JPH0561357B2 - - Google Patents

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JPH0561357B2
JPH0561357B2 JP60286170A JP28617085A JPH0561357B2 JP H0561357 B2 JPH0561357 B2 JP H0561357B2 JP 60286170 A JP60286170 A JP 60286170A JP 28617085 A JP28617085 A JP 28617085A JP H0561357 B2 JPH0561357 B2 JP H0561357B2
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dysprosium
fluoride
iron
cathode
alloy
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Eiji Nakamura
Katsuhisa Ito
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Priority to DE8686309893T priority patent/DE3664795D1/de
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Description

【発明の詳細な説明】
(技術分野) 本発明は、ジスプロシウム−鉄合金の連続的製
造方法に係り、特に希土類金属−鉄−ホウ素磁石
用合金へ添加するのに適した、ジスプロシウムの
含有量が高く、不純物や介在物の含有量の低いジ
スプロシウム−鉄合金を、消耗電極式溶融塩電解
法を用いて、連続的に製造する方法に関するもの
である。 (従来の技術) ジスプロシウムの採取には、従来、ジスプロシ
ウムの純金属として採取する方法として、活性金
属(Ca)による還元法〔刊行物1(Handbook
on the Physics and Chemistry of Rare
Earths Vol.1−Metals 1978年(North−
Holland publishing Company)p.188〜193)、
刊行物2(Science and Technology of Rare
Earth Materials 1980年(Academic press)
p.25〜47)〕が、工業的には用いられている。そ
して、ジスプロシウム−鉄合金とする場合は、鉄
と混合し、溶解することによる方法が採用されて
いる。 また、ジスプロシウム−鉄合金として採取した
例としては、消耗電極式溶融塩電解法が知られて
いる。これは、合金化すべき金属を固体の陰極
(消耗電極)とし、原料として希土類金属の酸化
物を、溶媒であるフツ化物溶融塩の浴(原料を溶
解した浴が電解浴に相当する)中に溶解させて、
電解還元し、陰極上に析出させ、陰極電極と合金
化させる方法〔刊行物4(U.S.Bur.of Mines
Report Investigation 7146,E.Morrice他1968年
p.1〜12)〕であり、そこでは実験室的規模で少量
採取した例が示されている。 ここで、一般的に希土類金属を採取する方法に
ついて、簡単に説明する。 希土類金属元素は17種類あり、化学的性質がよ
く似ているので、総称的に呼称されている。しか
し、それぞれの元素は、物理的性質が異なつてい
るので、その製錬方法を異ならせている。例え
ば、低融点、低蒸気圧のLa,Ce,Pr,Nd及びこ
れらの混合物のミツシユメタルでは、その工業的
量産には、塩化物電解法、フツ化物溶融塩の溶媒
を用いた酸化物電解法、或いはCa還元法が、主
に用いられ、一方高融点のGd,Tb,Dy,Ho,
Er等では、専らCa還元法で製造される。 また、従来、希土類金属を製造する方法は、大
別して純金属として採取するものと、合金として
採取するものとがある。 (1) 先ず、純金属として採取する方法には、 (a) 溶融塩電解法(酸化物電解、塩化物電解)
〔刊行物1、刊行物2、刊行物3(U.S.Bur
of Mines Report Investigation 6957,E.
Morrice他1967年p.1〜11)、刊行物6(U.S.
Bur.of Mines Report Investigation 7398,
E.Morrice他1970年p.1〜11)、刊行物7(米
国特許第3383294号明細書)〕 (b) 活性金属(Ca)による還元法(刊行物1、
刊行物2) の2種類があり、本発明で対象とするDy金
属では、活性金属による還元法が用いられて
いる。 (2) また、合金として採取する方法には、 (a) 希土類金属の酸化物(例えばSm2O3)を
合金化する金属(例えばCo)や金属の酸化
物(例えばCo3O4)とを混合し、還元剤(例
えば水素化Ca)で還元する方法〔刊行物1,
R.E.Cech:Cobalt−rare earth
intermetallic compounds produced by
calcium hydride reduction of oxide,J.of
Met.vol.26.No.2(1974)p.32)〕 (b) 希土類金属の化合物と希土類金属と合金化
すべき金属の化合物とを、溶媒浴中に原料と
して溶解せしめ、これらを同時に電解還元し
て陰極上に合金として析出させる方法(刊行
物1、米国特許第3298935号) (c) 合金化すべき金属を固体の陰極(消耗電
極)とし、希土類金属の酸化物を原料として
溶融塩の溶媒浴中に溶解させて電解還元し、
陰極上に析出させ、陰極電極と合金化させる
方法(消耗電極法)〔刊行物4(U.S.Bur.of
Mines Report Investigation 7146,E.
