JPH0676165B2 - 紙葉類の搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は両替機、各種自動販売機等に使用される紙幣の
搬送装置に関し、特に紙幣の挿入間隔を短縮することを
可能にした紙葉類の搬送装置に関する。

（従来の技術） 自動預金機、両替機、各種自動販売機等においては挿入
された紙幣の真贋、種類を識別装置によって判別し、判
別の結果、当該機器の使用目的に適った適正な紙幣であ
ればこれを所定の収容位置に搬送する一方、不適正なも
のであれば返却する等している。

第６図（ａ）（ｂ）は、従来の紙幣等の搬送装置の概略
構成を示し、この搬送装置は図示しない紙幣挿入口及び
識別部と直結した一対の無終端状の取込みベルト１と、
取込みベルト１の後端部に配設されたゲート２と、取込
みベルト１から搬送されてきた紙幣5aをゲート２を介し
て受取る一対の無終端状の移送ベルト３と、取込みベル
ト１の後端部と移送ベルト３の前端部との間に前端部を
位置させた一対の保留ベルト４とを有する。

ゲート２は、回動或は上下、左右動自在に構成されてい
て、取込みベルト１からの紙幣を移送ベルト３へ搬送す
るために第６図（ａ）のように両ベルト１、３間の搬送
ルートを開放したり、第６図（ｂ）のように移送ベルト
３と保留ベルト４との間の搬送ルートを開放して紙幣を
相互に往復搬送可能にしている。

取込みベルト１は、挿入された紙幣が偽物或は種類が相
違する場合には、逆転動作して挿入口に返却するよう動
作設定される。保留ベルト４の後部側には例えば金庫７
が配設されている受領する紙幣を保管する。

図示しない紙幣挿入口から挿入された紙幣が識別で適正
なものであると判断された場合には、第６図（ａ）のよ
うに取込みベルト１からゲート２を介して一旦移送ベル
ト３へ搬送したあと、ゲート２を第６図（ｂ）のように
切換えるとともに移送ベルト３の逆転させて保留ベルト
４へ転送する。両替機、販売機等の一回の使用において
一枚の紙幣しか挿入する必要がない場合には一枚単位で
返却したり金庫７へ保管すればよいが、複数枚の紙幣を
連続して挿入する必要がある場合は複数枚数を重ねて保
留しておき、その後の事情に応じて選択的に返却したり
保管する必要がある。

このため複数枚の紙幣が一枚づつ続けて挿入される場合
には、まず一枚目の紙幣を移送ベルト３から保留ベルト
４へ搬送して保留状態に保持しておき、二枚目の紙幣が
取込みベルト１からゲート２へ向かって搬送された場合
には保留された一枚目の紙幣を二枚目の紙幣の搬送タイ
ミングと合せて移送ベルト３に送り込む。この結果、移
送ベルト３上において２枚の紙幣は重ね合され、重ね合
わせた状態において保留ベルト４へ送り込まれる。挿入
可能枚数が２枚である場合には保留ベルトから金庫７へ
排出するが、更に３枚目、４枚目が挿入される場合には
再び保留ベルト４にて保留されて前記と同様の重ね合せ
のための操作を順次繰返す。

このような構成を備えた従来の搬送装置として、特開昭
60−252564号公報に開示されたものがある。

しかしながら、上記従来の紙葉類の搬送装置にあって
は、複数枚の紙幣を順次挿入して行く場合に、先行する
紙幣が移送ベルト３へ移送されてから保留ベルト４へ搬
送されるまでの間、次の紙幣を挿入することができない
ため、待ち時間が長くなり、多数枚を挿入する場合に極
めて煩雑であった。

（発明の目的） 本発明は上記に鑑みてなされたものであり、待ち時間を
大幅に短縮して紙幣を連続挿入することを可能とした紙
葉類の搬送装置を提供するものである。

（発明の概要） 上記目的を達成するため、本発明の紙葉類の搬送装置
は、挿入された紙葉類を取込み双方向に搬送する取込み
経路と、該取込み経路から紙葉類を受取って双方向に搬
送すると共に一旦保留可能な第１及び第２の保留経路と
を備え、且つ該取込み経路の後端と各保留経路の前端は
紙葉類の搬送経路を切り替えるゲートを挟んで対峙し、
前記ゲートは、夫々独立して動作可能な複数のゲート片
から成り、前記各経路と各ゲート片は、前記取込み経路
から導入された先行紙葉類を一方の保留経路に移送した
場合には、次に前記取込み経路から導入された後続紙葉
類を他方の保留経路に移送するとともに該後続紙葉類の
移送タイミングに合せて該一方の保留経路内の該先行紙
葉類を該他方の保留経路に移送して両紙葉類を積層する
ように動作し、前記ゲートを構成する各ゲート片は前記
各経路相互間の双方向搬送を可能とするように開閉動作
する為に、前記取込み経路と前記一方の保留経路とを連
通させる姿勢と、該一方の保留経路と該他方の保留経路
とを連通させる姿勢と、該取込み経路と該一方の保留経
路から夫々他方の保留経路へ紙葉類を同時に搬送し得る
開放姿勢とを、夫々とることができることを特徴とす
る。

