JPH0550444B2 - - Google Patents

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JPH0550444B2
JPH0550444B2 JP8836211A JP3621188A JPH0550444B2 JP H0550444 B2 JPH0550444 B2 JP H0550444B2 JP 8836211 A JP8836211 A JP 8836211A JP 3621188 A JP3621188 A JP 3621188A JP H0550444 B2 JPH0550444 B2 JP H0550444B2
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JP8836211A
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Toshihiro Okai
Yoshiaki Okumura
Mitsuyuki Oda
Takashi Yamamoto
Masahiro Jinnai
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は被覆組成物等に配合する防錆顔料に関
する。 (従来の技術およびその問題点) 一般に金属は水、酸素、電解質イオンの存在下
で腐食する。この原因は、金属表面に局部電池が
形成され、電気化学的反応が進行するためと信じ
られている。 この金属の腐食を防止するには、金属表面に安
定な極めて薄い膜、いわゆる不働態皮膜を形成さ
せることが行われている。典型的なものとして
は、金属材をクロム酸イオンに接触させる方法が
ある。このクロム酸イオンには、クロン酸イオン
(CrO4 2-)と例えば鋼(Fe)とが反応して鋼表面
には安定なγ−Fe2O3が生成する、いわゆるオキ
シダイザー(oxidizer)機能と、クロム酸イオン
が還元されて生じる低級酸化クロム(例えば、
Cr2O3)が鋼表面に付着する、いわゆるデポジシ
ヨン(deposition)機能の2つの機能が存在す
る。この2つの機能により鋼表面に物理的バリヤ
ー皮膜が形成され、極めて優れた防錆作用を発揮
する。 ところが、この高い防錆能を有する6価クロム
は毒性が強く、我国では種々の法規によりその使
用が大きく制限されている。従つて、無公害もし
くは低公害の防錆剤の研究が盛んに行われてい
る。例えば、リン酸塩系物質、特にリン酸亜鉛、
リン酸シリカまたは縮合リン酸アルミニウム等が
注目され、一部実用化されている。しかしなが
ら、リン酸塩系の物質は金属材との反応により生
じた物質が、金属材を保護する前記デポジシヨン
機能のみを有する物質であり、金属材表面を酸化
するオキシダイザー機能を有していない。従つ
て、これらはクロム酸イオンに比べて防錆能が劣
る。 (発明の経過) 本発明者等は既にリン酸塩系の物質に不足する
オキシダイザー機能がバナジウムの可溶性イオン
により補われることを提案した(特願昭61−
204794号)。本発明者等はこの技術をさらに発展
させるために防錆顔料を検討した。 特開昭61−115965号および61−162558号公報に
はポリリン酸ケイ素とバナジン酸塩とを含む水ガ
ラス系の無機質塗料が開示されているが、この場
合ポリリン酸ケイ素は水ガラスの硬化剤として作
用し、防錆顔料としては働かない。 (発明の内容) 即ち、本発明は水の存在する環境下でリン酸イ
オンを放出する(a)リン化合物と、水または水およ
び酸素の両者の存在する環境下でバナジン酸イオ
ンを生成する(b)バナジウム化合物、および(c)網目
修飾イオン源を含有する混合物を焼成し粉砕する
ことにより得られる防錆顔料であつて、網目修飾
イオン源が酸化マンガン(MnOx:1.5<x≦2.0)
または酸化マンガンと他の網目修飾イオン源との
組合せであることを特徴とする防錆顔料を提供す
る。 本発明は水の存在する環境下でリン酸イオンを
放出する(a)リン化合物と、水または水および酸素
の両者の存在する環境下でバナジン酸イオンを生
成する(b)バナジウム化合物、および(d)ガラス状物
質を含有する混合物を焼成し粉砕することにより
得られる防錆顔料も提供する。 また、本発明は水の存在する環境下でリン酸イ
オンを放出する(a)リン化合物と、水または水およ
び酸素の両者の存在する環境下でバナジン酸イオ
ンを生成する(b)バナジウム化合物、(c)網目修飾イ
オン源および(d)ガラス状物質を含有する混合物を
焼成し粉砕することにより得られる防錆顔料を提
供する。 更に、本発明は水の存在する環境下でリン酸イ
オンを放出する(a)リン化合物と、水または水およ
び酸素の両者の存在する環境下でバナジン酸イオ
ンを生成する(b)バナジウム化合物を混合すること
により得られる防錆顔料を提供する。 更にまた、本発明は水の存在する環境下でリン
酸イオンを放出する(a)リン化合物と、水または水
および酸素の両者の存在する環境下でバナジン酸
イオンを生成する(b)バナジウム化合物、および(c)
網目修飾イオン源を混合することにより得られる
防錆顔料を提供する。 本発明の防錆顔料は混合あるいは焼成・粉砕い
ずれの方法でも得られるが、混合法の場合リン酸
イオン源は水溶液中でリン酸イオンを放出するリ
