JPH056577B2 - - Google Patents

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JPH056577B2
JPH056577B2 JP59087768A JP8776884A JPH056577B2 JP H056577 B2 JPH056577 B2 JP H056577B2 JP 59087768 A JP59087768 A JP 59087768A JP 8776884 A JP8776884 A JP 8776884A JP H056577 B2 JPH056577 B2 JP H056577B2
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Japan
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peroxide
ethylene
thermoplastic elastomer
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JP59087768A
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JPS60231747A (ja
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Katsuyoshi Yonekura
Akira Uchama
Akira Matsuda
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Priority to CA000480373A priority patent/CA1261505A/en
Priority to EP85303090A priority patent/EP0164217B2/en
Priority to DE8585303090T priority patent/DE3585704D1/de
Publication of JPS60231747A publication Critical patent/JPS60231747A/ja
Priority to US07/006,282 priority patent/US4785045A/en
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は熱可塑性エラストマーに関し、より詳
細には薄膜成形性に優れた部分架橋オレフイン系
熱可塑性エラストマーに関する。 技術背景 一般にゴム製品は、特に弾性、柔軟性等が要求
される種々の分野に広く用いられているが、その
成形に際して加硫が必要である等の生産工程上の
問題を有しており、大量生産に適さないため、加
硫することなしに成形でき且つゴム類似の性能を
有する素材によるゴム代替が検討されている。 この様なゴム類似の性能を有する素材として
は、軟質塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、低密度ポリエチレン等の軟質プラスチ
ツクが知られているが、これらは成形性が良好で
あり且つ柔軟性に富んでいるといつた長所を有し
ている反面、耐熱性、機械的強度及び反撥弾性が
劣る等の欠点を有しているため、その用途が大き
く制限されている。 また軟質プラスチツクに高融点を有するプラス
チツク、例えば高密度ポリエチレンやポリプロピ
レンを混合することにより、耐熱性、機械的強度
を向上させる試みもなされているが、代わりに柔
軟性が損なわれしかも押出成形や射出成形に際し
てひけ等を生じ良好な製品が得られない。 そこで、最近加硫ゴムと軟質プラスチツクの中
間の性能を有するものとして、所謂熱可塑性エラ
ストマーが注目されている。 かかる熱可塑性エラストマーとして本発明者等
は先に、ペルオキシド架橋型オレフイン系共重合
ゴム、ペルオキシド架橋型ポリオレフイン系樹
脂、有機ペルオキシド、架橋助剤及びペルオキシ
ド非架橋型ポリオレフイン系樹脂を動的に熱処理
して得られる熱可塑性エラストマーを提案した
(特開昭55−71739号公報)。 この熱可塑性エラストマーは、耐熱性、引張特
性、耐候性、柔軟性及び反撥弾性に優れ、押出成
形や射出成形により容易にフローマークのない製
品を成形し得、大型且つ肉厚の製品の成形には非
常に満足のいくものであるが、薄膜成形性におい
て未だ充分でなく、自動車の床、壁、天井、トラ
ンクの内壁、シートバツク等の内装材の表皮シー
ト等の用途には、未だ十分満足し得るものとは言
い難いのが現状である。 発明の目的及び概要 本発明者等は、特定のペルオキシド架橋型ポリ
オレフイン樹脂を用い、これをペルオキシド架橋
型オレフイン系共重合体ゴム及びペルオキシド分
解型ポリオレフイン樹脂とブレンドして有機ペル
オキシドの存在下で動的に熱処理して部分的に架
橋せしめる時には、耐熱性、引張特性等の特性に
