JPH055060A - 芳香族ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

芳香族ポリアミド樹脂組成物

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JPH055060A
JPH055060A JP91318073A JP31807391A JPH055060A JP H055060 A JPH055060 A JP H055060A JP 91318073 A JP91318073 A JP 91318073A JP 31807391 A JP31807391 A JP 31807391A JP H055060 A JPH055060 A JP H055060A
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JP
Japan
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component unit
aromatic polyamide
weight
acid component
polyphenylene sulfide
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Application number
JP91318073A
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English (en)
Inventor
Sanehiro Yamamoto
本 実 裕 山
Akinori Toyoda
田 昭 徳 豊
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物は、テ
レフタル酸成分単位30〜100モル%と、テレフタル
酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%お
よび/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸
成分単位0〜70モル%とからなるジカルボン酸成分単
位と、脂肪族ジアミン成分単位および/または脂環族ジ
アミン成分単位からなるジアミン成分単位とからなる繰
返し単位から構成される芳香族ポリアミド、およびポリ
フェニレンスルフィドを5:95〜95:5の重量比で
含有している。 【効果】 本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物は、高
温に長時間晒された場合であっても、曲げ強度、曲げ弾
性率などの特性の低下が少なく、優れた耐熱老化性を示
すと共に、吸水率、吸水時寸法変化率も低い値を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、特に耐熱老化性が改善さ
れた芳香族ポリアミド樹脂組成物に関する。さらに本発
明は、耐熱老化性が改善されると共に、吸水性と吸水寸
法変化が抑制された芳香族ポリアミド樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】従来から、エンジニアリングプラ
スチックとしてナイロン6、ナイロン66あるいはナイ
ロン610のような脂肪族ポリアミド(ナイロン)が使
用されている。
【0003】このような脂肪族ポリアミドは、良好な成
形性を有するものの、ガラス転移温度が低く(例えばナ
イロン66のガラス転移温度は通常は60℃前後であ
る)、脂肪族ポリアミドは高温で使用するエンジニアリ
ングプラスチックとしては、必ずしも適しているとは言
えない。
【0004】この脂肪族ポリアミドの有している耐熱性
を改善して、高温条件下においても使用可能なエンジニ
アリングプラスチックを提供しようとする試みがなされ
ている。脂肪族ポリアミドの耐熱性を改善する方法とし
て、脂肪族ポリアミドにポリフェニレンスルフィドを配
合する方法が知られている。例えば、特開昭61-126172
号公報には、ナイロン66、ポリフェニレンスルフィド
および強化繊維からなる組成物の射出成形体が開示され
いる。しかしながら、このような脂肪族ポリアミドを用
いた成形体は、およそ60〜80℃以上の温度では曲げ
強度および曲げ弾性率の低下が顕著に表れる。従って、
脂肪族ポリアミドを用いる限りにおいては、その優れた
機械的強度を充分に発揮し得る使用温度は60〜80℃
前後であり、このような樹脂組成物は、これ以上の温度
(例えば100℃以上)で長期間使用するような用途に
は適していない。
【0005】また、特開昭59-155462 号公報には、ポリ
フェニレンスルフィドおよびポリアミドに、さらにエポ
キシ樹脂を配合した樹脂組成物が開示されている。そし
て、ここで使用することができるポリアミドとしては、
ジカルボン酸成分が蓚酸、アジピン酸、セバシン酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカル
ボン酸であるものが挙げられている。ところで、この公
報に開示されているのは、ポリアミドとポリフェニレン
スルフィドとの相溶性を改善して種々の特性を向上を図
らんとする点にあると考えられる。従って、この公報に
具体的に開示されているポリアミドは、ポリフェニレン
スルフィドとの相溶性に劣る66ナイロン(脂肪族ポリ
アミド)である。
【0006】ポリアミドとしては、上記公報に具体的に
開示されている脂肪族ポリアミドの他に、ジカルボン酸
成分が主として芳香族ジカルボン酸である芳香族ポリア
ミドが知られており、両者は共にアミド結合を有する点
では共通するが、耐熱性、耐水性、溶解性、成形性など
をはじめとする特性および性状は著しく異なっている。
すなわち、脂肪族ポリアミドと芳香族ポリアミドとは、
その特性および性状の異なる別の種類の樹脂であり、脂
肪族ポリアミドに関する技術と芳香族ポリアミドに関す
る技術とは、樹脂の種類の相違に基づいて本質的に異な
るものである。
【0007】
【発明の目的】本発明は、本質的に脂肪族ポリアミドよ
りも優れている芳香族ポリアミドの耐熱性をさらに改善
することを目的としている。さらに詳しくは本発明は、
芳香族ポリアミドの有している特性の内、特に高温に長
時間晒されることによる特性の低下を抑制する特性、即
ち耐熱老化性が著しく向上した芳香族ポリアミド樹脂組
成物を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物
