JPH0551256B2

JPH0551256B2 -

Info

Publication number: JPH0551256B2
Application number: JP1053319A
Authority: JP
Inventors: Torahiko Hayashi
Original assignee: Rheon Automatic Machinery Co Ltd
Current assignee: Rheon Automatic Machinery Co Ltd
Priority date: 1989-03-06
Filing date: 1989-03-06
Publication date: 1993-08-02
Also published as: KR930006490B1; CN1023874C; DD298732A5; CA2011513C; CA2011513A1; RU1833140C; KR900013859A; ES2041134T3; DE69001921T2; AU622525B2; US5044917A; ATE90513T1; US5059440A; DE69001921D1; AU5070190A; EP0386988B1; EP0386988A1; JPH02231033A; CN1045336A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、パン生地や菓子生地等の可塑性材料
の延展方法及び装置に関する。

（従来の技術）従来、菓子生地やパン生地等の可塑性材料の延
展は、対向するローラーの隙間に材料を挿入する
ことによつて行われていた。

しかし、対向して向かい合い回転するローラー
による延展は、挟圧による圧縮効果だけであるた
め、パンのような弾性生地では挟圧してもただち
に厚さが復元してしまうので、挟圧量は目的とす
る延展厚さの何倍も多くして加圧効果により弾性
原因であるグルテンの網目構造を破壊して行う
か、延展効果の少ない何段階ものローラーを用意
したりして延展目的を果たしていたのである。

従来の圧延ローラーが定位置にあつて回転する
ものであるため、生地の供給速度をローラーの表
面速度とほぼ同じくしなくてはならないことによ
り、そのため第７図に示す供給される生地の厚さ
Ｓが大きくなると、生地の接触レベルがローラー
面の上位に位置するので、生地の進入抵抗が増大
し、延展が不可能となるものである。

第７図に説明しした矢印Ｆは前述の如く厚い生
地Ｓを従来の方法によるローラー挟圧で延展しよ
うとしたときに生じる抵抗を示している。

すなわちローラーの接線応力υに対し逆方向に
流動する生地部分が発生し、Ｆが増加すると生地
はローラーの隙間Ｋに進入できなくなる。

従つて従来の方法、装置において、矢印Ｆで示
すような乱流の発生を少なくして延展するには、
生地の厚さＳを小さくし、多段のローラーによつ
て繰り返し延展する方法しかなかつたのである。

またその他の従来技術としては、本発明出願人
所有の特開昭61−63231号がある。

この技術は、複数の速度の異なる運搬装置を直
列に並べ、該運搬装置に上方に各々自由に回転す
るローラーを直列状に設けて連接させて設け、該
ローラーは前記運搬装置の搬送面に沿つて往復運
動を行い生地を延展するものである。

しかし、この装置のローラーは固定された摩擦
板による自転の場合、コンベア上を移動する生地
に対する生地上を転がるローラー周速との差が生
地の進行を妨げる作用をするので生地を一定に延
展することができない。

また摩擦板を使用せずに、直接生地との摩擦に
よつてローラーを転がり移動させる場合には、極
めて強靱でかつ弾性の少ない生地に限り可能であ
るが、その他の生地、特に柔らかい生地において
はローラーは軸の抵抗によつて転がることができ
ず、延展機能を果たすことができないなど、延展
可能な条件が限られていた。

本発明は上記したような不便と非能率さを解決
した効果の高い延展方法及び装置である。

（問題点を解決するための手段）本発明は移動しながら連続的に供給される生地
を圧延するに際して、ローラーは定位置にて挟圧
をするのではなく、生地の流れに沿つてローラー
は生地表面に圧接して、転がり方向に自転しなが
ら往復して生地を延展するものであり、この際ロ
ーラーの自転の周速を調節して進行方向に生地に
接線応力を働かせて行うものであるすなわち、生地の供給上流に向かつてローラー
が移動するとき、生地の移動速度をＶ、ローラー
の移動時間をｔとすると、その移動する区間ｌに
対しローラー表面の回転長さは長さｌ＋Vtより
大きい事を特徴としている。

この回転長さから長さｌ＋Vtを差し引いた値
が転がり長さと移動長さとの差であり接線応力と
して生地の表面に作用し生地を下流に送り出す効
果が生じ、従来の方法に於いて生じた乱流（矢印
Ｆ）を全く発生させないで延展作用が働くので大
きな効果が生じる。

