JPH0550013U - エンジンオイル用タンク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 油圧ショベルの上部旋回体に装備しているエ
ンジン用オイルパンは構造上大きくできないので、エン
ジンオイルがかなり早期に減少し、従来技術ではその都
度運転者が上部旋回体に上がりエンジンボンネットを開
いて給油を行っていた。またエンジンオイル交換時には
作業者が上部旋回体の下側にもぐって作業を行うので、
安全上万全であるとは云えなかった。本考案は、上記の
問題点を解決する。 ［構成］ 本考案のタンク装置では、エンジン用オイル
パンと連通する複数個のサブタンクを、平面視で上記オ
イルパンの位置を中心として互いに略反対側の位置にそ
れぞれ固定して設け、建設機械が傾斜地面上にて運転す
るとき上記複数個のサブタンクのうち高い位置になった
方のサブタンク内のオイルがオイルパン内に流動するよ
うに構成した。また、サブタンクにドレンプラグを設け
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として油圧ショベルなど建設機械に装備したエンジンオイル用タ ンク装置に関する。

【０００２】 図３は、従来の油圧ショベルの切欠き背面図である。図において、１は下部走 行体、２は上部旋回体、３はエンジン、４はエンジン３のオイルパン、５はエン ジンオイルを抜き取るためのドレンプラグ、６は新しいエンジンオイルを注入す るための給油口、７は給油口６のキャップである。エンジン３には、クランクシ ャフト（図示しない），コンロッド，カムシャフトなどのベアリングに対して潤 滑を行うために、エンジンオイルが充填されている。図３におけるエンジン３で は長時間使用した古いエンジンオイルを交換するとき、ドレンプラグ５を取外し て、古いエンジンオイルを他の容器イに抜き取る。それからドレンプラグ５を再 びオイルパン４に底部に取付けて、エンジン３の給油口６より新しいエンジンオ イルを注入する。

【０００３】 図４は、従来技術のエンジンオイル補充用タンク装置を装備した油圧ショベル の要部切欠き背面図である。図において、３ａはエンジン、６’はエンジンオイ ルを注入する給油口、８は補充タンク、９はオイルポンプ、１０は開閉弁、１１ はオイルポンプ９駆動用のモータ（図示しない）を操作するスイッチ、１２はエ ンジンボンネット、寸法Ｈは地面から給油口６’のキャップ７’までの高さであ る。この図４における従来技術のタンク装置では、エンジン３ａのエンジンオイ ルが所定の収納量以下に減少したとき、スイッチ（１１）操作により補充タンク ８内のエンジンオイルを補充することができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

油圧ショベルは、運送時の高さ制限，運転室からの後方視界確保などの理由に より、上部旋回体の高さをできるだけ小さくするように製作されている。したが ってエンジンはコンパクトなものを搭載するので、オイルパンも最小限の大きさ にしている。そのために油圧ショベルの運転を行うと、エンジンオイルがかなり 早期に減少していた。運転者は上部旋回体に上がりエンジンボンネットを開いて 給油を行うのであるが、その手間はわずらわしくかなりの労力と時間を要してい た。また図４に示すエンジンオイル補充用タンク装置を装備した油圧ショベルで は、エンジンオイルが所定の収納量より減少したときにその都度運転者が補充操 作を行えばよいが、このタンク装置にオイルポンプ，開閉弁などを用いているの で製作費が高く、補充操作の時間も必要であるから都合が悪かった。また従来技 術ではエンジンオイルを交換するとき、運転者又は作業者が上部旋回体の下側に もぐって、オイルパン底部のドレンプラグを取外して古いエンジンオイルを抜き 取っていた。その作業姿勢には無理があり、安全上万全であるとは云えなかった 。本考案は上記の問題点を解決できるエンジンオイル用タンク装置を提供するこ とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のエンジンオイル用タンク装置では、エンジン用オイルパンと連通する 複数個のサブタンクを、平面視で上記オイルパンの位置に中心として互いに略反 対側の位置にそれぞれ固定して設け、建設機械が傾斜地面上にて運転するとき上 記複数個のサブタンクのうち高い位置になった方のサブタンク内のオイルがオイ ルパン内に流動するように構成した。またエンジン用オイルパンと連通するサブ タンクにドレンプラグを設けた。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図１は、本考案のタ ンク装置１２を装備した油圧ショベルの切欠き背面図である。図において、３ｂ はエンジン、１３はエンジン３ｂのオイルパン、１４Ｌ及び１４Ｒはそれぞれサ ブタンク、１５Ｌ，１５Ｒは各サブタンク１４Ｌ，１４Ｒに設けているブリーザ 、１６Ｌ，１６Ｒはそれぞれドレンプラグ、１７はオイルパン１３とサブタンク １４Ｌ及び１４Ｒとを連通している配管、Ｈ．Ｌ．は水平レベルである。図２は 、図１における油圧ショベルが傾斜地面上で運転している状態を示す切欠き背面 図である。傾斜地面の傾斜角度がθである。