ン化合物であり、バナジン酸イオン源も酸素の存
在する水溶液中でバナジン酸イオンを生成する化
合物である。一方、焼成・粉砕の場合焼成反応し
たものが蒸気防錆顔料の条件に合致すればよく、
リン酸イオン源は加熱によりP2O5を放出するリ
ン化合物であり、バナジン酸イオンはバナジウム
化合物であればよい。 本発明の防錆顔料は(a)リン化合物と(b)バナジウ
ム化合物とを含む混合物を焼成し粉砕することに
より得られる。この焼成時に上記2種の化合物の
他に、(c)網目修飾イオン源および/または(d)ガラ
ス状物質を混合してもよい。 また、本発明の防錆顔料は水溶液中にリン酸イ
オンを放出するリン化合物およびバナジン酸イオ
ンを生成するバナジウム化合物を混合してもよ
い。また、圧下力のもとで(c)網目修飾イオン源と
ともに反応してもよい。 以下、本発明を説明するが、本発明には混合す
る態様と焼成する態様があり、まず、焼成する態
様について説明する。 本発明に使用するリン化合物(a)は加熱によつて
P2O5成分を生成する化合物であり、例えばオル
トリン酸:縮合リン酸;種々の金属のオルトリン
酸塩または縮合リン酸塩;五酸化リン;リン酸塩
鉱物;市販の複合リン酸塩顔料;またはこれらの
混合物が挙げられる。 ここでいうオルトリン酸(塩)の中にはその一
水素塩(HPO4 2-の塩)、二水素塩(H2PO4 -
塩)も含むものとする。また、縮合リン酸塩の範
ちゆうにもその水素塩を含んでいるものとする。
また、縮合リン酸(塩)という用語にはメタリン
酸(塩)も含み、通常のポリリン酸(塩)も、当
然ながら、ポリメタリン酸(塩)も含むものとす
る。リン化合物(a)の具体例としてはリン酸塩鉱
物、例えばモネタイト、トルフイル石、ウイトロ
ツク石、ゼノタイム、スターコライト、ストルー
ブ石、ラン鉄鉱等;市販の複合リン酸塩顔料、例
えばポリリン酸シリカ等;縮合リン酸、例えばピ
ロリン酸、メタリン酸;縮合リン酸塩、例えばメ
タリン酸塩、テトラメタリン酸塩、ヘキサメタリ
ン酸塩、ピロリン酸塩、酸性ピロリン酸塩、トリ
ポリリン酸塩等;あるいはこれらの混合物が挙げ
られる。リン酸塩を形成する金属種は特に限定的
でなく、アルカリ金属、アルカリ土類金属(例え
ば、マグネシウム、カルシウム)、その他の典型
元素の金属種(例えば、アルミニウム、スズ等)
および遷移金属(例えば、マンガン、コバルト、
鉄、ニツケル)等が挙げられる。好ましい金属種
の例としてはアルカリ金属が挙げられる。アルカ
リ金属のリン酸塩を用いた場合の焼成生成物は水
に溶解する傾向があり、塗料等にそのまま配合し
た場合、逆に塗膜性能を悪化させることがある。
しかしながら、アルカリ金属のリン酸塩を使用し
た場合において、水への溶解性の制御を防錆顔料
製造時あるいはその他の時点で実施できれば使用
してもよい。そのような制御は例えば、水への溶
解性の防止のためのマトリツクス材の使用、ある
いはコーテイング等種々の態様が挙げられる。特
に、マトリツクス材としてガラス状物質を用いた
場合、優れた防錆性を発揮する。 上記リン化合物の他に、鉄材のリン酸亜鉛処理
スラツジ(主成分、リン酸亜鉛鉄)もフルイ、水
洗等の手段により夾雑物(粗粒、塩素イオン等の
電解質)を除去して使用してもよい。 本発明に用いるバナジウム化合物(b)はバナジウ
ムの原子価が0,2,3,4または5のいずれか
または2種以上を有する化合物であり、これらの
酸化物、水酸化物、種々の金属の酸化酸塩、バナ
ジル化合物、ハロゲン化合物、硫酸塩、金属粉な
どが挙げられる。これらは加熱時分解してP2O5
成分に作用し、焼成中に大気中の酸素と反応し高
級化する。例えば金属粉または2価の化合物は最
終的に3,4,5価のいずれかの化合物に変化す
る。5価のバナジウム化合物を一つの成分として
含むものが好ましい。0価、例えばバナジウム金
属粉は上記の理由で使用可能であるが、酸化反応
が不十分等の問題があるので実用上は好ましくな
い。5価のバナジウム化合物はバナジン酸イオン
を生成し、リン酸イオンと加熱反応しヘテロポリ
マーを作り易い。バナジウム化合物(b)の具体例と
してはバナジウム()化合物、例えば酸化バナ
ジウム()、水酸化バナジウム();バナジウ
ム()化合物、例えば酸化バナジウム()
(V2O3);バナジウム()化合物、例えば酸化
バナジウム()(V2O4)、ハロゲン化バナジル
(VOX2)等;バナジウム()化合物、例えば
酸化バナジウム()(V2O5);バナジン酸塩、
例えば、種々の金属のオルトバナジン酸塩、メタ
バナジン酸塩またはピロバナジン酸塩、ハロゲン
化バナジル(VOX3)等;またはこれらの混合物
が挙げられる。バナジン酸塩の金属種はリン酸塩
で示したものと同じものが挙げられる。これはバ
ナジウムの酸化物と種々の金属の酸化物、水酸化
物、炭酸塩等とを600℃以上に焼成して作つても
良い。この場合もアルカリ金属は溶解性の故に余
り好ましくないが、リン酸塩において説明した適
当な処理をして溶解性を制御すればこれらの使用
も差しつかえない。またハロゲン化物、硫酸塩も
同様である。マトリツクス材(例えば、ガラス状
物質)を用いる場合もアルカリ金属を用いてもよ
い。 網目修飾イオンとはリン化合物とバナジウム化
合物との焼成生成物が形成する網目構造を変性す