更にこの発明は、生地の運搬手段を上流から下
流に向かつて順次速度が早くなるコンベアまたは
ローラーによつて行うことによりその延展効果は
更に大きくすることができた。

（実施例）本発明の一実施例を添付図面第１図より第６図
に基づき詳述すると１は生地を示し、Ｖは生地１
の移動方向と速度を示している。

２，３はそれぞれ上流と下流のコンベアを示し
２はV₁、３はV₂の速度で共に矢印Ｖの方向に生
地１を移動させる。

コンベア２，３の相互の運行速度はV₁＜V₂と
なつている。

又、コンベア２，３に代わるものとして第３図
にローラー１２，１２′……を説明している。

複数のローラー１２より成る生地運搬手段は、
下流ほど速度が早くなつている。

４は往復移動を繰り返すローラーであり、コン
ベア２，３又はローラー１２によつて矢印Ｖ方向
に移動させられる生地の上面に接触押圧し、生地
の移動の方向およびその逆の方向に、生地の移動
速度Ｖよりも早い速度で直線的に往復移動を繰り
返し、移動方向に転がり自転するローラーであ
る。

ｌはその往復移動する区間を示している。

５はローラー４の軸を示している。

６は、軸５を支持するブラケツトであり、レー
ル７に支持されて往復しローラー４に往復運動を
伝える。

８はローラー４の片側に取りつけられた小径の
ピニオンギヤ、又は小径摩擦板である。

小径とは、ローラー４の直径より小さいという
意味である。

この反対側には、ローラー４の直径とほぼ同じ
か大きいピニオンギヤ、または摩擦板９がローラ
ー４の軸５を中心に取りつけられている。

１０はラツクギヤまたは小径摩擦棒であり、小
径摩擦板８またはピニオンギヤと噛み合つてロー
ラー４がＡの方向、つまり生地１の移動の上流方
向に移動すると、ローラー４に矢印ａの方向の回
転を伝える。

１１も１０と同様に作用をするラツクギヤまた
は大径摩擦棒であり、ローラー４がＢ方向に移動
するとき矢印ｂの方向の回転を伝える。

１９は小径摩擦板８と軸５の中に取りつけられ
たカムクラツチであり、ローラー４が上流に移動
するときだけ、小径摩擦板８の回転をローラー４
に伝え、矢印ａの回転を発生させる。

又１９′はこれと反対側軸に取りつけられたカ
ムクラツチであり、ローラー４が下流方向に移動
するときだけ、大径摩擦板９の回転をローラー４
に伝え、矢印ｂの回転を発生させる。

この回転の伝達システムはローラー４がＡ方向
すなわち上流方向に移動するときはローラー４の
ａ方向の回転は生地１の表面に対する転がり速度
よりも早くなることを示し、またローラー４が下
流Ｂ方向に移動するときは、矢印ｂの方向に回転
し、その周速度は生地１の表面での転がり速度ま
たはそれ以下となる。

ローラー４が下流に移動するときのころがり長
さは、生地１がローラーの移動時間ｔにおいて運
搬される距離Ｖ×ｔを引いた長さｌ−Vtに近似
かそれ以下であることが良い。

ローラー４の矢印ａの方向の回転速度は、生地
１の移動速度V₁より早いことを原則とし、矢印
ｂ方向へのローラー４の回転速度は生地１の移動
速度V₂と近似かそれ以下であることがよいが必
要に応じてこれらの回転速度は一定か可変的な速
度で転がらせて効果を上げる場合がある。

このローラー４の回転速度の決定は小径摩擦板
８または大径摩擦板９の変更によつて決められ
る。

更に、第５図においては正逆転可能な可変モー
ター１５を内蔵したローラー４の装置を説明して
いる。

１４はクランクであり、ブラケツト６をレール
７に沿つて往復移動させる。

１５はローラー４を回転させるモーターであ
る。

１６はそのモーターの軸である。

１７はセンサーでありブラケツト６の移動が上
流の限界にきた事を感知する。

１８はブラケツト６の移動が下流にきた事を感
知するセンサーである。

センサー１７の感知はモーター１５を矢印ｂの
方向に回転させ、同時にローラー４を矢印ｂの方
向に回転させる。

またセンサー１８の感知信号はモーターを矢印
ａの方向に回転させ、それによつてローラー４も
矢印ａの方向に回転させる。

モーター１５がローラー４を回転させる速度に
関しては、矢印ａ方向の場合はコンベアV₂の速
度以上とし矢印ｂ方向の場合は速度V₂と同程度
のころがり接触の速度になるようにインバーター
により速度変換されている。

