JPH0568252U - 植物栽培容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 栽培容器自体を吸水支持部材で一体的に形成
して容器の毛細管作用によりタンク内の養液を植物に自
動給液するようにした植物栽培容器を提供することを目
的とする。 【構成】 毛細管機能を備えた吸水支持部材１により培
地２を載置する栽培部３と養液４を収容するタンク部５
を仕切部６を介し上下に分割してなる植物栽培容器Ａを
一体的に形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、栽培部とタンク部を吸水支持部材により一体的に形成した自動給水 式の植物栽培容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動給水式の植物栽培容器として、種々のものが考案されている（例え ば、実開昭６２ー１３０４５２、実開平２ー３１４３８号公報等）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の植物栽培容器は、タンク（水槽）と栽培部（鉢本体）が別体に 形成されたものが殆どであり、また、プラスチック等で成形された栽培容器に吸 水布、ロックウール等からなる吸水材をセットして使用するようになっているた め、コスト高となるばかりでなく、吸水材のセットに手間がかかる等の問題があ った。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記のような実状に基づきなされたものであって、毛細管機能を備 えた吸水支持部材により培地を載置する栽培部と養液を収容するタンク部を上下 に分割してなる栽培容器を一体的に形成し、タンク部に収容した養液が前記栽培 容器の毛細管作用により栽培部上に載置した培地に自動給液されるように構成し たことを要旨とする。

【０００５】

【作用】

タンク部内に収容した養液は、容器自体の有する毛細管作用により徐々に吸上 げられて容器上部に一体形成された栽培部に浸透導水され、該栽培部上に載置し た植物培地に自動的に給液される。

【０００６】

【実施例】

本考案の構成を図面に示された一実施例により説明する。１は毛細管機能を備 えた吸水支持部材で、この吸水支持部材としては、例えば、ロックウール、グラ スウール、スポンジ等の多孔質部材を樹脂等の硬化剤で硬化したもの等が使用さ れており、植物栽培容器Ａとして必要な強度性を有している。本考案にかかる植 物栽培容器Ａは、上記吸水支持部材１により栽培部３とタンク部５を一体的に形 成したものである。すなわち、吸水支持部材１により培地２を載置する凹陥状の 栽培部３と水や肥料等の養液４を収容するタンク部５を仕切部６を介して上下に 分割してなる箱状の栽培容器Ａが一体的に形成されている。そして栽培容器Ａの 外周面はビニールフィルム又は樹脂コーティング等により防水被覆処理７されて いる。８は栽培部３とタンク部５とを連通させて設けた養液補給口である。９は ガーゼ、不織布又は網状体等からなる防根シートで、仕切部６の上面と培地２間 に介装されている。１０は植物である。

【０００７】 図３及び図４に示すものは、植物栽培容器Ａに繊維で起毛加工を施すことによ りタンク部５内の養液４が起毛１２を順次伝たって栽培部３上に載置した培地２ に自動的に給液されるように構成したものである。このものでは、タンク部５と 栽培部３を仕切る仕切部６に多数の透孔１１が開けられており、また、タンク部 ５内面、仕切部６上面、下面のみならず透孔１１内にも起毛１２が連続密状に加 工されている。この構造のものでは、箱状の容器Ａ本体は前記のような吸水支持 部材１を材質とすることなくプラスチック等の非吸水部材で形成してもよい。な お、起毛の加工方法は、例えば、内面に予め糊付けしたものに繊維糸を吹付けた 後、静電気を利用して起毛させる等適宜公知の手段で行なうことができる。ま た、予め起毛処理した布等を容器Ａに一体的に貼付してもよい。

【０００８】 さて、養液の補給口８からタンク部５内に水及び肥料等の養液４を入れ、栽培 部３に植物１０を植付けた（又は植物の種子を播いた）培地２を載せて植物１０ を栽培するものであるが、本考案に係る植物栽培容器Ａは毛細管機能を備えた吸 水支持部材１によりタンク部５と栽培部３が一体構造となっているため、タンク 部５内の養液４は吸水支持部材１の有する毛細管作用によりタンク部５の側板肉 厚層を通り徐々に吸上げられる。そしてこの吸上げられた養液４はタンク部５の 上部から仕切部６の水平肉厚層に至り、該仕切部６の中央方向に導水されると共 に仕切部６の表面から栽培部３上の培地２内に順次浸透し、該培地２に植付けら れた植物１０（又は播種された種子）に自動的に給液される。なお、タンク部５ には補給口８から養液４を随時補給すればよい。ところで、本考案は植物栽培容 器Ａ自体が毛細管機能を備えた吸水支持部材１で形成されており、しかもタンク 部５と栽培部３は同じく吸水支持部材１からなる仕切部６を介して一体化されて いるので、仕切部６にはタンク部５を構成する側板全面から養液４が導水され、 仕切部６の全域が均一な湿潤状態に保持される。このため培地２の配置位置によ って吸水度合にバラツキを生じさせることなく各植物に対する吸水状態を均一化 することができるので、培地２及び植物１０の配置が場所的に制約されずに自由 に配置できる。また、植物１０に対し一度に過度の水分や肥料等が供給されるこ となく吸水支持部材１の有する毛細管作用により少しづつ持続的に給液されるの で根腐れや肥料負けをきたすことがなく植物１０の成育は良好に行なわれる。な お、タンク部５は略密封状に構成されているので養液４が外部にこぼれたり、藻 が発生したりすることがない。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は、上記のように、タンク部と栽培部を毛細管機能を備えた吸水支持部 材により一体構造としてあるので、給水布や給水管等の吸水装置を別途装備した り、タンクと栽培部等の別部材同士を連結具等を介して組合せ連結したりするこ とが不要となり、大幅なコストダウンを図ることができるうえ、植物に対する給 水状態を均一にできるので植物の配置上の制約をなくすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を使用して植物を栽培している状態の断
側面図である。

【図２】本考案を使用して植物を栽培している状態の斜
視図である。

【図３】本考案の他の実施例を示す斜視図である。

【図４】他の実施例を使用して植物を栽培している状態
の断側面図である。

【符号の説明】

１ 吸水支持部材 ２ 培地 ３ 栽培部 ４ 養液 ５ タンク部 ６ 仕切部 １０ 植物 １２ 起毛 Ａ 植物栽培容器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 毛細管機能を備えた吸水支持部材により
   培地を載置する栽培部と養液を収容するタンク部を上下
   に分割してなる栽培容器を一体的に形成し、タンク部に
   収容した養液が前記栽培容器の毛細管作用により栽培部
   上に載置した培地に自動給液されるように構成したこと
   を特徴とする植物栽培容器。