【発明の詳細な説明】
リムカセットのスライド可能なシートから情報を記録するための方法及び装置
″本発明の目的は、リム(RIM)カセットのスライド可能なシートから情報を
記録するための方法を提供することであり、カセットから引出されたシート表面
上の情報は、その上に照射されたレーザービームにより読取ら ゛れ、読取られ
た後、シートの情報は消去され、カセットに戻される。
シートに照射されるX線、紫外線又はガンマ線等の照射効果によって調整(変化
)される性質を有する物質が存在する。吸収可能な放射エネルギーは、物質から
発する光を再生させ、それをイメージに変換することにより、物質に照射された
可視光領域のレーザービームのような、二次照射によって読取られ得る情報を有
するであろう。
このリム(RIM)技術は、X線写真に基づいており、写真撮影される物体を通
過し、その物体中で生じる光の吸収により変化させられた照射光は、感光され得
るシート上の感光物質の層に焦点が合わせられる。感光物質の層は、レーザービ
ームに含まれる情報を記録することができ、このように露光されたシートは、光
増幅器やフィルム上にイメージを形成するためにレーザービームによって読取ら
れる。
写真機と接続されたシート読取り用の読取りヘッドによって、X線イメージを直
接形成することが可能である。
一方、露光後、カセット内にシートを封入し、分離された読取り装置により、後
の読取りを実行することも可能である。本発明にも関連する後者の技術は、カセ
ット内に封入されているシートの読取りが、写真処理の時間と場所によって拘束
されないので、より融通が利く。
従来、カセット内のシートの読取りは、シートがベルトコンベア上へとカセット
から引出されることでなされ、シート上の情報は、コンベアが移動し、読取り位
置において読取られていた。うまく読取りが達成されるために、コンベアの直線
的な運動は、出来る限り滑らかでなければならない。読取り後、その後に続くコ
ンベアの行程上の除去位置で、強力な光によって、シート上の情報が除去される
。情報を除去した後、シートは、次の操作の用意をするためにカセットまで戻さ
れる。
この発明の目的は、カセット内のスライド可能なシ、−ト上の情報の読取り及び
、その後の、シート情報の除去を高めるために新しい解決法を確立するためであ
る。本発明の特徴は、読取りが、情報を含んだシート表面が通過する読取り位置
において、スライド可能なシートが直線的に引出される際になされ、情報の除去
は、シートがカセットに押戻される時に、シート表面が通過する除去位置におい
て、スライド可能なシートが直線的に引戻される際になされる点にある。
本発明による解決法においては、スライド可能なシート上の情報の読取りは、シ
ートが最初にベルトコンベアに送られる従来の方法と対比して、シートの端部が
カセットから現れた後、即座に開始され得る。この解決法により、シートの読取
りが、本質的に迅速になされる。本発明によると、シートはカセットに関して単
純な往復運動を行ない、その際に、シートの読取りに付は加えてシートからの情
報の除去が行なわれる。
本発明による解決法によれば、カセットに関するスライド可能なシートの運動と
、シートの読取り及び除去位置とは不可欠である。これは、シートが往復運動し
ている際に、固定された読取り位置及び除去位置を通過するために、カセットが
所定位置に保持され、シートが配置されることで実行される。このようにして、
シートの運動は、シートの端部に係合する引出し装置と、該装置が直線的に前後
運動を行なうことによってなされ得る。
本発明によると、シートが運動している際に、カセットからシートが部分的にの
み現れるように、スライド可能なシートは往復運動を行なうように設定されてい
るのが望ましい。したがって、カセットは連続的にスライド可能なシートのため
のガイドとして作用し、シートをカセットに返還するための別個の制御装置を要
しない。
上記方法により、リムカセットのスライド可能なシート上の情報を記録するため
の装置を提供することも、本発明の目的である。本発明に係る装置は、カセット
を受取るための光遮蔽板を備えたハウジングと、カセット内のスライド可能なシ
ートを引出し得るハウジングに続く空間と、スライド可能なシートをカセットか
ら引出し、押戻すように空間内を前後運動する引出し装置と、読取り位置におけ
るシート表面上の情報を読取るため及び除去位置におけるシートから読取られた
情報を除去するためのスライド可能なシートの往復運動行程の片側に配置された
部材とを有している。
本発明に係る装置によると、前記ハウジングは、内部にカセットが部分的に又は
十分に収納し得る空洞部を有しており、該空洞部の開口は、光を通し得ない閉鎖
部を備えている。カセットが部分的に空洞部内部に挿入される場合は、閉鎖部は
複数の細片、突出片又はそれに類似の部材とすることができ、それらはカセット
の両側に押付けられる。カセット全体が空洞部内部に納まる場合は、閉鎖部は空
洞部を閉じるカバーから成っているのが望ましい。閉鎖部は外部の光を、スライ
