JPH0554412U - 重量物用移動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 たんす、食器棚等の重量物が安定よく設置さ
れ、かつ必要な時には簡単に移動させる事ができる重量
物移動装置において、装置の安定性を向上せしめ、レバ
ー操作が軽く行う事ができ、しかも構造が簡単で安価に
製作できるものを提供する事を目的とする。 【構成】 枠フレーム２とキャスター台３と、昇降用レ
バー４と昇降用レバーの回動中心に対向して、一方の端
部が回動自在に連結され、他方の端部が前後のキャスタ
ー台の上面に常に圧接する前後連結材５，６よりなり、
前後連結材のそれぞれのキャスター側の端部は、枠フレ
ームに形成された前後方向で下側に傾斜する前後傾斜長
孔５４，６４に案内されているものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、たんす、食器棚等の収納家具、あるいは、ピアノ、装飾用設置物等 を含む重量物が安定よく設置され、かつ必要な時には簡単に移動させる事ができ る重量物用移動装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上記装置は上面及び下面が開いた枠フレームと、枠フレーム内に装着さ れたアーム装置と、前後方向に回動自在なレバー装置等をそなえ、上記アーム装 置はアームの下面に移動用部材を備え、枠フレーム内側の端縁近傍に基端部を軸 支されて上下方向に回動可能とされ、レバー装置は連結部材による伝動に基き、 ローターがアームを押し下げる構成となっていた。（例えば実開平１−１１４８ ３０号公報）

【０００３】 すなわち、アームの軸支されている個所がフレーム内面側の端部である為、アー ム下面に備えられるキャスター間の寸法が小さくなり、安定性が阻害される要因 となるだけでなく、アームに負荷されるレバーの荷重がキャスターの接床面に近 くなる、つまり力点と作用点の間隔が短くなるので、レバー操作が重くなるとい う問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記問題を解決する事を課題とする。 すなわち、キャスター間の距離を大きくとる事により、装置の安定性を向上せし め、レバー操作が軽く行え、しかも構造が簡単で安価に製作できる重量物用移動 装置を提供する事を課題とする。

【０００５】

【課題を解決する為の手段】

枠フレームと、キャスター台と、昇降用レバーと、昇降用レバーの回動中心に 対向して、一方の端部が回動自在に連結され、他方の端部が前後のキャスター台 の上面に常に圧接する前後連結材よりなり、前後連結材のそれぞれのキャスター 台側の端部は、枠フレームに形成された前後方向で下側に傾斜する前後傾斜長孔 に案内され、かつ、キャスターの突出状態で、前連結材の昇降用レバー側の端部 と昇降用レバーの連結個所が、昇降用レバーの回動中心より下方に位置するもの である。

【０００６】

【実施例】

図１は本考案の移動可能状態での要部縦断面図を示している。移動装置１は通 常収納家具の左右両側に取付けられるが、図はその一方のみを示している。

【０００７】 移動装置１は枠フレーム２、前後キャスター台３、３、昇降用レバー４、前後 連結材５、６等より構成されている。

【０００８】 枠フレーム２は、断面逆Ｌ字形の左右フレーム２１、２１と左右フレーム２１ 、２１の前後端部と連結される断面略コ字形の前後フレーム２２、２２より上下 両面が開いた前後方向に長い枠状に形成されている。

【０００９】 前キャスター台３はキャスター取付面３１と、キャスター取付面３１の左右端 部から下方に連設され、前後方向の中央側に突出する連結用突片３２、３２より 、左右フレーム２１、２１間よりやや小さめの大きさに形成されている。 そして、キャスター取付面３１の下面にはキャスター３０がとりつけられ、連 結用突片３２、３２の中央側先端部は連結軸３３にて左右フレーム２１、２１に 回動自在に連結されている。

【００１０】 又、一端側がキャスター取付面３１の下面に当接し、他端が、左右フレーム２ １、２１間にとりつけられた補強材２１０の下面に当接するバネ材３５が連結軸 ３３に取りつけられてキャスター台３は常に上方に回動する様付勢されている。

【００１１】 昇降用レバー４は、左右フレーム２１、２１間よりやや小さめの大きさで、左 右壁４１、４１と上壁４２より断面略コ字形に形成されており、左右壁４１、４ １は起立姿勢で、一端が下方にいくに従って巾広となる形態で、巾広側端部の中 央部が左右フレーム２１、２１に回動自在に連結されている。 そして、他方の端部側に操作部４０が形成されている。

【００１２】 前連結材５は、昇降用レバー４の左右壁４１、４１と左右フレーム２１、２１ 間に位置する左右一対の前リンク材５１、５１と、左右の前リンク材５１、５１ の前フレーム２２側の端部を連結する前案内軸５２と、左右一対の前リンク材５ １、５１の内面側で前案内軸５２に回転自在にとりつけられ、周端面が常に前キ ャスター台３のキャスター取付面３１の上面に当接する前圧接ローラー５３、５ ３より構成され、後端部が昇降用レバー４の巾広側の端部に回動自在に連結され ている。

【００１０】 そして、前案内軸５２の左右端部は、左右フレーム２１、２１の前端部に形成 された、前方で下方に傾斜する前傾斜長孔５４、５４に嵌合している。

【００１１】 すなわち、昇降用レバー４の回動にともなって、前連結材５が前方に移動する 際、前案内軸５２の端部が、前傾斜長孔５４、５４に嵌合しているので、これに 沿って前圧接ローラー５３、５３がキャスター取付面３１を下方に押し下げなが ら移動し、キャスター台３を回動して、キャスター３０を枠フレーム２の下方に 突出させる。