は、テレフタル酸成分単位30〜100モル%と、テレ
フタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜70モ
ル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカル
ボン酸成分単位0〜70モル%とからなるジカルボン酸
成分単位と、脂肪族ジアミン成分単位および/または脂
環族ジアミン成分単位からなるジアミン成分単位とから
なる繰返し単位から構成される芳香族ポリアミド、およ
びポリフェニレンスルフィドを5:95〜95:5の重
量比で含有することを特徴としている。
【0009】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物は、
さらに、リン系酸化防止剤と、アミン系酸化防止剤およ
び/またはフェノール系酸化防止剤とを含んでいてもよ
い。
【0010】本発明において、上記芳香族ポリアミドと
しては、30℃濃硫酸中で測定した極限粘度が0.50
〜3.00dl/gの範囲内にあり、かつ融点が280℃以
上である芳香族ポリアミドを使用することが好ましい。
【0011】上記のように特定の芳香族ポリアミドとポ
リフェニレンスルフィドとを特定の割合で含有する本発
明の芳香族ポリアミド樹脂組成物は、両者が相乗的に作
用して、高温(例えば120℃)下の剛性(例えば曲げ
弾性率)が脂肪族ポリアミドとポリフェニレンスルフィ
ドからなる組成物に比べて大幅に優れ、また高温(例え
ば200℃)の温度に晒された後の特性の変化も少なく
なる。また、成形体の吸水率も該ポリアミドに比べて低
下する。
【0012】さらに、この組成物に繊維状充填剤を配合
することにより、耐熱特性および機械的特性が向上す
る。
【0013】
【発明の具体的な説明】次に、本発明の芳香族ポリアミ
ド樹脂組成物について具体的に説明する。本発明の芳香
族ポリアミド樹脂組成物は、以下に示すような特定の芳
香族ポリアミドとポリフェニレンスルフィドとからな
る。
【0014】本発明に係る組成物を構成する芳香族ポリ
アミドは、特定のジカルボン酸成分単位[A]と、特定
の脂肪族ジアミン成分単位[B]とからなる繰り返し単
位から構成されている。
【0015】このポリアミドを構成する特定のジカルボ
ン酸成分単位[A]は、必須成分単位としてテレフタル
酸成分単位(a) を有している。このようなテレフタル酸
成分単位(a) を有する繰返し単位は、次式1で表わすこ
とができる。
【0016】
【化1】
【0017】・・・[1] ただし、上記式1において、R1 は、後述するジアミン
成分に対応する二価の炭化水素基を表わす。
【0018】芳香族ポリアミドを構成する繰り返し単位
は、全部が上記式1で表される成分単位である必要はな
く、上記のようなテレフタル酸成分単位(a)の代わりに
他のジカルボン酸成分単位を有するものであってもよ
い。
【0019】このようなテレフタル酸成分以外の他のカ
ルボン酸成分単位には、テレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボン酸成分単位(b) と脂肪族ジカルボン酸成分単位
(c) とがある。
【0020】テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成
分単位(b) の例としては、イソフタル酸成分単位、2-メ
チルテレフタル酸成分単位、ナフタレンジカルボン酸成
分単位およびビフェニルジカルボン酸単位を挙げること
ができる。本発明で使用される芳香族ポリアミドがテレ
フタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位を有する場
合、このような成分単位としては、特にイソフタル酸成
分単位が好ましい。
【0021】このようなテレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボン酸成分単位(b)のうち、本発明において特に好ま
しいイソフタル酸成分単位を有する繰返し単位は、次式
2で表わすことができる。
【0022】
【化2】
【0023】・・・[2] ただし、上記式2において、R1 は上記式1におけるR
1と同じ意味である。さらに、脂肪族ジカルボン酸成分
単位は、通常は炭素原子数4〜20、好ましくは6〜1
2のアルキレン基を有する脂肪族ジカルボン酸から誘導
される。このような脂肪族ジカルボン酸成分単位(c) を
誘導するために用いられる脂肪族ジカルボン酸の例とし
ては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸およびセバ
シン酸を挙げることができる。
【0024】このポリアミドが脂肪族ジカルボン酸成分
単位を有する場合、このような成分単位としては、特に
アジピン酸成分単位が好ましい。
【0025】ジカルボン酸成分単位[A]を構成する他
のジカルボン酸成分単位として、脂肪族ジカルボン酸成
分単位(c)を含む繰返し単位を有する繰り返し単位は、
次式3で表わすことができる。
【0026】
【化3】
【0027】・・・[3] ただし、上記式3において、R1 は上記1におけるR1
と同じ意味であり、nは2〜18、好ましくは4〜10
の整数を表わす。
【0028】本発明の組成物を構成する芳香族ポリアミ
ドは、ジカルボン酸成分単位[A]と、ジアミン成分単
位[B]とから形成されている。このジアミン成分単位
[B]には、脂肪族ジアミン成分単位と脂環族ジアミン
成分単位とがある。
【0029】脂肪族ジアミン成分単位は、通常は炭素原
子数4〜18、好ましくは6〜18の脂肪族アルキレン
ジアミンから誘導される成分単位である。
【0030】このような脂肪族アルキレンジアミンの具
体例としては、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキ
サン、トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミ
ノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナ
ン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカンお
よび1,12-ジアミノドデカンを挙げることができる。
【0031】特に本発明においてジアミン成分単位とし