Morrice他1968年)、日本特許第837401号、
日本特許第967389号〕 がある。 (解決課題) しかし、上記消耗電極式溶融塩電解法で、ジス
プロシウム−鉄合金を採取する方法は、原料化合
物としての希土類金属の酸化物を、フツ化物溶融
塩の電解浴中に溶解させて、電解還元するもので
あり、電解浴への原料の溶解度が高々2%程度と
小さいために、酸化物の濃度コントロールが難し
く、陽極効果と呼ばれる異常現象が発生して、電
解の継続が困難になることや、浴中に未溶解酸化
物のスラツジが堆積し、長期的な操業が困難にな
る等の問題がある。これを回避するためには、高
温操業が必要となり、得られた合金は、炉材等か
らの不純物の混入が多くなつて、本発明の希土類
金属−鉄−ホウ素磁石用合金には適しないものと
なるという欠点がある。また、活性金属(Ca)
による還元法は、バツチ式で、生産性が悪く、更
に不純物、特に酸素やCaの不純物が多くなると
いう欠点がある。 また、希土類金属を採取する一般的な方法の場
合の上記(1)(a)の方法は、塩化物を原料とする塩化
物電解や、酸化物原料をフツ化物溶媒浴中で電解
還元することにより、 RECl3→RE+3Cl2/2 RE2O3+3C/2→2RE+3CO2/2 の反応により、純金属を採取するもので、本発明
が目的とするフツ化物原料をフツ化物溶媒浴で、
次式、 DyF3+Fe+C→Dy−Fe+CXFY(化学量論無
視) の反応の電解を行ない、合金化して採取するもの
とは異なるものである。 本発明が目的とするジスプロシウム合金の採取
法は、ジスプロシウムが高融点の元素であるた
め、上記(1)(b)のCa(熱)還元法が用いられてい
た。しかし、この方法では、CaやO並びに反応
容器のTaの汚染の問題がある。 また、上記合金として採取する方法において、
(2)(a)の方法は、得られる合金が汚染された粉末状
態であること、還元剤が高価なことと、操業がバ
ツチ式となり、連続的な大規模生産には適してい
ない等の欠点がある。また、(2)(b)の方法は、陰極
上に析出する合金の組成を、電解工程中に長期に
亘り安定させることが難しく、また、酸化物を原
料とするため、溶媒浴への原料の溶解度が小さい
ために、連続操業が難しいという欠点がある。更
に、(2)(c)の方法については、電解法では、E.
Morriceらが実験室的に遷移金属との合金の形で
酸化物を原料とした短時間の電解で、少量のジス
プロシウム合金を得たのみである。一般に、この
方法を工業的に用いようとすると、主に酸化物を
原料とするため、前述のように、電解浴への原料
の溶解度が小さいために操業が難しいことや、浴
中にスラツジが堆積する等の問題がある。これを
低減するためには、高温操業が必要となり、得ら
れた合金は、炉材等からの不純物の混入が更に多
くなつて、本発明の目的である希土類金属−鉄−
ホウ素磁石用合金等には適しないものとなるとい
う欠点がある。 そこで、本発明の目的は、希土類金属−鉄−ホ
ウ素磁石用合金等に使用されるジスプロシウム−
鉄合金を、高純度で、連続的に製造する方法を提
供することにある。 (解決手段) 上記課題を解決するため、本発明者らは、最も
連続操業が可能に固体電極を用いる消耗電極式電
解法の改良を試み、電流密度を高めた状態でも、
追加原料として酸化ジスプロシウムを添加せずと
も、フツ化物電解浴(フツ化ジスプロシウム−フ
ツ化リチウムを少なくとも含有する浴)のみで、
ジスプロシウム−鉄合金が得られることを見い出
し、酸化ジスプロシウムに替えて、フツ化ジスプ
ロシウムを追加原料とする本発明を完成するに至
つたのである。 すなわち、本発明の要旨とするところは、鉄陰
極及び黒鉛陽極を用いて、ジスプロシウム化合物
を溶融塩電解浴中において電解還元せしめ、生成
するジスプロシウムを前記鉄陰極上に析出させる
と共に、該陰極を構成する鉄と合金化せしめて、
ジスプロシウム−鉄合金を形成させるに際して、
前記ジスプロシウム化合物としてフツ化ジスプロ
シウムを用い、電解還元操作の進行に応じて前記
溶融塩電解浴中に供給するようにすると共に、か
かるフツ化ジスプロシウムを含む溶融塩電解浴
が、実質的に、20〜95重量%のフツ化ジスプロシ
ウム、5〜80重量%のフツ化リチウム、0〜40重
量%のフツ化バリウム及び0〜20重量%のフツ化
カルシウムにて構成されるように調整し、更に該
溶融塩電解浴を870〜1000℃の温度に保持し、且
つ陽極電流密度:0.05〜4.0A/cm2、陰極電流密
度:0.50〜80A/cm2の条件下において、前記電解
還元操作を進行せしめることにより、前記ジスプ
ロシウム−鉄合金を、ジスプロシウムを80重量%
以上含む高ジスプロシウム濃度において、前記鉄
陰極上に液体状態で生成せしめ、そして該液体状
態のジスプロシウム−鉄合金を、液滴として該鉄
陰極下方の電解浴中に開口部を有する受器内に滴
下せしめて、液層として溜め、更にこの受器内の
液層より、ジスプロシウム−鉄合金を液体状態で
取り出すようにしたのである。 (作用・効果) かくの如く、本発明に従えば、ジスプロシウム
−鉄合金が電解還元操作の一段階で製造でき、そ
して永久磁石や光磁気デイスク材料などの材料特
性に悪影響を与える不純物や介在物等の含有量が
