JPH055243Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は燃料給油中の燃料蒸気排出防止装置に
関する。

〔従来の技術〕

自動車の燃料タンクには燃料の給油のために上
方に延びるインレツトパイプが取りつけられてい
る。ブリーザパイプが燃料タンクの上壁からこの
インレツトパイプの上端付近に結合され、燃料給
油時にタンク内部の圧力を逃がして燃料を満たん
にすることができるようになつている。このよう
な構成では、給油中に発生した燃料蒸発は開放し
ているインレツトパイプから大気に排出されるこ
とになる。

従つて、ブリーザパイプをチヤコールキヤニス
タに連結して燃料蒸気の大気排出を防止すること
が考案され、例えば、特開昭61−191427号公報に
記載されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

特開昭61−191427号公報に記載されている燃料
蒸気排出防止装置では、燃料タンクとチヤコール
キヤニスタとを連結するブリーザパイプの途中に
電磁弁を配置し、この電磁弁を通常は閉じてお
き、給油中にのみ開くようにしている。電磁弁を
給油中にのみ開くようにするために、上記公報で
は、燃料タンクのキヤツプが開かれたことを検出
するスイツチが設けられている。しかしながら、
そのスイツチを間違えて作動させたとき、或いは
燃料給油後にそのスイツチが閉じなくなつたとき
には、運転中になつても電磁弁が開かれたままに
なり、チヤコールキヤニスタに液体燃料が浸入す
るという問題が発生する。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するために、本考案による燃
料蒸気排出防止装置は、燃料タンクと、燃料蒸気
吸着手段と、該燃料タンクと燃料蒸気吸着手段と
を連結し且つ燃料給油時にタンク内部の圧力を逃
がす導管と、該導管の途中に配置された弁装置
と、給油スイツチと、イグニツシヨンスイツチ
と、給油スイツチ及びイグニツシヨンスイツチの
出力によりイグニツシヨンキーがオフされ且つ給
油スイツチがオンされた時にのみ上記弁装置を開
くと共にそれ以外の時は弁装置を閉じる制御手段
とを有する。

〔作用〕

弁装置を開くための条件として、従来の給油ス
イツチのオンという条件に、イグニツシヨンキー
のオフという条件を加え、それ以外では制御手段
は弁装置を閉じるため、仮に給油スイツチが誤作
動するようなことがあつても、機関運転に伴つて
イグニツシヨンキーがオンとなれば弁装置が閉じ
られ、機関運転中の燃料蒸気吸着手段への液体燃
料侵入は防止される。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に基づいて説明する。

第１図において、燃料タンク１０は燃料給油の
ためのインレツトパイプ１２を有し、その入口端
にはキヤツプ１４が螺着される。燃料タンク１０
には図示しないエンジンに燃料供給するための燃
料パイプ１６と余剰燃料を戻すためのリターンパ
イプ１８が挿入されている。

第１図においては、２つの活性炭チヤコールキ
ヤニスタ２０，２２が設けられる。これを共通の
チヤコールキヤニスタとすることもできる。チヤ
コールキヤニスタ２０，２２にはそれぞれ活性炭
が充填されている。一方のチヤコールキヤニスタ
２０は従来のものと同様にエバボパイプ２４によ
つて燃料タンク１０の上部空間に連結される。こ
のエバポパイプ２４の途中或いはチヤコールキヤ
ニスタ２０の入口にチエツク弁２６が配置され
る。チエツク弁２６は双方向性であり、熱膨張等
により燃料タンク１０内の燃料蒸気の圧力が高く
なつたときに燃料タンク１０からチヤコールキヤ
ニスタ２０へ向かう燃料蒸気の流れを許容し、燃
料レベルの低下等により燃料タンク１０内の圧力
が大気圧よりも低くなつたときにチヤコールキヤ
ニスタ２０から燃料タンク１０へ向かう空気の流
れを許容するものである。従つて、キヤツプ１４
が閉じられていて燃料タンク１０内の圧力が高く
なつたときに、燃料蒸気がチヤコールキヤニスタ
２０に吸着される。チヤコールキヤニスタ２０は
従来のものと同様に燃料蒸気の入口２８、出口３
０及び空気の吸入口３２を有し、出口３０がパイ
プ３４によつてエンジンの吸気通路３６のスロツ
トル弁３８の下流の位置に連結される。パイプ３
４の途中には電磁弁４０があり、これはマイクロ
プロセツサを使用した制御装置（ECU）４２に
よつてエンジンの運転条件に応じて開かれる。電
磁弁４０が開かれるとマニホールド負圧によつて
チヤコールキヤニスタ２０に吸着していた燃料蒸
気が吸気通路３６内に吸入され、エンジンで燃焼
される。

第２のチヤコールキヤニスタ２２はブリーザパ
イプ４４によつて燃料タンク１０の上部空間に連
結される。第２のチヤコールキヤニスタ２２も同
様に燃料蒸気の入口４６、出口４８及び空気の吸
入口５０を有し、出口４８はパイプ３４と合流す
るパイプ５２により第１のチヤコールキヤニスタ
２０と同様に吸気通路３６に連結される。燃料タ
ンク１０は概ね平担に形成され、座席の下等に配
置されるのに適するようになつている。燃料タン
ク１０の上部壁は部分的に高い部分を有すること
ができ、エバボパイプ２４及びブリーザパイプ４
４はこの高くなつた部分に連結される。