ては、直鎖脂肪族アルキレンジアミンから誘導された成
分単位が好ましく、このような直鎖脂肪族アルキレンジ
アミンとしては、1,6-ジアミノヘキサン、1,8-ジアミノ
オクタン、1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカ
ン、および、これらの混合物が好ましい。さらに、これ
らの中でも、1,6-ジアミノヘキサンが特に好ましい。
【0032】また、脂環族ジアミン成分単位は、通常は
炭素原子数3〜18、好ましくは6〜18の脂環族ジア
ミンから誘導される成分単位である。このような脂環族
ジアミンの具体的な例としては、シクロヘキシレンジア
ミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-
アミノシクロヘキシル)メタン、4,4'- ジアミノ-3,3'-
ジメチルジシクロヘキシルメタン、1,3-ビス(アミノシ
クロヘキシル)メタンおよび1,3-ビス(アミノメチル)
シクロヘキサンを挙げることができる。
【0033】このようなジアミン成分は単独で使用する
こともできるし、組み合わせて使用することもできる。
【0034】本発明で使用される芳香族ポリアミドの全
ジカルボン酸成分(100モル%)中におけるテレフタ
ル酸成分単位(a)の含有率は30〜100モル%、好ま
しくは50〜100モル%であり、テレフタル酸以外の
芳香族ジカルボン酸成分単位(b)の含有率は0〜70モ
ル%、好ましくは0〜50モル%であり、そして、脂肪
族ジカルボン酸成分単位(c)の含有率は0〜70モル
%、好ましくは0〜50モル%である。
【0035】なお、上記芳香族ポリアミドには、芳香族
ジカルボン酸成分単位として、上記の主成分単位である
テレフタル酸成分単位、さらにイソフタル酸成分単位に
代表されるテレフタル酸以外の二価の芳香族カルボン酸
から誘導される成分単位および上述の脂肪族ジカルボン
酸成分単位を有する繰り返し単位の外に、少量のトリメ
リット酸あるいはピロメリット酸のような三塩基性以上
の多価カルボン酸成分単位を有する繰返し単位を含有し
ていてもよい。本発明で使用される芳香族ポリアミド中
におけるこのような多価カルボン酸から誘導される成分
単位を含む繰返し単位の含有率は、通常は0〜5モル%
である。
【0036】上記のような芳香族ポリアミドについて、
濃硫酸中30℃の温度で測定した極限粘度[η]は、通
常は0.5〜3.0dl/g、好ましくは0.5〜2.8dl
/g、特に好ましくは0.6〜2.5dl/gの範囲にある。
このような極限粘度を有する芳香族ポリアミドを使用す
ることにより、成形性および耐熱特性の両者が共に優れ
た組成物を得ることができる。
【0037】さらに本発明で使用される芳香族ポリアミ
ドは、前記式1で表わされる繰返し単位を主な繰返し単
位とする芳香族ポリアミドと、前記式2および/または
前記式3で表わされる繰返し単位を主な繰返し単位とす
る芳香族ポリアミドとからなる混合物であってもよい。
この場合、式[1]で表わされる繰返し単位を主な繰返
し単位とする芳香族ポリアミドの含有率は、通常は50
重量%以上、好ましくは60重量%以上である。
【0038】本発明の組成物を構成する上記芳香族ポリ
アミドは、従来から使用されている脂肪族ポリアミドよ
りも高い融点を示す。すなわち本発明で使用される芳香
族ポリアミドの融点は通常は280℃以上、好ましくは
290〜340℃である。さらに、本発明で使用される
芳香族ポリアミドの非晶部におけるガラス転移温度は通
常は110℃以上である。融点および非晶部のガラス転
移温度が上記の範囲内にある芳香族ポリアミドを使用す
ることにより、成形体を相当苛酷な温度条件(例えば2
00℃前後の温度)で使用しても、この成形体の特性の
変化が少なく、この成形体を長期間にわたり使用するこ
とが可能になる。さらに上記のような芳香族ポリアミド
を含有する本発明の組成物は、成形性に優れているた
め、この組成物を用いることにより、成形体の製造が容
易になる。また、この芳香族ポリアミドは、非晶部にお
けるガラス転移温度が110℃以上であるので、本発明
の組成物から形成される成形体を高温に晒した場合であ
ってもクラック等が発生しにくい。
【0039】この芳香族ポリアミドは、従来の脂肪族ポ
リアミドと比較すると吸水性が低く、この芳香族ポリア
ミドとポリフェニレンスルフィドとを含む本発明の組成
物は、極めて低い吸水率を示す。
【0040】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物を構
成するポリフェニレンスルフィドは、式4で表される繰
り返し単位を通常は70モル%以上、好ましくは90モ
ル%以上の量で有する重合体である。
【0041】
【化4】
【0042】・・・[4] 本発明で使用されるポリフェニレンスルフィドとして
は、上記式4で表される繰り返し単位を単独で有する重
合体の他に、上記式4で表される繰り返し単位と、以下
に示す式5〜式10で表される繰り返し単位とを有する
共重合体であってもよい。
【0043】
【化5】
【0044】・・・[5]
【0045】
【化6】
【0046】・・・[6]
【0047】
【化7】
【0048】・・・[7]
【0049】
【化8】
【0050】・・・[8]
【0051】
【化9】
【0052】・・・[9] 上記式4〜9で表される繰り返し単位は芳香族環にアル
キル基、ニトロ基、フェニル基あるいはアルコキシ基な
どの置換基を有していてもよい。
【0053】さらに、次式10で示すような三官能のフ
ェニルスルフィド繰り返し単位を10モル%以下の量で
含んでいてもよい。
【0054】
【化10】
【0055】・・・[10] 本発明において、ポリフェニレンスルフィドとしては、
フローテスターを使用して、加重20Kg、温度300℃
で測定した粘度が100〜10000poise の範囲内に
あるポリフェニレンスルフィドを使用することが好まし
く、さらにこの粘度が200〜5000poise 、特に3
00〜3000poise の範囲内にあるポリフェニレンス
ルフィドを使用することが好ましい。
【0056】このようなポリフェニレンスルフィドは、
公知の方法を利用して調製することができる。例えば、
p-ジクロルベンゼンをイオウと炭酸ナトリウムとの存在
下で重合させる方法、極性溶媒中で硫化ナトリウムある
いは水硫化ナトリウムと、水酸化ナトリウムの存在下で
p-ジクロルベンゼンを重合させる方法、または硫化水素
と水酸化ナトリウムの存在下で、p-ジクロルベンゼンを
