JPH055819Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は電動機に係り、特に該電動機の冷却構
造に関するものである。

〔従来技術〕

従来より、固定子等からの発熱による温度上昇
を冷却するため、固定子が設けられた筒状のフレ
ームの外周に多数のフインを設け、更に出力軸に
連動して回転する冷却用フアンを備えた電動機が
知られている。第２図は上記電動機の従来例とし
ての誘導電動機を示す断面図である。同図におい
て、１は回転子２を備えた出力軸であり、上記出
力軸１は軸受３を有するブラケツト４ａ，４ｂに
より軸支されている。５は上記ブラケツト４ａ，
４ｂ間に設けられた筒状のフレームであり、その
両端部は上記ブラケツト４ａ，４ｂにより被わ
れ、内周側には鉄心６ａ及び巻線６ｂから成る固
定子６が上記回転子２に対向して固定されてい
る。なお、上記フレーム５は固定子６の発熱を外
部に放熱するために熱伝導度の良いアルミ合金等
で作られ、更に外周側に放熱用の多数のフイン７
が半径方向に突出する如く形成されている。一
方、８は電磁ブレーキであり、該電磁ブレーキ８
はブラケツト４ｂに一端が固定され、他端にコル
ク等から成るブレーキライニング９が取付けられ
た電磁石１０と出力軸１に連動し、バネ１１に抗
して上記電磁石１０に対向する磁性体で形成され
たブレーキ板１２より成る。又、１３は上記ブレ
ーキ板１２同様出力軸１に連動し、電動機駆動と
ともに回転して矢印方向に送風する冷却フアンで
ある。なお、１４は上記電磁ブレーキ８及び冷却
フアン１３を被う電動機カバーである。

従来の該電動機は以上のように構成され、商用
電源又はインバータ装置等からの交流電力が固定
子６の巻線６ｂに供給されて回転磁界が発生し、
回転子２が回転駆動されることにより出力軸１が
回転する。又、上記回転磁界による固定子６の鉄
損や回転子２の回転による摩擦熱等による発生熱
はフレーム５を介してフイン７より放熱されると
ともに、出力軸１に連動する冷却フアン１３から
の送風により冷却される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記従来例においては、フイン
７が設けられたフレーム５が該電動機の外被とな
つているため、例えば人が近くで作業する工業用
ミシン等に該電動機を使用した場合、フイン７等
に手で触れると火傷をする危険があり、又冷却フ
アン１３からの送風がフイン７全体に効率的に行
きわたらないため冷却効果があまり期待できない
といつた問題点を有していた。

本考案はこのような問題点を解決するためにな
されたもので、冷却効果が向上し、かつ安全に使
用することができる電動機を得ることを目的とす
るものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る電動機は、フレームの外周に半径
方向に突出する如く設けられたフインより離間し
て当該フインを被う遮蔽部材を設け、この遮蔽部
材をブラケツトと一体に形成したものである。

〔作用〕

本考案においては、固定子等の発熱により温度
上昇したフレーム及びフインが遮蔽部材により外
部から遮断させるとともに、上記遮蔽部材とフレ
ームとの間に通風孔が形成されてフアンからの送
風がフイン全体にわたり効率的になされる。

〔実施例〕

以下、本考案を第１図に示す実施例にもとづき
説明する。なお、上記従来例と同一又は相当部分
には同一符号を用い、その説明は省略する。第１
図は本発明による誘導電動機の一実施例を示す断
面図であり、同図において、２０ａ，２０ｂは本
実施例におけるブラケツトで、該ブラケツト２０
ａ，２０ｂにはフレーム５に設けられたフイン７
の両端側に開口する孔２１ａ，２１ｂを有し、上
記フイン７に離間して、その先端側を被う如く設
けられたアルミ合金等からなる遮蔽部材２２ａ，
２２ｂが一体となつて形成されている。又、フレ
ーム５の両端と上記ブラケツト２０ａ，２０ｂと
の間には絶縁部材２３ａ，２３ｂが設けられてい
る。一方、２４は本実施例により設けられた冷却
フアンであり、出力軸１に連動する板バネ２４ａ
に磁性体でブレーキ板２５と一体に形成された羽
根２４ｂが取付けられて構成され、上記ブレーキ
板２５にコルク等から成るブレーキライニング２
６が固着されている。そして、上記ブレーキ板２
５に対向してブラケツト２０ｂに電磁石２７が固
定されている。

以上のように構成された本実施例における誘導
電動機においては、固定子６等の発熱により温度
上昇するフレーム５及びフイン７は遮蔽部材２２
ａ，２２ｂにより被われているので、外部より手
等で触れることができなくなる。更に上記遮蔽部
材２２ａ，２２ｂとフレーム５間には通風孔が形
成され、冷却フアン２４からの送風は矢印で示し
た如く孔２１ｂから上記通風孔に流れ込み、孔２
１ａから外部に放出されるので、フイン７を効率
的に冷却することができる。従つて、固定子６か
らの発生熱はほとんど上記フイン７より外部に放
出され、ブラケツト２０ａ，２０ｂ及び遮蔽部材
２２ａ，２２ｂ等の外被には伝わらないので外被
温度は低く保たれ、手等で触れることがあつても
安全となる。又、本実施例においては、冷却フア
ン２４とブレーキ板２５を一体に構成したので、
上記冷却フアン２４により電動機のみならずブレ
ーキ板２５も同時に冷却することにより摩擦熱に
よるブレーキライニング２６の摩耗を軽減してブ
レーキ寿命を長くすることができ、更に電動機の
軸方向の長さをブレーキ板２５取付け分短くする
ことができるので、小型で長寿命のブレーキ付電
動機が得られる。また、遮蔽部材２２ａ，２２ｂ
とブラケツト２０ａ，２０ｂとを一体形成してい
るので、構成部品を少なくでき、底コスト化が図
れる。

なお、上記実施例にいては、ブレーキ板２５を
冷却フアン２４と一体としたが、冷却フアンを鋼
板、アルミ板等により製作して出力軸１に連動す
るブレーキ板にねじ等で固定するようにしてもよ
い。又、一体とする方法では冷却フアンをアルミ
ダイカストとし、これにブレーキ板を鋳込んでも
よい。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、フレーム
に設けられたフインより離間して当該フインを被
う遮蔽部材を設け、この遮蔽部材をブラケツトと
一体に形成して、上記フインを外部に対して遮蔽
するとともに、フアンからの送風がフイン全体に
効率的に行きわたるようにしたので、冷却効果が
向上し、かつ安全に使用することができ、しかも
低コスト化が図れる電動機が得られるという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による一実施例としての誘導電
動機を示す断面図、第２図は従来の電動機の一例
としての誘導電動機を示す断面図である。 ２……回転子、５……フレーム、６……固定
子、７……フイン、２２ａ，２２ｂ……遮蔽部
材、２４……フアン。なお、図中同一又は相当部
分には同一符号を用いている。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状フレームの内周に固定される固定子と、こ
   の固定子内に位置される回転子と、上記フレーム
   の両端部を被うブラケツトと、上記フレームの外
   周に半径方向に突出する如く設けられたフイン
   と、このフインの一端から他端に向う如く空気を
   送るフアンとを備えた電動機において、上記フイ
   ンより離間して当該フインを被う遮蔽部材を設
   け、この遮蔽部材を上記ブラケツトと一体に形成
   したことを特徴とする電動機。