JPH0559466A - 低酸素Ti−Al系合金の製造方法および低酸素Ti−Al系合金 - Google Patents
低酸素Ti−Al系合金の製造方法および低酸素Ti−Al系合金Info
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- JPH0559466A JPH0559466A JP24486191A JP24486191A JPH0559466A JP H0559466 A JPH0559466 A JP H0559466A JP 24486191 A JP24486191 A JP 24486191A JP 24486191 A JP24486191 A JP 24486191A JP H0559466 A JPH0559466 A JP H0559466A
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Abstract
系合金を、最終目標のAl含有量が1.5wt%以上よ
り多く含有する溶湯に作製した後、この溶湯を1×10
−2Torrより高い真空雰囲気下において、耐火物を
使用しない溶解方式により保持して、溶湯中のAlを強
制的に除去して最終目標組成のTi−Al系合金とする
低酸素Ti−Al系合金の製造方法であり、さらに、上
記の製造方法において、最終目標組成、或いは、最終目
標組成より低いAl含有量とした鋳塊を作製し、この鋳
塊を水冷坩堝を使用して誘導溶解法により10Torr
以上の圧力の不活性ガス雰囲気下において再溶解を行
い、均一化および成分調整を行って最終目標組成のTi
−Al系合金とする低酸素Ti−Al系合金の製造方法
であり、さらに、酸素含有量が200ppm以下である
低酸素Ti−Al系合金である。 【効果】Alを強制的に除去することにより、同時に2
00ppm以下の低酸素とすることができ、かつ、成分
均一の鋳塊を製造することができる。
Description
の製造方法に関し、さらに詳しくは、軽量耐熱材料、お
よび、スパッタリングターゲット材料等に使用されてい
る高純度の低酸素Ti−Al系合金の製造方法に関する
ものである。
ト、工具等の各産業の技術分野において、エンジン効率
の向上、耐用年数の延長さらにはコスト低減等の要求は
益々強くなってきており、これを実現するためには、強
度、弾性率、耐熱性、耐蝕性等の高性能および高機能で
ある材料が強く要望されている。
l系合金、Fe−Al系合金、Ti−Al系合金等の金
属間化合物が挙げられ、特に、Ti−Al系合金の金属
間化合物は軽量高弾性率、高耐熱性等の優れた特性を有
していることから、各産業において注目を集めている。
るTi−Al系合金を製造する場合、Ti−Al系合金
は、この合金を構成する含有成分が活性であることか
ら、不活性雰囲気下において、純Ti、純Alおよび第
3元素等の含有成分を真空アーク溶解法、プラズマ溶解
法、電子ビーム溶解法、水冷分割銅坩堝を使用する誘導
溶解法等により行われているのが現状である。
l系合金を溶製する場合、粒状、或いは、塊状のTiと
Alの原料を棒状に圧縮成形し、この成形体を消耗電極
として真空下においてアーク溶解を行うものであるが、
原料のTiとAlの融点が大きく相違しており、従っ
て、溶解速度が異なる結果、Tiが未溶解のまま鋳塊中
に混入したり、或いは、溶解時の溶湯プール中の撹拌力
が不充分であるため、原料の純Tiおよび純Alが均一
に混合する時間的な余裕がなく、含有成分の偏析が起こ
り易くなり、均質な鋳塊を作ることが困難となる。ま
た、純度に関しても使用する原料の純度に依存している
ものであるから、高純度化を望むことには困難性を伴
う。
は、原料となる塊状、粒状の純Ti、純Alをコールド
ハース内において溶解後、水冷鋳型内に注湯するか、コ
ールドハースを使用しないで直接に原料を鋳型内に装入
しながら溶解を行い、鋳塊を作製する方法が一般的であ
るが、この両溶解法は共に真空アーク溶解法と同様に、
溶湯プール内の撹拌力不足による偏析、融点の相違によ
る未溶解が起こり易く、均質な鋳塊を作製し難いという
問題がある。純度も真空アーク溶解法と同様に高純度化
を望むことには困難性がある。
おいて開示されている、水冷分割銅坩堝を使用する誘導
