JPH0556221U - ガスの吸収処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗装ブースなどから排出される低濃度の有害
成分を含む被処理ガスを、吸収薬液に効率よく接触させ
ることで吸収反応を起させて有害成分を薬液中に分離
し、次いで被処理ガス中に含まれる薬液微粒子を完全に
除去して放出する。 【構成】 内部に充填材８を充填し、定置外殻１内にお
いて横軸で回転駆動され、軸方向の一端の入口２ａと、
他端の出口２ｂとが通気、通水材７で塞がれた横型回転
吸収筒２と、上記横型回転吸収筒２の入口２ａと出口２
ｂとに向かって対向して吸収薬液を噴霧する噴霧ノズル
と、上記横型回転吸収筒２の出口２ｂが向いた定置外殻
１の出口端部に接続した延長筒１０と、該延長筒１０内
に設けられたデミスタ１７と、被処理ガスを前記横型回
転吸収筒２の入口２ａからデミスタ１７に吹抜けさせる
ファン１２とからなることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、被処理ガスを吸収薬液に接触させ、被処理ガス中の有害ガス、溶 剤ガス等（有害成分とも記す。）を除去ないし回収するためのガスの吸収処理装 置に関するもので、例えば自動車工場その他の塗装ブース等から排出される低濃 度の有機溶剤ガスを吸収薬液に吸収し、必要ならば回収することにより有機溶剤 ガスの大気拡散による光化学公害の発生を防止することを目的とする。

【０００２】

【従来の技術】

本考案者は特公昭５５−４７９３０号公報により充填材を充填した縦方向のガ ス吸収塔の内部下方に被処理ガスを供給し、塔内上部にシャワーされる吸収薬液 と向流接触させて被処理ガス中の有機溶剤ガスを吸収薬液に吸収させ、被処理ガ ス中から除去し、且つ回収することを提案した。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような充填材を介した気液接触型吸収反応装置で必要なことは、吸収薬液 が充填材の表面に死角なく常時、液膜を形成していること、又、被処理ガスが充 填材の表面を死角なく接触しながら通過することであるが、上記従来装置では充 填材が固定床を構成しているため、その何れも不充分であり、吸収効率が低い。 又、実公昭５６−１２９９７号公報で、内部に充填材を充填した横型回転吸収筒 内に上から被処理ガスと吸収薬液を順流で供給する気液接触型吸収処理装置も公 知であるが、これも充填材を介しての被処理ガスと吸収薬液の接触効率が悪い。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記従来装置の問題点を解消するために開発されたのであって、内部 に充填材を充填し、定置外殻内において横軸で回転駆動され、軸方向の一端の入 口と、他端の出口とが通気、通水材で塞がれた横型回転吸収筒と、上記横型回転 吸収筒の入口と出口とに向かって対向して吸収薬液を噴霧する噴霧ノズルと、上 記横型回転吸収筒の出口が向いた定置外殻の出口端部に接続した延長筒と、該延 長筒内に設けられたデミスタと、被処理ガスを前記横型回転吸収筒の入口からデ ミスタに吹抜けさせるファンとからなることを特徴とする。

【０００５】

【実施例】

図示の実施例において、１は定置外殻、２は上記外殻の内部において横軸で回 転駆動される横型回転吸収筒を示す。定置外殻１の上半部１ａは吸収筒の外径よ りも僅かに大きな曲率半径の半円形、下半部は底３を有する角形で（図２参照） 、下半部の底３に近い両脇には水平に軸４，４を架設し、両軸の前後には吸収筒 ２の両端部が跨って外接し、吸収筒を底３から上に少し離して水平に支持する支 持輪５，５を設け、前記軸４の一方に変速モータ６の回転を伝え、これにより吸 収筒２を摩擦で図２の矢印方向に低速で回転駆動する。尚、変速モータ６による 吸収筒２の回転の周速は２〜５０Ｍ／分の範囲内で調節可能である。 吸収筒２の軸方向長さは、外殻１よりも少し短く、その軸方向の一端（図１で 左端）の入口２ａと、他端の出口２ｂは通気、通水材７、例えば網枠で塞ぎ、内 部には球形、ラシヒ状その他任意形状の充填材８が充填してある。そして、吸収 筒２の出口２ｂ側の周壁部分には充填材８よりも小さい排水孔９を設けるか、該 周壁部分を網状体で構成し、排水可能にする。

【０００６】 吸収筒の出口２ｂと同方向である外殻１の右端には延長筒１０を連接し、延長 筒１０の右端は小径になるテーパ部を備えた接続筒１１でファン１２に連結し、 ファンは流量調節ダンパー１３を経てダクト１４に排気するようになっている。 上記延長筒１０の右半部には内周に沿って環状鍔１５を前後に設け、この各環状 鍔１５で網状枠１６を前後に支持し、デミスタ１７として両網状枠１６，１６の 間に極く細のガラスウールを充填してある。 吸収筒の入口２ａと同方向である外殻１の左端には直径を次第に拡大したテー パ形の入口筒１８が接続してある。そして、この入口筒１８の内部には吸収筒２ の入口２ａに向かって吸収薬液を噴霧する第１噴霧ノズル１９が設けてある。又 、前記延長筒１０の左半部内には吸収筒２の出口２ｂに向かって吸収薬液を噴霧 する第２噴霧ノズル２０が設けてある。吸収薬液は、処理ガス中から除去回収す べき成分に応じてこれを吸着することができる薬液を選択して使用する。