優れ且つ薄膜成形性にも優れた熱可塑性エラスト
マーが得られることを見出した。 即ち本発明の目的は、耐熱性、引張特性、耐候
性、柔軟性及び反撥弾性等の特性のみならず、薄
膜成形性にも優れた熱可塑性エラストマーを提供
することにある。 本発明によれば、 (a)ペルオキシド架橋型オレフイン系共重合体ゴ
ム60乃至30重量部、(b)ペルオキシド架橋型ポリオ
レフイン樹脂20乃至40重量部、(c)ペルオキシド分
解型ポリオレフイン樹脂40乃至20重量部(ここで
(a)+(b)+(c)は100重量部となる様に選ぶ)から主
として成るブレンド物を(d)有機ペルオキシドの存
在下で動的に熱処理し部分的に架橋して成る熱可
塑性エラストマーにおいて、 (b)ペルオキシド架橋型ポリオレフイン樹脂は、
エチレンと炭素数4乃至10のα−オレフインとの
ランダム共重合体であつて、該共重合体は、エチ
レン含有率90乃至99.5モル%、メルトインデツク
ス0.1乃至50g/10min、密度0.910乃至0.940g/
cm3、及び融点が115乃至130℃であることを特徴と
する熱可塑性エラストマーが提供される。 発明の構成 本発明において使用する(a)ペルオキシド架橋型
オレフイン系共重合体ゴムとは、例えばエチレン
−プロピレン−非共役ジエンゴム、エチレン−ブ
タジエン共重合体ゴムの如く、オレフインを主成
分とする無定形の弾性共重合体であつて、(d)有機
ペルオキシドと混合し、加熱下に混練することに
より架橋して流動性が低下し或いは流動しなくな
るゴムをいう。尚、非共役ジエンとは、ジシクロ
ペンダジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロ
オクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデ
ンノルボルネン等を指称する。 本発明では、これらの共重合体ゴムの内でも、
エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−
プロピレン−非共役ジエンゴムであつて、エチレ
ン単位とプロピレン単位のモル比(エチレン/プ
ロピレン)が50/50乃至90/10であるもの、特に
55/40乃至85/15であるものが好適に使用され、
なかでもエチレン−プロピレン−非共役ジエン共
重合体ゴム、特にエチレン−プロピレン−エチリ
デンノルボルネン共重合体ゴムが、耐熱性、引張
性及び反撥弾性が優れた熱可塑性エラストマーが
得られる点で好ましい。 またこの共重合体ゴムのムーニー粘度ML1+4
(100℃)は10乃至120、特に40乃至80が好ましく、
10未満では引張特性が劣つた組成物しか得られ
ず、一方120を超えると組成物の流動性が劣つた
ものとなる。 更に共重合体ゴムのヨウ素価(不飽和度)は16
以下であることが好ましく、この範囲で流動性と
ゴム的性質のバランスのとれた熱可塑性エラスト
マーが得られる。 本発明において使用する(c)ペルオキシド分解型
ポリオレフイン樹脂とは、(d)有機ペルオキシドと
混合し、加熱下に混練しても架橋せず、流動性が
低下しないポリオレフイン樹脂をいう。即ち、(d)
有機ペルオキシドと熱反応させた際生じる分解反
応と架橋反応との競争反応において、分解反応を
多く生じる結果、重合体のみかけの分子量が減少
する様なものである。 この様なポリオレフイン樹脂としては、炭素原
子3個以上を含むα−オレフイン、即ちプレピレ
ン以上のα−オレフインの単独重合体又は2種以
上の該α−オレフインの共重合体を挙げることが
できるが、本発明においては、プレピレン、1−
ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−デセンの単独重合体及び
共重合体から選ばれるものであつて、特にポリプ
ロピレン、及びプロピレンを通常50モル%以上含
有する共重合体が好適に使用できる。 またこのポリオレフイン樹脂は、用いる重合体
の種類によつても異なるが、メルトインデツクス
が約0.1乃至50g/10min、特に5乃至20g/
10minのものが好ましい。 本発明において重要な特徴は、得られる熱可塑
性エラストマーに薄膜成形性を与えるために、上
述した(a)ペルオキシド架橋型オレフイン系共重合
体ゴム及び(c)ペルオキシド分解型ポリオレフイン
樹脂と組み合わせ使用する(b)ペルオキシド架橋型
ポリオレフイン樹脂、即ち(d)有機ペルオキシドと
混合し、加熱下に混練することにより流動性が低
下し或いは流動しなくなるポリオレフイン樹脂と
して、エチレンと炭素数4乃至10、好適には炭素
数5乃至10のα−オレフインとのランダム共重合
体を用いることにある。このランダム共重合体に
は、所謂直鎖低密度ポリエチレン(以下LLDPE
と呼ぶことがある)も含まれる。 このランダム共重合体において、エチレンと共
重合される炭素数4乃至10のα−オレフインとし