溶解法は、水冷坩堝からの冷却効果により形成された溶
融金属のスカル(凝固殻)上に溶融保持されること、さ
らに、誘導コイルからの電磁気力により溶融金属は放物
線形状に保持されることから、坩堝材との接触が少な
く、汚染の少ない溶解を行うことが可能であり、かつ、
溶湯プール内の撹拌力も大きいので成分偏析がなく、均
一な鋳塊が作製できるという有利性があるが、純度に関
しては精錬効果を有しておらず、溶解原料に依存してお
り、高純度化を望むことは困難である。
解法に、CaO坩堝を使用する方法があるが、この方法
は坩堝材であるCaOからの酸素により溶湯の汚染を防
止することが極めて困難であり、通常は溶湯の酸素含有
量500〜1000ppm、であり、Ca脱酸等を行っ
ても溶湯酸素含有量は300〜500ppm程度にしか
減少させることはできなかった。
るTi−Al系合金を製造する従来の溶解法において
は、精錬効果を期待することができず、従って、純度は
溶解原料に依存するものであり、酸素含有量も200p
pm以下とすることはできず、さらに、成分偏析のない
均一なTi−Al系合金を製造することは困難であっ
た。
たように従来におけるTi−Al系合金の製造方法の種
々の問題点に鑑み、本発明者が鋭意研究を行い、検討を
重ねた結果、難加工性を改善することができ、室温にお
ける延性を改善することができ、さらに、鋳塊中の含有
成分を均一化を行うことができ、従来より強い要望のあ
る200ppm以下の低酸素を充分に達成することがで
きる低酸素Ti−Al系合金の製造方法を開発したので
ある。
−Al系合金の製造方法は、Al25〜55wt%を含
有するTi−Al系合金を最終目標のAl含有量より
1.5wt%以上より多く含有する溶解母材或いは溶湯
に作製した後、この溶湯を1×10-2Torrより高い
真空雰囲気下において、耐火物を使用しない溶解方式に
より保持して、溶湯中のAlを強制的に除去して最終目
標組成のTi−Al系合金とすることを特徴とする低酸
素Ti−Al系合金の製造方法を第1の発明とし、Al
25〜55wt%を含有するTi−Al系合金を最終目
標のAl含有量より1.5wt%以上より多く含有する
溶解母材或いは溶湯に作製した後、この溶湯を1×10
-2Torrより高い真空雰囲気下において、耐火物を使
用しない溶解方式により保持して、溶湯中のAlを強制
的に除去して最終目標組成、或いは、最終目標組成より
低いAl含有量とした鋳塊を作製し、この鋳塊を水冷坩
堝を使用して誘導溶解法により10Torr以上の圧力
の不活性ガス雰囲気下において再溶解を行い、均一化お
よび成分調整を行って最終目標組成のTi−Al系合金
とすることを特徴とする低酸素Ti−Al系合金の製造
方法を第2の発明とする2つの発明よりなるものであ
る。
造方法について、以下詳細に説明する。
造方法においては、先ず、Alを25〜55wt%含有
するTi−Al系合金を最終目標組成のAl含有量より
も1.5wt%多い組成の溶解母材或いは溶湯を作製す
る。そして、最終目標組成より1.5wt%以上多く含
有する溶解母材或溶湯にする方法は、溶解原料の配合を
Alを多くなるようにするのであり、1.5wt%以上
多く含有させるのは、Alを蒸発除去することにより同
時に酸素が除去されるAl蒸発脱酸作用を利用するの
で、予めAlを最終目標組成より多く含有させる必要が
あり、Al含有量が1.5wt%よりも多くなければ脱
酸効果がなく、最終目標組成より多くAlを含有してい
る溶解母材或いは溶湯を作製し、多く含有している分を
除去することにより、その量に見合った量の酸素も除去
することができる。従って、Al含有量の多い原料を耐
火物等を用いない溶解方法により溶湯を保持し、1×1
0-2Torrよりも高い真空雰囲気下において強制的に
Alを除去すると、これに伴って溶湯中の酸素量も減少
するのであり、最終目標組成のAl含有量よりもAlを
多く含有する組成の溶湯から強制的にAlを除去するこ
とにより、最終目標組成のTi−Al系合金を製造する
ことができると同時に酸素を200ppm以下に低減さ
せることができる。また、Alを蒸発除去することによ
り脱酸を行うため、1×10-2Torrより高い真空雰
