JPH0548039Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はオープンシヨーケースの前方の床付近
に形成されるコールドアイル（Cold Aisle）を
解消する店舗用空調装置に関するものである。

（従来の技術） 一般に店舗内はヒートポンプ式空調回路等の空
調回路によつて適温状態に維持されるが、この店
舗内にオープンシヨーケースを設置しているとき
は、このオープンシヨーケースの前方の床付近に
洩れ冷気が溜り、いわゆるコールドアイルが形成
される。このため、買物客の足元がこのコールド
アイルにより冷却される傾向にある。

このような事態を防止するため、オープンシヨ
ーケースの冷却回路の凝縮排熱をオープンシヨー
ケースの上方に設置した再加熱ユニツトに給送
し、この再加熱ユニツトにて発生た熱をオープン
シヨーケースの背面通風路を介してオープンシヨ
ーケースの前方に吹出し、コールドアイルを解消
している（実開昭63−147630号）。

（考案が解決しようとする課題） このような店舗用空調装置では、オープンシヨ
ーケースの冷却回路が駆動しているときは、これ
と同時に再加熱ユニツトから温風が吹出される
が、この冷却回路が駆動していないときは、温風
を吹出すことができず、コールドアイルを解消す
ることができない。従つて、冬期においてはオー
プンシヨーケースの運転率が低下することから、
コールドアイルの形成が著しく、買物客に不快感
を与えるという問題点を有していた。

本考案の目的は前記従来の問題点を鑑み、オー
プンシヨーケースの駆動の如何にかかわらず、オ
ープンシヨーケースの前方に形成されたコールド
アイルを解消することができる店舗用空調装置を
提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記課題を解決するために、請求項(1)
の考案は、圧縮機から吐出された冷媒を四方弁に
より室内ユニツト或いは室外ユニツトに切換え、
店舗内の冷暖房を行なうヒートポンプ式空調回路
と、店舗内に設置されたオープンシヨーケースの
冷却回路と、該オープンシヨーケースの前面下部
の冷気を吸入しこれを加熱したり、或いは加熱し
た空気を該オープンシヨーケースの前面下部に給
送する再加熱ユニツトとを備えた店舗用空調装置
において、前記ヒートポンプ式空調回路の前記圧
縮機の吐出側と前記四方弁との間に前記再加熱ユ
ニツトの熱交換器を接続したことを特徴とする。

請求項(2)の考案は、請求項(1)に係る店舗用空調
装置において、２個の水熱交換器を有しポンプに
て各水熱交換器間に水又はブラインを循環させる
水回路を有し、該一方の水熱交換器はヒートポン
プ式空調回路の室外ユニツトの熱交換器側に接続
し、該他方の水熱交換器は冷却回路における圧縮
機の吐出側に接続したことを特徴とする。

請求項(3)の考案は、請求項(1)に係る店舗用空調
装置において、ヒートポンプ式空調回路における
室外ユニツトの熱交換器側と、冷却回路における
圧縮機の吐出側とを熱的に接触させる冷媒−冷媒
熱交換器を設けたことを特徴とする。

（作用） 請求項(1)の考案によれば、ヒートポンプ式空調
回路の圧縮機の吐出側と四方弁との間に再加熱ユ
ニツトの熱交換器を接続しているから、圧縮機か
ら吐出された高温の冷媒はこの再加熱ユニツトの
熱交換器にて熱交換する。これにより、オープン
シヨーケースの前面下部から吸入された冷気が加
熱され、或いは、温風をオープンシヨーケースの
前面下部に吹出すことができる。

請求項(2)の考案によれば、オープンシヨーケー
スの冷却回路の排熱が水回路を介してヒートポン
プ式空調回路に供給され、店舗内の暖房能力が向
上する。

請求項(3)の考案によれば、オープンシヨーケー
スの冷却回路の排熱をヒートポンプ式空調回路に
冷媒−冷媒熱交換器を介して直接に供給され、店
舗内の暖房能力が向上する。