【００１２】 後連結材６は、昇降用レバー４の左右壁４１、４１と左右フレーム２１、２１ 間に位置する左右一対の後リンク材６１、６１と、左右の後リン材６１、６１後 フレーム２２側の端部を連結する後案内軸６２と、左右一対の後リンク材６１、 ６１の内面側で後案内軸６２に回転自在にとりつけられ、周端面が常に後キャス ター台３のキャスター取付面３１の上面に当接する後圧接ローラ６３、６３より 構成され、前端部が昇降用レバー４の巾広側の端部で、昇降用レバー４の回動中 心を中心として前記前リンク材５１、５１と昇降用レバー４の連結部分と向かあ う位置に回動自在に連結されている。

【００１３】 そして、後案内軸６２の左右端部は、左右フレーム２１、２１の後端部に形成 された、後方で下方に傾斜する後傾斜長孔６４、６４に嵌合している。

【００１４】 すなわち、昇降用レバー４の回動にともなって後連結材６が後方に移動する際 、後案内軸６２の端部が後傾斜長孔６４、６４に嵌合しているので、これに沿っ て後圧接ローラ６３、６３がキャスター取付面３１を下方に押し下げながら移動 し、キャスター台３を回動して、キャスター３０を枠フレーム２の下方に突出さ せる。

【００１５】 符号７、７は昇降用レバー４を前方に回動して前後のキャスター３０、３０を 枠フレーム２の下方に突出させた状態で、昇降用レバー４のそれ以上の回動を阻 止する為、後リンク材６１、６１の上端が当接する様、左右フレーム２１、２１ に形成されたストッパー突部を示している。

【００１６】 そして、後リンク材６１、６１の上端がストッパー突部７、７に当接した状態 で、前リンク材５１、５１と昇降用レバー４の連結個所は、昇降用レバー４の回 動中心の下方に位置し、後リンク材５１、５１と昇降用レバー４の連結個所は、 昇降用レバー４の回動中心の上方に位置する。

【００１７】 すなわち、本移動装置１が使用される物品の荷重が、キャスター３０、３０に 負荷され、前後キャスター台３、３が上方に回動して、後リンク材６１を前方に 移動させようとしても、昇降用レバー４を前方に回動する様に負荷されるから、 後リンク材６１、６１とストッパー突部７、７の当接によって昇降用レバー４は 回動する事なく、キャスター３０、３０の突出状態を維持する。

【００１８】 一方、キャスター３０、３０を枠フレーム２内に収納する場合は、図１の状態 での昇降用レバー４を後方に回動せしめると、前リンク材５１、５１は後方に移 動し、後リンク材６１、６１は前方に移動し、それぞれの端部（前部圧接ローラ ー５３、６３）は前後傾斜長孔５４、６４に沿って上方に移動し、同時に前後キ ャスター台３、３も上方に回動して、キャスター３０、３０は枠フレーム２内に 収納される。

【００１６】

【考案の効果】

以上の如く本考案は、キャスター台の前後方向の中央部側の端部が回動自在に 枠フレームにとりつけられ、前後連結材の端部が枠フレーム形成された前後傾斜 長孔によってキャスター台に圧接する構成となっているので、キャスター間の寸 法を大きくとる事ができるので安定性が向上し、昇降用レバーの動きを前後連結 材と前後傾斜長孔だけでキャスター台に伝えるので、構造が簡単で安価に製作で きる。 さらに、キャスターが枠フレームの前後端部側によせられるから、昇降レバー の回転中心とキャスター間の寸法が大きくなり、キャスターの上下動寸法に対し 、昇降レバーの上下動寸法は小さくてすむ。すなわち、その分昇降レバーを大き く形成する事により、キャスターを押し下げる操作が軽く容易とある。

【００１７】

【図面の簡単な説明】

【図１】キャスターを突出させた状態の要部縦断面図

【図２】キャスターを収納した状態の要部縦断面図

【図３】図１に対応する平面図

【符号の説明】

１ 移動装置 ２ 枠フレーム ２１ 左右フレーム ３ 前後キャスター台 ３０ キャスター ４ 昇降用レバー ５ 前連結材 ５４ 前傾斜長孔 ６ 後連結材 ６４ 後傾斜長孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下面が開いた枠フレームと、下面にキャスターを有
   し、前後方向の中央部側の端部が回動自在に枠フレーム
   にとりつけられた前後２つのキャスター台と、枠フレー
   ムに対し前後方向に回動自在にとりつけられた昇降用レ
   バーと、昇降用レバーの回動中心に対向して一方の端部
   が回動自在に連結され、他方の端部が前後のキャスター
   台の上面に常に圧接する前後連結材よりなり、前後連結
   材のそれぞれのキャスター台側の端部は、枠フレームに
   形成された前後方向で下方に傾斜する前後傾斜長孔に案
   内され、かつ、キャスターの突出状態で、前連結材の昇
   降用レバー側の端部と昇降用レバーの連結個所が、昇降
   用レバーの回動中心より下方に位置する事を特徴とする
   重量物用移動装置。