るため添加される金属イオン種を含む化合物を意
味し、具体的には種々の金属イオン種、例えばア
ルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、そ
の他の典型元素の金属イオンおよび遷移金属イオ
ンが挙げられる。好ましい網目修飾イオンの例と
してはリン酸の金属塩に記載されたものが挙げら
れる。網目修飾イオン源(c)は上記金属種の酸化
物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩、ケイ
酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩あるいは塩化物等が例示
され、最も好ましくは酸化物、水酸化物、炭酸塩
である。上記金属イオン種の中でアルカリ金属を
用いた場合、あるいは上記イオン源として硫酸塩
または塩化物を用いた場合にはこれらの化合物が
水に溶解し過ぎる傾向にあり、塗料等に使用した
場合に塗膜性能を逆に悪化させることがある。こ
のような場合でも、前述のごとく適当な措置、例
えばマトリツクス材(例えば、ガラス状物質)の
使用あるいは粒子のコーテイング等を行つて水へ
の溶解性を抑制すればよい。 網目修飾イオン源(c)の中で酸化マンガン
(MnOx:1.5<x≦2.0)は特殊な作用を示す。酸
化マンガンは酸化作用があり、バナジン酸イオン
の低級化による酸化力の低下を抑制する。 本発明で用いるガラス状物質(d)とはケイ酸塩ガ
ラス、ホウ酸塩ガラス等のマトリツクスを形成す
るガラスのみならず、この中に種々の金属元素、
例えば網目修飾イオンを含むものを意味する。こ
れに該当するガラス状物質は、シリカ(石英)ガ
ラス;ケイ酸塩ガラス、例えばソーダ石灰ケイ酸
塩ガラス(Na2O−CaO−SiO2系)、鉛−ケイ酸
塩ガラス(Na2O−PbO−SiO2系)、アルミノケ
イ酸ガラス(Al2O3−CaO−SiO2系)、ホウケイ
酸塩ガラス(Na2O−B2O3−SiO2系);鉛−ホウ
酸塩ガラス(PbO−B2O3系、通称ハンダガラ
ス);アルミノ−ホウリン酸塩ガラス(B2O3
Al2O3−P2O5系);アルミノ−ホウ酸塩ガラス
(BaO−Al2O3−B2O3系);アルミノ−リン酸塩
ガラス(P2O5−Al2O3−ZnO系);等が挙げられ
る。好ましいガラス状物質の例としては、ソーダ
石灰系(Cガラス)、例えば日本ガラス繊維製ガ
ラスフレーク(CCF−150);アルミノケイ酸塩
ガラス(Eガラス)、例えば日本ガラス繊維製ガ
ラスフレーク(CEF−150);ホウケイ酸塩ガラ
ス、例えばコーニング社製のパイレツクスが挙げ
られる。ガラス状物質の微粉末の1gを水100ml
に分散・懸濁した時の液の導電率が500μS/cm以
下のものが好適である。500μS/cmを越えると防
錆能が低下する。 リン化合物(a)およびバナジウム化合物(b)、更に
必要に応じ網目修飾イオン源(c)、ガラス状物質(d)
からなる混合物を焼成して、冷却後粉砕すること
により本発明の防錆顔料が得られる。混合物中に
は必要に応じて他の無機物質、例えばガラス状物
質を除くマトリツクス材等を混合してもよい。焼
成は上記成分からなる混合物の焼成生成物の溶解
温度(T1)以上の温度、具体的には600℃以上、
好ましくは1000℃以上、さらに好ましくは上記
T1とガラス状物質(d)の溶融温度の高い方の温度
以上で行われる。この温度以下であると、反応が
不十分となり、各成分が単に混合された状態で残
る。リン化合物(a)とバナジウム化合物(b)の配合量
はP2O5/V2O5のモル比に換算にして0.3〜100、
好ましくは1〜10である。網目修飾イオン源(c)の
添加量は本発明の防錆顔料の全ての金属陽イオン
(M)の量を、Mがとる酸化物の形(MO,M2
O3,M3O4,MO2またはM2O)の形で表わして、
V2O5とP2O5のモル数の和の3倍以下、好ましく
は0〜2.0倍となるように添加する。Mがとる酸
化物の形はMが1価金属の場合はM2O、Mが2
価金属の場合はMO、Mが3価金属の場合はM2
O3さらにMが2価、3価の混合原子価(例えば
Mnは焼成した条件で2価、3価をとりやすい)
ものはM3O4、Mが4価の場合はMO2で代表して
表すこととする。なお、バナジン酸イオンの低級
化を避けるために酸化マンガンを添加する場合に
は、V2O5に換算して1モルにつきは酸化マンガ
ンを0.1モル以上添加する。0.1モル以下であると
バナジウムの低級化を阻止できない。この場合、
焼成温度は700〜1400℃が好ましい。700℃未満で
は酸化マンガンからの酸素の発生がおこらず、
1400℃を越えるとバナジウムの低級化を抑制する
ことはできない。ガラス状物質(d)はリン化合物
(a)、バナジウム化合物(b)および網目修飾イオン源
(c)の合計重量の5〜500倍、好ましくは10〜100倍
の量で配合する。上記範囲を越えると十分な防錆
性は得られない。なお、本明細書中における防錆
の概念は広く解され、一般的な錆を防止するのみ
ならず、塗膜のフクレ(ブリスター)等の防止を
含むものと理解される。焼成時間は0.2〜10時間
が通常であるが、10時間を越えても防錆顔料の物
性には余り影響はない、焼成される各成分は好ま
しくは100μm以下の粒子にして混合すると焼成