ては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、
1−デセン或いはこれらの少なくとも2種の混合
物を挙げることができ、好適には炭素数5乃至10
のα−オレフイン、最も好適には炭素数6乃至8
のα−オレフイン、とりわけ4−メチル−1−ペ
ンテンが好ましい。 またこのランダム共重合体は、エチレン含有率
が90乃至99.5モル%、好適には94乃至99モル%、
最も好適には95乃至99モル%の範囲にあることも
重要である。エチレン含有率が99.5モル%を越え
ると、得られる熱可塑性エラストマーの柔軟性が
欠け、また90モル%未満では動的熱処理後にベタ
付きを生じたり、また耐熱性も低下するのでいづ
れも好ましくない。 更にこのランダム共重合体は、X線回折法で測
定した結晶化度が40乃至70%であるものが好適に
使用され、またメルトインデツクス(ASTM−
D−1238の方法に準じ、190℃、2160gの荷重で
測定した値)が、0.1乃至50g/10min、好適に
は0.5乃至30g/10minであり、密度が0.910乃至
0.940g/cm3、好適には0.915乃至0.935g/cm3であ
り、及び融点(ASTM−D−2117)が115乃至
130℃、好適には115乃至125℃であることが必要
である。これらランダム共重合体のメルトインデ
ツクス(以下MIと記す)、密度及び融点の何れか
が上記範囲外となつても、後述する実施例に示す
様な薄膜成形性に優れた熱可塑性エラストマーは
得られない。 例えばメルトインデツクスが0.1g/10minよ
りも低い場合は得られる熱可塑性エラストマーの
薄膜成形型(押出特性)が損われ、また50g/
10minよりも高い場合は得られる熱可塑性エラス
トマーの引張り強さが低下する。 なおこれらのエチレンと炭素数4ないし10のα
−オレフインとのランダム共重合体を製造する一
例として、本出願人による特開昭53−92887号に
詳述されている方法を例示することができる。 本発明においては前述した(a)ペルオキシド架橋
型オレフイン系共重合体ゴム60乃至30重量部、(b)
ペルオキシド架橋型ポリオレフイン樹脂20乃至40
重量部及び(c)ペルオキシド分解型ポリオレフイン
樹脂40乃至20重量部(ここで(a)+(b)+(c)は100重
量部となる様に選ぶ)とをブレンドし、(d)有機ペ
ルオキシドの存在下で動的に熱処理し部分的に架
橋せしめる。 (b)ペルオキシド架橋型ポリオレフイン樹脂が上
記範囲よりも多い場合には熱可塑性エラストマー
の流動性が低下し、ひいてはその成形性が悪化す
る。また下記範囲よりも少ない場合には所望の薄
膜成形性が得られない。 (c)ペルオキシド分解ポリオレフイン樹脂が上記
範囲よりも多いと熱可塑性エラストマーの耐熱
性、引張特性が低下する等の不都合を生じ、上記
範囲よりも少ない場合には処理された(a)のオレフ
イン系共重合体ゴムの架橋度が小さい場合と同様
の欠点を生ずる。 本発明において(d)成分として用いる有機ペルオ
キシドとしては、例えばジクミルペルオキシド、
ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘ
キサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−
ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス
(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブ
チル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)
バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロ
ロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベ
ンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシ
ベンゾエート、tert−ブチルペルベンゾエート、
tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネー
ト、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオ
キシド、tert−ブチルクミルペルオキシド等を挙
げることができる。 これらの内では、臭気性、スコーチ安定性の点
で2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチル
ペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソ
プロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチ
ルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、及びn−ブチル−4,4−ビス(tert
−ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、な
かでも1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイ
ソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。 この有機ペルオキシドの配合量は、(a)、(b)及び
(c)成分の合計量当り0.05乃至3重量%、好ましく
は0.1乃至1重量%の範囲にある様に選ばられる。
この配合量が上記範囲よりも少ない場合には、(a)
及び(b)成分の架橋度が少な過ぎる結果として、得
られる熱可塑性エラストマーの耐熱性、引張特
性、弾性回復及び反撥弾性等のゴム的性質及び強
度が十分でなく、一方上記範囲よりも多量に使用
すると、(a)及び(b)成分の架橋度が増す結果、熱可
塑性エラストマーの成形性が低下する。 本発明によれば上述した(a)乃至(c)成分のブレン
ド物に前記(d)成分の有機ペルオキシドを添加し、
動的に熱処理することにより部分的に架橋された
熱可塑性エラストマーが得られる。 本発明において部分的に架橋されたとは、架橋
度すなわち、下記の方法で測定されたゲル含量が
45〜98%のものを言う。 ゲル含量の測定法 試量ペレツトを約100mg秤量し、密閉容器中に
て試量に対して十分量である30c.c.のシクロヘキサ
ンに48時間浸漬する。 次に試量を濾紙上に取り出し、室温にて72時間
以上恒量となるまで乾燥する。 ここに、 ゲル含量=シクロヘキサン浸漬後
の乾燥重量/シクロヘキサン浸漬前の重量×100(%) また動的に熱処理するとは、融解状態で混練す
ることをいう。 混練は非開放型の装置中で行なうことが好まし
く、窒素又は炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で
行なうことが好ましい。その温度は使用有機過酸
化物の半減期が1分間未満となる温度、通常150
〜280℃、好ましくは170〜240℃、混練時間は通
常1〜20分間、好ましくは1〜10分間である。ま
た、加えられる剪断力は剪断速度で通常10〜
104 sec -1、好ましくは102〜103 sec -1に選ぶ。 混練装置としては、ミキシングロール、インテ
ンシブミキサー例えばバンバリーミキサー、ニー
ダー、一軸又は二軸押出機等を用い得るが、非開
放型のものが好ましい。 本発明においては、この部分架橋処理に際し
て、(a)、(b)及び(c)の合計量当り0.05乃至3重量%
の量で架橋助剤を配合することができる。この架
橋助剤としては、例えば硫黄、p−キノンジオキ
シム、p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシム、
N−メチル−N,4−ジニトロソアニリン、ニト
ロベンゼン、ジフエニルグアニジン、トリメチロ
ールプロパン−N,N′−m−フエニレンジマレ
イミド、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレ
ート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、アリルメタクリ
レート、ビニルブチラートまたはビニルステアレ
ートを挙げることができ、この様な架橋助剤によ
り均一且つ緩和な架橋反応が期待できる。特に本
発明においてはジビニルベンゼンを使用すると取
扱いが容易であるため、また流動性と各種物性の
バランスがとれた熱可塑性エラストマーが得られ
る。即ち、ジビニルベンゼンは常温で液体であ
り、且つ(d)有機ペルオキシドを溶解し得、しかも
前記(a)乃至(c)成分に対し溶解性を有するため、有
機ペルオキシドの分散助剤、希釈剤として該有機
ペルオキシドの各成分への分散性を改良し、従つ
て均一且つ軽度の架橋をもたらす様に働くのであ
る。またジビニルベンゼン自体もラジカルとなつ
て連鎖移動剤および架橋剤として働き、ジビニル
ベンゼンを用いることにより、有機ペルオキシド
を単独使用した以上の架橋効果が期待できる。 本発明においては更に、部分架橋に際し、予じ
め鉱物油系軟化剤を必要に応じて配合することが
できる。この鉱物油軟化剤とは、通常ゴムをロー
ル加工する際、ゴムの分子間引力を弱め、加工を
容易にするとともに、カーボンブラツク、ホワイ
トカーボン等の分散を助ける或いは加硫ゴムの硬
さを低下せしめて柔軟性、弾性を増す目的で使用
されている高沸点の石油留分で、パラフイン系、
ナフテン系、或いは芳香族系等に区別されている
ものである。この鉱物油系軟化剤は、(a)、(b)及び
(c)成分の合計重量当り、50重量%以下の量で使用
し得る。この範囲より多く使用すると熱可塑性エ
ラストマーの耐熱性が低下し、或いは軟化剤が滲