囲気下でないと、Alの蒸発が起こりにくいからで、真
空度が高くなるほどAlの蒸発量は増加し、それにより
脱酸の効果も大きくなるのである。
目標組成、或いは、最終目標組成より低いAl含有量お
よび酸素含有量を充分に低減した鋳塊を作製して、水冷
分割銅坩堝を使用する誘導溶解法により不活性ガス雰囲
気下(10Torr以上の圧力)で再溶解を行って、均
一化および成分調整を行うことにより最終目標組成の鋳
塊を製造するものであり、即ち、Alの強制除去溶解に
よる低酸素化と、水冷分割銅坩堝による無汚染均一化溶
解を同時に行うことができる溶解方法により、酸素濃度
が200ppm以下の低酸素Ti−Al系合金を製造で
きる。
強制的に蒸発除去することにより、最終目標組成に対し
てAl組成が大幅に異なった場合、Alを添加する等の
手段により成分調整を行うのであるが、Alが少なくな
り過ぎた場合はAlを添加し、また、Alが多い場合は
Tiを添加する。この場合、酸素はAlよりもTiに多
く含有されるので、Tiを添加して成分調整を行うより
も、充分にAlを蒸発除去させて脱酸を行った後、Al
添加により成分調整を行った方が有利である。また、1
0Torr未満の圧力の不活性ガス雰囲気下で再溶解を
行うと、水冷分割銅坩堝の分割された銅と銅との間にア
ーキングと呼ばれるアーク放電が起こる可能性があり、
それにより銅坩堝の一部が溶損して冷却水が吹き出す
と、水蒸気爆発のおこる可能性があり、また、1×10
-2Torr程度の真空雰囲気下になると、Alが蒸発す
るので成分調整が困難となるからである。
製造方法おいて使用できる合金としては、Ti−Al系
合金ばかりではなく、室温延性を向上させる効果を有す
るCr、Mn、V、および、高温強度を向上させる効果
のあるMo、W、Nb、Ta、さらに、耐熱性を向上さ
せる効果を有するY等の成分を含有させることにより成
分調整を行うことができので、広くTi−Al系合金に
適用が可能である。
製造方法の実施例を説明する。
強制的にAlを除去した材料、さらに、この材料を水冷
分割銅坩堝を使用した誘導溶解方法による再溶解材料の
化学成分を示す。
配合値を検討してから、原料を装入しながら、水冷ハー
ス内で1×10-5Torr程度の真空雰囲気下でTi−
40wt%Alの合金溶湯(溶解母材)を作製・保持
し、同時にAlを強制的に除去した。さらに、この材料
をアルゴンガス100Torr雰囲気下で、水冷銅坩堝
により誘導溶解を行った。表1に製造された材料の含有
成分および成分割合を示す。この表1から明らかなよう
に、本発明に係る低酸素Ti−Al系合金の製造方法に
よれば、酸素濃度が200ppm以下の低酸素で、か
つ、偏析のない均一な鋳塊を製造することができた。
素Ti−Al系合金の製造方法は上記の構成であるか
ら、Alを強制的に除去することにより、同時に200
ppm以下の低酸素とすることができ、かつ、成分均一
の鋳塊を製造することができるという効果を有するもの
である。
よび低酸素Ti−Al系合金
の製造方法および低酸素Ti−Al系合金に関し、さら
に詳しくは、軽量耐熱材料、および、スパッタリングタ
ーゲット材料等に使用されている高純度の低酸素Ti−
Al系合金の製造方法および低酸素Ti−Al系合金に
関するものである。
ト、工具等の各産業の技術分野において、エンジン効率
の向上、耐用年数の延長さらにはコスト低減等の要求は
益々強くなってきており、これを実現するためには、強
度、弾性率、耐熱性、耐蝕性等の高性能および高機能で
ある材料が強く要望されている。
l系合金、Fe−Al系合金、Ti−Al系合金等の金
属間化合物が挙げられ、特に、Ti−Al系合金の金属
間化合物は軽量高弾性率、高耐熱性等の優れた特性を有
していることから、各産業において注目を集めている。
るTi−Al系合金を製造する場合、Ti−Al系合金
は、この合金を構成する含有成分が活性であることか
ら、不活性雰囲気下において、純Ti、純Alおよび第
3元素等の含有成分を真空アーク溶解法、プラズマ溶解
法、電子ビーム溶解法、水冷分割銅坩堝を使用する誘導
溶解法等により行われているのが現状である。
l系合金を溶製する場合、粒状、或いは、塊状のTiと
Alの原料を棒状に圧縮成形し、この成形体を消耗電極
