JPH0554458U - 紙幣の表裏反転装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紙幣搬送路の専有スペースを小さくして、装
置の小型化を図り、確実に紙幣の表裏を取揃える。 【構成】 表裏混合状態で順次搬送されてくる紙幣を適
宜反転させる紙幣の表裏反転装置において、紙幣の搬送
方向と直交する方向に間隔をおいて配設された複数のコ
ンベヤ間に、該コンベヤの搬出部寄り位置に前記紙幣の
搬送方向に沿うようにかつ上下動自在に設けられたラッ
クと、上動停止位置の前記ラックに噛み合い可能に前記
コンベヤの無端帯に回転自在に取り付けられたピニオン
と、互いに近接する方向に付勢された対向状態の一対の
クランプ板間に前記紙幣を挾持可能にかつ前記ピニオン
の軸を中心に該ピニオンと一体回転可能に該ピニオンに
取り付けられたクランパとからなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば紙幣入出金機、紙幣整理機等の紙幣処理機の内部機構として 用いられ、紙幣の表裏を反転して表裏取揃えを行う紙幣の表裏反転装置に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

紙幣処理機の中には紙幣の表裏を反転して紙幣の表裏を必ず取揃えなければな らないものがある。この種の紙幣の表裏反転装置としては、図５に示す実開昭６ １−９２６４９号公報の表裏反転機構のように、表裏混合している紙幣中の表裏 を反転させるように構成されたものが知られている。この装置は、図示しない鑑 別部で表と判定された表紙幣は図５の左方のＡ部より搬送路１へ搬送され、振り 分けフォーク２の回動作動により振り分けられて下方へ誘導され、ローラ３，４ 間を通り、搬送路５によりローラ６，７間に搬送され、これらローラ６，７間を 通り、ローラ６と搬送路１との間から搬出されるようになっており、また、前記 鑑別部で裏と判定された裏紙幣は図５の左方のＡ部より搬送路１へ搬送され、振 り分けフォーク２の回動作動により振り分けられて搬送路１方向へ誘導され、ス トッパ８に当接してＵ字状に方向変換され、ローラ９とローラ１０との間を通り 反転用路１１に入り込み、反転してバックし、搬送路１とローラ６との間より搬 出されるようになっており、前記表紙幣と裏紙幣とを搬送路１の紙幣搬出部Ｂに おいて適宜合流して搬出するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前記従来の紙幣表裏反転装置においては、表紙幣と裏紙幣とを一旦 別の搬送路に分離して搬送し、再び表紙幣と、初め裏と判定されその後反転させ た紙幣とを合流させるようになっているため、紙幣搬送路の専有スペースが大と なり、装置が大型化し、また動作が不安定で確実に紙幣の表裏を取揃えることが できなくなるおそれがあった。 本考案は、前記事情に鑑みてなされたもので、紙幣の搬送路の専有スペースを 小さくすることができ、装置の小型化を図ることができ、確実に紙幣の表裏を取 揃えることができる紙幣表裏反転装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記目的を達成させるために、表裏混合状態で順次搬送されてくる 紙幣の表裏を取揃えるべく紙幣を適宜反転させる紙幣の表裏反転装置において、 紙幣の搬送方向と直交する方向に間隔をおいて配設された複数のコンベヤと、こ れら複数のコンベヤ間に該コンベヤの搬出部寄り位置に前記紙幣の搬送方向に沿 うようにかつ上下動自在に設けられたラックと、上動停止位置の前記ラックに噛 み合い可能に前記コンベヤの無端帯に回転自在に取り付けられたピニオンと、互 いに近接する方向に付勢された対向状態の一対のクランプ板を有し、該一対のク ランプ板間に前記紙幣を挾持可能にかつ前記ピニオンの軸を中心に該ピニオンと 一体回転可能に該ピニオンに取り付けられたクランパとからなる構成としている 。