ド可能なシートの読取りと除去が行われる空間に通さないということが不可欠で
ある。
スライド可能なシート上の情報の読取り位置及び除去位置は、シートの往復運動
行程の前部近傍に位置するのが望ましく、スライド可能なシートがカセットから
現れる前記空間の端部に、出来る限り接近しているのが望ましい。したがって、
シートの読取りのために必要とする運動距離と、情報を除去するために必要な運
動距離とは等しく、シートの行程距離は出来る限り短くされ得る。
本発明によると、スライド可能なシートを運動させる前記引出し装置は、両方向
に回転可能な滑らかなシャフトに取付けられたスライドを有し、該スライドは、
シャフトに対し傾斜して配置されたベアリングにより、シャフト上を直線的に運
動する。スライドには、シャフトと同時に、回転しないように少なくとも1つの
ガイドが設けられている。正確に製造され研磨されたシャフトでもって、シート
の読取りに関して十分に滑らかに、スライド可能なシートの直線的な運動が達成
される。運動の正確性は、前記ガイドに依存するのではなく、回転シャフトの製
造の正確性及び支持強度にのみ依存している。
本発明に係る装置によると、引出し装置とスライド可能なシート端部との係合は
、例えば、単に引出し装置に磁石を設けることで得られる。さらに、カセットは
、引出し装置本体に固定し得る。
以下、本発明の実施例につき添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係るリムカセットのスライド可能なシート上の情報を読取り、
その後、情報を除去するための装置であって、シートはカセットの内部にあり、
シートを直線的に移動するスライドは初期の位置にある状態を示している。
図2は、図1に示された装置内のシートの大部分が引出されて、読取られている
状態を示している。
図3は、シートを移動させるスライドと、図2の■−■線に沿う断面図として、
それに関連する部材を示している。
図4は、(図2のIV−IV力方向ら見た)スライドとガイドの平面図であり、
一部所面で示されている。
図5a〜5Cは、本発明に係る他の装置を使用し、リムカセットのスライド可能
なシートから情報を読取っている段階的な状態を示した図である。
図1及び図2に示される装置は、主要部分として、本体1と、リムカセット2を
受取る空洞部3と、該空洞部に続(空間4と、スライド可能なシートの往復運動
行程に設けられシート上に含まれる情報を読取り、除去する読取り位置9及び除
去位置10と、それらに関連する部材と、保護ケース11とを備えている。空間
4では、′往復運動を行うカセット内に含まれたスライド可能なシート5が、軸
線回りに回転するステップモータ6のシャフトロッド7により駆動されるスライ
ド8によって引張られる。
カセット2を受取る空洞部3は、入口開口12と、該開口の後部近傍に位置し、
カセットの両側に押付けられる突片13と、カセットの両側に位置するガイド1
4と、奥端部に位置しショルダー16を備えたカセットホルダー15とを備えて
おり、突片13によって、外部からの光が、空洞部3及びその先の空間4に入る
のを防止している。図1及び図2に示されるように、カセット2は空洞部3の側
に向かって前記ショルダーまで押すことができ、その状態において、カセットの
一部は、依然として空洞部の外側にある。
図1において、スライド可能なシート5を移動するスライド8は、カセット2の
内部でスライド可能なシートの端部と係合するように磁石17が設けられている
。図2において、ステップモータ6によって回転するシャフトロッド7は、スラ
イド8を空洞部3とは反対側の空間4の端部近傍にまで移動させる。それによっ
て、スライド可能なシート5の大部分は、カセットから引出される。
スライド8及びスライド可能なシート5が、それらの行程の端部にまで到達した
後、シャフトロッド7の回転方向が逆転する。それによってスライド8は、図1
に示す元の位置にまで戻り、スライド可能なシート5は、カセット2に引戻され
る。
X線写真では、スライド可能なシート5の感光物質の表面に記録された情報が読
取られ、図示の装置において、シートが引出される際に、読取り位置9において
読取りがなされる。ミラー18を有する装置は、往復運動をするシートの表面に
可視光波長のレーザービーム19を照射するよう調節し、表面からの光が、光伝
導部材20に沿って、光増幅器(図示されていない)に伝送される。
情報が読取られた後のスライド可能なシート5の情報の除去は、シートが引戻さ
れる際に、光伝導部材21によりシート表面に強力な光が伝送される除去位置1
0においてなされる。カセット2に引戻されたスライド可能なシート5は、次の
X線写真撮影の新しい露光のための準備できた状態となっている。
図3及び図4は、シャフトロッド7を通じてスライド可能なシートを引出すスラ
イド8を、移動させる機構を示している。スライド8は、一定の角度で傾斜した
6個のベアリング22を備えており、これらは、3個の平行なベアリング群が、
シャフトロッド7に対して2群で配置されている。長手方向軸線を中心としてロ
