JPH05626Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、原子炉格納容器の配管貫通部に取付
けられる貫通配管支持装置の改良に関する。

［従来の技術］ 第３図に示す如く建屋ａ内に据付けられる原子
炉格納容器ｂの側壁ｃには配管ｄを貫通させて支
持するための装置ｅが取付けられる。この装置ｅ
は配管ｄを挿通させるべく上記容器ｂを側壁ｃに
貫通して取付けられたスリーブｆと、このスリー
ブｆの容器内側端部にフランジ継手ｇにより取付
けられ、配管ｄをその軸方向の移動を許容しつつ
半径方向の移動を規制して支持するサポート板ｈ
とから主に構成される。そして、上記容器ｂの配
管貫通部から放射線が漏れることを防止するため
に、容器内側に突出されたスリーブ５の内側及び
外側には遮蔽部材ｉ，ｊが取付けられる。内側の
遮蔽部材ｉはスリーブｆの内側に嵌るようになつ
ており、サポート板ｈにロツドｋとカラーｌを介
してスリーブｆ内の所定位置に固定されるように
取付けられる。また、外側の遮蔽部材ｊはスリー
ブｆの外側に嵌るようになつており、第４図に示
す如くスリーブｆ上に取付けられるバンドｍのス
トツパｎを介して容器ｂの側壁ｃに押付けられ
る。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記貫通配管支持装置ｅにあつ
ては、スリーブｆの端部にサポート板ｈを取付け
るのにフランジ継手ｇを採用していたので、その
フランジ部ｏが邪魔になり、スリーブｆに対する
外側遮蔽部材ｊの取付け取外しが困難であるとい
う問題があつた。このため、工場で外側遮蔽部材
ｊを取付けると現地での着脱が困難となることか
ら、現地でスリーブｆに外側遮蔽部材ｊを取付け
た後、フランジ継手ｇのフランジ部ｏを溶接する
という手順を必ず踏む必要があり、また一度フラ
ンジ部ｏを溶接するとその後外側遮蔽部材ｊの取
外しが困難となつていた。また、配管ｄの半径方
向ｇの移動をフランジ継手ｇのボルトｐに生じる
剪断力で規制する構造であるため、ボルトｐの耐
久性が低下し易かつた。

そこで、本考案は上記問題点を解決すべくなさ
れたもので、スリーブに対する外側遮蔽部材の取
付け取外しが容易にでき、工場での取付け及び現
地での取外しが可能であると共に、サポート板取
付けボルトの耐久性向上が図れる貫通配管支持装
置を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本考案は、原子炉格
納容器の側壁に配管を貫通すべくスリーブを取付
け、該スリーブの外周部に遮蔽部材を嵌装すると
共に、スリーブの端部に上記配管をその半径方向
の移動を規制すべく支持するサポート板を取付け
た貫通配管支持装置において、上記サポート板の
外径を上記遮蔽部材が嵌抜できるよう上記スリー
ブの外径と略等しく形成すると共に、サポート板
にその半径方向の移動を規制すべくスリーブの内
周部に係合する係合部を形成したしたものであ
る。

［作用］ サポート板の外径がスリーブの外径と略等しい
ことから、スリーブに対する外側遮蔽部材の取付
け取外しの邪魔にならない。サポート板に形成し
た係合部をスリーブの内周部に係合させることに
より、配管の半径方向の移動を規制することか
ら、サポート板をスリーブの端部に固定するため
のボルトに生じる剪断力は小さいものとなる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。

第１図において、１は原子炉格納容器、２はこ
の容器１を収容する建屋である。上記容器１の側
壁３には、配管を挿通するためのスリーブ５が貫
通して溶接により取付けられ、このスリーブ５の
容器内側端部には配管４をその軸方向の移動を許
容しつつ半径方向の移動を規制する配管挿通孔６
を有するサポート板７が取付けられる。特に、こ
のサポート板７はスリーブ５の外周に嵌挿される
環状の外側遮蔽部材８をスリーブ５の軸端から嵌
抜できるよう外径Ｄがスリーブ５の外径と等しく
形成されると共にサポート板７にはその半径方向
の移動を規制すべくスリーブ５の内周部に係合す
る係合部９が形成される。このサポート板７は第
２図に示す如く周縁部に適宜配したボルト１０に
よりスリーブ５の端部に固定される。

また、スリーブ５内には鉛板からなる内側遮蔽
部材１１が嵌挿され、この内側遮蔽部材１１は上
記サポート板７に一端がナツト１２締めにより固
定されたロツド１３の他端に固定され、サポート
５内の所定位置に位置決め固定される。

なお、内外側遮蔽部材８，１１としては、鉛毛
とポリエチレンとを重ね合わせたもの等、種々の
ものが考えられる。

かかる構成によれば、スリーブ５の端部から半
径方向外方にサポート板７乃至その取付手段が突
出しないので、従来装置のように取付け手順を規
制されることがなく、スリーブ５に対する外側遮
蔽部材８の取付け取外しが容易にでき、工場で外
側遮蔽部材８の取付けができ、現地でスリーブ５
の検査、メンテナンス等が容易にできる。

また、容器１、配管４等の熱膨脹収縮によつて
配管４にはこれを半径方向に移動させようとする
力が発生するが、その力はサポート板７の係合部
９からスリーブ５に伝えられて受け止められるこ
とになり、このためボルト１０に加わる剪断力が
小さくなることからボルト１０の耐久性向上が図
れる。

なお、サポート板７の外径Ｄは、外側遮蔽部材
８が嵌抜できれば、スリーブ５の外径より若干大
小があつてもよい。

［考案の効果］ 以上要するに本考案によれば次の如き優れた効
果を発揮する。

サポート板の外径をスリーブの外径と略等し
くしたことから、サポート及びその取付け部が
邪魔にならず、スリーブに対する外側遮蔽部材
の取付け取外しが容易になり、従つて工場での
外側遮蔽部材の取付けが可能とになると共にそ
の現地での取外しも可能になる。

サポート板にスリーブの内周部と係合する係
合部を形成したので、この係合によつて配管の
半径方向の移動を規制することができ、これに
よりサポート板をスリーブの端部に固定するた
めのボルトに生じる剪断力が小さくなり、ボル
トの耐久性向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る貫通配管支持装置の一実
施例を示す断面図、第２図は第１図Ａ−Ａ矢視断
面図、第３図は従来の貫通配管支持装置の断面
図、第４図は第３図Ｂ−Ｂ矢視断面図である。 図中、１は原子炉格納容器、３はその側壁、４
は配管、５はスリーブ、７はサポート板、８は外
側遮蔽部材、９は係合部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原子炉格納容器の側壁に配管を貫通すべくスリ
   ーブを取付け、該スリーブの外周部に遮蔽部材を
   嵌装すると共に、スリーブの端部に上記配管をそ
   の半径方向の移動を規制すべく支持するサポート
   板を取付けた貫通配管支持装置において、上記サ
   ポート板の外径を上記遮蔽部材が嵌抜できるよう
   上記スリーブの外径と略等しく形成すると共に、
   サポート板にその半径方向の移動を規制すべくス
   リーブの内周部に係合する係合部を形成したこと
   を特徴とする貫通配管支持装置。