【０００７】 処理を行うには、変速モータ６で横型回転吸収筒２を所定の周速で回転させ、 同時にファン１２を運転すると共に、第１噴射ノズル１９及び第２噴射ノズル２ ０から吸収薬液を吸収筒２の入口２ａと出口２ｂに向かって噴射する。ファン１ ２の運転により被処理ガスは入口筒１８に吸込まれ、回転する吸収筒２の内部を 通過する際に充填材８が抵抗となって流速を低下し、その後、延長筒１０、接続 筒１１の内部を吹抜け、ダンパー１３によって制御された流量でダクト１４から 排気される。

【０００８】 その際、第１噴霧ノズル１９から入口２ａに向かって噴霧された吸収薬液は吸 収筒２内で、該筒２の回転により生じる旋回流となって充填材８の表面に付着し 、均一な水膜を充填材８の表面に形成し、筒内を吹抜ける被処理ガスは充填材の 間隙が抵抗となって流速を低下しながら充填材の表面の吸収薬液の均一な水膜と 充分に接触し、被処理ガス中に含まれている有害成分は吸収薬液と高能率に接触 して吸収反応を行い、被処理ガスから除かれる。そして、吸収筒２は出口側端部 の周壁からしか排水を行えないので、噴霧された吸収薬液は吸収筒の途中から排 水されることがなく、被処理ガスとの吸収反応を吸収筒の内部のほゞ全長で行っ たのち有害成分を含んで排水孔９から外殻１内に出る。外殻１の底３には出口に 向かって下り坂に傾斜した排水トラフ２１を設け、トラフ２１の最下端の排水管 ２２から系外に取出し、液中に含まれている吸収反応生成物を除去、再生して第 １又は第２噴霧ノズルに供給し、循環して使用する。

【０００９】 吸収筒の出口２ｂから延長筒１０に出た流速の低下した被処理ガスは、第２噴 霧ノズル２０が噴霧する吸収薬液の噴霧と向流接触し、この噴霧はガス中に残溜 する薬液微粒子を粗粒化すると共に、ガス中に残留する微量の有害成分をも吸収 除去する。 被処理ガスは次いでデミスタ１７に入り、含んでいる吸収薬液の粒子を除かれ 、その後、ダクト１４から放出される。尚、２次噴霧ノズル２０で噴霧された吸 収薬液、及びデミスタ１７で除去された吸収薬液は延長筒１０に設けた排水管２ ３で系外に排出し、液中の吸収反応生成物を除去、再生して第１，第２噴霧ノズ ルに供給し、循環使用する。デミスタ１７で除去した吸収薬液を排水管２３に流 すため、前の環状鍔１５の下端に切欠き１５′を設けておく。

【００１０】

【考案の効果】

本考案によれば、吸収筒の入口に噴霧された第１噴霧ノズル１９からの吸収薬 液は吸収筒の回転により筒内の充填材の表面に死角なく接触し、均一な水膜を形 成する。そして、この吸収薬液は吸収筒の出口端部からしか系外に排出されない ため、吸収筒の回転により繰返し充填材の表面に水膜を形成し、効率の高い気液 接触を行って被処理ガス中の有害成分を除去する。 又、充填材中を被処理ガスが通過する際、ガス中に残溜する薬液微粒子は、ガ スの流速が低下した（充填材中を通る流速の約１／２）所で第２噴霧ノズルから の薬液の向流噴霧により粒子を粗粒化し、デミスタで完全に除去される。 更に、装置全体の構造が簡単で、いかなる容量の装置の製作も容易であり、優 れた吸収反応処理効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の装置の一実施例の縦断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線での断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線での断面図である。

【符号の説明】

１ 外殻 ２ 吸収筒 ２ａ 入口 ２ｂ 出口 ７ 通気、通水部材 ８ 充填材 １０ 延長筒 １２ ファン １７ デミスタ １９ 吸収薬液の噴霧装置 ２０ 吸収薬液の噴霧装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に充填材を充填し、定置外殻内にお
   いて横軸で回転駆動され、軸方向の一端の入口と、他端
   の出口とが通気、通水材で塞がれた横型回転吸収筒と、
   上記横型回転吸収筒の入口と出口とに向かって対向して
   吸収薬液を噴霧する噴霧ノズルと、上記横型回転吸収筒
   の出口が向いた定置外殻の出口端部に接続した延長筒
   と、該延長筒内に設けられたデミスタと、被処理ガスを
   前記横型回転吸収筒の入口からデミスタに吹抜けさせる
   ファンとからなることを特徴とするガスの吸収処理装
   置。