効率が高くなる。従つて、各成分を予め粉砕して
から混合してもよいし、粗粒のまま混合してから
粉砕してもよい。この操作は水あるいは他の媒体
で湿らせた状態またはスラリーの状態で行つても
良い。 本発明の防錆顔料は、冷却されてから常法によ
り粉砕、分級され、10μm以下の粒径、好ましく
は2μm以下の粒径をもつ粒子にされる。溶融状
態からの冷却は、相分離しない限り、除冷、急冷
のいずれでも良い。 上記焼成顔料として淡色のものが必要とされる
場合には、各成分(a〜d)として淡色のものを
選ぶか、または焼成反応したものが淡色となるよ
うに各成分を選択すればよい。例えば、リン化合
物として式: yM2O・P2O5またはyMO・P2O5 [式中、1≦y≦3、Mは金属原子、好ましく
はカルシウムまたはマグネシウムを示す。]を有
するものを選択し、バナジウム化合物として式: xM2O・V2O5またはxMO・V2O5 [式中、1/2≦x≦3、好ましくは1≦x≦
2]を有するものを選択した場合、P/Vモル比
が5〜30である場合に淡白顔料が得られ易い。 上記防錆顔料は焼成することにより得られる
が、各成分、特にリン化合物(a)とバナジウム化合
物(b)とを選択すれば、単なる混合物あるいは圧下
力のもとで混合した物であつても防錆顔料として
有効である。また、リン化合物(a)、バナジウム化
合物(b)および網目修飾イオン源(c)の場合、圧下力
のもとで混合したものがより有用である。この混
合物として用いる場合のリン化合物は加熱により
P2O5を生成するリン化合物の中で、水溶液中で
リン酸イオンを放出するものである。リン酸イオ
ンは水溶液中において単独で存在することが少な
く、種々の形態、例えば、縮合体として存在する
が、このような場合も本発明書の「リン酸イオン
を放出するもの」に含まれるものと理解される。
そのようなものは前述のリン化合物の中でオルト
リン酸塩、縮合リン酸塩、リン酸のヘテロ縮合体
(例えば、リンモリブデン酸塩)等が例示される。 これらのリン化合物は好ましくは水溶液中でPH
5〜9、導電率(κ)30μS/cm〜3mS/cm、さ
らに好ましくはκが100μS/cm〜2mS/cmであ
る。導電率は微粉末1gを水100mlに分散・懸濁
し、市販の導電率計を用いて測定した。リン化合
物はこの範囲内において最も防錆性が強く発揮さ
れるが、この範囲外のものでも適当な処理により
この範囲に入るようにすれば優れた防錆性を発揮
する。このようなものの例としてはリン酸亜鉛処
理スラツジ等がある。リン化合物はリン酸塩処理
スラツジを用いてもよい。リン酸処理スラツジと
は、公知のリン酸亜鉛処理剤を用いて鉄、鉄鋼、
亜鉛メツキ鋼等を化成処理した時に副生するリン
酸塩の沈殿をいう。 この態様に用いるバナジウム化合物は上述のも
のの中で水溶液中でバナジン酸イオンを生成する
ものであつて、バナジル化合物、バナジン酸塩、
バナジン酸塩の焼成縮合物またはバナジン酸塩の
ヘテロ縮合体等が好適である。この場合、水溶液
中には酸素が含まれていてもいなくてもよい。水
溶液中で生成されたバナジン酸イオンは溶液のPH
濃度、その他条件により種々の形態に変化する。
その多くは縮合バナジン酸イオンまたはそれらの
含水素イオンとなる。本明細書中において、水溶
液中で生成されたバナジン酸イオンとはこのよう
な縮合体等も含むと理解される。 上記バナジウム化合物は、通常酸化バナジウム
()と金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、
金属硝酸塩または金属有機酸塩とを焼成反応する
ことにより得られる。また、上記反応試薬を液相
で反応して得てもよい。上記バナジウム化合物以
外に、同じ反応試薬の固相反応、即ち、融点以下
の温度で不均一反応したものを用いてもよい。 バナジウム化合物は好ましくは水溶液中でPH5
〜9、導電率(κ)30μS/cm〜2mS/cmである。
バナジウム化合物がこの範囲内において最も防錆
性が強く発揮される。この範囲を外れるものでも
適当な処理によりこの範囲に入るようにすること
もできる。 上記リン化合物およびバナジウム化合物中には
少量の他の成分、例えばチタン、ジルコニウム、
ケイ酸イオン等を含んでもよい。市販の試薬の中
にはこれらを含んだものがあり、これらを使用し
てもよい。 上記リン化合物とバナジウム化合物とを混合す
ることにより本発明防錆顔料が得られる。リン化
合物とバナジウム化合物の配合量は必要に応じて
適宜変更されてもよい。一般には溶解量の大きい
ものはその配合量を少なく、溶解量の小さいもの
はその配合量を多くするのが良い。本発明では溶
解したリン酸イオンの濃度が溶解したバナジン酸
イオンの濃度より大きい場合に防錆性が大きく発
揮されるので、リン化合物とバナジウム化合物の
組み合わせ方はリン化合物の導電率κp、配合量
(重量)をCp、バナジウム化合物の導電率をκv、
配合量をCvとしてκp>κvとなる組み合わせ、ま
たはCp>Cvとなる組み合わせが好ましい。さら
に好ましくはκp>κvかつCp>Cvとなる組み合わ
せである。最も好ましい組み合わせの例は第2リ
ン酸マグネシウムに対してバナジウム化合物をn
(金属酸化物)・(V2O5)の形にかいたとき、
nMgO・V2O5またはnCaO・V2O5では1.8<n<
