JPH0568020B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、ヘリカルスキヤン方式のテープレ
コーダであつて、高速再生する場合、回転ヘツド
とテープとの相対速度を一定にし、正確にテープ
上の記録信号を読みとることができるテープレコ
ーダに関するものである。

［従来の技術］ 従来、ヘリカルスキヤン方式のテープレコーダ
において高速再生モードにした場合、専用の固定
ヘツドを使用して、この固定ヘツドからの検出信
号によりテープ走行速度を一定に制御し、そのと
きのテープ走行速度およびテープ走行方向に対応
して、回転ヘツドのついたドラムの回転速度を変
化させ、回転ヘツドとテープとの相対速度を一定
にするようにしていた。

［発明が解決しようとする問題点］ 従来のヘリカルスキヤン方式のテープレコーダ
では、前述のように専用の固定ヘツドを用いてい
たので、テープ走行系の構成が複雑になるととも
に、相対速度の一定化のために、テープの走行速
度制御を行い、かつドラムの回転速度を決定する
という２つの手段を必要としていた。

この発明は、上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、専用の固定ヘツドを使用せ
ずに、回転ヘツドの再生信号により、高速再生時
の回転ヘツドとテープとの相対速度を一定にする
ことができるテープレコーダを提供することを目
的としている。

［問題点を解決するための手段］ この発明によるヘリカルスキヤン方式のテープ
レコーダは、回転ヘツドの再生信号中の任意の一
定周波数信号を抽出し、その周波数が一定になる
ようにドラムの回転速度を制御するものである。

［作用］ この発明においては、特定の周波数成分を回転
ヘツドの再生信号から取出しているので、専用の
固定ヘツドを用いることなく、回転ヘツドとテー
プとの相対速度の一定化がはかられ、テープ走行
系の構成が簡略化されている。

［実施例］ この発明の実施例を説明するに先立つて、まず
この発明の原理について述べる。

ヘリカルスキヤン方式のテープレコーダには、
固定ヘツドを使用せずに、テープに記録される信
号により、テープ上のトラツクを追跡するための
信号、すなわちトラツキング誤差信号を形成し、
それによつてトラツキングを行わせるAutomatic
Track Finding（以下ATFと記す）方式を採用し
ているものがある。その一例として、オーデイオ
信号を記録再生する回転ヘツド型デイジタルオー
デイオテープレコーダ（以下Ｒ−DATと記す）
があり、そのトラツクパターンは第２図に示すよ
うになつている。第２図の斜線部分（斜線の角度
の違いは記録アジマスの違いを示す）にATFを
行わせるための信号が記録されており、その記録
パターンの詳細は、第３図のようになつている。
第３図に示すように、ATF信号記録エリアには
f1からf4まで、４種類の周波数の信号が記録され
ている。なお、この発明はATF方式を要旨とす
るものではなく、また、これらの信号によりどの
ようにトラツキングを行わせるかについてはよく
知られているので、詳細な動作の説明は省略す
る。

さて、このＲ−DATを通常再生すると、回転
ヘツドとテープの相対速度は所定値なので、
ATF信号f1からf4は所定の周波数となるが、テ
ープの走行速度を変化させていくと、回転ヘツド
とテープの相対速度がずれてくるので、その結果
ATF信号f1からf4までの周波数も変化する。

この発明は上記のことに注目して、ATF信号
の周波数を検出し、回転ヘツドとテープの相対速
度ずれに対し、ドラムの回転速度を制御すること
によりそのずれを補正しようとするものである。

以下、この発明の一実施例を第１図にしたがつ
て説明する。第１図は実施例の回路構成を示すも
ので、テープ１に記録された信号は、回転ヘツド
２により再生され、ヘツドアンプ３で増幅され
る。ヘツドアンプ３の出力信号は、f1周波数信号
のみを通過させる周波数弁別器（ローパスフイル
タまたはバンドパスフイルタ）４と、第２の波形
整形回路５ｂに入力される。周波数弁別器４を通
過した信号は、第１の波形整形回路５ａに入力さ
れ、ここでTTLレベルの信号に変換されて、次
段のf1周波数カウンタ６へと伝えられ、ここでf1
信号周波数が計数される。