として真空下においてアーク溶解を行うものであるが、
原料のTiとAlの融点が大きく相違しており、従っ
て、溶解速度が異なる結果、Tiが未溶解のまま鋳塊中
に混入したり、或いは、溶解時の溶湯プール中の撹拌力
が不充分であるため、原料の純Tiおよび純Alが均一
に混合する時間的な余裕がなく、含有成分の偏析が起こ
り易くなり、均質な鋳塊を作ることが困難となる。ま
た、純度に関しても使用する原料の純度に依存している
ものであるから、高純度化を望むことには困難性を伴
う。
は、原料となる塊状、粒状の純Ti、純Alをコールド
ハース内において溶解後、水冷鋳型内に注湯するか、コ
ールドハースを使用しないで直接に原料を鋳型内に装入
しながら溶解を行い、鋳塊を作製する方法が一般的であ
るが、この両溶解法は共に真空アーク溶解法と同様に、
溶湯プール内の撹拌力不足による偏析、融点の相違によ
る未溶解が起こり易く、均質な鋳塊を作製し難いという
問題がある。純度も真空アーク溶解法と同様に高純度化
を望むことには困難性がある。
おいて開示されている、水冷分割銅坩堝を使用する誘導
溶解法は、水冷坩堝からの冷却効果により形成された溶
融金属のスカル(凝固殻)上に溶融保持されること、さ
らに、誘導コイルからの電磁気力により溶融金属は放物
線形状に保持されることから、坩堝材との接触が少な
く、汚染の少ない溶解を行うことが可能であり、かつ、
溶湯プール内の撹拌力も大きいので成分偏析がなく、均
一な鋳塊が作製できるという有利性があるが、純度に関
しては精錬効果を有しておらず、溶解原料に依存してお
り、高純度化を望むことは困難である。
解法に、CaO坩堝を使用する方法があるが、この方法
は坩堝材であるCaOからの酸素により溶湯の汚染を防
止することが極めて困難であり、通常は溶湯の酸素含有
量500〜1000ppm、であり、Ca脱酸等を行っ
ても溶湯酸素含有量は300〜500ppm程度にしか
減少させることはできなかった。
るTi−Al系合金を製造する従来の溶解法において
は、精錬効果を期待することができず、従って、純度は
溶解原料に依存するものであり、酸素含有量も200p
pm以下とすることはできず、さらに、成分偏析のない
均一なTi−Al系合金を製造することは困難であっ
た。
たように従来におけるTi−Al系合金の製造方法およ
びTi−Al系合金の種々の問題点に鑑み、本発明者が
鋭意研究を行い、検討を重ねた結果、難加工性を改善す
ることができ、室温における延性を改善することがで
き、さらに、鋳塊中の含有成分を均一化を行うことがで
き、従来より強い要望のある極めて低い酸素含有量を充
分に達成することができる低酸素Ti−Al系合金の製
造方法および低酸素Ti−Al系合金を開発したのであ
る。
−Al系合金の製造方法および低Ti−Al系合金は、
Al25〜55wt%を含有するTi−Al系合金を最
終目標のAl含有量より1.5wt%以上より多く含有
する溶解母材或いは溶湯に作製した後、この溶湯を1×
10−2Torrより高い真空雰囲気下において、耐火
物を使用しない溶解方式により保持して、溶湯中のAl
を強制的に除去して最終目標組成のTi−Al系合金と
することを特徴とする低酸素Ti−Al系合金の製造方
法を第1の発明とし、Al25〜55wt%を含有する
Ti−Al系合金を最終目標のAl含有量より1.5w
t%以上より多く含有する溶解母材或いは溶湯に作製し
た後、この溶湯を1×10−2Torrより高い真空雰
囲気下において、耐火物を使用しない溶解方式により保
持して、溶湯中のAlを強制的に除去して最終目標組
成、或いは、最終目標組成より低いAl含有量とした鋳
塊を作製し、この鋳塊を水冷坩堝を使用して誘導溶解法
により10Torr以上の圧力の不活性ガス雰囲気下に
おいて再溶解を行い、均一化および成分調整を行って最
終目標組成のTi−Al系合金とすることを特徴とする
低酸素Ti−Al系合金の製造方法を第2の発明とし、
さらに、酸素含有量が200ppm以下である低酸素
Ti−Al系合金を第3の発明とする3つの発明よりな
るものである。
造方法および低酸素Ti−Al系合金について、以下詳
細に説明する。
造方法においては、先ず、Alを25〜55wt%含有
するTi−Al系合金を最終目標組成のAl含有量より
