JPH056835Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、前座席と後座席とが前後に並んで配
設されている自動車用座席であつて、フツトレス
トを備えたものに関する。

「従来の技術」 前座席と後座席とが前後に並んで配設されてい
る自動車用座席では、後座席の着座者のために前
座席にフツトレストを設けることがある。

そのような従来の技術としては、例えば実開昭
57−84132号公報に開示されたものがある。

すなわち、同公報には、前座席の背凭れの背面
から足下に展開するプレートを設け、該プレート
に足を載せるようにしたものが開示されている。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、このような従来の技術では、前
座席の背凭れを基礎にしてそれから下方に展開す
るようにフツトレストを構成してあるので、展開
するためのリンク機構が必要で構成が大掛かりに
なりコスト高になるばかりでなく、プレートの分
だけ背凭れの厚さが厚くなりすぎたり、プレート
を背凭れの厚さに含めるとクツシヨン性が悪くな
るという問題点があつた。

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、余分なスペースを取らず簡単な
構成のフツトレストを備えた自動車用座席を提供
することを目的としている。

「課題を解決するための手段」 かかる目的を達成するための本考案の要旨とす
るところは、 前座席と後座席とが前後に並んで配設されてい
る自動車用座席において、 前座席の座部の後端部の上部を切り欠いて、後
席の着席者の足を入れるレスト凹部を形成し、 前記レスト凹部に嵌まり込んで収納されるとと
もに、前記前座席の後端部に接続して前記レスト
凹部に連なる足載せ面を形成するレスト体を設
け、 前記レスト凹部の内面と前記レスト体とを連結
帯にて引き出し可能に連結し、該レスト体を前座
席の座部の後端部に接続したとき、対応する該座
部の後端面と該レスト体の端面とに相互に係脱可
能なフアスナ部材を装着したフツトレスト装置を
備えたことを特徴とする自動車用座席に存する。

「作用」 フツトレストを使用しないとき、レスト体はレ
スト凹部に嵌り込んで収納されており、前座席の
座部の後端は凹凸のない形状をしている。

フツトレストを使用するときは、レスト体をレ
スト凹部から引き出す。

レスト体とレスト凹部の内部とを連結している
連結帯はレスト体の収納時にはたるみがあるの
で、上方の背凭れとの干渉を避けながら引き出す
ことができる。

引き出したレスト体は、レスト凹部の底面に上
面が連なるようその端面を座部の後端面に当て、
フアスナ部材を係合させる。この時、連結帯は延
び切つてフアスナ部材とともにレスト体を支えて
いる。

後席の着席者は、レスト体の上面からレスト凹
部に足を入れ、十分に足を伸ばして休めることが
できる。

フツトレストを使用しないときは、レスト体を
持ち上げ、フアスナ部材の係合を外し、連結帯を
たるませ、可動になつたレスト体をレスト凹部に
嵌め込む。連結帯はレスト体の下に自然に畳み込
まれる。

「実施例」 以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明す
る。

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示してい
る。

自動車の車室１０内に前座席２０と後座席２０
ａとが前後に並んで配設されており、前座席２０
に後座席２０ａの着席者用のフツトレスト装置が
設けられている。

前座席２０は、背凭れ２１を座部２２に図示省
略したリクライニングデバイスにより起倒可能に
支持して成り、前座席２０の座部２２の後端部２
３の上部を略４角形に切り欠いて、後席の着席者
の足を入れるレスト凹部２４が形成されている。

レスト凹部２４に嵌まり込むレスト体２５は、
嵌まり込んだとき座部２２の後端部２３が凹凸の
ない外周形状をなす形状をしており、引き出した
ときはフロア１１上に載置されるように配設され
ている。

レスト体２５の端面２６は後端部２３の後端面
２３ａに当接する接続面であり、一つの面は、端
面２６を後端面２３ａに当接して接続したとき、
レスト凹部２４の底面２４ａに連なる足載せ面２
７をなしている。