すなわち、モーター１５を内蔵して自転できる
ようにしたローラー４をインバーター等により回
転速度を自在に変化できるようにしたものであ
る。

１３は最下流の運搬装置３の上方において延展
された生地１を押さえて、生地をV₂の速度で搬
出する延展の補助ローラーである。

この補助ローラー１３の役割は生地がパン生地
のように弾性を有している場合収縮して厚さがも
とにもどるのを防ぐためのものである。

以上の構造よりなる本発明実施例の作用を説明
すると生地１を上流コンベア２上にV₁で供給し
て移動させると、ローラー４が生地の上面に圧接
して自転し、上流に向けて移動することになり、
その圧縮される隙間Ｋも上流に向けて移動する
が、ローラー４の矢印ａ方向の周速は生地速度
V₁より早く回転し、矢印Ｖ方向に向けて接線応
力を作用させるから、第７図で示したような従来
の圧延方法に欠点として現れる抵抗の矢印Ｆが発
生しない。

更にローラー４が下流方向に移動するときは隙
間Ｋも下流方向に移動するが、この時ローラーの
表面速度は、生地に対して転がり接触かまたはそ
れより遅い周速により、下流に向け接線応力を作
用させる。

従つて生地１を下流方向に引き延ばす延展効果
が現れるのでローラー４の往復作用は、従来方法
にくらべ極めて大きな延展作用を現す。

更に上記の入力作用を下流に向けて速度が早く
なる運搬手段V₁及びV₂によつて移動する生地１
に対して上方から作用させると生地の引き延ばし
効果は相乗して大きな結果となつて現れるのであ
る。

又、ローラー４の往復する一定区間ｌにおいて
矢印ａの自転速度を上流に向けて次第に速さを増
すか、又は一定区間ｌの途中で増速することは弾
性の強い生地に対して効果があり、また矢印ｂの
自転速度を下流に向けて次第に速度を遅くするこ
とも弾性の強い生地の延展効果を高めることが実
験によつて確かめられた。

又モーター１５をローラー４に内蔵させインバ
ーターによつてモーターの回転を適切に変換でき
るようにした場合はローラー４の矢印ａ，ｂ方向
の自転速度を自由に得ることができるので供給す
る生地の厚さＳと、期待延展厚さＫの比に対応さ
せて適切な接線応力を任意に得ることができるの
で一層の実用効果を得たものである。

第６図においては、生地の移動手段としてのコ
ンベア２をローラー４の移動方向に対し迎え角を
設けて行う実施例を示したものであり、この際コ
ンベアの２，３との間に角度を設けることなく行
うこともあり、何れも生地の硬さや弾性に応じて
行い、効果を挙げることが出来る。

本発明の作用を確認するために直径100ミリの
ローラー４によるビスケツト生地の圧延実験を行
つた結果では20ミリの厚さで供給した場合、従来
のローラーが10ミリに圧縮されたのに対し、本発
明においては、一回で５ミリに圧縮することがで
き、大きな効果の差を発見した。

また、更にローラーへの粘着を防ぐための手粉
の必要量は従来の装置に比べ極めて少なくてすむ
ことが判明した。

（発明の効果）以上説明したように本発明はコンベア上で運行
する生地に運行方向に接線応力を作用させて延展
することができ、従来のような供給される生地の
進行を妨げるような抵抗を発生させることがな
く、生地を均一に延展することができる。

また補助ローラーを設けたので生地延展の厚み
も正確にえることができる。

またローラーの回転、軸着されたピニオンギヤ
または摩擦板とラツクギヤまたは摩擦棒により、
容易に生地に接線応力を作用させるためのローラ
ーの回転を得ることができる。

