JPH0547342A - イオン注入制御装置 - Google Patents

イオン注入制御装置

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JPH0547342A
JPH0547342A JP3208100A JP20810091A JPH0547342A JP H0547342 A JPH0547342 A JP H0547342A JP 3208100 A JP3208100 A JP 3208100A JP 20810091 A JP20810091 A JP 20810091A JP H0547342 A JPH0547342 A JP H0547342A
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energy
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JP3208100A
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English (en)
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Shinichi Okafuji
晋一 岡藤
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Nissin Electric Co Ltd
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Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 イオン注入制御装置には、登録エネルギーE
1 〜Enで複数の注入条件(イオンビームのビーム電流
およびエネルギー)およびこれに対応する各種制御パラ
メータが登録されている。与えられた注入条件が点G
(EG ,IG )で表される場合、与えられたエネルギー
G よりも低い登録エネルギーEx で登録されている注
入条件の中から、与えられたビーム電流IG にもっとも
近い上下2つの注入条件、点H(ビーム電流IXH)およ
び点J(ビーム電流IXJ)がビーム電流近似用注入条件
として選択され、一次補間によって近似的にビーム電流
制御パラメータの初期値が割り出される。 【効果】 上記の初期値は、常に与えられた注入条件に
対応するビーム電流制御パラメータの最適値に近く、安
定に短時間で装置立上げが行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、与えられた注入条件に
従ってイオン注入装置を制御し、装置立上げをフルオー
トで行うイオン注入制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イオン注入装置は、拡散したい不純物を
イオン化し、この不純物イオンを磁界を用いた質量分析
法により選択的に取り出し、電界により加速してイオン
照射対象物に照射することで、イオン照射対象物内に不
純物を注入するものである。そして、このイオン注入装
置は、半導体プロセスにおいてデバイスの特性を決定す
る不純物を任意の量および深さに制御性良く注入できる
ことから、現在の集積回路の製造に重要な装置になって
いる。
【0003】このイオン注入装置において、イオン注入
量(ドーズ量)は、イオンビームのビーム電流によって
決定され、また、注入深さはイオンビームのエネルギー
によって決定される。
【0004】そして、従来より、マス値、イオンビーム
のビーム電流、エネルギーといった注入条件を入力する
だけで、上記イオン注入装置を制御してフルオートでビ
ーム立上げを行うイオン注入制御装置が用いられてい
る。
【0005】上記イオン注入制御装置51は、図6に示
すように、イオン注入装置55のイオン注入装置本体5
5の動作を制御するイオン注入装置制御部57と接続さ
れ、与えられた注入条件になるように各種注入条件制御
パラメータを自動調整するフルオート制御コントローラ
52と、注入条件およびそれに対応する各種注入条件制
御パラメータを記憶する補助記憶装置53、および補助
記憶装置53への登録を行うCRTキーボード54を備
えている。
【0006】上記フルオート制御コントローラ52は、
補助記憶装置53に登録されている注入条件に対応する
各種注入条件制御パラメータから、注入条件制御パラメ
ータの初期値を割り出すようになっている。
【0007】このため、上記補助記憶装置53には、予
め幾つかの注入条件およびそれに対応する各種注入条件