（実施例） 第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図は店舗用空調装置の回路構成図、第
２図は店舗内のユニツト設置状態図である。

図中、１は店舗、１０は店舗１内の冷暖房を行
なうヒートポンプ式空調回路（以下、空調回路と
いう）２０はオープンシヨーケース、３０はオー
プンシヨーケース２０の冷却回路、４０は冷却回
路３０の排熱を空調回路１０に供給する水回路、
５０は再加熱ユニツトである。

この空調回路１０は、四方弁１１の第１ポート
１１ａには圧縮機１２の吐出側が接続し、第２ポ
ート１１ｂにはアキユムレータ１３を介して圧縮
機１２の吸入側が接続している。また、この圧縮
機１０と第１ポート１１ａとの間には再加熱ユニ
ツト５０の空気熱交換器５１が接続している。

この再加熱ユニツト５０は店舗１の天井２の上
方に設置されたものである。この再加熱ユニツト
５０にはシロツコフアン５２を設置するととも
に、吸入ダクト５３と吹出しダクト５４を有して
おり、この吸入ダクト５３により店舗１内の天井
２付近の空気を吸入し、更に、この空気を吹き出
しダクト５４によりオープンシヨーケース２０の
背面通風路２１に吹出し、この吹出し空気がオー
プンシヨーケース２０の前方（コールドアイルＡ
側）に吹出されている。

また、空調回路１０の四方弁１１の第３ポート
１１ｃは、並列に配置された膨張弁１４ａ，１４
ｂの一端に接続している。この第３ポート１１ｃ
と各膨張弁１４ａ，１４ｂとの間には室外ユニツ
ト１５の空気熱交換器１５ａと水回路４０の一方
の水熱交換器４１とが並列に接続されている。更
に、この空気熱交換器１５ａは軸流フアン１５ｂ
のオン・オフ制御により熱交換制御が行なわれて
いる。尚、１６ａ，１６ｂは逆止弁で、それぞれ
各膨張弁１４ａ，１４ｂへの冷媒流通を規制して
いる。

更に、空調回路１０の四方弁１１の第４ポート
１１ｄは、各膨張弁１４ａ，１４ｂの他端に接続
している。この第４ポート１１ｄと各膨張弁１４
ａ，１４ｂとの間には室内ユニツト１７の空気熱
交換器１７ａとバイパス管１８とが並列に接続し
ている。また、空気熱交換器１７ａの入口及び出
口側には電磁弁１９ａ，１９ｂが配置され、バイ
パス管１８の第４ポート１１ｄ側には電磁弁１９
ｃが配置されている。

この室内ユニツト１７は店舗１の天井２に設置
され、その中央から店舗１内の空気を吸入し、更
に空気熱交換器１７ａにて熱交換した空気をその
周縁から吹出す天井デイフユーザ１７ｂを設置し
ている。

前記冷却回路３０は、圧縮機３１の吐出側か
ら、水回路４０の他方の水熱交換器４２、室外ユ
ニツト３２の空気熱交換器（凝縮器）３２ａ、膨
張弁３３、オープンシヨーケース２０内の蒸発器
３４、アキユムレータ３５と順次接続している。

前記水回路４０は水熱交換器４１，４２及び循
環ポンプ４３を有し、各水熱交換器４１，４２間
に水或いはブラインを循環させることにより、冷
却回路３０の排熱を空調回路１０に供給してい
る。

本実施例によれば、オープンシヨーケース２０
の冷却回路３０を駆動するときは、圧縮機３１の
冷媒が、第１図破線矢印に示すように、水回路４
０の水熱交換器４２→室外ユニツト３２の空気熱
交換器３２ａ→膨張弁３３→蒸発器３４→アキユ
ムレータ３５→圧縮機３１と循環し、オープンシ
ヨーケース２０内の商品を冷却している。

