JPH0568094B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ≪産業上の利用分野≫ この発明は半導体基板、液晶用ガラス基板等
（以下基板と称する）を回転させながら、その表
面に例えばフオトレジスト液、現像液、エツチン
グ液、あるいは液体ドーパント剤等を基板の上方
に設けたノズルから供給することにより、基板の
表面処理を行う回転式表面処理装置に関するもの
である。

≪従来の技術≫ この種の回転式表面処理装置としては、従来よ
り例えば本出願人の提案に係る第２図に示すもの
（特開昭63−77569号公報：以下従来例１という）、
あるいは第３図に示すもの（特公昭53−37189号
公報：以下従来例２という）が知られている。

従来例１は、第２図に示すように、基板Ｗを略
水平に保持して回転するスピンチヤツク１０１
と、スピンチヤツク１０１の上方に設けられ基板
Ｗに処理液を供給するノズル１０２と、回転する
基板Ｗを囲うようにして設けられ、処理液の回収
と処理液飛沫の飛散を防止する飛散防止カツプ１
０４と、飛散防止カツプ１０４内を排気する排気
手段１２０とを備えて成り、飛散防止カツプ１０
４は上部に外気取入口１０５ａを備え、処理液飛
沫を傾斜面１０５ｂで下方へ案内する上カツプ１
０５と、上カツプ１０５の下部周壁１０５ｃに内
接する排液ゾーン１０７及びこの排液ゾーン１０
７の内側にリング状の排気ゾーン１０８を区画形
成した下カツプ１０６とから成り、スピンチヤツ
ク１０１の下方には外気取入口１０５ａから流下
する気流Ａを傾斜整流面１０３ａで下カツプに整
流して案内する円形整流部材１０３を設け、排気
ゾーン１０８を円形整流部材１０３の下側に位置
させ、排液ゾーン１０７と排気ゾーン１０８とを
両ゾーンの隔壁に形成した絞り開口１０８ａで連
通して排気するように構成されている。なお符号
１１７は排気ダクトである。

従来例２は、第３図に示すように、ケーシング
２０４の下半部を飛散防止カツプとして形成し、
その内部にスピンチヤツク２０１を設け、スピン
チヤツク２０１で保持した基板Ｗの下方に気流案
内板２０３を水平配置し、気流案内板２０３の下
側に環状のエア噴射ノズル２１１を設け、基板Ｗ
の下面にエアA₂を吹きつけて、表面処理液の飛
沫が基板Ｗの裏面に付着するのを防止するように
構成されている。なお、第３図中符号２２０は基
板Ｗの上面に気流Ａを吹き付ける気体供給用ノズ
ル、２１７はケーシング２０４に開口された排気
口である。

≪発明が解決しようとする課題≫ 上記従来例１は、排気ゾーン１０８を円形整流
部材の下側にリング形状をなすように設け、その
外周に排液ゾーン１０７を区画形成して両ゾーン
１０７，１０８を絞り開口１０８ａで連通し、基
板Ｗの周縁より流下する気流Ａが均一となるよう
に構成されており、フオトレジスト等の膜厚を均
一に高精度で形成できるものであるが、次のよう
な難点がある。

基板Ｗの周縁より流下する気流Ａの一部が、基
板Ｗと円形整流板１０３との間〓に流入し、処理
液の飛沫が基板Ｗの裏面に付着するという問題が
ある。

一方、従来例２は上記のような問題点はない
が、排気口２１７がケーシング２０４の側壁２０
４ｂにあけられ、しかもスピンチヤツク２０１よ
りも上方に位置するため、排気流Ｂに乗つて処理
液の飛沫が基板Ｗの上方に吹き上げられ、それが
基板Ｗの表面へ再付着するという問題がある。な
お、排気ダクトを第２図のようにケーシング２０
４の下部に開口することも考えられるが、その場
合でも気流案内板２０３の下側に設けたエア噴射
ノズル２１１から基板Ｗの下面にエアA₂を吹き
付ける構造であるため、基板Ｗの周縁部より流下
する気流は均一とならず乱流を生じ易い。このた
め、塗膜を均一に、高精度で形成することができ
ない。

本発明はこのような事情を考慮してなされたも
ので、基板の表面処理の均一性を確保しながら
も、基板の裏面への処理液の飛沫が付着するのを
防止することを技術課題とする。

≪課題を解決するための手段≫ 本発明は上記課題を解決するために前記従来の
回転式表面処理装置を以下のように改良したもの
である。

即ち、前記従来例１の基板の回転式表面処理装
置において、飛散防止カツプを外カツプで囲い、
飛散防止カツプと外カツプとの間に上記気流を流
通する迂回流路を形成し、迂回流路を飛散防止カ
ツプ内の基板と円形整流部材の傾斜整流面との間
〓に連通したことを特徴とするものである。

≪作用≫ 本発明では、飛散防止カツプと外カツプとの間
に形成された迂回流路が、基板と円形整流部材の
傾斜整流面との間〓に連通されており、基板の周
縁より流下する気流によつて、当該迂回流路が負
圧になる。従つて、この迂回流路を流通する気流
は、基板の下側を周縁部へ向かつて流れ、上記流
下気流と合流することになるが、従来例のように
吹き付けによるものではないので、流下気流の乱
れは生じない。これにより、基板の表面処理の均
一性は確保され、かつ基板の裏面へ処理液飛沫が
付着することもない。

