JPH0550820U - 電子走査アンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 アンテナパターン特性の劣化がなく、困難で
長時間を要していた小ネジ穴加工を必要とせず、かつ整
備性に優れたアンテナモジュールの固定方法を有する電
子走査アンテナを得ることを目的とする。 【構成】 開口ブラケット３と送受信モジュール１の結
合界面に開口ブラケット３の開口素子電界方向の両側面
を被う形に折り曲げられた板バネ９と、この板バネ９と
開口ブラケット３の側面との隙間に所要の可撓性を有す
るラバー１０を配設し、板バネ９とフロントプレート５
の格子部を圧接させることにより、アンテナモジュール
を固定保持する構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はビームを電子的に切り変える電子走査アンテナの、特にアンテナモ ジュールの固定方法の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図３は従来の電子走査アンテナの部分断面図である。図において、１は送受信 モジュールであり、出力側ＲＦソケットコネクタ１ａと入力側ＲＦソケットコネ クタ１ｂ及び電源信号入力用多極ピンコネクタ１ｃが取り付いている。２は開口 素子基板であり表面には銅箔よりなる開口パッチ２ａまた裏面には地導体２ｂが 配され、さらにＲＦピンコネクタ２ｃがハンダ付けされている。３はアルミニウ ム等の導電性材料よりなる開口ブラケットであり、開口素子基板と導電性接着剤 にて接着一体化され開口素子アンテナとなる。この開口素子アンテナと上記送受 信モジュールとはＲＦコネクタにて電気的にまたネジ４にて機械的に結合されて アンテナモジュールを構成している。５は開口ブラケット同様アルミニウム等の 導電性材料よりなる格子状のフロントプレートでありアンテナモジュールの挿入 位置を蜂の巣状に区分けしている。６は電源制御基板、６ａは多極ソケットコネ クタ、７はマイクロ波給電回路、７ａはＲＦピンコネクタである。また８はアン テナモジュール固定用のネジである。 図４は従来の電子走査アンテナの部分正面図である。通常の電子走査アンテナ は、開口素子基板２が平面的に１０００ケ以上配列されて構成される。図におい て、５ａはフロントプレートの格子部に設けられたネジ穴であり、矢印Ａは開口 素子アンテナより放射される電波の電界方向を示している。

【０００３】 従来の電子走査アンテナは上記のように構成されており、アンテナモジュール はフロントプレート５にて区分けされた規定の位置に挿入され、多極ピンコネク タ１ｃが電源制御基板６の多極ソケットコネクタ６ａと、ＲＦソケットコネクタ １ｂがマイクロ波給電回路７のＲＦピンコネクタ７ａと嵌合すると共に、前面よ りネジ８にてフロントプレートに締め付け固定される。ネジ８により開口ブラケ ットとフロントプレートが密着させられることにより、アンテナ内部つまり送受 信モジュール側への電界の漏れ込みが防止されると共に、隣接する開口素子アン テナの地導体がフロントプレートを介して同電位に保たれ、各々の開口素子アン テナが所要の電波を放射する条件が整うこととなる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような従来の電子走査アンテナでは、アンテナモジュールは前面からネ ジ止めされる構造のため、開口素子アンテナから放射される電波の一部がこのネ ジ頭により反射され、合成されたアンテナパターン特性が劣化するという課題が あった。また、特に１０ＧＨｚ等の高周波帯用アンテナの場合は、開口素子アン テナピッチが小さく１０００ケ以上にものぼる上記のネジ８はＭ２ネジ程度のサ イズしか使えないため、フロントプレートの格子部へのネジ穴加工は困難で長時 間を要していた。さらにまた、アンテナモジュール整備に際してのネジ脱着時に は、ネジの脱落紛失及びフロントプレートのネジ山損傷等の問題が付きまとい整 備性に欠けるという課題があった。