重合させる方法、p-クロルチオフェノールの自己重合法
などを挙げることができる。このような重合法のうちで
も、N-メチルピロリドンあるいはジメチルアセトアミド
などのアミド系溶媒、またはスルホラン等のスルホン系
溶媒中で、硫化ナトリウムとp-ジクロルベンゼンとを反
応させる方法が好ましい。なお、このような重合反応に
際して、得られるポリフェニレンスルフィドの重合度を
調製するためにカルボン酸あるいはスルホン酸の金属塩
を添加することもできる。
【0057】なお、このようなポリフェニレンスルフィ
ドの調製法に関しては、米国特許第2,513,188 号明細
書、同3,274,165号明細書、英国特許第1,160,660号明細
書、ベルギー特許第29,437号、特公昭44-27671号公報、
同45-3368号公報、同46-27255号公報、特開昭50-84698
号公報、同51-144495 号公報などを参照することができ
る。
【0058】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物は、
上記のような芳香族ポリアミドとポリフェニレンスルフ
ィドとを5:95〜95:5の重量比で含有している。
特に組成物中における両者の重量比が、20:80〜8
0:20の範囲内、好ましくは30:70〜70:30
の範囲内にある組成物からは、例えば220℃の温度で
10日間加熱した後の曲げ強度及び曲げ弾性率の低下が
少なく、さらに100℃の温水に24時間浸漬すること
による吸水率が通常は3%以下、多くの場合2.5%以
下の値を示す成形体(繊維状充填剤含有)を形成するこ
とができ、このときの寸法変化率は、対応する芳香族ポ
リアミド成形体の1/5〜4/5に減少し、特に好まし
い。さらに、このような組成物からは非常に高い耐熱性
を有する成形体を調製することができる、例えば繊維状
充填剤を含有する上記のような組成物からは、加熱撓み
温度(HDT)が通常は270℃以上、好ましくは28
0℃以上の成形体を調製することができる。
【0059】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物は、
さらにリン系酸化防止剤を含んでいることが好ましい。
【0060】このようなリン系酸化防止剤の例として
は、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレ
ン-10-オキシド、トリフェニルホスファイト、2-エチル
ヘキシル酸ホスフェート、ジラウリルホスファイト、ト
リ-iso-オクチルホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブ
チルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイ
ト、トリラウリル-ジ-チオフォスファイト、トリラウリ
ル-トリ-チオホスファイト、トリスノニルフェニルホス
ファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリオクタ
デシルホスファイト、1,1,3-トリス(2-メチル-ジ-トリ
デシルホスファイト-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、
4,4'-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチル)トリデ
シルホスファイト、4,4'-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-
tert-ブチル-ジ-トリデシル)ホスファイト、ビス(2,4-
ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール-ジ-ホ
スファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト、テトラキ
ス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4'-ビスフェニレン
ジホスフォナイト、ジステアリルペンタエリスリトール
ジホスファイト、トリデシルホスファイト、トリステア
リルホスファイト、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブ
チルフェニル)オクチルホスファイト、ソルビット-トリ
ス-ホスファイト-ジステアリル-モノ-C30-ジオールエ
ステルおよびビス(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイトを挙げることができ
る。
【0061】このリン系酸化防止剤は単独であるいは組
み合わせて使用することができる。このリン系酸化防止
剤は、芳香族ポリアミドおよびポリフェニレンスルフィ
ドの合計重量100重量部に対して、0.05〜2重量
部の量で使用される。さらに、このリン系酸化防止剤を
0.1〜1.5重量部の範囲内の量で使用することが好
ましく、0.2〜1.0重量部の範囲内の量で使用する
ことが特に好ましい。
【0062】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物に
は、上記のリン系酸化防止剤に加えて、他の酸化防止剤
を併用することが好ましい。リン系酸化防止剤と共に使
用できる酸化防止剤の例としては、フェノール系酸化防
止剤およびアミン系酸化防止剤を挙げることができる。
【0063】このようなフェノール系酸化防止剤の例と
しては、3,9-ビス{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキ
シ-5-メチルフェニル)プロピオニル]-1,1-ジメチルエ
チル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、2,4,6-トリ-te
rt-ブチルフェノール、n-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキ
シ-3',5'-ジ-tert-ブチルフェノール)プロピオネー
ト、スチレン化フェノール、4-ヒドロキシメチル-2,6-
ジ-tert-ブチルフェノール、2,5-ジ-tert-ブチル-ハイ
ドロキノン、シクロヘキシルフェノール、ブチルヒドロ
キシアニソール、2,2'-メチレン-ビス-(4-メチル-6-ter