2.2;ZnO・V2O5では1<n<3.5;nCoO・V2O5
またはnCo3O4・V2O5では1<n<3.5、CaHPO4
に対してnCaO・V2O5では2≦n<2.2;nMn3
O4・V2O5、nMn2O3・V2O5またはnMnO・V2O5
では1<n<3.5であつた。 上記混合の態様はまた水溶液中でリン酸イオン
を放出するリン化合物(a)、水溶液中でバナジン酸
イオンを生成するバナジウム化合物(b)および網目
修飾イオン源(c)を混合すると、単なる混合物とは
異なるものが、特に高温等の処理条件を必要とせ
ずに得られる。この態様に用いるリン化合物(a)と
しては第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシ
ウム、第二リン酸マグネシウムまたは第三リン酸
マグネシウムが挙げられる。好適なバナジウム化
合物(b)は酸化バナジウム()である。また、適
する網目修飾イオン源(c)の例としては酸化カルシ
ウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウムまた
は水酸化マグネシウムが挙げられる。 この場合の混合は通常ハンマーミル、乳鉢、通
常の摩砕式粉砕機が挙げられる。このような混
合、即ち衝撃力または剪断力のもとでの反応をメ
カノケミカル反応と称することもある。メカノケ
ミカル反応物は必要に応じて100〜300℃、好まし
くは150〜250℃の温度で加熱してもよい。 防錆顔料は通常塗料用の顔料として使用される
粒径、例えば10μm以下、好ましくは2μm以下が
好適である。従つて、必要に応じて粉砕等の処理
が施される。 本発明の防錆顔料は必要に応じて分散安定性向
上のための処理を施してもよい。分散安定性処理
は分散剤を顔料表面に吸着処理する等の方法によ
り行われる。 本発明の防錆顔料は防錆ワツクス、塗料、ライ
ニング等に配合して用いられる。 塗料は通常用いられるもので良く、市販の塗料
液に本発明の防錆顔料を添加しても良い。また、
常法通り、体質顔料、着色顔料、ビヒクル、溶剤
および各種添加剤とともに塗料液に仕上げても良
い。ビヒクルは通常用いられるものならいかなる
ものでも良く、溶剤は樹脂と相溶するものならい
かなるものでも良い。樹脂ビヒクルの例を挙げる
と、エポキシ、タール変性エポキシ、ウレタン変
性エポキシ、メラミン、メラミンアルキド、アル
キド、油変性アルキド、フエノール、エポキシ変
性フエノール、塩素系樹脂、ポリエステル、シリ
コーン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、
石油樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、フツ
素樹脂、油等が挙げられる。溶剤は炭化水素類、
ケトン類、エステル類、アルコール類、水等が挙
げられる。他に一般に塗料で用いられる添加剤
(可塑剤、界面活性剤、乾燥剤、硬化剤、分散剤、
増粘剤、タレ防止剤等)を添加しても良い。 塗料は常法により塗装されて、樹脂ビヒクルの
特性に従つて、常温乾燥もしくは焼付け硬化され
る。硬化塗膜としては、本発明の防錆顔料を含ん
だ状態で酸素透過係数(P)が1×10-16〜1×
10-7(ml(STP)・cm/cm2・s・cmHg)にある場
合により高い防錆性が発現される。 本発明の防錆顔料組成物は、塗料全固形分100
部に対して、0.1〜50部が好ましい。 本発明を適用する金属材は鋼材、高強度鋼、高
張力鋼、メツキ鋼板、ステンレス鋼等の合金、鋳
鉄、アルミニウムやその合金等が挙げられる。 本発明の防錆顔料が有効に作用する腐食条件は
一般的には水あるいは酸素が存在する条件または
塗膜フクレ(ブリスター)が発生し易い条件であ
り、腐食を促進すると考えられている他のイオン
(例えば、塩素イオン)等が存在してもよい。塗
膜フクレ(ブリスター)は塗膜劣化の一態様で
種々の条件下で発生するが、特に温度勾配条件
(塗膜表面と裏面の温度に差がある場合)あるい
は電気防食条件(一般的な鋼材の酸化腐食を電気
的還元して防止する方法であるが、逆に塗膜劣化
が大きい)で発生し易い。本発明の防食顔料はこ
の塗膜劣化(広義の腐食に含まれる)も有効に抑
制する。本発明の最適の腐食条件はPHが2〜9の
範囲内である。PH2〜5でブリスターの抑制作用
が強く、PH5〜9で一般的な腐食抑制作用が強
い。この範囲を越えると、防錆効果が低下する。 (発明の作用および効果) 本発明の防錆顔料を含んだ塗膜を施した場合、
塗膜中に水、酸素が浸透して塗膜中の防錆顔料か
らバナジン酸イオンとリン酸イオンが適度に溶解
する。バナジン酸イオンは、前述のリン酸イオン
に欠けているオキシダイザー機能を補う。このイ
オン種は水と酸素の存在する腐食条件下で溶液内
レドツクス・カツプルを構成して貴なレドツクス
電位を示し、前記のオキシダイザー機能を果た
す。一方、リン酸イオンは腐食条件下で難溶性の
沈殿皮膜を形成し、デポジシヨン機能を有する。 この本発明の防錆顔料は、上述のように防錆機
能をリン酸イオンとバナジウムの可溶性イオンの
両者により生じさせ、クロム酸イオンと同等もし
くは、それ以上の防錆能を発揮する。本発明は無
公害・低公害の金属材の優れた防錆顔料を提供す