低く、且つジスプロシウム含有量の高いジスプロ
シウム−鉄合金が一段階で経済的に且つ大規模、
連続的に製造することができることとなつたので
ある。より具体的には、固体の陰極を使用するた
め、陰極の取扱が容易であることは勿論、生成合
金を電解時の液体合金のままで取り出すために、
実質上、電解を中断することなく、連続操業が可
能であり、そして、消耗陰極法の利点である低温
操業が連続的に行ない得る結果、電解成績並びに
生成合金品位が効果的に改善されるのである。 また、かかる本発明に従えば、前述したカルシ
ウム等の活性金属による還元法では困難な、操業
の大型化、連続化が達成され、且つ活性金属等の
不純物の混入が抑制され、更に酸化ジスプロシウ
ムを原料とするフツ化物−酸化物混合溶融塩の電
解による製造方法における連続操業上の困難を悉
く回避することができることとなつたのである。 さらに、本発明に従えば、酸化ジスプロシウム
を原料とする電解より、低い温度での操業が可能
であり、これによつて炉材等からの生成合金への
不純物、介在物の混入を効果的に抑制することが
でき、また同一温度でアノード電流密度を大きく
とることができるところから、同一寸法のアノー
ドを用いた場合に、前記酸化物を原料とする電解
法に比して、電流を増すことができ、生産性を向
上せしめることができる利点がある。 (具体的構成) ここにおいて、かかる本発明手法の実施に際し
ては、(a)実質的に、フツ化ジスプロシウム及びフ
ツ化リチウム、並びに必要に応じて添加されたフ
ツ化バリウム、フツ化カルシウムからなる溶融塩
電解浴を収容する、耐火性材料から構成された電
解槽と、(b)該電解槽の内面の接浴部に施されたラ
イニングと、(c)該電解槽の溶融塩電解浴中に挿
入、浸漬される、実質的に長さ方向に形状の変化
のない長手の黒鉛陽極と、(d)該電解槽の溶融塩電
解浴中に挿入、浸漬される、実質的に長方向に形
状の変化のない長手の鉄陰極と、(e)開口部が、該
鉄陰極の下方に位置するように、前記電解槽の溶
融塩電解浴中に配置せしめられて、前記黒鉛陽極
と鉄陰極との間に印加される直流電流によるフツ
化ジスプロシウムの電解還元によつて該鉄陰極上
に生じるジスプロシウム−鉄合金の液滴が滴下せ
しめられる、生成合金液滴を集めるための合金受
器と、(f)該合金受器内の液体状態のジスプロシウ
ム−鉄合金を電解槽外に取り出すための液状合金
取出手段と、(g)前記鉄陰極を、前記ジスプロシウ
ム−鉄合金の生成に伴なうその消耗に従つて、前
記電解槽の溶融塩電解浴中に所定の電流密度が得
られるように挿入するための陰極挿入手段とを、
含む装置が好適に用いられる。 尤も、このようなジスプロシウム−鉄合金の製
造装置は、更に、前記黒鉛陽極を前記電解槽の溶
融塩電解浴中に所定の電流密度が得られるように
挿入するための陽極挿入手段や、原料としてのフ
ツ化ジスプロシウムを前記電解槽内に供給するた
めの原料供給手段を備えていることが望ましく、
また前記電解槽の内面に施されるライニングとし
ては、モリブデン、タングステン等の難融金属材
料に代えて、安価な鉄材料が好適に用いられるこ
ととなる。 また、この装置にあつては、電解槽内に配置さ
れた合金受器中に集められた液体状態のジスプロ
シウム−鉄合金を、液体状態のままにおいて電解
槽外に効果的に取り出すために、前記液状合金取
出手段が該合金受器内の液状の生成合金中に挿入
されるパイプ状ノズルを有するように構成され、
該ノズルを通じて、真空吸引作用により該生成合
金を吸い上げて、電解槽外に取り出すようにする
ことが、工業的な実施の観点から有利に採用され
ることとなる。 ところで、第1図には、本発明を実施するため
の電解システムの模式図が示されているが、そこ
において、その電解システムの主要部をなす電解
槽2へは、溶融塩電解浴を構成する浴剤4が装入
せしめられるようになつている。そして、この浴
剤4としては、フツ化ジスプロシウム(DyF3
とフツ化リチウム(LiF)が用いられるが、これ
らに加えて、フツ化バリウム(BaF2)並びにフ
ツ化カルシウム(CaF2)を単独で或いは両者同
時に添加して用いることも可能である。一方、電
解原料は、原料供給装置6より電解槽2内の電解
浴中に供給されることとなるが、本発明では、こ
の原料として、酸化ジスプロシウム(Dy2O3)で
はなくて、電解浴の構成成分の一つでもあるフツ
化ジスプロシウムが使用されるのである。 また、電解槽2内の電解浴中へは、黒鉛陽極8
と鉄陰極10とがそれぞれ浸漬せしめられて、そ
れら陽極8と陰極10の間に直流の電力12が印
加せしめられることにより、電解浴中のフツ化ジ
スプロシウムの電解還元が行なわれる。そして、
この電解還元によつて陰極10上に析出した金属
ジスプロシウムは、直ちに陰極10を構成する鉄
と液体状態の合金を生成せしめ、陰極10表面よ
り滴下して、電解槽2内の電解浴中に設置した受
器に溜るようになる。なお、上記所定の浴剤組成
のものが溶融する温度では、鉄陰極10上に生成
する合金は液体状態となるものであり、またその
ような溶融塩からなる電解浴の比重は、生成合金
のそれよりも小さくされているところから、かか
る液体状の合金が鉄陰極10上に生成されるに従