t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス-(4-エチル-
6-tert-ブチルフェノール)、4,4'-イソプロピリデンビ
スフェノール、4,4'-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert
-ブチルフェノール)、1,1-ビス-(4-ヒドロオキシフェニ
ル)シクロヘキサン、4,4'-メチレン-ビス-(2,6-ジ-tert
-ブチルフェノール)、2,6-ビス(2'-ヒドロオキシ-3'-te
rt-ブチル-5'-メチルメチルベンジル)4-メチル-フェノ
ール、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロオキシ-5-tert-
ブチル-フェニル)ブタン、1,3,5-トリス-メチル-2,4,6-
トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロオキシベンジル)
ベンゼン、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチ
ル-4-ヒドロオキシフェニル)プロピオネート]メタン、
トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロオキシフェニル)
イソシアヌレート、トリス[β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4
-ヒドロキシフェニル)プロピオニル-オキシエチル]イ
ソシアヌレート、4,4'-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチ
ルフェノール)、2,2'-チオビス(4-メチル-6-tert-ブチ
ルフェノール)、4,4'-チオビス(2-メチル-6-tert-ブチ
ルフェノール)、およびN,N'ーヘキサメチレンビス(3、5ー
ジーtertーブチルフェノールー4ーヒドロキシシンナムアミ
ド)を挙げることができる。
【0064】また、アミン系酸化防止剤の例としては、
4,4'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミ
ン、フェニル-α-ナフチルアミン、フェニル-β-ナフチ
ルアミン、N,N'-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,
N'-ジ-β-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘ
キシル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニ
ル-N'-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、アルドー
ル-α-ナフチルアミン、2,2,4,-トリメチル-1,2-ジハイ
ドロキノンのポリマーおよび6-エトキシ-2,2,4-トリメ
チル-1,2-ジヒドロキノリンを挙げることができる。
【0065】これらの他の酸化防止剤は、単独であるい
は組み合わせて使用することができる。これらのアミン
系酸化防止剤および/またはフェノール系酸化防止剤
は、芳香族ポリアミドおよびポリフェニレンスルフィド
の合計重量100重量部に対して、0.05〜2重量部
の量で、好ましくは0.1〜1.0重量部の範囲内の量で
使用される。
【0066】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物は、
上記のように特定の芳香族ポリアミドとポリフェニレン
スルフィドとからなるが、さらに本発明の組成物には、
特性を損なわない範囲内で、無機充填剤、有機充填剤、
熱安定剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、スリップ防止
剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染
料、天然油、合成油およびワックス等の添加剤が配合さ
れていてもよい。
【0067】特に本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物
には、繊維状充填剤を配合することが好ましい。ここで
使用される繊維状充填剤には、有機繊維および無機繊維
があり、本発明においてはいずれをも使用することがで
きるが、特に無機繊維からなる繊維状充填剤を使用する
ことが好ましい。さらにこのような無機繊維の好適な例
としては、ガラス繊維およびホウ素繊維を挙げることが
できる。このような繊維状の充填剤としては特にガラス
繊維が好ましい。ガラス繊維を使用することにより、芳
香族ポリアミド樹脂組成物から形成される成形体の引張
り強度、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械的特性および熱
変形温度などの耐熱特性が向上する。繊維状充填剤とし
てガラス繊維を使用する場合には、使用されるガラス繊
維の平均長さが、通常は、0.1〜20mm、好ましくは
0.3〜6mmの範囲にあり、アスペクト比が、通常は1
0〜2000、好ましくは30〜600の範囲にあるも
のが好適に使用される。このようなガラス繊維を配合す
ることにより、本発明の組成物の成形性が向上すると共
に、熱変形温度などの耐熱特性、引張り強度、曲げ強度
等の機械的特性が特に良好な成形体を得ることができ
る。
【0068】本発明の組成物に繊維状充填剤を配合する
場合に、繊維状充填剤の配合量は、組成物中の芳香族ポ
リアミドとポリフェニレンスルフィドとの合計重量10
0重量部に対して、通常0.5〜200重量部の範囲
内、好ましくは5〜180重量部の範囲内、さらに好ま
しくは5〜150重量部の範囲内に設定される。
【0069】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物に
は、上記の無機繊維状の充填材の他、本発明において
は、粉末状、粒状、板状、針状、クロス状、マット状等
の形状を有する種々の充填材を使用することができる。
このような充填材の例としては、シリカ、シリカアルミ
ナ、アルミナ、二酸化チタン、タルク、ケイソウ土、ク
レー、カオリン、ガラス、マイカ、セッコウ、ベンガ
ラ、酸化亜鉛などの粉状あるいは板状の無機化合物、ポ
リパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレ
ンテレフタルアミド、ポリパラフェニレンイソフタルア
ミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ジアミノ
ジフェニルエーテルとテレフタル酸(イソフタル酸)と
の縮合物、パラ(メタ)アミノ安息香酸の縮合物などの
全芳香族ポリアミド、ジアミノジフェニルエーテルと無
水トリメリット酸または無水ピロメリット酸との縮合物
などの全芳香族ポリアミドイミド、全芳香族ポリエステ
ル、全芳香族ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポ
リイミダゾフェナントロリンなどの複素環含有化合物、
ポリテトラフルオロエチレンなどから形成されている粉
状、板状、繊維状あるいはクロス状物などの二次加工品
などを挙げることができる。
【0070】これらの充填材は、2種以上混合して使用
することもできる。また、これらの充填材をシランカッ
プリング剤あるいはチタンカップリング剤などで処理し
て使用することもできる。なお、このような粉末状の充
填材の平均粒径は、通常0.1〜200μm、好ましく
は1〜100μmの範囲内にある。
【0071】このような粉末状の充填材は、芳香族ポリ
アミドとポリフェニレンスルフィドとの合計、すなわち
一般には組成物中の樹脂成分100重量部に対して、通
常200重量部以下の量で、好ましくは100重量部以
下の量で、特に好ましくは0.5〜50重量部の量で使
用される。
【0072】また、本発明の樹脂組成物には、本発明の
組成物の特性を損なわない範囲内で、耐熱性樹脂を配合
することもできる。このような耐熱性熱可塑性樹脂の例
としては、PPE(ポリフェニルエーテル)、PES
(ポリエーテルスルフォン)、PEI(ポリエーテルイ
ミド)およびLCP(液晶ポリマー)などを挙げること
ができ、さらにこれらの樹脂の変性物を挙げることがで
きる。このような耐熱性熱可塑性樹脂の含有率は、通常
は50重量%未満、好ましくは0〜40重量%である。
【0073】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記芳香
族ポリアミドとポリフェニレンスルフィド、さらに必要
により添加剤および他の樹脂を混合して溶融することに
より調製することができる。たとえば、前記芳香族ポリ
アミドおよびポリフェニレンスルフィドを溶融状態に維
持しながら、必要により前記充填材あるいは必要により
他の樹脂を配合して混練するなどの方法により調製する
ことができる。この際、押出し機、ニーダーなどのよう
な通常の混練装置を用いることができる。
【0074】上記のようにして調製した芳香族ポリアミ
ド樹脂組成物を用いて、通常の溶融成形法、例えば圧縮
成形法、射出成形法または押し出し成形法などを利用す
ることにより、所望の形状の成形体を製造することがで
きる。
【0075】例えば、本発明の樹脂組成物を、シリンダ
温度が300〜350℃程度に調整された射出成形機に
投入して溶融状態にして、所定の形状の金型内に導入す
ることにより成形体を製造することができる。
【0076】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物を用
いて製造される成形体の形状に特に制限はなく、例えば
ギヤ、カムなどのような機械部品、プリント配線基板、
電子部品のハウジングなどのような電子部品などを形成
するための樹脂として使用することができる。
【0077】特に本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物
は、長時間高温(例えば200℃以上の高温)に晒され
る成形体を調製するのに適している。すなわち、本発明
の樹脂組成物は、脂肪族ポリアミドを含有する樹脂組成
物では達成することができなかった高温条件下で使用さ
れる成形体の製造に適している。このような用途として
は、例えば赤外線リフロー方式によりハンダ付けされる
電子部品のハウジング、高温下で使用される自動車用部
品、例えばシリンダーブロック、シリンダーヘッドカバ
ー、オイルパン、キャブレター、エアインテークパイ
プ、ベアリングリテーナーを挙げることができ、また水
環境下で使用される自動車部品、ウォーターポンプイン
ペラー、温熱コネクター、ラジエタータンクなどに適し
ている。
【0078】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物
は、上述のように芳香族ポリアミドとポリフェニレンス
ルフィドとを含有している組成物である。すなわち、本
発明の樹脂組成物に含有されているポリアミドは、特定
の芳香族ポリアミドであるので、従来脂肪族ポリアミド
を用いた組成物では達成し得なかった優れた耐熱性を示
す成形体を調製することができる。殊に本発明の樹脂組
成物から調製された成形体は、200℃以上といった非
常に高温に長時間晒された場合であっても、曲げ強度、
曲げ弾性率などの特性の低下が少なく、優れた耐熱老化
性を示す。
【0079】さらに、HDTは脂肪族ポリアミドを主体
とする樹脂組成物よりも格段に高い値を示す。このよう
な本発明の樹脂組成物の有している優れた特性を利用し
て、従来脂肪族ポリアミドを主体とする樹脂組成物では
使用することができなかった非常に高温で使用される成
形体を調製するための樹脂組成物として、本発明の芳香
族ポリアミド樹脂組成物は有効に使用することができ
る。
【0080】さらに、本発明の芳香族ポリアミド樹脂組
成物は、上記のような優れた特性を有しているにも拘ら
ず、成形性に関しては従来の脂肪族ポリアミド樹脂を主
体とする樹脂組成物とほぼ同等の特性を有しており、脂
肪族ポリアミド樹脂に採用されている成形技術に準じて
容易に成形体を調製することができる。
【0081】次に本発明の実施例を示して本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限
定的に解釈されるべきではない。
【0082】
【実施例1】テレフタル酸、アジピン酸およびヘキサメ
チレンジアミンから芳香族ポリアミド(A-1) を調製し
た。この芳香族ポリアミド(A-1)中におけるテレフタル
酸から誘導される成分単位とアジピン酸から誘導される
繰り返し単位のモル比は、55:45であった。またこ
の芳香族ポリアミドの融点は312℃であり、30℃の
濃硫酸中で測定した極限粘度[η]は1.02dl/gであ
った。