【０００７】 次に、本考案のタンク装置１２の構成を図１及び図２について述べる。本考案 のタンク装置１２では、エンジン（３ｂ）用オイルパン１３と連通する２個のサ ブタンク１４Ｌ及び１４Ｒを、平面視でオイルパン１３の位置を中心として互い に略反対側の位置にそれぞれ固定して設け、油圧ショベルが傾斜地面上にて運転 するとき２個のサブタンク１４Ｌと１４Ｒのうち高い位置になった方のサブタン ク内のオイルがオイルパン１３内に流動するように構成した。またサブタンク１ ４Ｌ，１４Ｒに、それぞれドレンプラグ１６Ｌ，１６Ｒを設けた。なお、オイル パン１３の底部に設けた配管用接続口１８よりサブタンク１４Ｌ，，１４Ｒまで のそれぞれ距離ｐ，ｐ’は略等しくなるように配置している。また、上記接続口 １８の高さ位置よりサブタンク１４Ｌ，１４Ｒのそれぞれ底部の高さ位置が低く なるように設定している。

【０００８】 次に、本考案のタンク装置１２の作用について述べる。タンク装置１２では複 数個のサブタンク１４Ｌ及び１４Ｒを設けたので、エンジン３ｂには従来技術の エンジンの場合に比べてかなり多量のエンジンオイルを収納することができる。 それによりエンジンオイル給油時間間隔を延長できるので、運転者の省エネと、 作業能率の向上をはかることができる。そして油圧ショベルが傾斜地面で作業を 行うとき、高い位置になった側のサブタンク内エンジンオイルがオイルパン１３ 内に流動するので、エンジンオイルが少なくなった場合でも、オイルパン１３内 油量が増大した状態となり矢張、給油時間間隔を延長することができる。またサ ブタンク１４Ｌ，１４Ｒにはそれぞれブリーザ１５Ｌ，１５Ｒが設けられている ので、そのブリーザ１５Ｌ又は１５Ｒを取外してその取付口から給油が可能であ る。したがってエンジンオイルの給油を行うときには上部旋回体に上ってエンジ ン３ｂの給油口１９から給油しなくても、上部旋回体側方の地面上にてサブタン ク１４Ｌ又は１４Ｒに対して給油を行えばよい。正常な姿勢で容易に給油できる ので、安全かつ労力を少くすることができる。またエンジンオイル交換時には、 サブタンク１４Ｌ又は１４Ｒのドレンプラグ１６Ｌ又は１６Ｒを上部旋回体側方 から取外し、ホース（図１に示す仮想線ロ）などを用いて古いエンジンオイルを 容易に抜き取ることができる。したがって従来技術の場合のように作業者が上部 旋回体にもぐることは不要となり、正常な姿勢で容易にエンジンオイル交換作業 を行うことができる。