つて、それは陰極10表面より下方に落下するよ
うになる。 従つて、鉄陰極10から落下する液体合金を受
ける、該鉄陰極10の下方に位置する開口部を有
する受器内に溜められた液体合金は、更に適当な
合金取出手段14によつて電解槽2外へ取り出さ
れ、回収されることとなるのである。 なお、電解槽2へは、電解浴、生成合金、電極
(陽極8と陰極10)、電解槽の構成材料等の変質
を防ぎ、生成合金への有害不純物や介在物の混入
を避けること等のために、保護ガス16が導入さ
れる。また、電解還元操作にて電解槽2内に発生
したガスは、導入された保護ガスと共に廃ガス処
理装置18に導かれ、所定の処理が施されるよう
になつている。 ところで、かくの如き本発明に従う電解システ
ムにおいては、上述のように、電解原料として、
酸化ジスプロシウムとは異なり、フツ化ジスプロ
シウムが使用される。このフツ化ジスプロシウム
を原料とする場合においては、フツ化ジスプロシ
ウム自体が電解浴の主要構成成分でもあるところ
から、電解によつてそれが消費される分を供給に
よつて補うことが容易であり、且つ酸化物電解の
場合に比較して電解浴中の遥かに広い原料濃度範
囲で電解を継続することができるのである。な
お、この原料フツ化ジスプロシウムの供給方法と
しては、粉末の状態で電解浴の表面に添加するの
が一般的であり、電解浴への溶解速度も速く、好
ましいが、電解浴内にガスと共に導入する方法、
或いは粉末の成形体を電解浴中に浸漬する方法で
も、行なうことが可能である。 また、酸化ジスプロシウムの電解の場合と比べ
て、フツ化ジスプロシウムの電解操作において
は、電極間の電解領域における電解原料濃度の許
容範囲が遥かに大きく、それ故に供給した原料の
かかる領域への移動に多少の遅れがあつても、電
解の継続に支障を来すことが少なく、従つて原料
フツ化ジスプロシウムの供給位置並びに電解電気
量当たりの供給量に関して、酸化ジスプロシウム
を原料とする場合のような細かい制約を受けず、
より任意に選択を行なうことができる利点を有す
る。 また、本発明において、不純物の少ないジスプ
ロシウム−鉄合金を製造するためには、電解温度
の低下が必要であり、このために、実質的に、20
〜95%(重量基準。以下同じ)のフツ化ジスプロ
シウム、5〜80%のフツ化リチウム、40%までの
フツ化バリウム、及び20%までのフツ化カルシウ
ムにて構成される、実質的にフツ化物のみよりな
る混合溶融塩が電解浴として選ばれ、そしてその
ような電解浴に、上記した原料フツ化ジスプロシ
ウムが添加された場合にあつても、電解中は常に
かかる組成範囲の電解浴となるように調整される
こととなる。 なお、かかる本発明に従う電解浴組成における
フツ化ジスプロシウム濃度が下限未満、即ち20%
に満たない場合には、電解成績が悪化し、またそ
の上限濃度(95%)を越えるようになると、電解
浴の融点が上がり過ぎる等の問題を惹起する。ま
た、フツ化リチウムは、その濃度があまりにも低
い場合には電解浴の融点が上がり過ぎ、一方その
濃度があまりにも高い場合には生成合金との反応
が激しくなつて、電解成績が悪化する等の問題を
惹起するため、その濃度としては5〜80%に調節
する必要があるのである。 さらに、フツ化バリウムやフツ化カルシウム
は、高価なフツ化リチウムの使用量を減少させ、
また形成される混合溶融塩の溶融温度を調節する
等の目的をもつて加えられるものであり、それら
の添加量があまりにも多い場合には、電解浴の融
点が上がり過ぎるところから、前者のフツ化バリ
ウムは40%までの割合で、また後者のフツ化カル
シウムは20%までの割合で、それぞれ単独に或い
は共に用いられることとなる。そして、これら4
成分、即ちフツ化ジスプロシウム、フツ化リチウ
ム、フツ化バリウム及びフツ化カルシウムの合計
量が実質的に100%となるようにして、電解浴が
形成されるのである。 尤も、このような電解浴組成に関して、かかる
電解浴がフツ化ジスプロシウムとフツ化リチウム
の二つの成分のみにて構成される二元系の場合に
おいては、フツ化ジスプロシウムは電解浴中にお
いて少なくとも25%以上、フツ化リチウムは少な
くとも15%以上、それぞれ存在するように調整さ
れることが望ましい。そして、この電解浴成分と
して用いられる各フツ化物は、電解操作や生成合
金の最終用途の物品特性、例えば永久磁石特性等
に悪影響を及ぼす不純物を含まなければ、必ずし
も高純度のものである必要はなく、通常、工業原
料に不可避的に含まれる不純物は、それらが許容
できるものである限りにおいて電解浴に含まれて
いても、何等差支えないのである。なお、電解浴
の組成は、生成せしめられるジスプロシウム−鉄
合金の比重より小さな比重を電解浴が有するよう
に選ばれるものであるところから、電解時には、
生成されたジスプロシウム−鉄合金が、陰極より
比重差によつて電解浴中を落下し、陰極の下方に
位置する開口部を有する生成合金の受器に容易に
到達し得るのである。 本発明にあつては、かくの如き組成の電解浴の
電解時の温度は、870℃〜1000℃の範囲に調節せ
しめられることとなる。前述したように、電解浴
温度があまりにも高くなり過ぎると、生成合金へ
の不純物、介在物の混入がみられ、一方あまりに