【0083】この芳香族ポリアミド(A-1) 75重量部
と、粘度2390poise のポリフェニレンスルフィド(T
-4) (トープレン(株)製)25重量部と、ガラス繊維
(旭ファイバーグラス(株)製、ガラス繊維チョップドス
トアレド03MA486A)67重量部とを、二軸押出機を用い
てシリンダー温度320℃で混練してペレタイズした。
【0084】なお、本発明において、ポリフェニレンス
ルフィドの粘度は、フローテスターを用いて、荷重20
Kg、予熱6分、ダイL/D=10/1、温度300℃で測定し
た値である。
【0085】このペレットを用いて、縦63.5mm、横
12.7mm、厚さ3.2mmの試験片を調製し、この試験
片を用いて初期曲げ強度および初期曲げ弾性率並びに2
20℃で10日間放置した後の曲げ強度および曲げ弾性
率を測定した。
【0086】また、ASTM-D-648に従って、HDT(Heat
distortion temperature)を測定した。
【0087】さらに、縦130mm、横120mm、厚さ
2.0mmの試験片を100℃の熱水に24時間放置した
後の吸水率と寸法変化率(縦、横)を測定した。上記測
定の結果を第1表に記載する。
【0088】
【実施例2】実施例1において、芳香族ポリアミド(A-
1) の配合量を50重量%、ポリフェニレンスルフィド
(T-4) の配合量を50重量%に変えた以外は同様にして
試験片を調製した。
【0089】この試験片について実施例1と同様の試験
を行った。結果を第1表に記載する。
【0090】
【実施例3】実施例1において、ポリフェニレンスルフ
ィド(T-4) の代わりに、粘度350poise のポリフェニ
レンスルフィド(T-1) (トープレン(株)製)を使用した
以外は同様にして試験片を調製した。
【0091】この試験片について実施例1と同様の試験
を行った。結果を第1表に記載する。
【0092】
【比較例1】実施例1において、ポリフェニレンスルフ
ィド(B-1)を使用せずに、芳香族ポリアミド(A-4)の配合
量を100重量部とした以外は同様にして試験片を調製
した。
【0093】この試験片について実施例1と同様の試験
を行った。結果を第1表に記載する。
【0094】 第1表 ──────────────────────────── 実 施 例 比較例 1 2 3 1 ──────────────────────────── 初期特性 曲げ強度(Kg/cm2) 2840 2410 2880 2890 ──────────────────────────── 曲げ弾性率(Kg/cm2) 124000 135000 125000 122000 ──────────────────────────── HDT(264psi)(℃) 294 282 295 300 ──────────────────────────── 吸水率(%) 2.7 1.7 2.8 3.6 ──────────────────────────── 吸水時寸法変化率(%)タテ 0.19 0.11 0.18 0.25 ヨコ 0.50 0.33 0.48 0.67 ──────────────────────────── 耐熱老化性 曲げ強度(Kg/cm2) 2000 1950 1770 1590 ──────────────────────────── 曲げ弾性率(Kg/cm2) 127000 142000 138000 120000 ────────────────────────────
【0095】
【実施例4】テレフタル酸、イソフタル酸およびヘキサ
メチレンジアミンから芳香族ポリアミド(A-2) を調製し
た。この芳香族ポリアミド(A-2) 中におけるテレフタル
酸から誘導される成分単位とイソフタル酸から誘導され
る繰り返し単位のモル比は、70:30であった。また
この芳香族ポリアミドの融点は324℃であり、30℃
の濃硫酸中で測定した極限粘度[η]は1.00dl/gで
あった。
【0096】この芳香族ポリアミド(A-2) 75重量部
と、粘度2390poiseのポリフェニレンスルフィド(T-
4) (トープレン(株)製)25重量部と、ガラス繊維
(旭ファイバーグラス(株)製、ガラス繊維チョップドス
トアレド03MA486A)67重量部とを、樹脂が溶融なるよ
うに混練してペレタイズした。
【0097】この試験片について実施例1と同様の試験
を行った。結果を第2表に記載する。
【0098】
【実施例5】実施例4において、芳香族ポリアミド(A-
2) の配合量を50重量%、ポリフェニレンスルフィド
(T-4) の配合量を50重量%に変えた以外は同様にして
試験片を調製した。
【0099】この試験片について実施例1と同様の試験
を行った。結果を第2表に記載する。
【0100】
【実施例6】実施例4において、芳香族ポリアミド(A-
2) の配合量を30重量%、ポリフェニレンスルフィド
(T-4) の配合量を70重量%に変えた以外は同様にして
試験片を調製した。
【0101】この試験片について実施例1と同様の試験
を行った。結果を第2表に記載する。
【0102】
【比較例2】実施例4において、ポリフェニレンスルフ
ィド(T-4) を使用せずに、芳香族ポリアミド(A-2) の配
合量を100重量部とした以外は同様にして試験片を調
製した。
【0103】この試験片について実施例1と同様の試験
を行った。結果を第2表に記載する。
【0104】
【比較例3】実施例4において、芳香族ポリアミド(A-
2) を使用せずに、ポリフェニレンスルフィド(T-4) と
グラスファイバー40%とからなる組成物のカタログ値
を第2表に記載する。
【0105】 第2表 ─────────────────────────────────── 実 施 例 比較例 4 5 6 2 3 ─────────────────────────────────── 初期特性 曲げ強度(Kg/cm2) 2750 2620 2480 3300 2550 ─────────────────────────────────── 曲げ弾性率(Kg/cm2) 130000 134000 131000 127000 150000 ─────────────────────────────────── HDT(264psi)(℃) 290 278 274 300 260 ─────────────────────────────────── 吸水率(%) 1.6 0.90 0.56 2.2 - ─────────────────────────────────── 吸水時寸法変化率(%)タテ 0.07 0.04 0.03 0.13 - ヨコ 0.10 0.07 0.04 0.14 - ─────────────────────────────────── 耐熱老化性 曲げ強度(Kg/cm2) 1930 2210 1970 1110 - ─────────────────────────────────── 曲げ弾性率(Kg/cm2) 138000 150000 142000 127000 - ───────────────────────────────────