も1.5wt%多い組成の溶解母材或いは溶湯を作製す
る。そして、最終目標組成より1.5wt%以上多く含
有する溶解母材或溶湯にする方法は、溶解原料の配合を
Alを多くなるようにするのであり、1.5wt%以上
多く含有させるのは、Alを蒸発除去することにより同
時に酸素が除去されるAl蒸発脱酸作用を利用するの
で、予めAlを最終目標組成より多く含有させる必要が
あり、Al含有量が1.5wt%よりも多くなければ脱
酸効果がなく、最終目標組成より多くAlを含有してい
る溶解母材或いは溶湯を作製し、多く含有している分を
除去することにより、その量に見合った量の酸素も除去
することができる。
を用いない溶解方法により溶湯を保持し、1×10−2
Torrよりも高い真空雰囲気下において強制的にAl
を除去すると、これに伴って溶湯中の酸素量も減少する
のであり、最終目標組成のAl含有量よりもAlを多く
含有する組成の溶湯から強制的にAlを除去することに
より、最終目標組成のTi−Al系合金を製造すること
ができると同時に酸素を200ppm以下に低減させる
ことができる。また、Alを蒸発除去することにより脱
酸を行うため、1×10−2Torrより高い真空雰囲
気下でないと、Alの蒸発が起こりにくいからで、真空
度が高くなるほどAlの蒸発量は増加し、それにより脱
酸の効果も大きくなるのである。
目標組成、或いは、最終目標組成より低いAl含有量お
よび酸素含有量を充分に低減した鋳塊を作製して、水冷
分割銅坩堝を使用する誘導溶解法により不活性ガス雰囲
気下(10Torr以上の圧力)で再溶解を行って、均
一化および成分調整を行うことにより最終目標組成の鋳
塊を製造するものであり、即ち、A1の強制除去溶解に
よる低酸素化と、水冷分割銅坩堝による無汚染均一化溶
解を同時に行うことができる溶解方法により、酸素濃度
が200ppm以下の低酸素Ti−Al系合金を製造で
きる。
強制的に蒸発除去することにより、最終目標組成に対し
てAl組成が大幅に異なった場合、Alを添加する等の
手段により成分調整を行うのであるが、Alが少なくな
り過ぎた場合はAlを添加し、また、Alが多い場合は
Tiを添加する。この場合、酸素はAlよりもTiに多
く含有されるので、Tiを添加して成分調整を行うより
も、充分にAlを蒸発除去させて脱酸を行った後、Al
添加により成分調整を行った方が有利である。また、1
0Torr未満の圧力の不活性ガス雰囲気下で再溶解を
行うと、水冷分割銅坩堝の分割された銅と銅との間にア
ーキングと呼ばれるアーク放電が起こる可能性があり、
それにより銅坩堝の一部が溶損して冷却水が吹き出す
と、水蒸気爆発のおこる可能性があり、また、1×10
−2Torr程度の真空雰囲気下になると、Alが蒸発
するので成分調整が困難となるからである。
製造方法おいて使用できる合金としては、Ti−Al系
合金ばかりではなく、室温延性を向上させる効果を有す
るCr、Mn、V、および、高温強度を向上させる効果
のあるMo、W、Nb、Ta、さらに、耐熱性を向上さ
せる効果を有するY等の成分を含有させることにより成
分調整を行うことができので、広くTi−Al系合金に
適用が可能である。
製造方法および低酸素Ti−Al系合金の実施例を説明
する。
る強制的にAlを除去した材料、さらに、この材料を水
冷分割銅坩堝を使用した誘導溶解方法による再溶解材料
の化学成分を示す。
配合値を検討してから、原料を装入しながら、水冷ハー
ス内で1×10−5Torr程度の真空雰囲気下でTi
−40wt%Alの合金溶湯(溶解母材)を作製・保持
し、同時にAlを強制的に除去した。さらに、この材料
をアルゴンガス100Torr雰囲気下で、水冷銅坩堝
により誘導溶解を行った。表1に製造された材料の含有
成分および成分割合を示す。この表1から明らかなよう
に、本発明に係る低酸素Ti−Al系合金の製造方法に
よれば、酸素濃度が200ppm以下の低酸素で、か
つ、偏析のない均一な鋳塊を製造することができた。
素Ti−Al系合金の製造方法および低酸素Ti−Al
系合金は上記の構成であるから、Alを強制的に除去す
ることにより、同時に200ppm以下の低酸素とする
ことができ、かつ、成分均一の鋳塊を製造することがで