【０００５】

【作用】

前記構成によれば、通常搬送路途中に紙幣の表裏反転装置を介在させたことに より、紙幣の表裏反転装置へ搬送されてくる紙幣が表紙幣であった場合には、ラ ックは下動位置に停止し、紙幣をクランパによりクランプし、この紙幣を紙幣の 表裏反転装置により反転させることなく紙幣の表裏反転装置からそのまま紙幣を 搬出し、 また、紙幣の表裏反転装置へ搬送されてくる紙幣が裏紙幣であった場合には、 ラックは上動位置に停止し、紙幣をクランパによりクランプして紙幣の表裏反転 装置によりその紙幣搬出部側へ搬送し、ラックにピニオンが噛み合って回転し、 これに伴いクランパと共に紙幣が反転し、紙幣の表裏反転装置のクランパから紙 幣を搬出し、これにより表紙幣と裏紙幣との表裏を取り揃えて搬出し、表紙幣と 裏紙幣とを通常の搬送路から分れた別の搬送路に一旦分離して搬送し再び表紙幣 と、裏紙幣を反転させた紙幣とを合流させる必要をなくし、紙幣搬送路の専有ス ペースを小さくする。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１ないし図３に基づいて説明する。 図１において２０は紙幣の表裏反転装置を示しこの紙幣の表裏反転装置２０は 、通常の前段の搬送部２１と後段の搬送部２２との間に配置されている。紙幣２ ３は、搬送部２１以前の紙幣搬送中に鑑別部（図示せず）において表裏を判別さ れる。この鑑別部において表と判別された紙幣は表紙幣といい、裏と判別された 紙幣は裏紙幣と言うことにする。 搬送部２１から紙幣の表裏反転装置２０に搬送された表紙幣は紙幣の表裏反転 装置２０により反転されることなくそのまま搬送部２２に受け渡され、搬送部２ １から紙幣の表裏反転装置２０に搬送された裏紙幣は紙幣の表裏反転装置２０に より反転されて搬送部２２に受け渡されるようになされている。

【０００７】 紙幣の表裏反転装置２０は、紙幣２３の搬送方向と直交する方向に間隔をおい て配設された複数のチェインコンベヤ（コンベヤ）２４と、これら複数のチェイ ンコンベヤ２４，２４間に搬送部２２側に寄せられて紙幣２３の搬送方向に沿っ て水平にかつ上下動自在に設けられたラック２５と、チェインコンベヤ２４のチ ェイン（無端帯）の所定箇所に回転自在に取り付けられたピニオン２６と、この ピニオン２６の軸にこのピニオン２６と一体回転可能に取り付けられたクランパ ２７とからなっている。 ラック２５はソレノイド等の一般によく知られた上下動機構により上下に平行 移動するようになされている。また、ピニオン２６はチェインコンベヤ２４の作 動により移動し、上動したラック２５に噛み合って回転するうようになされてい る。従って、ピニオン２６が回転するとピニオン２６と共にクランパ２７が回転 するようになされている。

【０００８】 クランパ２７は、ヘ字形に折曲されて折曲部２７ａが形成された第１クランプ 板２７Ａと、同じくヘ字形に折曲されて折曲部２７ｂが形成された第２クランプ 板２７Ｂとからなり、第１クランプ板２７Ａと第２のクランプ板２７Ｂとは、図 ２に示すように、それぞれ搬送部２１寄り位置において折曲部２７ａ，２７ｂの 各先端が互いに開いた状態でこれら折曲部２７ａ，２７ｂが搬送部２１に対向さ せられ、かつ第１クランプ板２７Ａと第２のクランプ板２７Ｂとがこれらの間に 設けられた開閉機構（図示略）により互いに接離自在に設けられている。従って 、これら第１クランプ板２７Ａ，第２クランプ板２７Ｂは、通常互いに離間した 位置で待機し、紙幣が送り込まれると、前記開閉機構が作動して、紙幣を挟持す るようになっている。 なお、紙幣２３は表紙幣であると鑑別部が判定した場合には、その判定信号に 基づきラック２５は下方に移動した位置で停止状態となり、紙幣２３は裏紙幣で あると鑑別部が判定した場合には、その判定信号に基づきラック２５が上方に移 動した位置で停止した状態となるように構成されている。また搬送部２１，２２ の作動状態において紙幣の表裏反転装置２０は間欠的に作動するようになされて いる。