【0106】
【実施例7】実施例1において、芳香族ポリアミド(A-
1)とポリフェニレンスルフィド(T-4)とガラス繊維とを
混練するに際して、下記のようなリン系酸化防止剤Aと
アミン系酸化防止剤とを、芳香族ポリアミドとポリフェ
ニレンスルフィドとの合計量100重量部に対して、そ
れぞれ1重量部ずつ添加した以外は、実施例1と同様に
した。
【0107】リン系酸化防止剤A:テトラキス(2,4-ジ
-tert-ブチルフェニル)-4,4'-ビスフェニレンジホスフ
ォナイト(サンド社製、商品名:Sandostab P-EPQ)ア
ミン系酸化防止剤:4,4'-ビス(α,α−ジメチルベン
ジル)ジフェニルアミン(大内新興化学(株)製、商品
名:Nocrac CD)結果を第3表に示す。
【0108】
【実施例8】実施例2において、芳香族ポリアミド(A-
1)とポリフェニレンスルフィド(T-4)とガラス繊維とを
混練するに際して、下記のようなリン系酸化防止剤Bと
フェノール系酸化防止剤とを、芳香族ポリアミドとポリ
フエニレンスルフィドとの合計量100重量部に対し
て、それぞれ1重量部ずつ添加した以外は、実施例2と
同様にした。
【0109】リン系酸化防止剤B:ビス(2,6-ジ-tert-
ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ
−ホスファイト(旭電化(株)製、商品名:Mark PEP-
36)フェノール系酸化防止剤:3,9-ビス{2-[3-(3-tert-
ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニ
ル]-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピ
ロ[5,5]ウンデカン(住友化学(株)製、商品名:Sumil
izer GA-80)結果を第3表に示す。
【0110】
【実施例9】実施例5において、芳香族ポリアミド(A-
2)とポリフェニレンスルフィド(T-4)とガラス繊維とを
混練するに際して、上記のようなリン系酸化防止剤Aと
アミン系酸化防止剤とを、芳香族ポリアミドとポリフエ
ニレンスルフィドとの合計量100重量部に対して、そ
れぞれ0.5重量部ずつ添加した以外は、実施例5と同
様にした。
【0111】結果を第3表に示す。 第3表 ──────────────────────── 実 施 例 7 8 9 ──────────────────────── 初期特性 曲げ強度(Kg/cm2) 2880 2430 2620 曲げ弾性率(Kg/cm2) 124000 135000 133000 ──────────────────────── 耐熱老化性 曲げ強度(Kg/cm2) 2560 2140 2450 曲げ弾性率(Kg/cm2) 125000 135000 138000 ────────────────────────

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 テレフタル酸成分単位30〜100モル
    %と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位
    0〜70モル%および/または炭素原子数4〜20の脂
    肪族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%とからなるジ
    カルボン酸成分単位と、脂肪族ジアミン成分単位および
    /または脂環族ジアミン成分単位からなるジアミン成分
    単位とからなる繰返し単位から構成される芳香族ポリア
    ミド、およびポリフェニレンスルフィドを5:95〜9
    5:5の重量比で含有することを特徴とする芳香族ポリ
    アミド樹脂組成物。 【請求項2】 前記芳香族ポリアミドの30℃濃硫酸中
    で測定した極限粘度が0.50〜3.00dl/gの範囲内
    にあり、かつ融点が280℃以上であることを特徴とす
    る請求項第1項記載の芳香族ポリアミド樹脂組成物。 【請求項3】 前記芳香族ポリアミド樹脂組成物が、芳
    香族ポリアミドとポリフェニレンスルフィドとの合計量
    100重量部に対して、0.5〜200重量部の繊維状
    充填剤を含有することを特徴とする請求項第1項もしく
    は第2項記載の芳香族ポリアミド樹脂組成物。 【請求項4】 テレフタル酸成分単位30〜100モル
    %と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位
    0〜70モル%および/または炭素原子数4〜20の脂
    肪族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%とからなるジ
    カルボン酸成分単位と、脂肪族ジアミン成分単位および
    /または脂環族ジアミン成分単位からなるジアミン成分
    単位とからなる繰返し単位から構成される芳香族ポリア
    ミドと、ポリフェニレンスルフィドと、リン系酸化防止
    剤と、アミン系酸化防止剤および/またはフェノール系
    酸化防止剤とからなり、芳香族ポリアミドとポリフェニ
    レンスルフィドとの重量比が5:95〜95:5であ
    り、リン系酸化防止剤は、芳香族ポリアミドとポリフェ
    ニレンスルフィドとの合計重量100重量部に対して
    0.05〜2重量部の量で存在し、アミン系酸化防止剤
    および/またはフェノール系酸化防止剤は、芳香族ポリ
    アミドとポリフェニレンスルフィドとの合計重量100
    重量部に対して0.05〜2重量部の量で存在している
    ことを特徴とする芳香族ポリアミド樹脂組成物。
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