JPH0553648U - 薬液注入容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薬液注入口をキャップで嵌装しないことによ
って、キャップが外れて薬液が漏れることがなく、また
外したキャップの処理手間のかからない薬液注入容器を
提供すること。 【構成】 柔軟性素材から製せられた薬液容器本体１の
口部１１に接続される先端に薬液注入口２１が設けられ
たチューブが接続され、その口部１１に逆止弁３が封入
され、チューブ２には仕切壁２２が形成されてチューブ
先端と仕切壁２２との間に区室が形成され、この区室に
針状体４がその先鋭部を仕切壁２２に向けて封入されて
いる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、浣腸容器などに用いられる薬液注入容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

浣腸容器などに用いられる医療用の薬液注入容器としては、押圧により変形可 能な合成樹脂製の容器本体と、その容器本体の口部に装着され、かつ頂部中央に 接続筒を一体に有する合成樹脂製のキャップ部材と、上記接続筒に水密に嵌挿さ れ、先端にノズルキャップを嵌めたノズル部材を備えたチューブとからなり、こ のチューブ内に逆止弁を周囲に間隙を設けて移動自在に挿入した逆止弁付浣腸器 が知られている（実開昭６２−１５７５４５号公報）。

【０００３】 そして、従来の薬液注入容器においては、そのほとんどが、上記薬液注入容器 のように、チューブ先端の薬液注入口にはキャップが嵌装される構成となってお り、使用に際してこのキャップを外していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のとおり従来の薬液注入容器においては、薬液注入口をキャップで嵌装す る構成になっているので、使用前の保管や運搬の際、なんらかの衝撃によりキャ ップが外れ、薬液が漏れるという問題があった。また、使用に際して、外したキ ャップを捨てたり、捨てるため所定の場所に一時的に置いたりする手間もかかり 煩わしかった。

【０００５】 この考案は、上記の点に鑑み、キャップが外れて薬液が漏れることがなく、ま た外したキャップの処理手間のかからない薬液注入容器を提供することを目的と する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 この考案の薬液注入容器は、柔軟性素材から製せられた薬液容器本体と、この 薬液容器本体の口部に接続される先端に薬液注入口が設けられたチューブとから なり、薬液容器本体の口部には逆止弁が封入されており、チューブには仕切壁が 形成されてチューブ先端と仕切壁との間に区室が形成され、この区室に針状体が その先鋭部を仕切壁に向けて封入されていることを特徴としている。

【０００７】 この薬液注入容器において、柔軟製素材から製せられた薬液容器本体は、浣腸 液などの薬液が封入されるものであり、押圧により変形することによって薬液が 口部を経てチューブ先端の薬液供給口から押し出されるようになっている。この ため、柔軟性素材としては、薬液に溶出しない軟質熱可塑性樹脂などの素材、例 えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹 脂、軟質塩化ビニル系樹脂などが用いられる。

【０００８】 なお、オレフィン系樹脂製の薬液注入容器は、容器の接合部の強度が十分でな く、そのため内容液が洩れ易くなり、医薬品としての品質保証がし難いという問 題があり、また、液状可塑剤を添加した普通の軟質塩化ビニル系樹脂製の薬液注 入容器では、その液状可塑剤が溶出してグリセリン浣腸液などの薬液に悪影響を 与えることがある。それ故、そのような可塑剤を添加することなく、エチレン・ 一酸化炭素・（メタ）アクリルエステル系共重合体などを含有させた、いわゆる 無可塑軟質塩化ビニル系樹脂から製せられていると、可塑剤等の溶出がなく、適 度の可撓性を有し、透明で内容物を観察できるので特に好適に用いられる。

【０００９】

【作用】

使用に際して、先ず、チューブの針状体のある位置よりやや先端側部分を指で 押し潰す。このチューブ壁の押し潰しにより、針状体は容器本体側に移動して仕 切壁が突き破られ、容器本体内の薬液は薬液注入口から流出可能状態となる。

【００１０】 続いて、チューブを体内に挿入し、容器本体を押圧して変形させることにより 、薬液は口部を通ってチューブに流れ、その薬液供給口から体内に注入されこと になる。なお、薬液は口部に封入された逆止弁に薬液等の逆流は阻止される。

【００１１】

【実施例】

次に、この考案の薬液注入容器を図面の実施例を参照してさらに説明する。 図１は、この考案の薬液注入容器の縦断面図であり、１は容器本体、１１は容 器本体１の口部、２はチューブ、３は逆止弁、４は針状体である。

【００１２】 容器本体１と口部１１とは、塩化ビニル・エチレン共重合体（平均重合度１３ ００、エチレン含有量４重量％）１００重量部と、エチレン・一酸化炭素・ｎ− ブチルアクリレート共重合体（一酸化炭素含有量１０重量％、ｎ−ブチルアクリ レート含有量３０重量％）１６０重量部を含有する透明の樹脂組成物からブロー 成形法により一体に成形されている。

【００１３】 口部１１は筒状をしており、この口部１１に球体からなる逆止弁３が封入され 、開口部にチューブ２を接続するための接続具５が固着されている。筒状口部１ １の奥部は径小とされ、逆止弁３が容器本体１の中に入り込まずにその径小部に 当接して口部１１を封鎖して逆流を阻止し、また、逆止弁３が接続具５側に移動 してもその通路を封鎖することなく薬液がチューブ２側に流れる構造になってい る。

【００１４】 接続具５は硬質塩化ビニル系樹脂などの硬質の熱可塑性樹脂から製せられてお り、その一端に上記口部１１が高周波融着などによって固着され、他端にチュー ブ２が高周波融着法などによって固着され接続されている。

【００１５】 図２に詳細に示すとおり、チューブ２の先端は先止まりとされて封鎖され、そ の近くに薬液注入口２１が設けられるとともにこの薬液注入口２１より容器本体 １側に仕切壁２２が設けられることによりチューブ２先端と仕切壁との間に区室 ２３が形成されている。

【００１６】 この区室２３に針状体４が封入されている。針状体４は、先端が先鋭な先窄ま りの大径部がチューブ２の内径よりやや小さな筒状体であって、先窄まり部に孔 ４１が穿けられており、その先鋭部が仕切壁２２に向けられている。チューブ２ の先端部を押し潰して針状体４が移動すれば、その先鋭端が仕切壁２２を突き破 り、薬液が流れ出ることが可能となり、針状体４を上記のとおりの筒状体とする ことによって、薬液は針状体４の孔４１を通って薬液注入口２１に達することに なるので、完全ではないが逆流防止作用も奏するので好ましい。

【００１７】

【考案の効果】

この考案の薬液注入容器は、以上述べたとおり、従来のもののように、薬液注 入口にキャップを嵌める必要がなく、キャップが外れて薬液が漏れるような恐れ が全くない。また、外したキャップの処理手間が全くかからず、薬液注入操作が 簡便となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の薬液注入容器の実施例の部分縦断面
図である。

【図２】図１の薬液注入容器のチューブ先端部の拡大縦
断面図である。

【符号の説明】

１ 容器本体 １１ 口部 ２ チューブ ２１ 薬液注入口 ２２ 仕切壁 ３ 逆止弁 ４ 針状体 ５ 接続具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 柔軟性素材から製せられた薬液容器本体
   と、この薬液容器本体の口部に接続される先端に薬液注
   入口が設けられたチューブとからなり、薬液容器本体の
   口部には逆止弁が封入されており、チューブには仕切壁
   が形成されてチューブ先端と仕切壁との間に区室が形成
   され、この区室に針状体がその先鋭部を仕切壁に向けて
   封入されていることを特徴とする薬液注入容器。