きるという優れた効果を有するものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 Al 25〜55wt%を含有するTi
−Al系合金を、最終目標のAl含有量より1.5wt
%以上より多く含有する溶解母材或いは溶湯に作製した
後、この溶湯を1×10-2Torrより高い真空雰囲気
下において、耐火物を使用しない溶解方式により溶解保
持して、溶湯中のAlを強制的に除去して最終目標組成
のTi−Al系合金とすることを特徴とする低酸素Ti
−Al系合金の製造方法。 - 【請求項2】 Al 25〜55wt%を含有するTi
−Al系合金を、最終目標のAl含有量より1.5wt
%以上より多く含有する溶解母材或いは溶湯に作製した
後、この溶湯を1×10-2Torrより高い真空雰囲気
下において、耐火物を使用しない溶解方式により溶解保
持して、溶湯中のAlを強制的に除去して最終目標組
成、或いは、最終目標組成より低いAl含有量とした鋳
塊を作製し、この鋳塊を水冷坩堝を使用して誘導溶解法
により10Torr以上の圧力の不活性ガス雰囲気下に
おいて再溶解を行い、均一化および成分調整を行って最
終目標組成のTi−Al系合金とすることを特徴とする
低酸素Ti−Al系合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3244861A JP2989053B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 低酸素Ti−Al系合金の製造方法および低酸素Ti−Al系合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3244861A JP2989053B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 低酸素Ti−Al系合金の製造方法および低酸素Ti−Al系合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0559466A true JPH0559466A (ja) | 1993-03-09 |
JP2989053B2 JP2989053B2 (ja) | 1999-12-13 |
Family
ID=17125085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3244861A Expired - Lifetime JP2989053B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 低酸素Ti−Al系合金の製造方法および低酸素Ti−Al系合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2989053B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009113060A (ja) * | 2007-11-02 | 2009-05-28 | Kobe Steel Ltd | TiAl基合金の鋳塊製造方法 |
WO2016035824A1 (ja) * | 2014-09-04 | 2016-03-10 | 株式会社神戸製鋼所 | Ti-Al系合金の脱酸方法 |
JP2016135907A (ja) * | 2014-09-04 | 2016-07-28 | 株式会社神戸製鋼所 | Ti−Al系合金の脱酸方法 |
CN107148484A (zh) * | 2014-11-04 | 2017-09-08 | 株式会社神户制钢所 | Al-Nb-Ti系合金的脱氧方法 |
US11319614B2 (en) | 2014-11-04 | 2022-05-03 | Kobe Steel, Ltd. | Method for deoxidizing Al—Nb—Ti alloy |
-
1991
- 1991-08-30 JP JP3244861A patent/JP2989053B2/ja not_active Expired - Lifetime
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