ッド7が回転することで、ロッドに接したベアリング22が回転運動をする。ベ
アリングのシャフト23の回転方向が、若干ロッドの回転方向からずれるので、
その結果、ベアリングはスライドに、ねじ上のナツトの運動に相当するような、
ロッドに沿った直線的な運動をさせる。
スライドが望ましい形態で移動するように、すなわち、ロッドと共に回転せず直
線的にシャフトロッド7に沿って移動するように、スライドには、ラグ25を備
えたガイド24と、回転可能なリンク26を有するラグに結合されたフォーク部
27と、固定された誘導ロッド28とを備えている。フォーク部27は、先端に
ロッド28と点接触する4個のナイロン又はテフロン製のねじ29が設けられて
いる。ガイド24は、スライドの直線運動の円滑さに影響を受けるのではなく、
影響を受けるのは、シャフトロッド7の平滑性と支持強度によってである。
図5a、5b及び5Cで示される情報のリムカセット2のスライド可能なシート
5の読取り及び除去装置は、図1及び図2で図示されたものとかなりの程度まで
一致する。しかし、カセット全体がカバー内側に入り、スライド可能なシート5
の往復運動が垂直方向になされるよう、カバー30により閉鎖され得る空間内3
の空洞に、カセットが配置されている点が異なっている。
図5aでは、カセット2は、磁石が設けられた往復運動を行うスライドのショル
ダー31にまでカセットが延びるように、カセット用に設けられた装置本体1の
挿入部に押込まれている。図5bでは、水平方向に運動するカバー30が、カセ
ット全体がカバー内側に含まれるように、カセット方向に移動されている。カバ
ー30に包含され、スプリングによって負荷がかけられたピン32は、本体に形
成された開口33に対向しており、スライド8に設けられた開口内に位置するロ
ッドの頭部に対向している。そして、カバーにより、カバー下方にある空間3及
びそれより下方にあるシートの読取り位置及び除去位置に、外部からの光を通す
のを防止している。
図5bにおいて、スライド8が初期位置から移動を開始するとき、スライドに結
合されたロッド34は、本体の開口33から引込み、カバー30に包含されたビ
ン32は、スプリングによって、所定位置でカバーをロックするために、前記開
口の中に押込まれる。スライド8に設けられた磁石は、カセット2からスライド
可能なシート5を引出し、シートの読取りは、前述したように、読取り位置9に
おいてレーザービーム19によりなされる。
図5cにおいて、スライド8及びスライド可能なシート5は、それらの行程の終
端に到達し、そこでは、スライド可能なシート全体がカセット2の外部にあり、
その後、図5bによる位置にまで引戻される際に、除去位置においてシートから
情報が除去される。図5aに示されるように、カバー30は開かれ、カセット2
は除去され、その後の読取り及び除去が行われるためのシートを包んだ新しいカ
セットが配置される。
本発明の種々の実施形態は上記の実施例に限定されるのではなく、添付された請
求項に記載の範囲内で変更することができることは、これらの技術における当業
者にとって明らかである。したがって、図5a〜5cにおいて、スライド8及び
スライド可能なシート5の往復運動行程は、スライド可能なシート5全体がカセ
ット2から出るのではなく、一番端の位置でさえも、部分的にカセット内部に含
まれるように調整することも可能である。
スライド8の運動の制御は、図3及び図4に示されるような、ガイド24による
もの以外の方法で調整することも可能である。例えば、シャフトロッド7に平行
なスライド溝を形成し、該溝に点接触するナイロン又テフロン製のねじで、スラ
イド8を該ロッド上に支持することが可能であり、その配置によりスライドが回
転するのを防止し、スライドに直線的な運動をさせるのである。
要約書
本発明は、リムカセット(2)のスライド可能なシート(5)から情報を記録す
るための方法及び装置に関する。特に、X線写真を使用したシートに含まれる情
報は、それにレーザービームを当てて、カセットから引出されたシートの表面上
で読取られ、その後、強力な光により、シートの情報は除去され、シートはカセ
ットに戻される。
本発明によると、読取りは、情報を含んだシート表面が通過する読出し位置(9
)において、スライド可能なシート(5)が、直線的に引出される際になされ、
情報の除去は、シートがカセット(2)に押戻される際にシート表面が通過する
除去位置(10)において、スライド可能なシートが直線的に引戻される際にな
される。スライド可能なシート(5)の運動は、回転可能なシャフト(7)上を
運動するスライドから成る引出し装置によってなされ、スライドの運動は、シャ
フトに対して一定の角度で傾斜して取付けられたボールベアリングによってなさ
れる。スライド(8)の往復運動行程は、スライド可能なシート(5)が、シー
トのためのガイドとして連続的に作用するカセット(2)から部分的にのみ現れ
るように調整されているのが望ましい。
補正書の翻訳文提出書(特許法第184条の7第1項)過