る。本発明により抑制される腐食は腐食減量、腐
食割れ、水素脆性、糸錆、孔食、端面腐食、折り
曲げ等の加工部腐食あるいは塗膜フクレ(ブリス
ター)等である。 (実施例) 本発明を実施例により更に詳細に説明する。 実施例1〜20および比較例1,2 表−1に示したリン化合物(a)、バナジウム化合
物(b)を表−1に示すモル比になるようにとり、乳
ばちで30分混合した後ルツボに入れ電気炉内で表
−1に示した加熱温度と時間で焼成した。次い
で、ルツボ内の溶融物を冷却速度100℃/分で冷
却した。冷却速度は(炉温−冷却された焼成生成
物の温度)/(冷却に要した時間)の式から算出
した。冷却に際し冷却速度等の調整のために焼成
生成物の上から冷えた銅の厚板を圧着した。冷却
された焼成生成物は常法により粉砕分級し、10μ
m以下の微粉末とした。なお、バナジウム化合物
は一部は表に示した組成で1200℃に焼成して作成
した。 得られた微粉末の10g/の分散液(3%
NaCl含有)を作成し、これにJIS G 3141
SPCC(SB)ミガキ鋼板を浸漬し、30日後の腐食
減量を測定し、同量のストロンチウムクロメート
の腐食減量と比較した。○はストロンチウムクロ
メートより優れていることを示し、△は同等であ
り、×は劣つていることを示す。 また本実施例にはブリスター抑制に関する実施
例をも示す。ブリスターは塗装鋼板の表側と裏側
の温度に差がある条件(温度勾配条件)あるいは
電気防食(鋼材等の金属が還元反応を呈する様に
金属の電位を卑な方向になるように強制分極す
る。)条件下で発生し易いので、この条件下で実
験した。 塗料の作成 次の配合をサンドミルで混合することにより塗
料を作成した。 成分 重量部 コールタールピツチワニス 30 ポリオール樹脂ワニス 12 体質顔料 20 本発明防錆顔料 2 タレ止め剤 0.5 メチルイソブチルケトン 5 キシロール 20.5 トルイジンイソシアネートとポリオールとの反応
物 10 (日本ポリウレタン社製コロネート55) 得られた塗料をダル鋼板(JIS G 3141
SPCC SD)にエアースプレーで乾燥膜圧200μm
になるように塗装し、常温で10日間乾燥した。得
られた塗装鋼板のブリスター試験を以下のように
行つた。 温度勾配下ブリスター試験: 塗装側40℃/裏側20℃の温度勾配下で水に浸漬
14日間放置したあとのブリスター(フクレ)を目
視で評価した。 ◎−比較試料よりたいへん良好。 ○−良好。 △−比較試料と同程度。 ×−比較試料より劣つている。 この場合の比較試料は比較例1に示す、体質顔
料のみを用いて防錆顔料を用いない場合である。 電気腐食下の剥離性: 塗装鋼板に亜鉛金属を結線し、3%食塩水中に
1ケ月間放置(30℃)し、スクラツチからのクリ
ープ幅(l/mm)で評価した。 0<l≦2 ◎ 2<l≦5 ○ 5<l≦8 △ 8<l≦12 × 12<l ×× 結果を表−1に示す。
【表】
【表】 実施例21〜27および比較例3 上記実施例5の防錆顔料を用いて、その添加量
による耐ソルトスプレー性について試験した。 本発明防錆顔料、体質顔料および着色顔料を表
−2に示す配合比で熱硬化型樹脂エポキシポリウ
レタン樹脂に加えて、総計100重量部にし塗料を
得た。この塗料をJIS G 3141 SPCC−SD(ダ
ル鋼板)に20μmの厚さで塗装し、190℃で1分
間焼付けた。得られた塗装板にソルトスプレー
(JIS Z 2371)テストを行つて剥離性およびブ
リスターを判定した。さらに、常温硬化型の樹脂
として、エポキシ樹脂系塗料(日本ペイント社製
のコポンマスチツクプライマー)、水性樹脂の例
として、日本ペイント社から市販のパワートツプ
U−30(電着塗料を用いた例)も実施した。この
結果をそれぞれ実施例26,27に示す。 本発明の防錆顔料として上記実施例の13のもの
を5重量部と、体質顔料、着色顔料を15重量部、
コポンマスチツクプライマーのビヒクルを80重量
部になるよう組み合わせ、上記と同様の鋼板にス
プレー塗装し常温で10日間保ち硬化させた。乾燥
膜厚は50μmであつた。 また、上記実施例の14の防錆顔料を塗料中の固
型分100重量部に対し2重量部とり、パワートツ
プU−30に配合し、塗料を得た。これを上記鋼板
に150Vで3分間電着塗装し170℃で30分間焼き付
けた。膜厚は25μmであつた。 剥離性評価は、素地に達するキズをナイフで入
れカツト部からの片側ハクリ幅を測定し、基準サ
ンプル(各々の樹脂系でストロンチウムクロメー
トを防錆顔料として全ソリツド分に対し10%
(wt)入れたもの)に対して非常に優れているも
の◎、優れているもの○、同等のもの△、劣つて
いるもの×の4段階で評価した。 ブリスター性評価は、キズを入れない塗装鋼板
をソルトスプレー試験機(35℃×500h)に入れ、
プリスターのほとんどないもの○、少し発生した
もの△、多く発生したもの×、の3段階評価で表
示した。
【表】 実施例 28〜44 表−3に示したリン化合物(a)、バナジウム化合
物(b)および網目修飾イオン源(c)を表−3に示すモ
ル比になるようにとり、実施例1と同様に実験し
た。結果を表−3に示す。
【表】
【表】 実施例45〜51および比較例4 上記実施例31の防錆顔料を用いて、その添加量
による耐ソルトスプレー性についいて実施例21〜
