の
内外面疵発生の原因になるとされがちである
が、本発明で対象とする“BやTiの如き窒
化物形成元素を含まない鋼種”ではオーステ
ナイト粒界に窒化物を析出させることも少な
いため、割れ発生の原因にならないと考えら
れる。 (m) O Oは製鋼過程で鋼中に必然的に随伴される
不純物元素であるが、熱間加工性を著しく害
すると共に、酸化物系介在物として鋼の清浄
性をも悪化させるので可能な限り低減する必
要がある。しかし、継目無鋼管製管時に熱間
加工性が劣るために生じる疵、特に鋼管の内
面に発生する疵はO含有量が0.0050%以下に
なると激減して殆ど認められなくなる。従つ
て、経済性面との兼ね合いからこの値をO含
有量の上限とし、O含有量は0.0050%以下と
定めた。 ところで、穿孔圧延機による継目無鋼管の
製管ではその穿孔時に材料には極めて複雑な
加工変形が生じるため、一般に採用されてい
る“高温引張による絞り値や伸び値”といつ
た評価基準では製造性の評価が困難である。
そこで、高温での捩り試験を行い、破断まで
の捩り回数を「捩回値」として製造性(熱間
変形能)を評価する方法が最近良く利用され
ている。 第1図は、この方法によつてO含有量が広
い範囲にわたる二相ステンレス鋼の熱間変形
能を評価した結果を整理して示すもので、材
料の捩回値はO含有量が少なくなるに伴い向
上する傾向にあることが分かる。そして、穿
孔圧延機による継目無鋼管製管時における鋼
管内面疵発生状態の調査結果と対比すると、
第1図から明らかなように材料の捩回値と鋼
管の内面疵の発生状況とは良く対応してお
り、O含有量が0.0050%以下となつて捩回値
が30以上の値を示すようになると内面疵の発
生が見られなくなることが分かつた。 なお、上記“高温での捩り試験”は、下記
に示す化学組成の二相ステンレス鋼から第2
図に示した形状・寸法の試験片を採取し、こ
れを1250℃に15分間加熱保持してから
300rpmで捩じつて破断するまでの捩回値を
求める条件で実施した。 二相ステンレス鋼の化学組成 C:0.012〜0.020%、Si:0.32〜0.49%、 Mn:1.45〜1.60%、P:0.015〜0.022%、 S:0.0006〜0.0014%、Cu:0.04〜0.10%、 Cr:22.12〜26.10%、Ni:6.01〜6.92%、 Mo:3.18〜3.96%、 sol.Al:0.015〜0.028%、 Ca:0.0018〜0.0045%、 N:0.1351〜0.1984%、 O:0.0026〜0.0058%、 W:0.01〜0.43%、 Fe及び他の不可避的不純物:残り。 なお、鋼中のOを低減する方法としては現
在種々のものがあるが、AOD炉の使用、RH
槽による真空脱ガス、鋳込み途中のArガス
やNガスによるシール等の手段を用いれば良
い。 (n) W Wはフエライト生成元素であり、固溶硬化
等によつて鋼の強度を上昇させる作用を有し
ているので、より高い強度が望まれる場合に
必要に応じて添加される成分である。また、
一方では高温度での耐孔食性能を高める元素
でもあるため、使用環境が高温でかつ腐食が
厳しい場合に添加される成分でもある。しか
しながら、Wの含有量が0.01%未満であると
上述した強度や耐孔食性能の向上効果が十分
ではない。 一方、Wを添加すると高温での変形抵抗が
大きくなると共に、“シグマ相”と称する延
性や靱性を極端に劣化させる組織が析出され
やすくなるため、実生産では極めて取り扱い
にくい材料となる。また、経済性の面でも不
利である。そのため、Wの添加量は必要最小
限に止めるべきである。そして、継目無鋼管
が実際にラインパイプや油井管として使用さ
れる環境の大半は温度が100℃以下であり、
この程度の温度域では1.00%以下程度のW含
有量でも十分な耐孔食性能が確保できる。 従つて、強度や耐孔食性能の向上効果、経
済性並びに実生産上での取扱い性等を配慮し
てW含有量は0.01〜1.00%と定めた。 (B) 製管条件 上記成分の鋼を溶製した後、丸ビレツト連続
鋳造機で丸ビレツトとする方法は、通常の丸ビ
レツト連続鋳造にて通常の鋳込み条件で鋳込め
ば良いが、鋳込み速度を速くするとヒビ割れを
発生することもあるので、鋳込み速度はあまり
速くしない方が良い。 丸ビレツトに鋳込んだ後、分塊圧延を施さずに
製管すれば良いが、丸ビレツトに切削等による手
入れを施すと、継目無鋼管圧延時に内外面に発生
する疵は少なくなる。しかし、工程を省略したい
場合には、無手入れのままで、所謂“黒皮製管”
をしても良いことは言うまでもない。 穿孔圧延機で穿孔圧延するに際しての加熱温度
を1200〜1310℃と限定したのは、該加熱温度が
1310℃を超えるとオーステナイト粒が粗大化する
