JPH0560433U - 液体容器の蓋兼用コップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体容器に用いられる蓋兼用コップの取手部
材の取付け構造を改良して、特に上下方向への抜け止め
を確実にし、取手部材とカバー部材の隙間を少くするこ
とである。 【構成】 コップ本体８にカバー１０を被覆し、コップ
本体８の開口部周縁に設けた支持部９に取手部材１３の
一部を係合し、上記取手部材１３の係止爪１９の下端に
垂下壁２０とその上部に上向き段部２３を形成し、上記
垂下壁２０をカバー１０の側面に設けた係止穴１７の下
部内周面に係合すると共に、上記上向き段部２３を係止
穴１７の上辺又はコップ本体８に係合することにより取
手部材１３をカバー１０の側面に取付けた構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は液体容器の蓋兼用コップに関し、特に取手部材の係合構造に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

携帯用液体容器において、その中栓部分をカバーするため、容器胴部に蓋兼用 コップを着脱自在に装着することが知られている。

【０００３】 このような蓋兼用コップでコップ本体とその外側を被覆するカバー及び取手部 材を有したものが実開平３−６６８５４公報で知られている。この構造は、コッ プ本体の開口部周縁の一部に外方に突出した支持部を設け、また上記カバーの側 面に開けた切欠穴にコップ本体の掛止受部を貫通させ、その掛止受部に上記取付 部材を係合している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の技術における取手部材の係合構造では、コップ本体の支 持部に対して係合する係止片により取手部材の上下方向の抜け止めを図り、また コップ本体の掛止受部との係合により水平方向への抜け止めを図っているだけな ので、取手部材に衝撃が加わった場合上方へ抜けだすおそれがあった。

【０００５】 また、カバー部材と取手部材が直接嵌合していないので隙間が生じやすくホコ リ等がつまり外観上の不具合も起りやすかった。

【０００６】 そこで、この考案は取手部材の上方への抜け出しを強固に防止すると共に、取 手部材とカバーとの外観上の隙間が生じにくい構造を提供することを課題とする 。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、この考案はコップ本体と、その外側を被覆する カバー及び取手部材を有し、コップ本体の開口部周縁の一部に外方へ突出した支 持部を設け、当該支持部に上記取手部材を係合した液体容器の蓋兼用コップにお いて、上記取手部材に係止爪を設け、その係止爪の下端に垂下壁とその垂下壁の 上部に上向き段部を形成し、上記垂下壁を上記カバー側面に設けた係止穴の下部 内周面に係合すると共に、上記上向き段部を上記係止穴の上辺又はコップ本体に 係合することにより、上記取手部材を上記カバー側面に取付けた構成としたもの である。

【０００８】

【作用】

取手部材は、その係止片がコップ本体の支持部材と係合すると共に、係止爪の 上向き段部がカバーの係止穴の上辺又はコップ本体に係合するため、特に上下方 向への抜け出しが強固に防止される。また、係止爪の垂下壁がカバー係止穴の下 部内周面に直接係合するので、取手部材とカバーとの外観上の隙間が生じにくい 。

【０００９】

【実施例】

図１は、携帯用液体容器を示すものであって、容器本体１の胴２の上周縁に設 けた肩部材３に蓋兼用コップ４が着脱自在に螺合されている。肩部材３の一部に 外方へ突出した円弧部５が設けられ、底部材６に設けた円弧部５′との間に取手 ７を取付けている 蓋兼用コップ４は図２に示すように、コップ本体８の下端開口縁の一部に支持 部９を突設している。この支持部９はその外周縁が前記の円弧部５の形状に一致 するように円弧状に形成されている。

【００１０】 また、コップ本体８の外側面と、その上端面の周縁にわたる範囲を被覆する金 属板製のカバー１０が設けられ、そのカバー１０の内面とコップ本体８の外面と の間に若干の隙間１１が存在する。コップ本体８の上端面には、押え蓋１２が固 着され、その周縁部下面により、前記カバー１０の上端部周縁を押さえている。

【００１１】 上記の支持部９の上面と、カバー１０の外表面に沿って取付けられる取手部材 １３は、その下縁が支持部９の外周縁に一致する円弧状に形成され、またその外 表面は全体として球面に形成されている。

【００１２】 上記の支持部９の上面には、図３に示すように、その外周縁に沿った円弧状の 溝１４が形成され、またその溝１４の内側には、コップ本体８の周方向に並んだ 対向一対の支持片１５が設けられ、各支持片１５には受穴１６が形成される。