制御パラメータの最適値を登録しておく必要があり、イ
オン注入制御装置51によるフルオート制御立上げを行
う前に、使用者自らによるビーム立上げが行われ、幾つ
かの注入条件について、それに対応する各種注入条件制
御パラメータの最適値が求められる。そして、注入条件
およびそれに対応する各種注入条件制御パラメータの最
適値が、CRTキーボード54によって補助記憶装置5
3に登録されるのである。
【0008】上記で求められる注入条件制御パラメータ
には、イオンビームのビーム電流を制御するのに大きく
依存するビーム電流制御パラメータと、イオンビームの
エネルギーを制御するのに大きく依存するエネルギー制
御パラメータとがあり、例えば静電スキャン型イオン注
入装置のビーム電流制御パラメータとしては、イオン源
関係のパラメータである「ガス流量」、「アーク電
流」、「ソースマグネット電流」、「オーブン温度」
が、また、同装置のエネルギー制御パラメータとして
は、「加速電圧」、「オフセットポテンションメータ
値」、「スキャン幅ポテンションメータ値」、「Qレン
ズトリムポテンションメータ値」、「Qレンズバランス
ポテンションメータ値」がある。
【0009】ここで、従来における注入条件の登録例を
図7に示す。同図は、例えばボロン等のあるイオン種に
ついての注入条件の登録状態をイオンビームのエネルギ
ーとビーム電流との関係で示したものである。尚、同図
中の曲線Aはイオン注入装置55の限界を表す境界線で
あり、曲線Aよりも上方にあたる注入条件では、イオン
ビームを発生させることはできない。従来では、同図に
示すように、有効範囲内にできるだけ一様に分散するよ
うに登録注入条件が選定されている。
【0010】ここで、上記イオン注入制御装置51によ
るイオン注入装置55の自動立上げ制御を、図8のフロ
ーチャートに基づいて以下に説明する。
【0011】先ず、注入条件(マス値、ビーム電流、エ
ネルギー)が与えられれば(S51)、補助記憶装置5
3に登録されている全注入条件のうち、与えられたビー
ム電流にもっとも近い上下2つのものがビーム電流近似
用注入条件として選び出される(S52)。例えば、与
えられた注入条件のエネルギーおよびビーム電流が、図
7中の点B(EB ,IB )で表されるものであった場
合、与えられたビーム電流IB にもっとも近い上下2つ
のビーム電流近似用注入条件は、点C(ビーム電流
C )および点D(ビーム電流ID )で示されるもので
ある。
【0012】そして、選ばれた2つのビーム電流近似用
注入条件のビーム電流制御パラメータから、一次補間に
よって近似的にビーム電流制御パラメータの初期値が割
り出される(S53)。
【0013】次に、補助記憶装置53に登録されている
全注入条件のうち、与えられたエネルギーEB にもっと
も近い上下2つのもの、即ち、図7において点E(エネ
ルギーEE )および点F(エネルギーEF )で示される
登録注入条件がエネルギー近似用注入条件として選び出
される(S54)。
【0014】そして、選ばれた2つのエネルギー近似用
注入条件のエネルギー制御パラメータから、一次補間に
よって近似的にエネルギー制御パラメータの初期値が割
り出される(S55)。
【0015】この後、フルオート制御コントローラ52
は、イオン注入装置制御部57を制御して、各種注入条
件制御パラメータ(ビーム電流制御パラメータおよびエ
ネルギー制御パラメータ)を初期設定させる(S5
6)。
【0016】そして、イオン注入装置55で発生された
イオンビームが与えられた注入条件と異なっていれば
(S57)、フルオート制御コントローラ52は、イオ
ン注入装置制御部57を制御して、各種注入条件パラメ
ータを初期値から徐々に変化させながら与えられた注入
条件になるように調整する(S58)。このフルオート
制御コントローラ52によるパラメータの調整動作は、
与えられた注入条件に対して最適値になるまで継続され
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成におい
ては、ビーム電流制御パラメータの初期値を求める場合
には、注入条件におけるビーム電流だけに注目し、エネ
ルギー制御パラメータの初期値を求める場合には、注入
条件におけるエネルギーだけに注目するといったよう
に、ビーム電流制御パラメータとエネルギー制御パラメ
ータとが完全に独立して扱われている。
【0018】しかしながら、ビーム電流にもエネルギー
制御パラメータの依存があり、また、エネルギーにもビ
ーム電流制御パラメータの依存がある。特に、イオンビ
ームのエネルギーを制御するのに比べてビーム電流を制
御する方が難しく、ビーム電流の制御時に与えるエネル