ことに起因して穿孔圧延の際に素管内外面に疵が
発生するようになり、一方、1200℃未満の加熱で
は、圧延温度が低くなり過ぎることに起因して二
相ステンレス鋼の加工性が悪化し、やはり素管内
外面の疵発生の原因となるためである。 継目無鋼管製管時の穿孔圧延では、通常は穿孔
比(丸ビレツト長さに対する穿孔後の素管長さの
比)1.5〜5.0で穿孔されるが、本発明においてこ
の穿孔比を特に1.40以下とした理由は次の通りで
ある。 即ち、二相ステンレス鋼は元々熱間加工性の悪
い材料であり、このような素材に穿孔比が1.40を
超える苛酷な圧延を行つた場合には、O、Sを極
力低減して変形能の向上を図つた素材であつても
その変形能を超える変形がなされることになる。
その上、穿孔機のプラグ先端にて素材の破断が起
きやすくなり、素材の破断が起きると破断部は酸
化されて以後の圧延で圧着せずに内面疵となる。 しかも、本発明では連続鋳造された鋳込ままの
丸ビレツトを使用するため、丸ビレツトの軸芯に
は軽微ながらもポロシテイが残存している場合が
ある。このように軸芯にポロシテイが残存する場
合は、プラグ先端での素材の破断が起きるとポロ
シテイ自体が酸化され、大きな内面疵に発展する
可能性が高い。 しかるに、穿孔比を特に1.40以下に制限すると
これらの不都合が防止され、内面疵発生の懸念は
激減する。 また、式 ドラフト率=(素材径)−(ゴージ径)/(素材径)×
100〔%〕 で示される。“穿孔圧延時のドラフト率”は、通
常、5.0%を超えて8.0%程度に至るまでの値に設
定され穿孔がなされるが、熱間加工性の悪い二相
ステンレス鋼であつてしかも鋳込ままで軸芯にポ
ロシテイの残存する丸ビレツトの穿孔において
は、穿孔比の場合と同様、ドラフト率が5.0%を
超える苛酷な圧延を行うと穿孔中の丸ビレツト軸
芯に割れを生じたり、プラグ先端での破断が生じ
ると素材の内部が酸化されて後の圧延で圧着せず
に内面疵となる。また、二相ステンレス鋼は熱間
での変形抵抗の高い材料であるため、ドラフト率
を大きくすると材料の穿孔ロールへの食い込み不
良や頭詰まりといつた事態を生じ穿孔できなくな
る場合もある。 従つて、特に鋳込ままの二相ステンレス鋼丸ビ
レツトを穿孔する場合には、穿孔中に丸ビレツト
軸芯の割れやプラグ先端での素材の破断を生じさ
せることなくスムーズな穿孔を行う上でドラフト
率を5.0%以下とすることは不可欠の条件となる。 なお、前記式における“ゴージ径”とは穿孔ロ
ールの最大値直径部間の間隔であり、“ゴージ間
隔”とも呼ばれる。 一方、穿孔温度は特に限定されるものではない
が、出来れば1100〜1150℃の範囲とするのが好ま
しい。なぜなら、1150℃を超える穿孔温度とする
ためには加熱温度を高くしなければならず、それ
によつてオーステナイト粒が粗大化して素管内外
面の疵発生原因を作ることとなり、また穿孔温度
が1100℃未満であると丸ビレツトの変形能が小さ
く、やはり素管内外面に疵が発生するためであ
る。 そして、以上の条件の下で穿孔圧延機による圧
延が終了した後、例えば穿孔圧延機としてマンネ
スマン穿孔圧延機を採用した場合にはマンドレル
ミルやプラグミル及びリーラー等による製管が行
われ、継目無鋼管製品とされる。なお、適用され
る穿孔圧延機はマンネスマン穿孔圧延機に限ら
ず、アツセルミル等の穿孔圧延機であつても良い
ことは勿論である。 即ち、本発明に係る製管条件上の大きな特徴
は、工夫を凝らした特定組成の二相ステンレス鋼
素材を用いると共に、許される限り前記二相ステ
ンレス鋼の変形能が大きくなる温度、並びに許さ
れる限りの圧下条件・圧延条件で圧延を行うこと
により、内外面の疵を少なくすることにある。 続いて、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 <実施例> 実施例 1 まず、第1表に示される成分組成の二相ステン
レス鋼A〜DをAOD炉溶製し、RH真空槽処理
【表】
【表】
【表】
【表】 した後、丸ビレツト連続鋳造機に鋳込んで丸ビレ
ツト(鋳片)を得た。 一方、比較のため、従来例として第1表の二相
ステンレス鋼Eを転炉溶製し、RH真空槽処理し
た後、角ブルーム連続鋳造機に鋳込んで角ブルー
ム鋳片とし、これを分塊圧延して丸ビレツトとな
した。 次いで、得られた丸ビレツトA,B及びEをマ
ンネスマン式穿孔圧延機(第1ピアサー、第2ピ
アサー)にて穿孔圧延し(加熱温度:1305℃、穿
孔温度:1135℃、穿孔比:1.30、ドラフト率:
4.5)、プラグミル、リーラー及びサイザーにて第
2表に示す寸法に仕上げた後、得られた継目無鋼