（実施例） 以下、本発明の紙葉類の搬送装置について説明する。

第１図（ａ）及び（ｂ）は本発明の一実施例の概略構成
説明図及びＡ−Ａ断面図であり、この搬送装置は紙紙幣
挿入口10と、挿入口10の内方に位置し紙幣の真贋を識別
する識別部11と、識別部11を通過した紙幣を取込む一対
の無終端状の取込みベルト12aから成る取込み経路12
と、取込み経路12の後端部に配設されたゲート群13と、
取り込み経路12から搬送されてきた紙幣をゲート群13を
介して受取る一対の無終端状の保留ベルト14aから成る
第１の保留経路14と、取込み経路12の後端部と第１の保
留経路14の前端部との間に前端部を位置させた一対の保
留ベルト15aから成る第２の保留経路15とを有する。第
２の保留経路15の後には例えば金庫16を配設する。

一対の取込みベルト12a、12aは、夫々ローラ20a、20b及
びローラ21a、21bに無終端状に配設されている。第１及
び第２の保留経路14、15を構成する各保留ベルト14a、1
5aは、いずれも同様の構成を有している。

ゲート群13は、例えば第１図（ｂ）に示すように軸25a
によって回動自在に支持された略三角形の一対の第１の
ゲート片25、25と、各第１のゲート片25の下方において
軸27aによって回動自在に支持された一対の第２のゲー
ト片27、27と、対を成す各ゲート片25、27間に位置し軸
29aによって回動自在に支持された一枚の第３のゲート
片29とから構成される。各第１のゲート片25は軸方向へ
所定間隔をおいて配設され、各第２のゲート片27は各第
１のゲート片25と対応するような上下位置関係で所定間
隔をおいて配設されている。各ゲート片25、27、29が連
係的に動作することによって、取込み経路12と第１の保
留経路14との間の搬送ルートを開放したり（第２図、第
４図）、第１の保留経路14と第２の保留経路15との間の
双方向搬送ルートを開放したり（第２図、第３図）、更
には取込み経路12と第２の保留経路15との間の搬送ルー
トを開放する（第３図、第５図）ことができる。

なお、符号31及び32は夫々ローラ20b及び21bのローラ軸
を示す。

挿入された紙幣が偽物或は種類が相違する場合には、識
別部11内の図示しない搬送ベルトを逆転させて挿入口10
へ返却するよう動作設定される。第２の保留経路15の後
端部側には例えば金庫16が配設されていて受領する紙幣
を保管する。符号36は第２の保留経路15に連接され、金
庫16へ収容される紙幣を搬送する排出ベルトである。

以上の構成において、挿入口10から挿入され識別部11を
通過した１枚目の紙幣40は、第２図に示すように取込み
経路12からゲート郡13を通過して第１の保留経路14へ搬
送される。

次に、１枚目の紙幣40が第１の保留経路14によって保持
されると、今度は２枚目の紙幣41が第３図に示すように
第２の保留経路15へ搬送されるが、このとき第１の保留
経路14では１枚の紙幣40を２枚目の紙幣41の搬送タイミ
ングに合わせて第２の保留経路15へ向かって送り出し、
第２の保留経路15内で両紙幣40、41が整合状態で重なり
合うようにする（第３図参照）。

こうして第１枚目と第２枚目の紙幣40、41は重なり合っ
た状態で保留経路15内に積層保持されるが、この２枚を
金庫16に収納する場合にはそのまま保留経路15のベルト
15aを排出方向へ駆動して金庫16内に排出する。

２枚目に続いて３枚目が挿入される場合には、紙幣40、
41が保留経路15内に保持された時点で３枚目の挿入が可
能となり、３枚目の紙幣は第２図に示すように第１の保
留経路14内へ搬送される。第１の保留経路14への搬送タ
イミングに合せて第２の保留経路15からは第１と第２枚
目の紙幣40、41が第１の保留経路へ搬送され、これら３
枚の紙幣は第１の保留経路14内で積層される。なお、３
枚の紙幣を金庫16に収納する場合には、第１の保留経路
14から第２の保留経路15を経て金庫へ排出する。４枚目
の紙幣が挿入される場合は、第１の保留経路14に積層保
持された３枚の紙幣と４枚目の紙幣が第２の保留経路15
内において重なり合うようにタイミングを合せて全ての
紙幣が保留経路15内に送り込まれる。