【０００９】 次に、前記のように構成された紙幣の表裏反転装置２０の作動について説明す る。搬送部２１，２２が作動状態にあり、かつクランパ２７が搬送部２１寄り位 置にあってチェインコンベヤ２４が停止している状態において、搬送部２１が紙 幣２３を紙幣の表裏反転装置２０側へ搬送すると、この紙幣が表紙幣２３であっ た場合には、搬送部２１からチェインコンベヤ２４上に紙幣が乗り移る際、待機 中の第１クランプ板２７Ａ，第２クランプ板２７Ｂ間に紙幣が進入し、この後、 第１クランプ板２７Ａ，第２クランプ板２７Ｂがこれらの間に進入した紙幣２３ を挾持する。この挾持状態ではクランパ２７の搬送部２１，２２側両端からそれ ぞれ紙幣２３の両端が突出した状態となる。そして、紙幣２３が第１クランプ板 ２７Ａ，第２クランプ板２７Ｂ間に挟持されると、これを図示しない検出器が検 出し、その検出信号に基づきチェインコンベヤ２４が作動し、その上側のチェイ ンが搬送部２２側（図２に示す矢印Ｆ方向）に移動しこれと共にクランパ２７も 搬送部２２側に移動する。

【００１０】 ピニオン２６がラック２５上に達した場合、ラック２５は下方に移動した位置 で停止状態にあるため、ラック２５にピニオン２６は噛み合わず回転することな く、ラック２５上を通過する。このため、紙幣２３はその表を上側に位置させた ままクランパ２７に挾持された状態で搬送部２２側へ移動し、紙幣２３の先端が 搬送部２２に達すると、図示しない検出器が検出し、その検出信号に基づきチェ インコンベヤ２４が停止し、第１クランプ板２７Ａ，第２クランプ板２７Ｂが互 いに離間する。そして、この紙幣２３を搬送部２２がその搬送力によりクランパ ２７上から自体内に引き込み、所定の搬出部（図示せず）へ搬出する。 一方、搬送部２２が表紙幣２３を自体内に引き込み終ると、これを図示しない 検出器が検出し、その検出信号に基づきチェインコンベヤ２４がこれまでと同方 向へ再起動しクランパ２７が元の位置に戻りここでチェインコンベヤ２４は停止 する。

【００１１】 また、鑑別部による判定が裏紙幣２３であった場合には、搬送部２１，２２が 作動状態にあり、かつクランパ２７が搬送部２１寄り位置にあってチェインコン ベヤ２４が停止している状態において、搬送部２１が紙幣２３を紙幣の表裏反転 装置２０側へ搬送すると、搬送部２１からチェインコンベヤ２４上に紙幣が乗り 移る際、待機中の第１クランプ板２７Ａ，第２クランプ板２７Ｂ間に紙幣２３が 進入し、この後、第１クランプ板２７Ａ，第２クランプ板２７Ｂがこれらの間に 進入した紙幣２３を、クランパ２７の搬送部２１，２２側両端からそれぞれ紙幣 ２３の両端が突出した状態で挾持する。そして、紙幣２３が第１クランプ板２７ Ａ，第２クランプ板２７Ｂ間に挟持されると、これを図示しない検出器が検出し 、その検出信号に基づきチェインコンベヤ２４が作動し、その上側のチェインが 搬送部２２側（図２に示す矢印Ｆ方向）に移動しこれと共にクランパ２７も搬送 部２２側に移動する。

【００１２】 そして、ピニオン２６がラック２５上に達した場合、前記鑑別部の判定信号に 基づきラック２５は上方に移動した位置で停止状態にあるため、ラック２５にピ ニオン２６が噛み合い、かつチェインコンベヤ２４のチェインの移動に伴い、ピ ニオン２６と共にクランパ２７が紙幣２３を挾持した状態で図１において反時計 回りに回転し反転する。そこで紙幣２３もその表を上に位置させるように反転す る。 クランパ２７が反転すると丁度クランパ２７の折曲部２７ａ，２７ｂが搬送部 ２２に対向し、紙幣２３の端部が搬送部２２に到達する。 紙幣２３の先端が搬送部２２に達すると、図示しない検出器が検出し、その検 出信号に基づきチェインコンベヤ２４が停止し、第１クランプ板２７Ａ，第２ク ランプ板２７Ｂが互いに離間する。そして、クランパ２７上の紙幣２３を搬送部 ２２がその搬送力によりクランパ２７上から自体内に引き込み、所定の搬出部（ 図示せず）へ搬出する。 一方、搬送部２２が裏紙幣を反転させた紙幣２３を自体内に引き込み終ると、 これを図示しない検出器が検出し、その検出信号に基づきチェインコンベヤ２４ がこれまでと同方向へ再起動しクランパ２７が元の位置に戻りここでチェインコ ンベヤ２４は停止する。以上により紙幣の表裏反転装置２０から順次紙幣２３を それらの表裏を取り揃えて搬出する。