ブリーザパイプ４４の途中には常時閉型の電磁
弁５４が配置され、さらに燃料タンク１０内には
ブリーザパイプ４４の内側開口部に係合して燃料
の液面を規制するフロート５６が設けられる。フ
ロート５６は穴の開いたケージ５８に収められ、
ブリーザパイプ４４の内側開口に係合することが
できるようになつている。また、電磁弁５４の下
にはセパレータ６０が設けられ、内部の隔壁構造
により液体燃料がその上方に流れないようになつ
ている。

チヤコールキヤニスタ２０，２２の出口側に配
置される電磁弁４０は従来と同様に内燃機関の運
転状態に応じて開閉され、ある場合には省略され
ることもできるものである。ブリーザパイプ４４
に配置される電磁弁５４はリレー６２を介してバ
ツテリ６４に接続される。リレー６２は燃料給油
中にのみ電磁弁５４に通電して電磁弁５４を開放
させるように形成されたものであり、アンド回路
６６から制御信号を受けるようになつている。ア
ンド回路６６は給油中であることを検出する給油
スイツチ６８と、イグニツシヨンスイツチ７０か
らの検出出力を受けるように接続され、イグニツ
シヨンキーがオフされ且つ給油スイツチ６８がオ
フされたことが検出されたときにハイ信号を出力
してリレー６２のスイツチを閉じさせる。給油ス
イツチ６８はキヤツプ１４と関連して設けたスイ
ツチとして得られる。また、自動車の運転席のフ
ユエルリツドオープナに関連してスイツチを設け
ることもできる。或いは、インスツルメントパネ
ルにスイツチを設け、これを運転者が手動操作す
ることもできる。かくして、給油中であると判定
してリレー６２のスイツチを閉じて電磁弁５４に
通電し、電磁弁５４を開く。給油当初には、燃料
タンク１０の燃料の液面は低いのでフロート５６
もその弁座から離れており、よつて給油中に発生
する燃料の蒸気をブリーザパイプ４４から第２の
チヤコールキヤニスタ２２に送ることができ、そ
の燃料蒸気が活性炭に吸着される。給油の進行と
ともに燃料タンク１０の液面が上がり、満たん相
当になるとフロート５６がその弁座を閉じ、燃料
がブリーザ通路４４に進入できなくなり、さらに
給油が進行すると、図示しない給油ノズルが燃料
の満たんを感知して停止する。給油が終了する
と、給油スイツチ６８からの信号が変わつてリレ
ー６２のスイツチが開き、電磁弁５４も閉じられ
る。イグニツシヨンスイツチ７０は実質的に給油
中を判定するのに役立つていないが、もし給油ス
イツチ６８が不作動状態になつた場合等に電磁弁
５４が開放し続けるのを防止するものであり、給
油終了にも拘わらず給油スイツチ６８からのオン
信号が出力され続けるようなことがあつたり、或
は車両走行中に給油スイツチ６８が不作動状態に
なつたとしても、イグニツシヨンキーがオン状態
であればイグニツシヨンスイツチ７０からの信号
を受けたアンド回路６６がリレー６２のスイツチ
を開き、これにより常時閉型の電磁弁５４はブリ
ーザパイプ４４を閉じることとなり、従つて、第
２のチヤコールキヤニスタ２２が内燃機関の運転
中にオーバーチヤージされることがなくなる。

第２図はアンド回路６６と給油スイツチ６８と
の間にさらにタイマ７２を設け、よつて、資料注
入終了後に暫くの間キヤツプが開いたまま放置さ
れ給油スイツチ６８が閉成されなくても、電磁弁
５４を閉じることができるようにしたものであ
る。これによつて、放置状態でチヤコールキヤニ
スタがオーバーリツチにされるのを防止すること
ができるものである。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば給油中に
発生する燃料蒸気を大気に排出することなく吸着
手段に吸着させることができ、さらに弁装置が望
ましくないときに開放されるのを防止して吸着手
段の作用を確実にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による燃料蒸気排出防止装置を
示す図、第２図は第１図の電磁弁の開閉制御の変
化例を示すブロツク図である。 １０……燃料タンク、２２……チヤコールキヤ
ニスタ、４４……ブリーザパイプ、５４……電磁
弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンクと、燃料蒸気吸着手段と、該燃料タ
   ンクと燃料蒸気吸着手段とを連結し且つ燃料給油
   時にタンク内部の圧力を逃がす導管と、該導管の
   途中に配置された弁装置と、給油スイツチと、イ
   グニツシヨンスイツチと、給油スイツチ及びイグ
   ニツシヨンスイツチの出力によりイグニツシヨン
   キーがオフされ且つ給油スイツチがオンされた時
   上記弁装置を開くと共にそれ以外の時は弁装置を
   閉じる制御手段とを有する燃料蒸気排出防止装
   置。