も低い電解浴温度の場合にあつては、ジスプロシ
ウム−鉄二元系合金の共晶温度が約845℃である
ところから、析出する金属ジスプロシウムと陰極
の鉄が充分に合金化せず、高融点の固体状の金属
ジスプロシウムの析出により、陰極−陽極間の短
絡減少が生起して、電解を継続することが困難と
なるからである。この温度の範囲内でできるだけ
低温の方が炉材等からの不純物の混入の少ないジ
スプロシウム−鉄母合金の製造が可能であること
は言うまでもない。 そして、かかる温度範囲では、ジスプロシウム
を80重量%以上含む、高ジスプロシウム濃度のジ
スプロシウム−鉄合金が有利に生成せしめられ得
るのであり、またその生成合金はこの温度範囲に
おいて受器内で液層を形成し、液体状態での取出
しに適しているのである。そして、この受器内の
液状合金は、電解槽上部より、真空吸引方式によ
つて効果的に取り出すことができる他、下方より
流し出し方式によつて取り出すことも可能であ
る。しかも、この取出に際しては、受器内の合金
を特別に加熱する必要もなく、極めて容易に液状
合金として電解槽外に取り出すことができるので
ある。 また、本発明にあつては、電解用電極として、
陰極に鉄、陽極に黒鉛が用いられる。陰極の鉄
は、不純物を含むと、そのまま生成合金中に不純
物を持ち込むこととなるところから、該陰極の鉄
材料としては、必要に応じて不純物の少ないもの
を用いることが好ましい。また、本発明に従え
ば、電解操作の進行につれて、陰極を構成する鉄
は、ジスプロシウム−鉄合金を生成して、消費さ
れることとなるが、かかる電解によつて消耗する
部分の鉄を補つて、順次、陰極を電解浴中に浸漬
するようにすれば、電解操作を中断することな
く、目的とするジスプロシウム−鉄合金を連続的
に製造することができるのである。その際、陰極
の鉄部材の端部にネジ切り加工等を行なつておい
て、ネジ結合等によつて陰極を構成する鉄部材を
順次接続せしめ、消耗した陰極分を補うことは、
勿論可能である。このように、固体の鉄が陰極と
して使用できることは、溶融金属を陰極として使
用する場合に比して、取扱が容易であり、且つ電
解炉を装置的にみて簡略化し得るところから、工
業化に際しては、電解炉の大型化が容易であると
いう点で大きな利点となるもである。 また、かかる本発明に従う黒鉛陽極を用いるフ
ツ化ジスプロシウムの電解にあつては、陽極全表
面にわたつての電流密度を、0.05〜4.0A/cm2の範
囲内に、電解操作中、常に維持していることが必
要である。けだし、この電流密度が低過ぎる場合
には、陽極表面積が大き過ぎるか、陽極単位表面
積当たりの電流が小さ過ぎることとなり、このた
めに、生産性が悪化し、工業的に有利ではなくな
るからであり、またかかる電流密度が高くなり過
ぎると、酸化ジスプロシウムを原料とした場合の
陽極効果乃至はこれと類似の異常現象が発生し易
くなるからである。従つて、本発明にあつては、
電解条件の一つとしての陽極電流密度を上記の範
囲に保つことによつて、そのような異常現象の発
生を効果的に回避することが、推奨されるのであ
る。なお、陽極表面における局部的な変動を考慮
に入れると、上記陽極全表面にわたつての電流密
度は、0.3〜3.0A/cm2の間に保持することがより
好ましい。さらに、フツ化ジスプロシウムを原料
とした場合は酸化ジスプロシウムを原料にした時
よりも、同一温度では、アノード電流密度を大き
くとることができ、実操業の点から好ましい。 一方、陰極の電流密度は、陰極全表面にわたつ
ての電流密度として0.50〜80A/cm2の広い範囲に
わたつて許容される。しかし、陰極電流密度があ
まりにも低過ぎると、陰極単位表面積当たりの電
流が小さ過ぎて、生産性が悪化し、工業的ではな
くなる。また、この陰極電流密度が高くなり過ぎ
ると、電解電圧の上昇が甚だしくなり、電解成績
を悪化させる。なお、実際の電解操業の継続に当
たつては、更に1.0〜30A/cm2のより狭い陰極電
流密度の範囲に保つことが、電解電圧の変動幅を
狭く維持し、電解操業を容易にする上において、
より好ましいと言える。 さらに、本発明に従えば、電解浴の耐浴材とは
別の黒鉛を陽極として使用するものであるところ
から、電解浴の耐浴容器(耐浴材)と陽極を兼用
する場合とは異なり、陽極の消耗によつて電解を
終了せしめる必要はなく、ただその消耗分を補つ
て、更に陽極を電解浴中に浸漬するか、或いは複
数の陽極を使用するので、順次新しい陽極に交換
するだけで良い。また、陰極も同様に、その消耗
分を補つて電解浴中に浸漬するか、或いは新しい
陰極に交換するだけで良いのである。本発明で
は、好適に採用される陽極と陰極の表面電流密度
の比の大きな違いにより、各陰極の周りに複数本
の陽極を配置して、陽極が陰極と対向するように
した電極配列が好適に採用されることとなるが、
そのような場合において、陽極の交換を順次行な
うようにすれば、実質上、電解操業を中断するこ
となく、ジスプロシウム−鉄合金を連続的に製造
することができ、電解法の利点を充分に生かすこ
とができる。しかも、陽極形状、陰極形状とも、
外形上は実質的に長さ方向には変化がないものを
用いることができるところから、それらの連続的
な使用において何等の不都合が惹起されることも