≪実施例≫ 第１図は本発明の一実施例を示す回転式表面処
理装置の縦断面図である。

この回転式表面処理装置は、第１図に示すよう
に、基板Ｗを略水平に保持して回転するスピンチ
ヤツク１と、スピンチヤツク１の上方に設けられ
基板Ｗに処理液２ａを供給するノズル２と、スピ
ンチヤツク１で保持した基板の下方に配置され、
流下気流Ａを傾斜整流面３ａで整流して案内する
円形整流部材３と、回転する基板Ｗを囲うように
して設けられ、処理液２ａの回収と処理液飛沫の
飛散防止とに役立つ飛散防止カツプ５と、飛散防
止カツプ４を囲う外カツプ１０と、排気手段２０
とを具備して成る。

飛散防止カツプ４は、上部に外気取入口５ａを
備え処理液飛沫を傾斜面５ｂで下方へ案内する上
カツプ５と、上カツプ５を着脱自在に受止め支持
し、上カツプ５の下部周壁５ｃに内接する排液ゾ
ーン７及びこの排液ゾーン７の内側にリング状の
排気ゾーン８を区画形成した下カツプ６とから成
る。

排気ゾーン８は円形整流部材３の下側にリング
形状をなすように設けられ、排液ゾーン７から排
気ゾーン８へは排気ゾーン８の周囲にスリツト状
に形成した絞り開口８ａで連通し、排気ゾーン８
内に設けた排気ダクト１７より排気するように構
成されている。なお、第１図中符号１６は排液ゾ
ーン７内に設けられた排液ドレンである。

上記外カツプ１０は、飛散防止カツプ４を囲
い、飛散防止カツプ４との間に気流Ａの一部を流
通する迂回流路１１を形成する。この迂回流路１
１はスピンチヤツク１で吸着保持した基板Ｗの下
面と、円形整流部材３の傾斜整流面３ａとの間〓
に連通されており、基板Ｗの周縁より流下する気
流A₁によつて当該間〓及び迂回流路１１が負圧
になる。つまり、この迂回流路１１を流通する気
流A₂は基板Ｗの下側を周縁へ向かつて流れ、流
下気流A₁と合流するが、吹き付けによるもので
はないので、流下気流A₁の乱れは生じない。

次にこの装置の動作について説明する。

先ず、スピンチヤツク１に基板Ｗを中心合わせ
して吸着保持させ、排気ダクト１７より強制排気
する。

次いで、基板Ｗの上面中央部にノズル２より例
えばフオトレジスト液２ａを吐出させ、すぐに基
板Ｗを回転させる。すると、基板Ｗの回転に伴
い、その表面にフオトレジスト液の塗膜が形成さ
れ、余剰の液は基板Ｗの周縁から飛沫となつて飛
散する。この飛沫は上カツプ５の傾斜面５ｂに衝
突し、外向き斜め下方に案内され、一部はさらに
円形整流部材３の傾斜整流面３ａに衝突し、下カ
ツプ６へ案内される。

一方、排気手段２０によつて排気ダクト１７か
ら強制排気されていることから、外気取入口５ａ
から飛散防止カツプ４内に流入する外気Ａは基板
Ｗの上面に沿つて放射方向へ流れ、基板Ｗの周縁
を通る流下気流A₁となり、円形整流板３の傾斜
整流面３ａに沿つて流下する。

他方、負圧によつて迂回流路１１を流通する気
流A₂は、傾斜整流面３ａの上縁と基板Ｗの下面
との間〓を通つて放射状に流出し、上記流下気流
A₁と合流する。これにより、基板Ｗの裏面へ処
理液飛沫がまわり込んで付着するのを防止する。
そして、流下気流A₁は下カツプ６の排液ゾーン
７を経由し、絞り開口８ａによつて通風抵抗を受
けながら排気ゾーン８内へ流入し、排気ダクト１
７より排気される。

つまり、流下気流A₁は、絞り開口８ａを介し
て排気されるようになつているので、基板Ｗ上の
気流Ａは全方向へ均一な流れとなり、塗膜のムラ
も生じない。

≪発明の効果≫ 以上の説明で明らかなように、本発明では飛散
防止カツプを外カツプで囲い、両カツプの間〓に
迂回流路を形成して基板下面と傾斜整流面との間
〓に連通したので、下記の効果を奏する。

イ 迂回流路を流通する気流は、負圧によつて基
板の下側を周縁部へ向けて流れ、処理液飛沫が
基板の裏面へまわり込み付着するのを防止する
ことができる。

ロ 基板の下側を周縁部へ向けて流通する気流は
流下気流と合流するが、従来例のように吹き付
けにより流下気流の乱れを生じさせることもな
いので、基板の表面処理の均一性を確保するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る回転式表面処理装置の縦
断面図、第２図及び第３図はそれぞれ従来例１及
び従来例２に係る回転式表面処理装置の縦断面図
である。 １……スピンチヤツク、２……ノズル、３……
円形整流部材、３ａ……傾斜整流面、４……飛散
防止カツプ、５……上カツプ、５ａ……外気取入
口、６……下カツプ、７……排液ゾーン、８……
排気ゾーン、８ａ……絞り開口、１０……外カツ
プ、１１……迂回流路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 基板を保持して回転するスピンチヤツクと、
   スピンチヤツクの上方に設けられ基板に処理液を
   供給するノズルと、回転する基板を囲うようにし
   て設けられ、処理液の回収及び処理液飛沫の飛散
   防止のための飛散防止カツプと、飛散防止カツプ
   内を排気する排気手段と、スピンチヤツクの下方
   に飛散防止カツプの上部に設けた外気取入口から
   流下する気流を傾斜整流面で飛散防止カツプ下部
   の下カツプに整流して案内する円形整流部材とを
   備えて成り、 飛散防止カツプを外カツプで囲い、飛散防止カ
   ツプと外カツプとの間に気流を流通する迂回流路
   を形成し、 迂回流路を飛散防止カツプ内の基板と円形整流
   部材の傾斜整流面との間〓に連通したことを特徴
   とする基板の回転式表面処理装置。