27および比較例3と同様に試験した。結果を表−
4に示した。
【表】 実施例52〜63および比較例5,6 ブリスター抑制に関する実験を実施例1と同様
に行つた。ただし、表−5の条件で実施例28と同
様に防錆顔料を作成した。
【表】 実施例 64〜73 表−6に示したリン化合物(a)、バナジウム化合
物(b)およびガラス状物質(c)、更に必要に応じ網目
修飾イオン源(d)を表−6に示すモル比になるよう
にとり、実施例1と同様に製造し、腐食試験を行
つた。結果を表−6に示す。 なお加熱温度はすべて1200℃で、2時間であつ
た。
【表】 実施例74〜80および比較例7 上記実施例73の防錆顔料を用いて、その添加量
による耐ソルトスプレー性について実施例21〜27
および比較例3と同様に試験した。結果を表−7
に示す。
【表】 実施例81〜84および比較例8,9 ブリスター抑制に関する実験を実施例1と同様
に行つた。結果を表−8に示す。
【表】
【表】 実施例 85〜119 本実施例は本発明の防錆顔料の防錆能をクロム
酸イオンのそれと比較した。3%食塩水中に表−
9に示すリン化合物とバナジウム化合物とを混合
した防錆顔料を重量で1%添加し、空気開放系の
25℃での冷間圧延板(JIS S 3141 SD)の腐食
減量が、3%食塩水にクロム酸イオンを添加した
場合より小さい場合を○、略同等の場合を△、よ
り大きい場合を×として表わし表−9に示す。ク
ロム酸イオンはクロム酸ナトリウムの形で添加
し、添加量は防錆顔料から溶出するリン酸イオン
とバナジン酸イオンの添加モル濃度になる様に調
整した。腐食減量は、以下の操作により算出し
た。前記試験液に70×150mmの冷間圧延鋼板重量
agを20日間浸漬した後錆等の付着物をスポンジ
等で取り去つた後乾燥し、その重量を測定した
(重量bg)。 (腐食減量)=a−b/210(g/cm2) さらに3%食塩水中に表−10に示すリン化合物
(a)とバナジウム化合物(b)、さらに網目修飾イオン
源(c)を表に示したモル比で配合し、混合した防錆
顔料を同様にして試験した。
【表】
【表】 1 リン酸亜鉛処理液(日本ペイント製グラノヂ
ン SD 2500系)にて軟鋼板を標準条件にて処
理し、リン酸亜鉛・鉄()を主成分とするス
ラツジを採取した。このスラツジ500gをイオ
ン交換水に分散攪拌、遠心分離にて洗浄した。
この操作を数回繰り返したところ、分散液のPH
4.8、κ0.33mS/cmとなつた。これに水酸化カ
ルシウムを加えて10時間攪拌後(25℃)、PH
6.5、κ0.19mS/cmとなつた。これを遠心分離
でレーキを取り出し、200℃で5時間乾燥した
ところ、微粉末350gを得た。 2 トリポリリン酸亜鉛を主体とする顔料ZPT
(堺化学工業製)500gをイオン交換水1に分
散したところPH4.1であつた。これに攪拌下で
(25℃)、水酸化カルシウムを添加し、10時間攪
拌後、PH7.5、κ0.41mS/cmとなつた。これを
遠心分離でレーキを取り出し、150℃で5時間
乾燥すると、450gの微粉末を得た。 3 Ca(OH)2とメタリン酸をCaO/P2O5のモル
比が1/1になるように混合し、900℃で2時
間融解した。冷却後、ハンマーミルで1mm以下
に粉砕後、ジエツトミルで10μm以下になるよ
うに粉砕した。 4 帝国化工社製 Kホワイト82 5 菊池色素工業社製 LFボウセイ 6 リン化合物は、結晶水を含まない形で重量を
表示した。 a 五酸化バナジウムと四三酸化マンガンとを
モル比で1:1で均一に混合し、1100℃で2
時間焼成反応させた。できたガラス状物質を
ハンマーミルで1mm以下に粉砕したあとで、
ジエツトミルで10μm以下に微粉砕した。 バナジウム化合物については特に注を付さない
限り、aとほぼ同様の製法で得た。 b 五酸化バナジウム(V2O5)と酸化マンガ
ン(MnO2)とを表に示したモル比で混合
し、実施例90〜94は1100℃で、実施例95およ
び96は1200℃で、実施例97は900℃で、実施
例98は1400℃で、実施例99〜101は1150℃で
2時間焼成し、微粉砕した。 c V2O5とCa(H2PO4)とCa(OH)2をモル比
で0.7:0.5:1.4の比で混合し、自動乳鉢で5
時間攪拌した。攪拌すると発熱した粉末は一
時粘着性が出た。生成した反応物を100℃で
1時間攪拌したあと、さらに1時間乳体で粉
砕した。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水の存在する環境下でリン酸イオンを放出す
    る(a)リン化合物と、水または水および酸素の両者
    の存在する環境下でバナジン酸イオンを生成する
    (b)バナジウム化合物、および(c)網目修飾イオン源
    を含有する混合物を焼成し粉砕することにより得
    られる防錆顔料であつて、網目修飾イオン源が酸
    化マンガン(MnOx:1.5<x≦2.0)または酸化
    マンガンと他の網目修飾イオン源との組合せであ
    ることを特徴とする防錆顔料。 2 酸化マンガンがバナジウム化合物をV2O5
    換算して1モルにたいして0.1モル以上である第
    1項記載の防錆顔料。 3 水の存在する環境下でリン酸イオンを放出す
    る(a)リン化合物と、水または水および酸素の両者