このように１枚目の紙幣を第１の保留経路14に搬送した
場合には、後続の奇数枚数目の紙幣は全て第１の保留経
路14に搬送され、２枚目と後続の偶数枚目の紙幣は第２
の保留経路15内に搬送される。但し、１枚目及び奇数枚
目を第２の保留経路15に、２枚目及び偶数枚目を第１の
保留経路14に夫々搬送するようにしてもよい。この場合
の積層手順は、上記と逆の手順となる。

なお、搬送タイミングを合せる手段は従来から周知のよ
うに、例えば各経路途中にセンサを設けるとともにこの
動作状態に応じて各経路のローラ及びゲート片を制御す
れば良い。

このように順次挿入される紙葉類を連続的に積層処理す
ることができるため、極めて短い挿入間隔で連続的に紙
葉類を挿入することが可能となり、複数枚の紙幣を投入
可能な自動販売等の使用に際して利用者に多大な利便を
提供するものである。

第１の保留経路14内の紙幣を挿入口10へ返却する場合
は、第４図に示すように各ゲート片25、27、29を、第１
の保留経路14と取込み経路12とが連通するように作動さ
せて矢印方向に逆搬送し、第２の保留経路15内の紙幣を
挿入口10へ返却する場合は、第５図に示すように各ゲー
ト片25、27、29を、第２の保留経路15と取込み経路12と
が連通するように作動させて逆搬送する。

各経路同志の位置関係、配置角度は上記実施例に限定さ
れる訳ではない。従って、例えば取込み経路12と第１保
留経路14とを直線状に配設してもよい。

個々の経路の構成としては、実施例のように直線状に構
成する他、必要に応じて曲線、屈曲線を描くような経路
構成であってもよい。

ゲートの構成は上記のものに限らず、本実施例のゲート
と同様の搬送ルート形成機能を有するゲートであれば如
何なる構成であっても差し支えない。

上記実施例では金庫を第２の保留経路15の後端部側に設
けたが、金庫を第１の保留経路14の後端部側に設けると
ともに、第２の排出経路15の後端部側には返却口を連設
するように構成しても良い。この場合、第２の保留経路
15は、挿入口10の下方に位置する返却口に返却指令を搬
送するように経路を設定するのが好ましい。

また、上記実施例においては、紙幣を搬送する装置につ
いて述べたが、商品券、小切手、手形等々シート状の紙
葉類一般について適用可能であること勿論である。

また、上記実施例においてはベルトから成る搬送手段を
示したが、これ以外にもローラから成る搬送手段、静電
吸着や空気の負圧の吸着作用を利用した手段等々、種々
の搬送手段を適用することができる。

なお、各経路12、14、15の後端部とは第１図等に於いて
各経路の右側端部を意味し、前端部とは各経路の左側端
部を意味する。

（発明の効果） 以上のように本発明の紙葉類の搬送装置によれば、複数
の紙幣等を挿入可能な自動販売機、両替機、預金機等々
を利用する際に、紙幣を一枚づつ連続して挿入する場合
における待ち時間を大幅に短縮して紙幣を連続挿入する
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）及び（ｂ）は本発明の一実施例の概略構成
説明図及びそのＡ−Ａ断面図、第２図乃至第５図は紙幣
を連続して挿入した場合における搬送手段及びゲートの
動作を示す説明図、第６図（ａ）（ｂ）は従来例の構成
説明図である。 10……紙幣挿入口、11……識別部、12……取込み経路、
12a……取込みベルト、13……ゲート群、14……第１の
保留経路、14a……保留ベルト、15……第２の保留経
路、15a……第２の保留ベルト、16……金庫、20a、20
b、21a、21b……ローラ、25、27、29……ゲート片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】挿入された紙葉類を取込み双方向に搬送す
   る取込み経路と、該取込み経路から紙葉類を受取って双
   方向に搬送すると共に一旦保留可能な第１及び第２の保
   留経路とを備え、且つ該取込み経路の後端と各保留経路
   の前端は紙葉類の搬送経路を切り替えるゲートを挟んで
   対峙し、 前記ゲートは、夫々独立して動作可能な複数のゲート片
   から成り、 前記各経路と各ゲート片は、前記取込み経路から導入さ
   れた先行紙葉類を一方の保留経路に移送した場合には、
   次に前記取込み経路から導入された後続紙葉類を他方の
   保留経路に移送するとともに該後続紙葉類の移送タイミ
   ングに合せて該一方の保留経路内の該先行紙葉類を該他
   方の保留経路に移送して両紙葉類を積層するように動作
   し、 前記ゲートを構成する各ゲート片は前記各経路相互間の
   双方向搬送を可能とするように開閉動作する為に、前記
   取込み経路と前記一方の保留経路とを連通させる姿勢
   と、該一方の保留経路と該他方の保留経路とを連通させ
   る姿勢と、該取込み経路と該一方の保留経路から夫々他
   方の保留経路へ紙葉類を同時に搬送し得る開放姿勢と
   を、夫々とることができることを特徴とする紙葉類の搬
   送装置。