【００１３】 なお、前記実施例においては、チェインコンベヤ２４を常に同方向へ回動させ たが、これに限らず、搬送部２２がクランパ２７より紙幣２３を引き込んだ後、 チェインコンベヤ２４を逆方向へ回動させ、クランパ２７に挟持された紙幣２３ が表紙幣であった場合にはそのまま、裏紙幣であった場合には、ラック２５の上 部においてクランパ２７を反転させて元の位置に戻すようにしてもよい。

【００１４】 また、前記各実施例においては、チェインコンベヤ２４に一個のクランパ２７ を設けたが、これに限らず、図４に示すように、前記実施例のクランパ２７と同 一構成の一方のクランパ３１がチェインコンベヤ２４の搬送部２１寄り上部位置 にあるとき、前記実施例のクランパ２７と同一構成の他方のクランパ３２がチェ インコンベヤ２４の搬送部２２寄り下部位置にあり、搬送部２１からクランパ３ １，３２へ交互に紙幣２３を受け渡し、これらクランパ３１，３２から交互に搬 送部２２へ紙幣２３を受け渡すようにしてもよい。

【００１５】

【考案の効果】

本考案によれば、表裏混合状態で順次搬送されてくる紙幣の表裏を取揃えるべ く紙幣を適宜反転させる紙幣の表裏反転装置において、紙幣の搬送方向と直交す る方向に間隔をおいて配設された複数のコンベヤと、これら複数のコンベヤ間に 該コンベヤの搬出部寄り位置に前記紙幣の搬送方向に沿うようにかつ上下動自在 に設けられたラックと、上動停止位置の前記ラックに噛み合い可能に前記コンベ ヤの無端帯に回転自在に取り付けられたピニオンと、互いに近接する方向に付勢 された対向状態の一対のクランプ板を有し、該一対のクランプ板間に前記紙幣を 挾持可能にかつ前記ピニオンの軸を中心に該ピニオンと一体回転可能に該ピニオ ンに取り付けられたクランパとからなる構成としたので、 通常の搬送路途中に紙幣の表裏反転装置を介在させることができ、これにより 、表紙幣と裏紙幣とを通常の搬送路から分れた別の搬送路に一旦分離して搬送し 、再び表紙幣と、裏紙幣を反転させた紙幣とを合流させる必要をなくすことがで き、このため、紙幣搬送路の専有スペースを小さくすることができ、装置が小型 化し、またクランパにより紙幣をクランプしたままの状態で紙幣の反転を行なう ことができるので、その動作自体の確実性が高まり、安定して紙幣の表裏を取揃 えて搬出することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すもので、紙幣の反転過
程を示す要部の概略側面図である。

【図２】本考案の一実施例を示すもので、搬送部から紙
幣の表裏反転装置への紙幣の搬入過程を示す要部の概略
側面図である。

【図３】本考案の一実施例を示すもので、紙幣の表裏反
転装置からの紙幣の搬出過程を示す要部の概略側面図で
ある。

【図４】本考案の他の実施例を示すもので、搬送部から
紙幣の表裏反転装置への紙幣の搬入状態を示す要部の概
略側面図である。

【図５】従来の紙幣の表裏反転装置の概略側断面図であ
る。

【符号の説明】

２３ 紙幣 ２４ チェインコンベヤ（コンベヤ） ２５ ラック ２６ ピニオン ２７，３１，３２ クランパ ２７Ａ クランプ板 ２７Ｂ クランプ板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表裏混合状態で順次搬送されてくる紙幣
   の表裏を取揃えるべく紙幣を適宜反転させる紙幣の表裏
   反転装置において、 紙幣の搬送方向と直交する方向に間隔をおいて配設され
   た複数のコンベヤと、これら複数のコンベヤ間に該コン
   ベヤの搬出部寄り位置に前記紙幣の搬送方向に沿うよう
   にかつ上下動自在に設けられたラックと、上動停止位置
   の前記ラックに噛み合い可能に前記コンベヤの無端帯に
   回転自在に取り付けられたピニオンと、互いに近接する
   方向に付勢された対向状態の一対のクランプ板を有し、
   該一対のクランプ板間に前記紙幣を挾持可能にかつ前記
   ピニオンの軸を中心に該ピニオンと一体回転可能に該ピ
   ニオンに取り付けられたクランパとからなることを特徴
   とする紙幣の表裏反転装置。