一方、第２の波形整形回路５ｂでTTLレベル
に変換された信号は、f2周波数検出回路８とf3周
波数検出回路９に入力され、ここでf2信号および
f3信号の検出が行われる。第３図の記録パターン
で示すように、f2信号またはf3信号の隣りには必
ずf1信号が記録されているので、f2あるいはf3信
号のどちらか一方を検出する時点で、f1信号周波
数はすでに計数されており、f2周波数検出回路８
またはf3周波数検出回路９の出力信号によりOR
ゲート１０を介して、f1周波数カウンタ６の計数
値がデイジタルコンパレータ７にラツチされる。
このとき、f1信号は逆アジマスヘツドで再生され
ることになるが、その周波数は、十分低く、アジ
マス効果の影響をあまり受けず問題とはならな
い。

デイジタルコンパレータ７では、あらかじめ設
定された基準値（1信号周波数）と、ラツチされ
た計数値とが大小比較され、その差に応じてドラ
ムの回転数を補正するデータがデイジタル加算器
１１へと伝えられる。デイジタル加算器１１はド
ラムの回転速度を制御する速度制御サーボループ
の一構成要素であり、ここには回転速度偏差デー
タも入力し、前述の回転速度補正データと加算さ
れ、次段のローパスフイルタ１２へPWM出力さ
れる。ローパスフイルタ１２は、PWM信号を平
滑し、アナログ信号に変換するものであり、この
信号により、モータドライブアンプ１３を介し、
ドラムモータ１４を駆動する。

以上のような動作で、回転ヘツド２で再生され
るf1信号周波数が常に所定の周波数になるよう
に、ドラムの回転速度が制御され、回転ヘツドと
テープの相対速度の一定化が計られている。

［発明の効果］ 以上のように、この発明によれば、回転ヘツド
より再生される信号の特定信号周波数を検知し
て、それが常に所定値になるようにドラムの回転
数を制御するので、回転ヘツドとテープとの相対
速度を一定化でき、高速テープを走行時にも正確
に信号を読み出すことが可能となる。また、専用
の固定ヘツドを使用しないので、テープ走行機構
の構成が簡単になるという効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明によるテープレコーダの実施
例の回路構成を示す図、第２図はＲ−DATのト
ラツクパターンを示す図、第３図はATF信号の
記録パターンの詳細図である。 ２…回転ヘツド、４…周波数弁別器、５ａ，５
ｂ…波形整形回路、６…周波数カウンタ、７…デ
イジタルコンパレータ、８，９…周波数検出回
路。なお、図中、同一符号は同一または相当部分
を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ヘリカルスキヤン方式のテープレコーダであ
   つて、回転ヘツドで再生した信号に含まれる一定
   の低周波信号成分のみを通過させる周波数弁別器
   と、上記周波数弁別器の出力信号をTTLレベル
   の信号に変換する第１の波形整形回路と、この第
   １の波形整形回路の出力信号を入力として上記低
   周波信号の周波数を計数する周波数カウンタと、
   上記回転ヘツドからの再生信号を入力してTTL
   レベルの信号に変換する第２の波形整形回路と、
   この第２の波形整形回路の出力信号を入力して再
   生信号に含まれる他の２種類の周波数成分をそれ
   ぞれ独立に検出する第１、第２の周波数検出回路
   と、上記第１、第２の周波数検出回路の各出力に
   もとづいて上記周波数カウンタで計数された値を
   ラツチし、このラツチされた計数値と基準値とを
   比較してその差に応じた補正データを出力するデ
   イジタルコンパレータとを備え、上記デイジタル
   コンパレータの出力にもとづいて上記低周波信号
   の周波数が所定値となるようにドラムの回転速度
   を制御することを特徴とするテープレコーダ。