ないのである。 本発明を実施する電解槽の構造の好適な一例
が、第2図に模式的に示されている。 かかる第2図において、電解槽20は、下部槽
22とその開口部を覆蓋する蓋体24にて構成さ
れている。また、これら下部槽22及び蓋体24
の外側は、通常、鋼等の金属よりなる槽外枠2
6,28より構成されている。さらに、下部槽2
2及び蓋体24は、それぞれ外側にレンガやキヤ
スタブル・アルミナ等よりなる耐火断熱材層3
0,32、及び内側に黒鉛、炭素質スタンプ材等
からなる耐浴材層34,36を配置して、構成さ
れている。 そして、下部槽22の内側耐浴材層34の内面
の接浴面には、ライニング材38が設けられて、
かかる接浴面を被覆している。このライニング材
38は、耐浴材層34からの不純物の混入を防ぐ
他、それがタングステンやモリブデン等の難融金
属にて形成されている場合には、生成する液状ジ
スプロシウム−鉄合金の受器を兼ねることもでき
る。尤も、本発明にあつては、かかるライニング
材38として、難融金属より安価な鉄材料を用い
ることが推奨される。また、耐浴材層34は、必
ずしも必要ではなく、耐火断熱材層30上に直接
にライニング材38を適用しても、何等差支えな
い。 また、蓋体24を貫通するように、1本若しく
は複数本の鉄陰極40と、この鉄陰極40に対向
して配置された複数本の黒鉛陽極42が設けられ
ており、またそれら両電極40,42は、下部槽
22内に収容される前記所定の溶融塩からなる電
解浴44中に、所定電流密度となる長さにわたつ
て浸漬されるようになつている。なお、ここで
は、黒鉛陽極42,42は、鉄陰極40と向かい
合つて配置される陽極のうちの2本が示されてお
り、それらの材質として特に黒鉛が用いられてい
るのである。この陽極材質としての黒鉛の採用
は、また、生成合金の純度等の特性を向上させる
上において有利である。 さらに、これら黒鉛陽極42,42は、棒状、
板状、管状等の形態で用いられ、電解浴44への
浸漬部分の陽極表面積を大きくして陽極電流密度
を下げるために、公知のように溝付きとすること
もできる。なお、第2図では、黒鉛陽極42に
は、電解による陽極消耗の跡を示して、陽極浸漬
部に僅かに傾斜が付けられている。この陽極42
には、給電のために金属等の適当な導電体の電気
リードが取り付けられていても、何等差支えな
い。また、陽極42は、陽極挿入手段としての陽
極昇降機構46によつて上下動せしめられ得るよ
うになつており、これにより電解継続のための適
切な陽極電流密度が確保されるように、間欠的に
或いは連続的に、その浸漬部の表面積を浸漬深さ
で調整し得るようになつている。なお、陽極昇降
機構46,46は、陽極への電気接続機能を兼ね
備えることもできる。 一方、陰極40は、電解還元作用にて析出せし
められる金属ジスプロシウムと合金化させるべき
鉄にて構成されており、ここではその1本が示さ
れている。また、第2図では、ジスプロシウム−
鉄合金の液滴生成による陰極消耗の跡を示して、
陰極浸漬部分が円錐形状で示してある。なお、電
解温度は、陰極40の鉄の融点以下に選ばれると
ころから、この鉄陰極40は固体であり、線状、
棒状、板状、管状等の形態で用いられる。この鉄
陰極40は、また、陰極挿入手段としての陰極昇
降機構48によつて、合金生成による消耗分を補
つて、電解浴44中へ連続的或いは間欠的に送り
込まれるようになつている。そして、この陰極昇
降機構48は、陰極への電気接続機能を兼ね備え
ることもできる。さらに、かかる鉄陰極40の浸
漬部以外の表面が、防食のために適当な保護スリ
ーブ等で保護せしめられるようにしても、何等差
支えない。 また、かかる鉄陰極40の下方に受器開口部が
位置するように、電解浴44内において、下部槽
22の底部上に生成合金受器50が配置せしめら
れており、電解還元操作によつて鉄陰極40上に
生成された液状のジスプロシウム−鉄合金52
は、陰極表面より滴下して、その直下において開
口する生成合金受器50内に溜められる。なお、
この生成合金受器52は、生成合金52との反応
性の小さな難融金属、例えばタングステン、タン
タル、モリブデン、ニオブ、或いはそれらの合金
等を用いて形成される他、窒化ホウ素等のホウ化
物や酸化物等のセラミツクス、或いはサーメツト
等の材料、さらに鉄を用いて形成することもでき
る。 なお、電解浴44は、前記した本発明に従う組
成に調整された、フツ化ジスプロシウムを含有す
るフツ化物混合溶融塩よりなるものであり、その
組成は、その比重が生成されるジスプロシウム−
鉄合金の比重以下となるように選ばれる。そし
て、電解によつて消費される電解原料は、原料供
給装置54から蓋体24に設けられた原料供給孔
56を通じて供給され、所定組成の電解浴44が
維持せしめられるようになつている。 また、鉄陰極40から滴下して受器50内に溜
められた生成合金52は、それが所定量溜まつた
時に、液体状態のままで所定の合金回収機構(取
出手段)によつて電解槽20外に取り出されるこ
ととなるが、本発明にあつては、第2図に示され
る如く、パイプ状の真空吸引ノズル58を、蓋体
24に設けられた生成合金吸引孔60を通じて電
解浴44内に差し入れ、該ノズル58の先端を生