【０００５】 この考案は、かかる課題を解決するためになされたもので、アンテナパターン 特性の劣化がなく、困難で長時間を要するネジ穴加工を必要とせず、かつ整備性 に優れたアンテナモジュールの固定方法を有する電子走査アンテナを得ることを 目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案に係わる電子走査アンテナは、アンテナモジュールの開口ブラケット 部に板バネと所要の可撓性を有するラバーを配設し、この板バネとフロントプレ ートの格子部を圧接させることにより、アンテナモジュールを固定保持する構成 とした。

【０００７】

【作用】 この考案においては、アンテナモジュールは板バネとフロントプレート格子部 との圧接にて固定保持される構造のため、隣接する開口素子アンテナはフロント プレートを介して電気的に接続され地導体は同電位に保たれる。また１０００ケ 以上にものぼるフロントプレートの格子部へのネジ穴加工及び固定用ネジが不要 となる。

【０００８】

【実施例】

実施例１． 図１はこの考案の一実施例を示す部分断面図であり、１〜７は上記従来例と同 一もしくは相当品を示している。９は開口素子アンテナと送受信モジュール結合 界面に配設され開口ブラケット３の開口素子電界方向の両側面を被う形に折り曲 げられた板バネ、１０はこの板バネと開口ブラケット側面との隙間に入れ込まれ た所要の可撓性を有するラバーである。 図２は本考案に係わるアンテナモジュールの特に開口素子アンテナ近傍を詳細 に示す立体図である。

【０００９】 上記のように構成された電子走査アンテナにおいては、フロントプレート６に て区分けされた規定の位置に挿入されたアンテナモジュールは板バネとフロント プレート格子部との圧接にて固定保持される。この際上記可撓性を有するラバー １０は接触圧を補充強化すると共に、板バネの型くずれを防ぎ両サイドの接触圧 を均等に保つ役割をなす。また、板バネとフロントプレートが圧接することによ り電気的にも接続され、アンテナ内部への電界の漏れ込みが防止されると共に、 隣接する開口素子アンテナの地導体２ｂが同電位に保たれ各々の開口素子アンテ ナが所要の電波を放射する条件が整備される。

【００１０】

【考案の効果】

この考案は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果 を奏する。

【００１１】 アンテナモジュールのネジ止めが不要となりアンテナ前面にネジ頭が露出しな いため、ネジ頭での電波の反射によるアンテナパターン特性劣化がなくなる。

【００１２】 加工が困難で長時間を要していた１０００ケ以上にものぼるフロントプレート の格子部への小ネジ穴加工が不要となる上、アンテナモジュール整備性が格段に 向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の１実施例を示す部分断面図である。

【図２】この考案に係わるアンテナモジュールの特に開
口素子アンテナ近傍を詳細に示す立体図である。

【図３】従来の電子走査アンテナの部分断面図である。

【図４】図４は従来の電子走査アンテナの部分正面図で
ある。

【符号の説明】

１ 送受信モジュール ２ 開口素子基板 ２ａ 開口パッチ ２ｂ 地導体 ３ 開口ブラケット ４ ネジ ５ フロントプレート ６ 電源制御基板 ７ 給電基板 ８ ネジ ９ 板バネ １０ ラバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 マイクロ波を増幅して送信、受信を行う
   送受信モジュールと開口素子基板及びこれを保持する開
   口ブラケットより成る開口素子アンテナとを互いに電気
   的及び機械的に結合させて成るアンテナモジュールを、
   格子状のフロントプレートによって蜂の巣状に区分けさ
   れた場所に多数個配列して構成した電子走査アンテナに
   於て、上記開口素子アンテナと送受信モジュール結合界
   面に配設され開口ブラケットの開口素子電界方向の両側
   面を被う形に折り曲げられた板バネと、この板バネと開
   口ブラケットの隙間に入れ込まれる所要の可撓性を有す
   るラバーとを具備した上記アンテナモジュールより構成
   されることを特徴とする電子走査アンテナ。