JPH0552567U

JPH0552567U - 熱交換素子

Info

Publication number: JPH0552567U
Application number: JP10855691U
Authority: JP
Inventors: 亮三大沼; 透齋藤
Original assignee: Ebara Corp
Current assignee: Ebara Corp
Priority date: 1991-12-05
Filing date: 1991-12-05
Publication date: 1993-07-13

Abstract

(57)【要約】【目的】熱交換効率が大幅に向上すると共に、流路の
圧力損失も小さい改良された熱交換素子を提供するこ
と。【構成】図１に示すように、凹凸状に形成された素子
シートＡを互いに該凹凸が交叉するように積層し、該素
子シートの１枚１枚の端面に互い違いに閉鎖部Ｂを形成
して熱交換素子を構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は使用流体に主に気体を用いる静止形の熱交換素子の改良に関するものである。

【０００２】

【従来技術】

図５は従来のこの種の熱交換素子の構成を示す図で、図６は図５のイ部分の詳細を示す図である。図６に示すように、平板状のシートａの間に凹凸を形成したシートｂを互いに積層し、流路と伝熱面を形成している。この凹凸の形成は各メーカとも、熱交換素子の流路の圧力損失と伝熱面積を最適にするために、種々の工夫を行い、且つその寸法も定めている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記従来構成の熱交換素子は下記の乃至のような欠点を有している。凹凸状に形成されたシートは伝熱面とならないため、どのよような形状に変えても伝熱面を増すことに直接は寄与せず、単に流路の圧力損失等を変えることにすぎず大幅に熱効率を上昇させることにはつながらない。また、凹凸状シートｂの平板シートａへの当たり面（図７のｃ部分を参照）は伝熱面を減少させる要素となり、更に効率を悪くしている。

【０００４】伝熱は平板シートａで行われているので、熱効率を上げるためにはシート材の改良を除けば平板シートの面積を広げる必要があり、そのため全体の寸法を大きくするか、もしくは積層数を増すことになる。全体の寸法を大きくすると、熱交換器の本体も大きくなり不経済で、且つ取扱い上も不都合なものとなる。一方、寸法を制約して積層数を増すと、凹凸状のシートの高さを低くすることになり、これは結果的に流路を狭め熱交換素子の流路圧力損失を増大させ、送風機等の送風動力を大きくすることとなり全体の省エネルギー効果を低下させることになる。

【０００５】凹凸状に形状されたシートによる流路は狭い直線状で、流体が整流されるため、伝熱面上近傍の流体のみが熱交換し、伝熱交換効率を低下させる。特に凹凸状シートｂと平板シートａとで形成する隅部分（図６のｄ部分参照）は流れが停滞し、伝熱が行われないデットスペースとなる。

【０００６】本考案は上述の点に鑑みてなされたもので、上記乃至の欠点を除去し、熱交換効率が大幅に向上すると共に、流路の圧力損失も小さい改良された熱交換素子を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため本考案は熱交換素子を、図１に示すように、凹凸状に形成された素子シートＡを互いに該凹凸が交叉するように積層し、該素子シートの１枚１枚の端面に互い違いに閉鎖部Ｂを形成して構成した。

【０００８】

【作用】

熱交換素子を上記の如く構成することにより、熱交換を行う流体は図１の矢印Ｘ及びＹ方向より流入して熱交換素子の中で直角に交わる。これは従来のものと変わらないが、熱交換の行われるところは素子シートＡの凹凸形成面となる。従って従来の平板シートａに対して大きい有効伝熱面積が取れる。また、流路に凹凸があるため、流路を流れる流体は十分に撹拌され、熱伝達の点からも良好なものとなり、熱交換効率が大幅に向上する。また、熱交換効率が高くなることにより通路面積もあまり狭くする必要がなくなり、流路の圧力損失も小さくなる。

【０００９】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図１は本考案の熱交換素子の構成を示す図で、図２及び図３はそれぞれ流路部の詳細を示す図である。熱交換素子は素子シート（伝熱シート）Ａと端面閉鎖部Ｂとから構成される。素子シートＡは従来例と同様凹凸状に形成されているが、従来例と異なり素子シートＡそのものが伝熱部分となり、且つ凹凸の形状は伝熱面積を大きくとるための手段となっている。従って、単に凹凸状に形成するだけでなく、種々の形状に形成でき、例えば図４に示すように凹凸状に形成された素子シートＡの該凹凸部に更に細い凹凸Ａ−１を形成してもよいことは当然である。

【００１０】端面閉鎖部Ｂは素子シートＡの端部に設けられており、素子シートＡと素子シートＡの間の隙間を部分的に閉鎖し、熱交換素子全体の流路の方向を制限する。この端面閉鎖部Ｂは柔いパッキン等で素子シートＡの凹凸面によくなじみ、流体（主に気体）を十分密封するに適した材質の材料で造られる。また、素子シートＡは一枚毎にその凹凸が交叉（９０°づつ互い違いに凹凸の方向を変えて）積層されている。

【００１１】上記のように構成された熱交換素子において、熱交換を行う流体は図１の矢印Ｘ及びＹ方向より流入して熱交換素子の中で直角に交わる。これは従来のものと変わらないが、熱交換の行われるところは素子シートＡの凹凸形成面となる。このように熱交換が行われる素子シートＡは凹凸が形成されているので、従来の平板シートａに対して同一の外形寸法（平面寸法）で約２倍以上の有効伝熱面積が取れる。また、図３の矢印Ｄに示すように、従来例と異なり、流路に凹凸があるため、流路の流体は十分に撹拌され、熱伝達の点からも良好なものとなる。即ち、例えば従来例のようにデットゾーン（図６のｄ部分参照）がなくなる。従って、熱交換効率が大幅に向上すると共に、熱交換効率が高くなることにより通路面積もあまり狭くする必要がなくなり、流路の圧力損失も小さくなる。

【００１２】

【考案の効果】

以下本考案によれば下記のような優れた効果が得られる。（１）伝熱面積が大きくとれるため、熱交換効率が高くなり、小型で圧力損失も小さい熱交換素子が得られる。

【００１３】（２）流体が流れる流路の内面に凹凸を形成しているため、流体の内部撹拌により、熱交換効率が高くなり、小型で圧力損失も小さい熱交換素子が得られる。

【００１４】（３）熱交換素子が小型になるため、熱交換器ユニットも小さくなり安価となる。

【００１５】（４）従来例では熱交換素子ではその素子シートを凹凸状シートと平坦シートの２種類が必要であったのに対して、本考案の熱交換素子では凹凸状シートの一種類で済み素子材料の量が減少でき軽量で安価となる。

【００１６】（５）従来例では素子シート同志の接着が平板シートと凹凸シートの間の全面接着が必要であったが、本考案では端面閉鎖部のみでよく接着面積が少なくて済むので組立て作業が軽減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の熱交換素子の構成を示す図である。

【図２】本考案の熱交換素子の流路部の詳細を示す図で
ある。

【図３】本考案の熱交換素子の流路部の詳細を示す図で
ある。

【図４】本考案の熱交換素子の素子シートの他の例を示
す図である。

【図５】従来の熱交換素子の構成を示す図である。

【図６】図５のイ部分の詳細を示す図である。

【符号の説明】

Ａ素子シートＢ端面閉鎖部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】凹凸状に形成された素子シートを互いに
該凹凸が交叉するように積層し、前記シートの１枚１枚の端面を互い違いに閉鎖したこと
を特徴とする熱交換素子。