ギー制御パラメータの影響は、エネルギーの制御時に与
えるビーム電流制御パラメータの影響に比べてかなり大
きい。このため、上記従来のイオン注入制御装置51の
ように、ビーム電流制御パラメータとエネルギー制御パ
ラメータとを完全に独立して扱った場合、以下に示すよ
うな問題が生じることになる。
【0019】即ち、一様に分散して登録されている注入
条件の中から、ビーム電流だけに注目して一次補間をす
るためのビーム電流近似用注入条件が選ばれるので、図
7に示すように、エネルギー的に低い点Bで示されるビ
ーム電流IBを得るのに、点Bよりもエネルギー的にか
なり高い条件の点Cおよび点Dで示されるビーム電流近
似用注入条件が選ばれることもある。
【0020】このように、目的とするエネルギーとは大
きくかけ離れたエネルギーの注入条件がビーム電流近似
用注入条件として選択された場合、これらから一次補間
によって得られる初期値では、与えられた注入条件のビ
ーム電流を発生させるに際してズレが大き過ぎる。
【0021】尚、同程度のビーム電流のイオンビームを
発生させるにも、発生イオンビームのエネルギーが低い
よりも高い方がより発生させ易い。このため、エネルギ
ー的に低い注入条件のビーム電流制御パラメータを用い
てエネルギー的に高い注入条件のビーム電流を得るのは
比較的容易であっても、逆にエネルギー的に高い注入条
件のビーム電流制御パラメータを用いてエネルギー的に
低い注入条件のビーム電流を得るのはかなり困難であ
る。
【0022】即ち、上記点Cおよび点Dで示されるビー
ム電流近似用注入条件のビーム電流制御パラメータ(そ
のエネルギー条件からして余裕をもって難無くビーム電
流IC およびビーム電流ID が得られている)から一次
補間によって得られる初期値では、与えられた注入条件
のビーム電流(ビーム電流IB )を発生させるに際して
ズレが大きいと共に、この初期値を与えられた注入条件
に対して最適値に調整するのも困難であるため、調整に
大変時間がかかってしまう。
【0023】特に、与えられた注入条件がイオン注入装
置55の限界に近い(曲線A付近)場合、ビーム電流を
目的の値に調整するのは最も困難であり、このような場
合、ビーム電流制御パラメータの初期値が上記のように
大きくズレていれば、与えられた注入条件のビーム電流
に調整しきれないといった事態にも成り兼ねない。
【0024】本発明は上記に鑑みなされたものであり、
その目的は、安定に短時間で装置立上げを行うことがで
きるイオン注入制御装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン注入制御
装置は、上記の課題を解決するために、注入条件である
イオンビームのビーム電流およびエネルギーと、この注
入条件に対応するビーム電流制御パラメータの最適値と
が登録されている登録手段と、上記登録手段に登録され
ている複数の注入条件の中から、与えられた注入条件に
基づいて近似用注入条件を選択し、この近似用注入条件
のビーム電流制御パラメータの最適値から、近似的にビ
ーム電流制御パラメータの初期値を割り出し、イオン注
入装置を制御して初期設定を行わせる制御パラメータ初
期設定手段とを備え、イオン注入装置の自動立上げを行
うイオン注入制御装置において、以下の手段を講じてい
る。
【0026】即ち、上記登録手段に登録されている注入
条件は、注入条件におけるイオンビームのエネルギーを
複数の領域に区分化して成る各区分領域の境界のエネル
ギーを登録エネルギーとして、上記登録エネルギーで登
録されたものであり、上記制御パラメータ初期設定手段
は、与えられた注入条件のエネルギーより低く、且つ与
えられた注入条件のエネルギーに最も近い登録エネルギ
ーで登録されている注入条件の中から、近似用注入条件
を選択する。
【0027】
【作用】上記の構成によれば、登録手段には複数の注入
条件、およびこれに対応するビーム電流制御パラメータ
の最適値が登録されている。ここで、上記登録手段に登
録されている注入条件は、注入条件におけるイオンビー
ムのエネルギーを複数の領域に区分化して成る各区分領
域の境界のエネルギーを登録エネルギーとして、上記登
録エネルギーで登録されたものであり、各登録エネルギ
ーについてビーム電流の異なる複数の注入条件が登録さ
れている。
【0028】そして、制御パラメータ初期設定手段は、
上記登録手段に登録されている複数の注入条件の中か
ら、与えられた注入条件に基づいて近似用注入条件を選
択する。この場合、制御パラメータ初期設定手段は、与
えられた注入条件のエネルギーより低く、且つ与えられ
た注入条件のエネルギーに最も近い登録エネルギーで登
録されている注入条件の中から、近似用注入条件を選択