また、本発明はローラー内蔵モーターを使用し
て、回転速度を可変とすれば生地延展の接線応力
の作用量の調整ができるので、一層の効果があ
る。

本発明は、簡便な手段によつて一回の作用で生
地を任意の薄さに延展することができるものであ
り、旧来のような大きな装置を使う必要がなく、
生地延展の効率を大幅に向上させ、また生産設備
の簡略化が計れるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本発明の実施例を説明する側
面図である。第６図はその他の実施例を示す。第
７図は従来の圧延ローラーの作用の説明図であ
る。符号の説明、１……生地、２……上流コンベ
ア、３……下流コンベア、４……ローラー、５…
…ローラー軸、６……ブラケツト、７……レー
ル、８……小径摩擦板、９……大径摩擦板、１０
……小径摩擦棒、１１……大径摩擦棒、１２……
ローラーコンベア、１３……補助ローラー、１４
……クランク、１５……モーター、１６……モー
ター軸、１７，１８……センサー、１９……カム
クラツチ、２０……クランク軸、２１……サーボ
モーター。

Claims

【特許請求の範囲】１上流から下流へ速度Ｖで移動する生地の上面
の一定区間ｌを、生地の走行線に沿つてローラー
を直線往復移動しながら、移動方向に転がり自転
させて生地を圧接させるものとし、該ローラーが
上流に向かつて移動するときは、該ローラーが移
動する同一移動時間内ｔにおいて、ローラー表面
の転がり長さをｌ＋Vtより長くし、その長さの
差の分だけの接線応力を生地上面に作用させるこ
とを特徴とする生地延展方法。２上流から下流へ速度Ｖで移動する生地の上面
の一定区間ｌを、生地の走行線に沿つてローラー
を直線往復移動しながら、移動方向に転がり自転
させて生地を圧接し、ローラーが上流に向かつて
移動するときは、該ローラーが移動する同一移動
時間ｔにおいてローラー表面の転がり長さをｌ＋
Vtより長くして、その長さの差の分だけの接線
応力を生地上面に作用させ、更にローラーが下流
に向かつて移動するときは、同一移動時間ｔにお
いてローラー表面の転がり長さはｌ−Vtに近似
か又はそれ以下として行う生地延展方法。３請求項１または２に記載の方法において、生
地の移動手段は複数のコンベア又はローラーによ
つて行い、上流のコンベア又はローラーは下流の
コンベア又はローラーより速度を遅くして行うこ
とを特徴とする生地延展方法。４請求項１ないし３のいずれかに記載の方法に
おいて、下流のコンベア又はローラーの上方にあ
つて、定位置で回転する補助ローラーを設け、直
下に対向するコンベア又はローラーと同速で向か
い合い回転させ、延展された生地が下流の運搬手
段に同調して排出されるようにしたことを特徴と
する生地延展方法。５上流に位置するものは速度を遅く、下流に位
置するものは速度を早くした複数のコンベア又は
ローラーを直列して生地の運搬手段として設け、
この上方に往復移動するローラーを設置し、この
ローラーが上流に向かうときはそのローラーの軸
に取りつけたそのローラーの直径よりも小さいピ
ニオンギヤまたはこれに相当する摩擦板がフレー
ムに固定したラツクギヤに噛み合うか又はこれに
相当する摩擦棒と圧接して回転せしめ、これによ
りローラーの周速度を高め、ローラーが下流に移
動するときはこのローラーの直径に近似か又はロ
ーラーの直径よりも大きい直径のピニオンギア又
は摩擦板がフレームに固定したラツクギア又は摩
擦棒に接して回転して行う生地延展装置。６複数のコンベア又はローラーを直列に設け、
上流の速度に対し下流を速くするようにした生地
の運搬手段に生地を速度Ｖで移動させこれらの上
方に進行方向に一定区間ｌを直線往復移動させ、
移動方向に転がり自転するローラーを設けた装置
において、前記ローラーが上流に向かつて移動す
るときはローラーの移動時間ｔにおいてローラー
表面のころがり長さはｌ＋Vtより長くなるよう
に、ローラー軸に正逆転可能でかつ速度可変なモ
ーターを内蔵したことを特徴とする生地延展装
置。７請求項６に記載の装置において、ローラーの
移動中に回転速度が変化するようにしたことを特
徴とする生地延展装置。