出して外観を行なう等の不都合を生ずる。 また本発明の熱可塑性エラストマーは、強度、
成形性及びゴム的性質を損わない範囲で、充填
剤、着色剤、老化防止剤、酸化防止剤、耐光又は
耐光安定剤、加工助剤、帯電防止剤、その他の物
性改良剤を適宜配合できる。これらは前記工程の
何れの段階において配合してもよい。 例えば充填剤としては、カーボンブラツク、ク
レー、タルク、重質炭酸カルシウム、カオリン、
けいそう土、シリカ、アルミナ、アスベスト、グ
ラフアイト、ガラス繊維等が例示でき、また酸化
防止剤としては、フエニル−α−ナフチルアミ
ン、p−イソプロポキシ・ジフエニルアミン、
N,N′−ジフエニル・エチレンジアミン、ノニ
ル化ジフエニルアミン等のアミン系酸化防止剤、
2,6−ジターシヤリーブチルフエノール、スチ
レン化フエノール、ブチルヒドロキシアニソー
ル、4,4′−ヒドロキシジフエニル、2,2−メ
チレン−ビス−(4−メチル−6−シクロヘキシ
ル・フエノール)、テトラキス−〔メチレン−3−
(3′,5′−ジタ−シヤリ−ブチル−4′−ヒドロキシ
フエニル)プロピオネート〕メタン、トリス−
(2−メチル−ヒドロキシ−5−ジターシヤリー
ブチルフエニル)ブタンなどのフエノール系酸化
防止剤が例示できる。 また(d)有機ペルオキシドの分解を促進するため
に、トリスエチルアミン、トリブチルアミン、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノ)フエノー
ル等の三級アミンやアルミニウム、コバルト、パ
ナジウム、銅、カルシウム、ジルコニウム、マン
ガン、マグネシウム、鉛、水銀等のナフテン酸
塩、オクタン酸塩等の有機金属カルボン酸塩を動
的に熱処理する工程で併用することもできる。 かくして得られた本発明の熱可塑性エラストマ
ーは通常の熱可塑性プラスチツクで使用されてい
る装置で成形でき、押出成形、カレンダー成形、
射出成形等に適している。 また本発明の熱可塑性エラストマーは、(b)成分
が部分架橋されているため、特に薄膜成形性に優
れ、例えばシート成形に賦した際、0.08mmまでの
シート厚みとすることが可能であり、自動車の
床、壁、天井、トランクの内壁、シートバツク等
の内装材の表皮シート等の用途に適している。 また本発明の熱可塑性エラストマーは、(a)成分
及び(b)成分が架橋されているため、耐熱性、耐候
性、引張特性、柔軟性及び反撥弾性等のゴム的性
質が優れており、且つ流動性も良好であるため、
大型の肉厚製品として用いた場合にもフローマー
クやひけのない外観の良好な製品が得られる。 本発明を次の例で説明する。 実施例 1 エチレン含有率78モル%、沃素価20、ムーニー
粘度ML1+4(121℃)55のエチレン−プロピレン−
ジシクロペンタジエン共重合体ゴム(以下
EPDMと略す)ペレツト55重量部、エチレン含
量96.5モル%、融点120℃、MFR(190℃、2.16Kg)
18、密度0.920のエチレン−4−メチル−1−ペ
ンテン共重合体ペレツト20重量部、MFR(230℃、
2.16Kg)11、密度0.91のポリプロピレン(以下PP
と略す)ペレツト25重量部、酸化防止剤0.3重量
部、及び2,5ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルペルオキシ)ヘキシン−3、0.2重量部とジビ
ニルベンゼン0.3重量部とをパラフイン系鉱油0.5
重量部に分散せしめた溶液をヘンシエルミキサー
により混合し、ペレツト同志をよく均一分散させ
ると共に、溶液を当該ペレツト表面に均一に付着
させた。次いでこのペレツトを二軸押出機で窒素
雰囲気下230℃で押出し、熱可塑性エラストマー
を得た。 この熱可塑性エラストマーを押出成形機を用い
てTダイにより厚さ0.08mmにシート成形しその薄
膜成形性、熱プレスによる成形を想定して140℃
にて、20秒熱板プレスを用いてそのシボ流れ性を
評価しての結果を第1表に示した。 実施例 2 エチレン含有率78モル%、沃素価20、ムーニー
粘度ML1+4(121℃)55のエチレン−プロピレン−
ジシクロペンタジエン共重合体ゴムペレツト45重
量部、エチレン含量96.5モル%、融点120℃、
MFR(190℃、2.16Kg)18、密度0.920のエチレン
−4−メチル−1−ペンテン共重合体ペレツト30
重量部、MFR(230℃、2.16Kg)11、密度0.91のポ
リプロピレンペレツト25重量部、酸化防止剤0.3
重量部、及び2,5ジメチル−2,5ジ(t−ブ
チルペルオキシ)ヘキシン−3、0.2重量部とジ
ビニルベンゼン0.3重量部とをパラフイン系鉱油
0.5重量部に分散せしめた溶液をヘンシエルミキ
サーにより混合し、ペレツト同志をよく均一分散
させると共に、溶液を当該ペレツト表面に均一に
付着させた。次いでこのペレツトを二軸押出機で
窒素雰囲気下230℃で押出し、熱可塑性エラスト
マーを得た。 この熱可塑性エラストマーを押出成形機を用い