【０００９】

【考案の効果】

油圧ショベルの上部旋回体に装備しているエンジン用オイルパンは構造上大き くできないので、エンジンオイルがかなり早期に減少し、従来技術ではその都度 運転者が上部旋回体に上がりエンジンボンネットを開いて給油を行っていた。そ の給油の手間はわずらわしく、かなりの時間と労力を要していた。また従来技術 の油圧ショベルのうちには補充用タンク装置を装備したものもあるが、その製作 費が高く、補充操作の時間も必要であるから都合が悪かった。また従来技術では エンジンオイルを交換するとき、運転者又は作業者が上部旋回体の下側にもぐっ て、オイルパン底部のドレンプラグを取外して古いエンジンオイルを抜き取って いた。その作業姿勢には無理があり、安全上万全であるとは云えなかった。しか し本考案のタンク装置では、エンジン用オイルパンと連通する複数個のサブタン クを設けたので、このエンジンには従来技術のエンジンの場合に比べてかなり多 量のエンジンオイルを収納することができる。それによりエンジンオイル給油時 間間隔を延長できるので、運転者の省エネと、作業能率の向上をはかることがで きる。そして油圧ショベルが傾斜地面で作業を行うとき、高い位置になった側の サブタンク内エンジンオイルがオイルパン内に流動するので、エンジンオイルが 少なくなった場合でも、オイルパン内油量が増大した状態となり矢張、給油時間 間隔を延長することができる。またエンジンオイルの給油を行うときには上部旋 回体に上がってエンジンの給油口から給油しなくても、上部旋回体側方の地面上 にてサブタンクに対して給油を行えばよい。正常な姿勢で容易に給油できるので 、安全かつ労力を少なくすることができる。またエンジンオイル交換時には、サ ブタンクのドレンプラグを上部旋回体側方から取外し、古いエンジンオイルを容 易に抜き取ることができる。従来技術の場合のように作業者が上部旋回体にもぐ ることは不要となり、正常な姿勢で容易にエンジンオイル交換作業を行うことが できる。本考案のエンジンオイル用タンク装置はその構造が簡単で製作費が安く 、エンジンオイル給油時間間隔及び交換時間間隔を延長するとともに、給油及び 交換作業の省エネと安全性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のタンク装置を装備した油圧ショベルの
切欠き背面図である。

【図２】図１における油圧ショベルが傾斜地面上で運転
している状態を示す切欠き背面図である。

【図３】従来の油圧ショベルの切欠き背面図である。

【図４】従来技術のエンジンオイル補充用タンク装置を
整備した油圧ショベルの要部切欠き背面図である。

【符号の説明】

２ 上部旋回体 ３，３ａ，３ｂ エンジン ４，１３ オイルパン ５，１６Ｌ，１６Ｒ ドレンプラグ ６，６’，１９ 給油口 ８ 補充タンク １２ エンジンボンネット １４Ｌ，１４Ｒ サブタンク １５Ｌ，１５Ｒ ブリーザ １７ 配管 １８ 接続口

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建設機械の運転中におけるエンジン用オ
   イルパン内の潤滑油レベルを所要のレベル以上に保持す
   るために、オイル補充用などのタンクを設けているエン
   ジンオイル用タンク装置であって、エンジン用オイルパ
   ンと連通する複数個のサブタンクを、平面視で上記オイ
   ルパンの位置を中心として互いに略反対側の位置にそれ
   ぞれ固定して設け、建設機械が傾斜地面上にて運転する
   とき上記複数個のサブタンクのうち高い位置になった方
   のサブタンク内のオイルがオイルパン内に流動するよう
   に構成したことを特徴とするエンジンオイル用タンク装
   置。
2. 【請求項２】 実用新案登録請求の範囲請求項１記載の
   エンジンオイル用タンク装置において、エンジン用オイ
   ルパンと連通するサブタンクにドレンプラグを設けたこ
   とを特徴とするエンジンオイル用タンク装置。