するようになっている。
【0029】さらに、制御パラメータ初期設定手段は、
この近似用注入条件のビーム電流制御パラメータの最適
値から、近似的にビーム電流制御パラメータの初期値を
割り出し、イオン注入装置を制御して初期設定を行わせ
る。
【0030】上記のように、登録手段に登録されている
注入条件にはエネルギー区分が設けられており、与えら
れた注入条件のエネルギーよりも低く、且つ与えられた
注入条件のエネルギーに近い登録注入条件が近似用注入
条件として選択され、このようにして得られた近似用注
入条件のビーム電流制御パラメータの最適値から、近似
的にビーム電流制御パラメータの初期値が割り出される
ので、割り出されるビーム電流制御パラメータの初期値
は、常に与えられた注入条件に対応するビーム電流制御
パラメータの最適値に近い値であり、ほんの微調整で与
えられた注入条件に対して最適値になるように調節する
ことができ、安定した装置立上げが行える。
【0031】また、上記のように、ビーム電流制御パラ
メータの初期値は、与えられた注入条件よりもエネルギ
ー的に低い登録注入条件のビーム電流制御パラメータか
ら近似されているので、この初期値を用いれば、ビーム
電流制御パラメータを短時間で与えられた注入条件に対
して最適値になるように調整することができる(エネル
ギー的に低い注入条件のビーム電流制御パラメータを用
いてエネルギー的に高い注入条件のビーム電流を得るの
は容易である)。
【0032】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図5に
基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0033】本実施例の静電スキャン型イオン注入装置
は、図5に示すように、注入元素をイオン化し、イオン
ビームとして引き出すイオン源部21と、所定の注入イ
オンのみを選別して取り出す質量分離部22、イオンビ
ームを輸送する中で必要によりイオンビームを加速し、
ビーム形状を成形、集束、走査する機能を包含するビー
ムライン部23、イオン照射対象物としてのウエハ1を
セットし注入処理を行うエンドステーション部24を備
えているイオン注入装置本体6と、イオン注入装置本体
6の動作を制御するイオン注入装置制御部7(図2参
照)とから構成されている。
【0034】上記イオン源部21には、イオン源物質ガ
ス(例えばBF3 等)を供給するガスボックス25、注
入元素をイオン化するイオン源20、およびイオンビー
ムを引出すための引出し電源26が備えられている。ま
た、イオン源部21の内部は、イオン源部真空ポンプ2
7により真空状態に保たれている。上記イオン源20
は、例えば固体オーブンを備えている熱陰極PIG型で
あり、それぞれ図示しないフィラメント、アーク電極、
およびソースマグネットを有し、アークチャンバ内にお
いてフィラメントからの熱電子放出をトリガとしてアー
ク放電を行うことによりプラズマを作り、引出し電源2
6より電圧が印加された図示しないイオン引出し電極か
らイオンビームを引出すようになっている。尚、イオン
源物質としては、ガスだけでなく固体(As等)の使用
も可能であり、固体を使用する場合、固体のイオン源物
質を固体オーブンで蒸発させてアークチャンバに導くと
共に、ガスボックス25からキャリアガス(Ar等)を
アークチャンバに導き、固体イオン源物質をイオン化す
るようになっている。
【0035】上記質量分離部22には、図示しない質量
分析マグネットが備えられている。
【0036】この質量分析マグネットは、イオン源部2
1から引出されたイオンビームの中から必要なイオンを
選択すると共に、磁気収束作用を利用してイオンビーム
を分析スリット28に絞り込んでビームライン部23へ
導くようになっている。
【0037】上記ビームライン部23には、イオンビー
ムを加速する加速管29、イオンビームを集束させるQ
レンズ30・30・30、イオンビームをX方向(水平
方向であり、紙面に対して垂直な方向)に走査する1対
のX走査電極31、およびイオンビームをY方向(垂直
方向であり、紙面に対して平行な方向)に走査する1対
のY走査電極32が備えられている。また、ビームライ
ン部23の内部は、ビームライン部真空ポンプ33によ
り真空状態に保たれている。
【0038】質量分離部22の分析スリット28から出
たイオンビームは、一定の加速電圧が印加される加速管
29によって加速された後、Qレンズ30・30・30
によって集束され、さらに、X走査電極31およびY走
査電極32に走査されて、エンドステーション部真空ポ
ンプ34により真空排気されたエンドステーション部2