てTダイにより厚さ0.08mmにシート成形しその薄
膜成形性、熱プレスによる成形を想定して140℃
にて、20秒熱板プレスを用いてそのシボ流れ性を
評価してその結果を第1表に示した。 比較例 1 エチレン含有率78モル%、沃素価20、ムーニー
粘度ML1+4(121℃)55のエチレン−プロピレン−
ジシクロペンタジエン共重合体ゴムペレツト70重
量部、MFR(230℃、2.16Kg)11、密度0.91のポリ
プロピレン(以下PPと略す)ペレツト30重量部、
酸化防止剤0.3重量部、及び2,5ジメチル−2,
5ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、
0.2重量部とジビニルベンゼン0.3重量部とをパラ
フイン系鉱油0.5重量部に分散せしめた溶液をヘ
ンシエルミキサーにより混合し、ペレツト同志を
よく均一分散させると共に、溶液を当該ペレツト
表面に均一に付着させた。次いでこのペレツトを
二軸押出機で窒素雰囲気下230℃で押出し、熱可
塑性エラストマーを得た。 この熱可塑性エラストマーを押出成形機を用い
てTダイにより厚み0.25mmにシート成形しその薄
膜成形性、熱プレスによる成形を想定して140℃
にて、20秒熱板プレスを用いてそのシボ流れ性を
評価してその結果を第1表に示した。 比較例 2 エチレン含有率78モル%、沃素価20、ムーニー
粘度ML1+4(121℃)55のエチレン−プロピレン−
ジシクロペンタジエン共重合体ゴムペレツト55重
量部、密度0.915の高圧法低密度ポリエチレンペ
レツト20重量部、MFR(230℃、2.16Kg)11、密
度0.91のポリプロピレンペレツト25重量、酸化防
止剤0.3重量部、及び2,5ジメチル−2,5ジ
(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、0.2重量
部とジビニルベンゼン0.3重量部とをパラフイン
系鉱油0.5重量部に分散せしめた溶液をヘンシエ
ルミキサーにより混合し、ペレツト同志をよく均
一分散させると共に、溶液を当該ペレツト表面に
均一に付着させた。次いでこのペレツトを二軸押
出機で窒素雰囲気下230℃で押出し、熱可塑性エ
ラストマーを得た。 この熱可塑性エラストマーを押出成形機を用い
てTダイにより厚み0.08mmにシート成形しその薄
膜成形性、熱プレスによる成形を想定して140℃
にて、20秒熱板プレスを用いてそのシボ流れ性を
評価してその結果を第1表に示した。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a)ペルオキシド架橋型オレフイン系共重合体
    ゴム60乃至30重量部、(b)ペルオキシド架橋型ポリ
    オレフイン樹脂20乃至40重量部、(c)ペルオキシド
    分解型ポリオレフイン樹脂40乃至20重量部(ここ
    で(a)+(b)+(c)は100重量部となる様に選ぶ)から
    主として成るブレンド物を(d)有機ペルオキシドの
    存在下で動的に熱処理し部分的に架橋して成る熱
    可塑性エラストマーにおいて、 (b)ペルオキシド架橋型ポリオレフイン樹脂は、
    エチレンと炭素数4乃至10のα−オレフインとの
    ランダム共重合体であつて、該共重合体は、エチ
    レン含有率90乃至99.5モル%、メルトインデツク
    ス0.1乃至50g/10min、密度0.910乃至0.940g/
    cm3、及び融点が115乃至130℃であることを特徴と
    する熱可塑性エラストマー。 2 前記ブレンド物には、必要により鉱物油系軟
    化剤が配合される特許請求の範囲第1項記載の熱
    可塑性エラストマー。 3 (d)有機ペルオキシドは、(a)、(b)及び(c)成分の
    合計量当り0.05乃至3重量%の量で使用される特
    許請求の範囲第1項記載の熱可塑性エラストマ
    ー。 4 (a)ペルオキシド架橋型オレフイン系共重合体
    ゴムが、エチレンとプロピレンのモル比(エチレ
    ン/プロピレン)が50/50乃至85/15であるエチ
    レン−プロピレン共重合体ゴム又はエチレン−プ
    ロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムである特許
    請求の範囲第1項記載の熱可塑性エラストマー。 5 (c)ペルオキシド分解型ポリオレフイン樹脂
    が、炭素数3以上のα−オレフインの単独重合体
    又は該α−オレフインの2種以上の共重合体であ
    る特許請求の範囲第1項記載の熱可塑性エラスト
    マー。
JP8776884A 1984-05-02 1984-05-02 熱可塑性エラストマ− Granted JPS60231747A (ja)

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