    の存在する環境下でバナジン酸イオンを生成する
    (b)バナジウム化合物、および(d)ガラス状物質を含
    有する混合物を焼成し粉砕することにより得られ
    る防錆顔料。 4 リン化合物(a)が五酸化リン、オルトリン酸、
    縮合リン酸、金属オルトリン酸塩、または金属縮
    合リン酸塩である第3項記載の防錆顔料。 5 金属オルトリン酸塩および金属縮合リン酸塩
    の金属種がアルカリ金属である第4項記載の防錆
    顔料。 6 バナジウム化合物(b)が5価のバナジウム化合
    物である第3項記載の防錆顔料。 7 5価のバナジウム化合物が五酸化バナジウム
    (V)またはアルカリ金属のバナジン酸塩である
    第6項記載の防錆顔料。 8 ガラス状物質(d)がケイ酸塩ガラスである第3
    項記載の防錆顔料。 9 リン化合物(a)とバナジウム化合物(b)との比が
    P2O5/V2O5のモル比に換算して0.3〜100である
    第3項記載の防錆顔料。 10 焼成が600℃以上の温度で行なわれる第3
    項記載の防錆顔料。 11 水の存在する環境下でリン酸イオンを放出
    する(a)リン化合物と、水または水および酸素の両
    者の存在する環境下でバナジン酸イオンを生成す
    る(b)バナジウム化合物、(c)網目修飾イオン源およ
    び(d)ガラス状物質を含有する混合物を焼成し粉砕
    することにより得られる防錆顔料。 12 リン化合物(a)が五酸化リン、オルトリン
    酸、縮合リン酸、金属オルトリン酸塩、または金
    属縮合リン酸塩である第11項記載の防錆顔料。 13 金属オルトリン酸塩および金属縮合リン酸
    塩の金属種がアルカリ金属である第12項記載の
    防錆顔料。 14 バナジウム化合物(b)が5価のバナジウム化
    合物である第11項記載の防錆顔料。 15 5価のバナジウムの化合物が五酸化バナジ
    ウムまたはアルカリ金属のバナジン酸塩である第
    14項記載の防錆顔料。 16 網目修飾イオン源(c)が金属酸化物、金属水
    酸化物、金属炭酸塩、金属硝酸塩、金属有機酸
    塩、金属ケイ酸塩、または金属ホウ酸塩またはこ
    れらの複合体である第11項記載の防錆顔料。 17 網目修飾イオン源の金属種がアルカリ金属
    である第16項記載の防錆顔料。 18 ガラス状物質(d)がケイ酸塩ガラスである第
    11項記載の防錆顔料。 19 リン化合物(a)とバナジウム化合物(b)との比
    がP2O5/V2O5のモル比に換算して0.3〜100であ
    る第11項記載の防錆顔料。 20 網目修飾イオン源(c)が防錆顔料の全ての金
    属陽イオン(M)の量をMがとりうる酸化物の形
    (MO,M2O3,M3O4またはM2O)の形で表わし
    て、V2O5とP2O5のモル数の和の3倍以下となる
    ように添加する第11項記載の防錆顔料。 21 ガラス状物質(d)がリン化合物(a)、バナジウ
    ム化合物(b)および網目修飾イオン源(c)の合計重量
    の5〜500倍の量で配合する第11項記載の防錆
    顔料。 22 焼成が600℃以上の温度で行なわれる第1
    1項記載の防錆顔料。 23 水の存在する環境下でリン酸イオンを放出
    する(a)リン化合物と、水または水および酸素の両
    者の存在する環境下でバナジン酸イオンを生成す
    る(b)バナジウム化合物を混合することにより得ら
    れる防錆顔料。 24 リン化合物(a)がオルトリン酸塩、縮合リン
    酸塩またはリン酸のヘテロ縮合体である第23項
    記載の防錆顔料。 25 バナジウム化合物(b)がバナジル化合物、バ
    ナジン酸塩、バナジン酸塩の焼成縮合物またはバ
    ナジン酸のヘテロ縮合体である第23項記載の防
    錆顔料。 26 水の存在する環境下でリン酸イオンを放出
    する(a)リン化合物と、水または水および酸素の両
    者の存在する環境下でバナジン酸イオンを生成す
    る(b)バナジウム化合物、および(c)網目修飾イオン
    源を混合することにより得られる防錆顔料。 27 リン化合物(a)が五酸化リン、オルトリン
    酸、縮合リン酸、金属オルトリン酸塩、または金
    属縮合リン酸塩である第26項記載の防錆顔料。 28 金属オルトリン酸塩および金属縮合リン酸
    塩の金属種がアルカリ金属以外の金属である第2
    7項記載の防錆顔料。 29 バナジウム化合物(b)が5価のバナジウム化
    合物である第26記載の防錆顔料。 30 5価のバナジウム化合物が五酸化バナジウ
    ムまたはアルカリ金属以外のバナジン酸塩である
    第29項記載の防錆顔料。 31 網目修飾イオン源(c)が金属酸化物、金属水
    酸化物、金属炭酸塩、金属硝酸塩、金属有機酸
    塩、金属ケイ酸塩、または金属ホウ酸塩である第
    26項記載の防錆顔料。 32 網目修飾イオン源の金属種がアルカリ金属
    以外である第31項記載の防錆顔料。
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