夏期において店舗用空調を行なうときは空調回
路１０の電磁弁１９ａ，１９ｂを開、電磁弁１９
ｃを開、軸流フアン１４ｂをオンとして圧縮機１
２を駆動し、また、水回路４０はその循環ポンプ
４３をオフとする。これにより、圧縮機１２の冷
媒が、第１図実線矢印に示すように、再加熱ユニ
ツト５０の空気熱交換器５１→四方弁１１→室外
ユニツト１５の空気熱交換器１５ａ及び水回路４
０の水熱交換４１→膨張弁１４ａ→逆止弁１６ａ
→電磁弁１９ｂ→室内ユニツト１７の空気熱交換
器１７ａ→電磁弁１９ａ→四方弁１１→アキユム
レーター１３→圧縮器１２と循環する。

ここで、再加熱ユニツト５０の空気熱交換器５
１にて放熱作用が行なわれるため、吸入ダクト５
３に吸入された店舗内空気がこの再加熱ユニツト
５０内で加温される。この温風は、吹出しダクト
５４及び背面通風路２１を介してオープンシヨー
ケース２０の前方に吹出され、コールドアイルＡ
を解消する。

また、この運転により室内ユニツト１７におい
て店舗１内の冷房を行なつているが、この室内ユ
ニツト１７の除湿作用と再加熱ユニツト５０の加
熱作用により、店舗内空気の乾燥効果が発揮さ
れ、快適な空調を行なうことができる。

冬期において店舗用空調を行なうときは、空調
回路１０の電磁弁１９ａ，１９ｂを開、電磁弁１
９ｃを閉、軸流フアン１５ｂをオンとして圧縮機
１２を駆動し、また、水回路４０の循環ポンプ４
３をオンとする。これにより、圧縮機１２の冷媒
が、第１図の二点鎖線矢印に示すように、空気熱
交換器５１→四方弁１１→電磁弁１９ａ→空気熱
交換器１７ａ→電磁弁１９ｂ→膨張弁１４ｂ→逆
止弁１６ｂ→空気熱交換器１５ａ及び水熱交換器
４１→四方弁１１→アキユムレータ１３→圧縮機
１２と循環する。

ここで、冷房モードと同様に再加熱ユニツト５
０において放熱作用が行なわれるから、コールド
アイルＡガ解消される。また、室内ユニツト１７
においても放熱作用が行なわれるので、店舗内暖
房が行なわれる。

またこの暖房モードにおいて、水回路４０では
第１図白抜き矢印に示すように、各水熱交換器４
１，４２間で水が循環していることから、冷却回
路３０の排熱がこの水回路４０を介して空調回路
１０に供給される。従つて、この水熱交換器４１
において空調回路１０の吸熱作用が行なわれ、室
外ユニツト１５の吸熱作用と相俟つて空調回路１
０の熱効率が向上する。

春、秋といつた中間期において店舗内空調を行
なうときは、電磁弁１９ａ，１９ｂを閉、電磁弁
１９ｃを開、軸流フアン１５ｂをオフとして圧縮
機１２を駆動し、又、水回路４０の循環ポンプ４
３を駆動する。これにより、圧縮機１２の冷媒
が、第１図に一点鎖線矢印に示すように、空気熱
交換器５１→四方弁１１→バイパス管１８→電磁
弁１９ｃ→膨張弁１４ｂ→逆止弁１６ｂ→空気熱
交換器１５ａ及び水熱交換器４１→四方弁１１→
アキユムレータ１３→圧縮機１２と循環する。

このモードにおいては、暖房モードと同様に水
回路４０にて水等が循環していた め、水熱交換
器４１にて吸熱作用が行なわれ、これにより、オ
ープンシヨーケース２０の冷却回路３０の排熱に
より、再加熱ユニツト５０の放熱作用が行なわれ
る。ここで、この排熱が不足（冷却回路３０の低
運転率）しているときは、軸流フアン１５ｂをオ
ンとなすことにより、この不足を十分に補うこと
ができる。