4内のウエハ35の全面に照射される。
【0039】上記イオン注入装置制御部7は、各種注入
条件制御パラメータ、即ち、イオンビームのビーム電流
を制御するのに大きく依存するビーム電流制御パラメー
タである「ガス流量」、「アーク電流」、「ソースマグ
ネット電流」、「オーブン温度」、およびイオンビーム
のエネルギーを制御するのに大きく依存するエネルギー
制御パラメータである「加速電圧」、「オフセットポテ
ンションメータ値」、「スキャン幅ポテンションメータ
値」、「Qレンズトリムポテンションメータ値」、「Q
レンズバランスポテンションメータ値」を設定して上記
イオン注入装置本体6の各構成部の動作を制御する。
【0040】本実施例に係るイオン注入制御装置1は、
図2に示すように、上記イオン注入装置制御部7と接続
され、与えられた注入条件(ビーム電流、エネルギー)
になるように各種注入条件制御パラメータを自動調整す
るフルオート制御コントローラ2と、注入条件およびそ
れに対応する各種注入条件制御パラメータを記憶する補
助記憶装置3、および補助記憶装置3への登録を行うC
RTキーボード4を備えており、図示しない入力手段に
よりマス値、イオンビームのビーム電流、エネルギーと
いった注入条件が与えられれば、イオン注入装置5を制
御して後述のようにフルオートで装置立上げを行うよう
になっている。
【0041】制御パラメータ初期設定手段としての上記
フルオート制御コントローラ2は、補助記憶装置3に登
録されている注入条件に対応する各種注入条件制御パラ
メータから、注入条件制御パラメータの初期値を割り出
すようになっており、上記補助記憶装置3には、予め幾
つかの注入条件およびそれに対応する各種注入条件制御
パラメータの最適値が登録されている。即ち、イオン注
入制御装置1によるフルオート制御立上げを行う前に、
使用者自らによる装置立上げが行われ、幾つかの注入条
件について、それに対応する各種注入条件制御パラメー
タの最適値が求められ、これらがCRTキーボード4に
よって補助記憶装置3に登録される。尚、上記補助記憶
装置3およびCRTキーボード4によって登録手段が構
成されている。
【0042】本実施例における注入条件の登録例を図1
に示す。同図は、例えばボロン等のあるイオン種につい
ての注入条件の登録状況をイオンビームのエネルギーと
ビーム電流との関係で示したものである。尚、同図中の
曲線Aはイオン注入装置5の限界を表す境界線である。
【0043】本実施例では、同図に示すように、エネル
ギーを(n+1)の領域に区分化し、各区分領域の境界
エネルギー(エネルギーの低い方からE1 〜En )を登
録エネルギーとし、各登録エネルギーについて、種々の
ビーム電流を求め、これらの注入条件およびそれに対応
する各種注入条件制御パラメータの最適値が補助記憶装
置3に登録されている。即ち、登録される注入条件のエ
ネルギーはE1 〜En の何れかである。尚、登録される
注入条件のうち、各エネルギー(E1 〜En )において
最も大きなビーム電流は、できるだけイオン注入装置5
の限界に近い(曲線A付近)条件のものが選ばれてい
る。
【0044】上記イオン注入制御装置1によるイオン注
入装置5の自動立上げ制御を、図3のフローチャートに
基づいて以下に説明する。
【0045】先ず、注入条件(マス値、ビーム電流、エ
ネルギー)が与えられたとき(S1)、フルオート制御
コントローラ2は、与えられた注入条件のエネルギーよ
りも低い登録エネルギーの中で、与えられた注入条件の
エネルギーに最も近い登録エネルギーを選択する(S
2)。そして、フルオート制御コントローラ2は、選択
した登録エネルギーで登録されている注入条件の中か
ら、与えられた注入条件のビーム電流にもっとも近い上
下2つのビーム電流近似用注入条件(近似用注入条件)
を選び出す(S3)。
【0046】例えば、与えられた注入条件が点G
(EG ,IG )で表され、エネルギーEG がEx ≦EG
<Ey (y=x+1)の領域にある場合、フルオート制
御コントローラ2は、与えられたエネルギーEG よりも
低い登録エネルギーEx で登録されている注入条件の中
から、与えられたビーム電流IG にもっとも近い上下2
つの注入条件、点H(ビーム電流IXH)および点J(ビ
ーム電流IXJ)をビーム電流近似用注入条件として選択
する。
【0047】そして、フルオート制御コントローラ2
は、選ばれた2つのビーム電流近似用注入条件(点Hお
よび点Jで表される)のビーム電流制御パラメータか
ら、一次補間によって近似的にビーム電流制御パラメー
タの初期値を割り出す(S4)。
【0048】次に、フルオート制御コントローラ2は、