レスト凹部２４の内面である底面２４ａの中間
部とレスト体２５の足載せ面２７の中間部とは連
結帯３０にて引き出し可能に連結されている。

連結帯３０は、レスト体２５の端面２６が座部
２２の後端部２３の後端面２３ａに接続し、レス
ト凹部２４の底面２４ａに足載せ面２７が連なつ
たとき、連結帯３０が丁度張る程度の長さに設定
してある。

座部２２の後端面２３ａとレスト体２５の端面
２６とには、相互に係脱可能なフアスナ部材３１
ａ，３１ｂがそれぞれ装着されている。

次に作用を説明する。

フツトレスト装置を使用しないとき、第３図に
示すように、レスト体２５はレスト凹部２４に嵌
り込んで収納されており、前座席２０の座部２２
の後端は凹凸のない外形形状をしている。連結帯
３０の長さは、レスト体２５を引き出したとき張
るように設定されており、収納時にはたるんでお
り、レスト体２５とレスト凹部２４の底面２４ａ
との間に折畳んで納まつている。

フツトレストを使用するときは、レスト体２５
をレスト凹部２４から引き出す。

引き出す際、レスト体２５の後端部を中心にし
て引き起こそうとしても上方の背凭れ２１に当る
ので起すことはできない。レスト体２５とレスト
凹部２４の内部とを連結している連結帯３０はレ
スト体２５の収納時にはたるみがあるので、レス
ト体２５を後方に移動させれば上方の背凭れ２１
との干渉を避けながら引き出すことができる。

引き出したレスト体２５は、レスト凹部２４の
底面２４ａに上面の足載せ面２７が連なるようそ
の端面２６を座部２２の後端面２３ａに当て、丁
度接合するフアスナ部材３１ａ，３１ｂを係合さ
せる。この時、連結帯３０は延び切つてフアスナ
部材３１ａ，３１ｂとともにレスト体２５を支え
ている。

後席の着席者は、レスト体２５の上面の足載せ
面２７からレスト凹部２４に足を伸ばし、十分に
足を休めることができる。

フツトレストを使用しないときは、レスト体２
５をその状態での先端部分を略中心にして後端部
を持ち上げるようにすると、第１図に想像線で示
すように、フアスナ部材３１ａ，３１ｂの係合が
外れる。そこで連結帯３０をたるませながらレス
ト体２５をレスト凹部２４に後から押し込むよう
にして嵌め込む。連結帯３０はレスト体２５の下
に自然に畳み込まれる。

「考案の効果」 本考案に係る自動車用座席によれば、前座席の
座部の後端部を利用して、そこに収納可能なレス
ト体によりフツトレスト装置を構成したから、余
分なスペースを取ることがなく、着席感に影響す
る部位を外れているので、座り心地を害すること
がなく、しかも簡易な構成となりコストも最小限
で済む。

【図面の簡単な説明】

各図は本考案の一実施例を示しており、第１図
は座席に備えたフツトレスト装置の側面図、第２
図は座席の配置を示す側面図、第３図はレスト体
をレスト凹部に収納した状態を示す側面図であ
る。 １０……車室、２０……前座席、２１……背凭
れ、２２……座部、２３……後端部、２４……レ
スト凹部、２４ａ……底面、２５……レスト体、
２６……端面、２７……足載せ面、３０……連結
帯、３１ａ，３１ｂ……フアスナ部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前座席と後座席とが前後に並んで配設されてい
   る自動車用座席において、 前座席の座部の後端部の上部を切り欠いて、後
   席の着席者の足を入れるレスト凹部を形成し、 前記レスト凹部に嵌まり込んで収納されるとと
   もに、前記前座席の後端部に接続して前記レスト
   凹部に連なる足載せ面を形成するレスト体を設
   け、 前記レスト凹部の内面と前記レスト体とを連結
   帯にて引き出し可能に連結し、該レスト体を前座
   席の座部の後端部に接続したとき、対応する該座
   部の後端面と該レスト体の端面とに相互に係脱可
   能なフアスナ部材を装着したフツトレスト装置を
   備えたことを特徴とする自動車用座席。