管内外面のカブレ疵を検査した。 これらの検査結果も第2表に併せて示した。 第2表に示される検査結果からは、本発明によ
ると、丸ビレツト連続鋳造鋳片を分塊圧延するこ
となくそのまま穿孔圧延しても、内外面性状が角
ブルームを分塊圧延してから穿孔圧延する従来法
の場合と同様程度の継目無鋼管を得られることが
分かる。 更に、継目無鋼管の品質に及ぼす製管条件の影
響を確認するため、鋼種がC及びDである前記丸
ビレツト(鋳片)につき条件を変えてマンネスマ
ン式穿孔圧延機で穿孔圧延し、プラグミル、リー
ラー及びサイザーで仕上げ製管した継目無鋼管の
内外面における疵の発生状況を調べた。 このときの製管条件及び内外面の疵発生状況を
第3表に示す。 第3表からも分かるように、本発明で規定する
条件通りに製管されたものは良好な内外面性状を
有しているのに対し、穿孔比が1.40を、またドラ
フト率が5.0%を超えた比較例では、鋼管の内外
面、特に外面での疵発生が目立ち、製品不良を起
こすことが明らかである。 また、第3表に示される結果からは、ビレツト
外削なしの黒皮製管についても、製管条件の選択
や製管後における酸洗等の手入れにより、鋳造の
ままの丸ビレツトを用いた穿孔圧延製管が可能で
あることも確認できる。 実施例 2 第4表に示す如き成分組成の二相ステンレス鋼
F〜Iを転炉−AOD炉で溶製した後、丸ビレツ
ト連続鋳造機に鋳込んで直径が206mmの丸ビレツ
ト(鋳片)を得た。 次に、各丸ビレツトを1290℃に加熱してからマ
ンネスマン穿孔圧延機で穿孔圧延し(穿孔後の寸
法:156mmφ×12mmt、穿孔比:1.30、穿孔回数:
1回)、プラグミル、リーラー及びサイザーで仕
上げ製管した継目無鋼管の外面における疵の発生
状況を調べた。 この結果を第5表に示した。 第5表に示される結果からは、本発明で規定す
る成分組成の二相ステンレス鋼を素材とし、本発
明で規定する条件通りに製管すれば優れた品質の
継目無鋼管が得られるのに対して、素材鋼の成分
組成が本発明で規定する条件を満足しない場合に
は、同じ製管加工条件であつても連続鋳造丸ビレ
ツトからでは高品質製品が得られないことが分か
る。
【表】
【表】
【表】 れていることを示す。
<効果の総括> 以上に説明した如く、この発明によれば、内外
面性状の優れた高品質二相ステンレス鋼継目無鋼
管を、丸ビレツト連続鋳造で得た丸ビレツトの穿
孔圧延により高能率で安定生産することが可能と
なるなど、産業上極めて有用な効果がもたらされ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、酸素含有量と捩回値及び鋼管内面疵
との関係を示すグラフである。第2図は、高温捩
り試験片の形状寸法に関する説明である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量割合にて C:0.08%以下、Si:0.01〜2.00%、 Mn:0.01〜3.00%、P:0.030%以下、 S:0.0015%以下、Cu:0.01〜2.00%、 Cr:20.00〜35.00%、Ni:3.00〜15.00%、 Mo:0.5〜8.00%、sol.Al:0.001〜0.20%、 Ca:0.0015〜0.0070%、N:0.03〜0.35%、 O:0.0050%以下、 Fe及び不可避的不純物:残り からなる二相ステンレス鋼を溶製し、丸ビレツト
    連続鋳造機によつて丸ビレツトとした後、これを
    1200〜1310℃に加熱してから穿孔圧延機にて 穿孔比:1.40以下、 ドラフト率:5.0%以下 なる条件で圧延し、継目無鋼管とすることを特徴
    とする、二相ステンレス鋼継目無鋼管の製造方
    法。 2 重量割合にて C:0.08%以下、Si:0.01〜2.00%、 Mn:0.01〜3.00%、P:0.030%以下、 S:0.0015%以下、Cu:0.01〜2.00%、 Cr:20.00〜35.00%、Ni:3.00〜15.00%、 Mo:0.5〜8.00%、sol.Al:0.001〜0.20%、 Ca:0.0015〜0.0070%、N:0.03〜0.35%、 O:0.0050%以下、W:0.01〜1.00%、 Fe及び不可避的不純物:残り からなる二相ステンレス鋼を溶製し、丸ビレツト
    連続鋳造機によつて丸ビレツトとした後、これを
    1200〜1310℃に加熱してから穿孔圧延機にて 穿孔比:1.40以下、 ドラフト率:5.0以下 なる条件で圧延し、継目無鋼管とすることを特徴
    とする、二相ステンレス鋼継目無鋼管の製造方
    法。
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