登録エネルギーExおよび登録エネルギーEy (y=x
+1)で登録されている各登録注入条件の中から、与え
られたビーム電流IG に最も近い注入条件である点Hと
点Kとをエネルギー近似用注入条件として選択する(S
5)。尚、エネルギー制御パラメータは比較的調整し易
いので、登録エネルギーEx (Ey )で登録されている
登録注入条件の中から、点H(点K)以外の登録注入条
件が選択されても支障はない。
【0049】そして、フルオート制御コントローラ2
は、選ばれた2つのエネルギー近似用登録注入条件(点
Hおよび点Kで表される)のエネルギー制御パラメータ
から、一次補間によってエネルギー制御パラメータの初
期値を割り出す(S6)。
【0050】この後、フルオート制御コントローラ2
は、イオン注入装置制御部7を制御して、各種注入条件
制御パラメータ(ビーム電流制御パラメータおよびエネ
ルギー制御パラメータ)を初期設定させる(S7)。
【0051】そして、フルオート制御コントローラ2
は、イオン注入装置制御部7から得られるイオンビーム
のビーム電流およびエネルギー、オーバースキャン量等
の情報から、与えられた注入条件のイオンビームになっ
ているかどうかを判断する(S8)。そして、フルオー
ト制御コントローラ2は、与えられた注入条件のイオン
ビームになっていなければ、イオン注入装置制御部7か
ら得られるイオンビームのビーム電流およびエネルギ
ー、オーバースキャン量等の情報に基づいてイオン注入
装置制御部7を制御して、各種注入条件制御パラメータ
を初期値から徐々に変化させながら、与えられた注入条
件(点Gで表される)になるように微調整する(S
9)。このフルオート制御コントローラ2による各種注
入条件制御パラメータの調整動作は、与えられた注入条
件に対して最適値になるまで継続される。
【0052】上記のように、補助記憶装置3に登録され
ている注入条件にはエネルギー区分が設けられており、
フルオート制御コントローラ2によって選択されるビー
ム電流近似用注入条件は、与えられた注入条件のエネル
ギーよりも低く、且つ与えられた注入条件のエネルギー
に近いものである。そして、フルオート制御コントロー
ラ2によって割り出されるビーム電流制御パラメータの
初期値は、上記ビーム電流近似用注入条件のビーム電流
制御パラメータの最適値から、一次補間により近似的に
求められるので、常に与えられた注入条件に対応するビ
ーム電流制御パラメータの最適値に近い値であり、ほん
の微調整で与えられた注入条件に対して最適値になるよ
うに調整することができ、安定した装置立上げが行え
る。このため、本実施例のイオン注入制御装置1では、
従来のように与えられた注入条件のビーム電流に調整し
きれないような事態になることはない。
【0053】また、上記のように、ビーム電流制御パラ
メータの初期値は、与えられた注入条件よりもエネルギ
ー的に低い登録注入条件のビーム電流制御パラメータか
ら近似されている。このため、本実施例のイオン注入制
御装置1では、ビーム電流制御パラメータの初期値を短
時間で与えられた注入条件に対して最適値になるように
調整することができる(即ち、装置立上げが短時間で行
える)。これは、エネルギー的に低い注入条件のビーム
電流制御パラメータを用いてエネルギー的に高い注入条
件のビーム電流を得るのは容易であるという事実から明
白である。
【0054】尚、例えば図4に示すように、与えられた
注入条件が点M(EM ,IM )で表され、そのエネルギ
ーEM がEx ≦EM <Ey (y=x+1)の領域にあ
り、且つ、そのビーム電流IM が、登録エネルギーEM
で登録されている注入条件の中で最もビーム電流が大き
い点Lのビーム電流IxLよりもさらに大きい場合(即
ち、IxL<IM )、フルオート制御コントローラ2は、
点L(ビーム電流IXL)および点N(ビーム電流IyN
で表される注入条件をビーム電流近似用注入条件として
選択するようになっている。尚、上記の点Nは、登録エ
ネルギーEy で登録されている注入条件の中で、そのビ
ーム電流がビーム電流IM よりも大きく、且つ最も近い
ものである。
【0055】この場合、ビーム電流近似用注入条件とし
て選択されるうちの一方が、与えられた注入条件よりも
エネルギー的に高いものの、エネルギーの大きさには大
きな差はなく、他方は与えられた注入条件よりもエネル
ギー的に低いため、やはり従来よりも安定に短時間で装
置立上げを行える。
【0056】
【発明の効果】本発明のイオン注入制御装置は、以上の
ように、登録手段に登録されている注入条件は、注入条
件におけるイオンビームのエネルギーを複数の領域に区
分化して成る各区分領域の境界のエネルギーを登録エネ