成合金受器50内の生成合金52中に浸漬せし
め、図示されていない真空装置の真空吸引作用を
利用して吸引することにより生成合金52を吸い
上げて電解槽20外に取り出す手段が、有利に採
用されることとなる。 尤も、このような真空吸引による生成合金52
の吸引取出し方式に代えて、電解槽20(下部槽
22)の下部を貫通する取出パイプを設け、この
取出パイプの先端を更に生成合金受器50を貫通
させて、該受器50内に開口せしめることによ
り、かかる取出パイプを通じて、生成合金52を
炉外下方に流し出す合金回収機構を採用すること
も可能である。 なお、図示はされていないが、かかる電解炉2
0内には、保護ガスが供給されるようになつてお
り、また電解操作によつて発生するガスは、かか
る保護ガスと共に、廃ガス出口62を通じて外部
に排出されるようになつている。また、このよう
な電解槽20には、前記した電解温度に保持する
ための特別な加熱装置は設けられていないが、所
定の温度に維持するために、必要に応じて、この
電解槽20内に或いはその外部に適当な加熱装置
を設けてもよいことは、言うまでもないところで
ある。 (実施例) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするため
に、本発明に従う幾つかの実施例を示すが、本発
明がそのような実施例の記載によつて何等制限的
に解釈されるものでないことは、言うまでもない
ところである。 なお、本発明は、上述した本発明の具体的な説
明並びに以下の実施例の他にも、各種の態様にお
いて実施され得るものであり、本発明の趣旨を逸
脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて
種々なる態様において実施され得るものは、何れ
も本発明の範疇に属するものであることが、理解
されるべきである。 実施例 1 ジスプロシウムを主とする希土類金属92%(重
量基準。以下同じ)及び鉄8%の平均組成を有す
る希土類金属−鉄(RE−Fe)合金2.11Kgが、次
のようにして得られた。 すなわち、第2図に示される電解槽と同様な構
成の装置において、電解槽の耐浴材として鉄をラ
イニングした黒鉛るつぼを用い、生成合金受器と
して該黒鉛るつぼの底部中央に設置したモリブデ
ン製容器を用いて、実質上フツ化ジスプロシウム
とフツ化リチウムのみの二元系フツ化物混合溶融
塩よりなる電解浴を、平均896℃の電解温度にて
不活性ガス雰囲気中で電解した。陰極としては、
黒鉛るつぼ中央部の電解浴中に浸漬した1本の6
mmφの鉄線を用い、陽極としては、かかる陰極の
周りに同心円状に配列して(平面形態において)
電解浴中に浸漬した、4本の40mmφの黒鉛棒を用
いた。 そして、フツ化ジスプロシウムを原料として、
その粉末を電解浴に連続的に供給しつつ、下記第
1表に示される範囲内の電解条件を保持して、16
時間電解を行なつた。この間、電解操業は極めて
良好に継続することができ、液体状の希土類金属
(ジスプロシウム)−鉄合金が順次滴下して、電解
浴内に配置されたモリブデンの受器内に溜められ
た。この溜められた合金は、8時間毎に、真空吸
引ノズルを有する真空吸引式合金回収装置にて電
解炉の外部に取り出された。 かかる電解操作により得られた電解成績並びに
生成合金の分析結果を、下記第1表及び第2表に
示す。なお、電流効率は、回収した希土類金属重
量(すべてジスプロシウムと仮定)に基づいて求
められた。 また、比較のために、同様の製造装置におい
て、原料として酸化ジスプロシウムの粉末を用
い、これを陰極−陽極間の陽極ガス発生部分(電
解領域)の電解浴に連続供給して、平均935℃の
電解温度にて、略同様の電解条件下で電解を行な
つたが、その場合には、アノード電流密度を上記
フツ化物原料電解時のときの1/2以下にしないと、
陽極効果が頻発し、酸化物電解は継続不可能であ
つた。このため、陽極効果の解消を図るべく、酸
化ジスプロシウムを過剰に供給せざるを得ず、結
果として電解槽底部にスラツジを形成し、原料酸
化ジスプロシウムの利用率を悪化させた。 実施例 2 実質的にジスプロシウムからなる希土類金属90
%及び鉄10%の平均組成を有する希土類金属(ジ
スプロシウム)−鉄合金の1.04Kgが、次のような
電解操作により得られた。 まず、耐浴材としての黒鉛るつぼの内面に鉄を
ライニングしたものを、電解浴の容器として用
い、更にこの底部中央に設置したモリブデン製容
器を生成合金の受器として用いて、実質上フツ化
ジスプロシウムとフツ化リチウムのみの二元系フ
ツ化物混合溶融塩よりなる電解浴を、平均970℃
の電解温度にて不活性ガス雰囲気中で電解した。
そして、陰極としては、実施例1と同様に配置し
た1本の12mmφの鉄棒を用い、また陽極として
は、実施例1と同様の4本の40mmφの黒鉛棒を用
いた。 そして、フツ化ジスプロシウムを原料として、
電解浴に連続的にその供給を行ないつつ、下記第
1表に示される範囲内に電解条件を保持したとこ
ろ、8時間にわたり、良好な電解操業が継続され
た。また、液体状の希土類金属(ジスプロシウ
ム)−鉄合金が順次滴下して、モリブデン製受器
内に集められた。さらに、この集められた受器内