【００１３】 また、カバー１０には図３に示すように、支持部９の上方において四角形の係 止穴１７が設けられる。

【００１４】 取手部材１３の内面には、前記の支持片１５の受穴１６にその外面から係合す る一対の係止片１８を設け、またカバー１０の前記係止穴１７に係合する係止爪 １９を設けている。

【００１５】 上記の係止爪１９は、取手部材１３の内面の頂部から下向きに設けられ、その 中程を内方に一段屈曲して下向き段部２１及び垂下壁２０を設けている。また、 上記の屈曲部より上部の係止爪１９の前面に小突起２２を設け、その小突起２２ の上面に上向き段部２３を形成している。その上向き段部２３と係止穴１７の上 辺の位置はほぼ一致し、下向き段部２１と係止穴１７の下辺とは隙間が生じてい る。

【００１６】 上記の取手部材１３は、その係止爪１９下端の垂下壁２０をカバー１０の係止 穴１７に挿入して、係止穴１７の下部内周面に係合させつつ、取手部材１３の下 端縁を支持部９の溝１４上に臨ませ、取手部材１３を下方へ押下げることにより 、下端縁を溝１４内に嵌入させると共に、上向き段部２３を係止穴１７の上辺に 強制的に係合させる。このとき、取手部材１３の係止片１８が支持片１５の受穴 １６に強制的に係合される。

【００１７】 取手部材１３を上記のようにして取付けると、上下方向、前後方向及び左右方 向のいずれの方向にも係合される。特に、上下方向には、支持片１５と係止片１ ８との係合だけでなく、係止爪１９の上向き段部２３と、カバー１０の係止穴１ ７の上辺との係合により、強固に固定される。

【００１８】 上記の蓋兼用コップ４は、その開口部内周縁に設けたねじ２４を、肩部材３の ねじ２５に螺合させることにより着脱自在に嵌合される。容器本体１内の飲料を 飲む際は、その蓋兼用コップ４を外すと共に、その開口部を上に向け、取手部材 １３を把持してコップとして使用する。

【００１９】 なお、上記の実施例では取手部材１３の上向き段部２３をカバー１０の係止穴 １７の上辺に係合させているが、小突起２２の内方への突出量を更に大きくして 、コップ本体４の外面に設けた凹所に係合させるようにしてもよい。

【００２０】 また、取手部材１３の支持部９に対する取付け構造は、上記実施例のような支 持片１５に設けた受穴１６と係止片１８による強制嵌合に限らず、接着による取 付けや、溝１４を深くすることによる取付けによってもよく、これらの取付け構 造にすれば支持片１５や係止片１８を省略することができる。

【００２１】

【考案の効果】

以上述べたように、この考案は取手部材の取付け構造において、その取手部材 に設けた係止爪に、カバーの内周面に直接係合する垂下壁と、カバーの係止穴上 辺又はコップ本体の一部に係合する上向き段部とを設けたことにより、従来の取 付け構造によるものと比べ、特に上下方向への抜け止めが確実になり、衝撃等を 受けても外れる恐れがなく、またコップとして使用する際にも安全である。

【００２２】 更に、カバーとのすき間が少なくなるので、外観上も好ましいものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の液体容器の斜視図

【図２】同上の一部拡大断面図

【図３】同上の一部拡大分解斜視図

【図４】同上の取手部材部分の縦断面図

【符号の説明】

１ 容器本体 ２ 胴 ３ 肩部材 ４ 蓋兼用コップ ５ 円弧部 ６ 底部材 ７ 取手 ８ コップ本体 ９ 支持部 １０ カバー １１ すき間 １２ 押え蓋 １３ 取手部材 １４ 溝 １５ 支持片 １６ 受穴 １７ 係止穴 １８ 係止片 １９ 係止爪 ２０ 垂下壁 ２１ 下向き段部 ２２ 小突起 ２３ 上向き段部 ２４、２５ ねじ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コップ本体と、その外側を被覆するカバ
   ー及び取手部材を有し、コップ本体の開口部周縁の一部
   に外方へ突出した支持部を設け、当該支持部に上記取手
   部材を係合した液体容器の蓋兼用コップにおいて、上記
   取手部材に係止爪を設け、その係止爪の下端に垂下壁と
   その垂下壁の上部に上向き段部を形成し、上記垂下壁を
   上記カバー側面に設けた係止穴の下部内周面に係合する
   と共に、上記上向き段部を上記係止穴の上辺又はコップ
   本体に係合することにより、上記取手部材を上記カバー
   側面に取付けたことを特徴とする液体容器の蓋兼用コッ
   プ。