ルギーとして、上記登録エネルギーで登録されたもので
あり、制御パラメータ初期設定手段は、与えられた注入
条件のエネルギーより低く、且つ与えられた注入条件の
エネルギーに最も近い登録エネルギーで登録されている
注入条件の中から、近似用注入条件を選択する構成であ
る。
【0057】それゆえ、与えられた注入条件のエネルギ
ーよりも低く、且つ与えられた注入条件のエネルギーに
近い登録注入条件が近似用注入条件として選択され、こ
のようにして得られた近似用注入条件のビーム電流制御
パラメータの最適値から、近似的にビーム電流制御パラ
メータの初期値が割り出されるので、割り出されるビー
ム電流制御パラメータの初期値は、常に与えられた注入
条件に対応するビーム電流制御パラメータの最適値に近
く、ほんの微調整で与えられた注入条件に対して最適値
になるように調節することができる。さらに、ビーム電
流制御パラメータの初期値は、与えられた注入条件より
もエネルギー的に低い登録注入条件のビーム電流制御パ
ラメータから近似されているので、ビーム電流制御パラ
メータを迅速に与えられた注入条件に対して最適値にな
るように調整することができ、安定に短時間で装置立上
げが行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すものであり、イオン注
入制御装置の補助記憶装置に登録されている注入条件の
登録状態をイオンビームのエネルギーとビーム電流との
関係で示した説明図である。
【図2】上記イオン注入制御装置の要部の構成図を示す
ブロック図である。
【図3】上記イオン注入制御装置の動作を示すフローチ
ャートである。
【図4】上記イオン注入制御装置の補助記憶装置に登録
されている注入条件の登録状態をイオンビームのエネル
ギーとビーム電流との関係で示した説明図である。
【図5】静電スキャン型イオン注入装置本体の構成の一
例を示す概略の説明図である。
【図6】従来例を示すものであり、イオン注入制御装置
の要部の構成図を示すブロック図である。
【図7】上記イオン注入制御装置の補助記憶装置に登録
されている注入条件の登録状態をイオンビームのエネル
ギーとビーム電流との関係で示した説明図である。
【図8】上記イオン注入制御装置の動作を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 イオン注入制御装置 2 フルオート制御コントローラ(制御パラメータ初
期設定手段) 3 補助記憶装置(登録手段) 4 CRTキーボード(登録手段) 5 イオン注入装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】注入条件であるイオンビームのビーム電流
    およびエネルギーと、この注入条件に対応するビーム電
    流制御パラメータの最適値とが登録されている登録手段
    と、 上記登録手段に登録されている複数の注入条件の中か
    ら、与えられた注入条件に基づいて近似用注入条件を選
    択し、この近似用注入条件のビーム電流制御パラメータ
    の最適値から、近似的にビーム電流制御パラメータの初
    期値を割り出し、イオン注入装置を制御して初期設定を
    行わせる制御パラメータ初期設定手段とを備え、イオン
    注入装置の自動立上げを行うイオン注入制御装置におい
    て、 上記登録手段に登録されている注入条件は、注入条件に
    おけるイオンビームのエネルギーを複数の領域に区分化
    して成る各区分領域の境界のエネルギーを登録エネルギ
    ーとして、上記登録エネルギーで登録されたものであ
    り、上記制御パラメータ初期設定手段は、与えられた注
    入条件のエネルギーより低く、且つ与えられた注入条件
    のエネルギーに最も近い登録エネルギーで登録手段に登
    録されている注入条件の中から、近似用注入条件を選択
    することを特徴とするイオン注入制御装置。
JP3208100A 1991-08-20 1991-08-20 イオン注入制御装置 Pending JPH0547342A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995018462A1 (fr) * 1993-12-28 1995-07-06 Nippon Steel Corporation Procede et dispositif de fabrication d'un substrat a semi-conducteurs
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