の生成合金は、実施例1と同様に液体状態で取り
出すことができた。 かかる電解操作によつて得られた電解成績並び
に生成合金の分析結果を、それぞれ下記第1表及
び第2表に示す。
【表】
【表】 ムであるが、工業原料に不可避的に含まれ
るその他の希土類金属を計1%弱含む)
【表】 かかる第1表及び第2表の結果から明らかなよ
うに、本発明に従つてフツ化ジスプロシウムを電
解することにより、ジスプロシウム含有量の高い
ジスプロシウム−鉄合金が一挙に製造され得るの
であり、またそのような生成合金は、合金特性を
悪化させる不純物の含有量の低いジスプロシウム
−鉄合金であることが認められる。なお、第2表
中の合金含有成分の数値は、8時間毎に取り出さ
れた合金の分析値の平均値である。 また、以上の実施例では、更に長時間にわたつ
て継続して電解を行なうことが容易であり、その
ような場合にあつても、それぞれの実施例と同様
な結果が得られることが確認されている。 実施例3〜4及び比較例1〜3 下記第3表に示される電解条件下において、実
施例1と同様にして、フツ化ジスプロシウム
(DyF3)または酸化ジスプロシウム(Dy2O3)の
電解還元操作を実施し、下記第4表の如き電解成
績を得た。なお、実施例3の電解還元には、直径
50mm中の鉄陰極、直径150mm中の黒鉛陽極が用い
られた。 第3〜4表より明らかなように、Ca,Mg,
Al,C,Oの不純物含有量に関して、小規模の
電解に係る前記実施例1,2では、やや不純物が
多かつたが、実施例3は、工業的規模で安定して
おり、最高の品質となつている。 なお、比較例1は、酸化ジスプロシウムを原料
に用いた場合であり、不純物のC含有量が0.12%
と高く、磁石合金に使用することが難しい。ま
た、陽極効果発生により電解の継続が困難で、ス
ラツジの堆積があり、好ましくなかつた。また、
比較例2は、フツ化ジスプロシウムの含有量が18
〜24%と低い場合であり、電流効率が低下する。
更に、比較例3は、フツ化ジスプロシウムの含有
量1〜10%と極端に低い場合であり、電解が不可
能になり、ジスプロシウム−鉄合金が採取出来な
かつた。
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施するための具体的な電解
システムを示す模式図であり、第2図は本発明を
実施するための電解槽の構造の一例を示す断面図
である。 2……電解槽、4……溶剤、6……原料供給装
置、8……黒鉛陽極、10……鉄陰極、12……
電力、14……合金取出手段、16……保護ガ
ス、18……廃ガス処理装置、20……電解槽、
22……下部槽、24……蓋体、30,32……
耐火断熱材層、34,36……耐浴材層、38…
…ライニング材、40……鉄陰極、42……黒鉛
陽極、44……電解浴、46……陽極昇降機構、
48……陰極昇降機構、50……生成合金受器、
52……生成合金、54……原料供給装置、58
……真空吸引ノズル、60……生成合金吸引孔。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鉄陰極及び黒鉛陽極を用いて、ジスプロシウ
    ム化合物を溶融塩電解浴中において電解還元せし
    め、生成するジスプロシウムを前記鉄陰極上に析
    出させると共に、該陰極を構成する鉄と合金化せ
    しめて、ジスプロシウム−鉄合金を形成させるに
    際して、 前記ジスプロシウム化合物としてフツ化ジスプ
    ロシウムを用い、電解還元操作の進行に応じて前
    記溶融塩電解浴中に供給するようにすると共に、
    かかるフツ化ジスプロシウムを含む溶融塩電解浴
    が、実質的に、20〜95重量%のフツ化ジスプロシ
    ウム、5〜80重量%のフツ化リチウム、0〜40重
    量%のフツ化バリウム及び0〜20重量%のフツ化
    カルシウムにて構成されるように調整し、更に該
    溶融塩電解浴を870〜1000℃の温度に保持し、且
    つ陽極電流密度:0.05〜4.0A/cm2、陰極電流密
    度:0.50〜80A/cm2の条件下において、前記電解
    還元操作を進行せしめることにより、前記ジスプ
    ロシウム−鉄合金を、ジスプロシウムを80重量%
    以上含む高ジスプロシウム濃度において、前記鉄
    陰極上に液体状態で生成せしめ、そして該液体状
    態のジスプロシウム−鉄合金を、液滴として該鉄
    陰極下方の電解浴中に開口部を有する受器内に滴
    下せしめて、液層として溜め、更にこの受器内の
    液層より、ジスプロシウム−鉄合金を液体状態で
    取り出すようにしたことを特徴とするジスプロシ
    ウム−鉄合金の連続的製造方法。 2 前記フツ化ジスプロシウムを含む溶融塩電解
    浴が、実質的にフツ化ジスプロシウムとフツ化リ
    チウムにて構成され、且つ該フツ化ジスプロシウ
    ムが少なくとも25重量%以上、該フツ化リチウム
    が少なくとも15重量%以上、それぞれ存在するよ
    うに調整せしめられる特許請求の範囲第1項に記
    載の製造方法。
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