第３図は他の実施例の要部回路構成図で、空調
回路１０と冷却回路３０との間で熱交換を行なう
冷媒−冷媒熱交換器６０を前記水回路４０の代り
に設けた例を示している。この冷媒−冷媒熱交換
器６０は空調回路１０の空気熱交換器１５ａと並
列で、かつ、冷却回路３１０の圧縮機３１の吐出
側に設置され、各回路１０，３０内を流通する冷
媒間で熱交換するようになつている。

この実施例によれば、冷却回路３０の排熱が冷
媒−冷媒熱交換器６０により空調回路１０に直接
に伝達される。尚、その他の構成・作用は前記実
施例と同様である。

尚、前記実施例では、再加熱ユニツト５０から
コールドアイルＡに向つて温風を吹出す場合につ
いて説明したが、再加熱ユニツト５０のシロツコ
フアン５２を逆回転させ、コールドアイルＡの空
気を逆に吸入して店舗１の天井２側から吹出すよ
うにしても良い。

（考案の効果） 以上説明したように、請求項(1)の考案によれ
ば、再加熱ユニツトの放熱作用をヒートポンプ式
空調回路によつて行なうことができ、オープンシ
ヨーケースの駆動の如何にかかわらず、オープン
シヨーケースの前方に形成されたコールドアイル
を解消することができるという利点を有する。

請求項(2)の考案によれば、オープンシヨーケー
スの冷却回路の排熱が水回路を介してヒートポン
プ式空調回路に供給され、店舗内の暖房能力が向
上するという利点を有する。

請求項(3)によれば、冷却回路の排熱が冷媒−冷
媒熱交換器にてヒートポンプ式空調回路に直接に
伝達され、店舗内の暖房能力が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図は店舗用空調装置の回路構成図、第
２図は店舗内のユニツトの設置状態図、第３図は
他の実施例に係る要部回路構成図である。 図中、１……店舗、１０……空調回路、１１…
…四方弁、１２，３１……圧縮機、１５……室外
ユニツト、１５ａ……空気熱交換器、１７……室
内ユニツト、２０……オープンシヨーケース、３
０……冷却回路、４０……水回路、４１，４２…
…水熱交換器、４３……循環ポンプ、５０……再
加熱ユニツト、５１……空気熱交換器、６０……
冷媒−冷媒熱交換器、Ａ……コールドアイル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 圧縮機から吐出された冷媒を四方弁により室
   内ユニツト或いは室外ユニツトに切換え、店舗
   内の冷暖房を行なうヒートポンプ式空調回路
   と、店舗内に設置されたオープンシヨーケース
   の冷却回路と、該オープンシヨーケースの前面
   下部の冷気を吸入しこれを加熱したり、或いは
   加熱した空気を該オープンシヨーケースの前面
   下部に給送する再加熱ユニツトとを備えた店舗
   用空調装置において、 前記ヒートポンプ式空調回路の前記圧縮機の
   吐出側と前記四方弁との間に前記再加熱ユニツ
   トの熱交換器を接続した ことを特徴とする店舗用空調装置。 (2) ２個の水熱交換器を有しポンプにて各水熱交
   換器間に水又はブラインを循環させる水回路を有
   し、該一方の水熱交換器はヒートポンプ式空調回
   路の室外ユニツトの熱交換器側に接続し、該他方
   の水熱交換器は冷却回路における圧縮機の吐出側
   に接続した ことを特徴とする請求項(1)記載の店舗用空調装
   置。 (3) ヒートポンプ式空調回路における室外ユニツ
   トの熱交換器側と、冷却回路における圧縮機の
   吐出側とを熱的に接触させる冷媒−冷媒熱交換
   器を設けた ことを特徴とする請求項(1)記載の店舗用空調装
   置。