JPH0547193Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、車体上に、先端に作業台を取り付
けたブームを旋回台を介して配設し、ブーム関連
動作を、当該ブームの基端部又は旋回台に配設さ
れ高圧油路を介して油圧ポンプから圧油を供給さ
れる下部油圧制御弁群と、ブームの先端部又は作
業台に配設され前記下部油圧制御弁群の中立時に
連通するキヤリオーバ油路を経て前記油圧ポンプ
から圧油を供給される上部油圧制御弁群の双方に
よつて行うようにした高所作業車の安全装置に関
する。

（従来の技術） 従来の高所作業車の安全装置について、第２
図、第３図に基いて説明する。第２図は、高所作
業車の説明図であつて、車体１上に、先端に作業
台２を取り付けたブーム３を旋回台４を介して配
設している。車体１と旋回台４間には旋回モータ
５（第２図には図示しない）が配置され車体１に
対して旋回台４を旋回自在としており、旋回台４
とブーム３の適所間には起伏シリンダ６が配置さ
れ旋回台４に対してブーム３を起伏自在としてい
る。またブーム３は多段ブームで構成しその内部
に伸縮シリンダ７（第２図には図示しない）を配
置して伸縮自在としている。このようにブーム関
連動作を各油圧アクチユエータを駆動することに
より行えるようにしている。

次に第３図に図示するように、前記各油圧アク
チユエータは、ブーム３の基端部又は旋回台４に
配設された高圧油路８を介して油圧ポンプ９から
圧油を供給される下部油圧制御弁群１０と、ブー
ム３の先端部又は作業台２に配設され前記下部油
圧制御弁群１０の中立時に連通するキヤリオーバ
油路１１を経て前記油圧ポンプ９から圧油を供給
される上部油圧制御弁群１２の双方より圧油が供
給され、双方より操作できるようにしている。そ
して前記下部油圧制御弁群１０の前段の高圧油路
８に緊急停止用アンロード弁１３を設け、この弁
を前記上部油圧制御弁群１２の近傍に配置した上
部緊急停止スイツチ１４または下部油圧制御弁群
１０の近傍に配置した下部緊急停止スイツチ１５
の操作によつて、ブーム関連動作中に異常事態が
発生したときに、ブーム関連動作を停止するよう
にしている。また作業台２上の上部油圧制御弁群
１２の操作レバー或は操作スイツチに作業者が不
用意に接触してブーム関連動作が生じることを防
止する為に作業台２内に作業用スイツチ１６（こ
のスイツチは常にスイツチを操作する人が作動さ
せる状態にしておかないとON状態にならず、常
時はOFFとするスイツチでいわば自動復帰型の
スイツチ、例えばフートペタルを設けこのフート
ペタルを踏み込むことにより作動し踏み込まない
と作動しないフートスイツチがある。以下このフ
ートスイツチで説明する。）を前記緊急停止スイ
ツチ１４，１５と直列に配線し、このフートスイ
ツチ１６が作動しない状態では前記アンロード弁
１３が作動するようにしている。すなわち緊急停
止用のアンロード弁１３を、フートスイツチ１６
に連動するアンロード弁に兼用しているものであ
る。この場合、前記緊急停止スイツチ１４，１５
の操作時および作業台２内のフートペタルを踏み
込まない状態時に前記アンロード弁１３がアンロ
ードするよう構成しなければならない関係上、作
業台２に作業者が乗つていない場合（すなわちこ
の場合にはフートペタルを踏み込むことができな
い。）に、下部油圧制御弁群１０を操作してブー
ム関連動作を行うことができないという問題があ
り、この問題を解決するため、上記フートペタル
を踏み込むことにより作動する前記フートスイツ
チ１６と同機構（自動復帰型）の手動操作式押釦
スイツチ１７をフートスイツチ１６と並列に配線
して下部油圧制御弁群１０の近傍に設けていた。

（本考案が解決しようとする問題点） しかしながらこのような構成にあつては、下部
油圧制御弁群１０によりブーム３を駆動しようと
すると、片手で前記押釦スイツチ１７を押しなが
ら下部油圧制御弁群１０を切換え操作するため、
例えばブーム３の起伏動と旋回動の同時操作がで
きないという問題点があつた。

本考案は、作業用スイツチ１６（フートスイツ
チ）による制御が必要なものは、上部油圧制御弁
群１２による（作業台２上から操作する）ブーム
関連動作のみであることに着目して、作業用スイ
ツチ１６（フートスイツチ）に連動するアンロー
ド弁を前記緊急停止用アンロード弁とは別に上部
油圧制御弁群１２に至る前記キヤリオーバ油路１
１に配設して構成することにより上記従来技術の
欠点を解決したものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案の高所作業者の安全装置は、 車体上に、先端に作業台を取り付けたブームを
旋回台を介して配設し、ブーム関連動作を、当該
ブームの基端部又は旋回台に配設され高圧油路を
介して油圧ポンプから圧油を供給される下部油圧
制御弁群と、ブームの先端部又は作業台に配設さ
れ前記下部油圧制御弁群の中立時に連通するキヤ
リオーバ油路を経て前記油圧ポンプから圧油を供
給される上部油圧制御弁群の双方によつて行うよ
うにした高所作業車において、 前記下部油圧制御弁群の前段の高圧油路に緊急
停止用アンロード弁を設け、この緊急停止用アン
ロード弁を、前記上部油圧制御弁群の近傍に設け
た緊急停止用スイツチの操作時にアンロードする
ように当該緊急停止用スイツチと関連接続すると
共に、上部油圧制御弁群に至る前記キヤリオーバ
油路に、作業台上の適所位置に配設した作業用ス
イツチの操作時に非アンロード状態となり非操作
時にアンロード状態となる作業用スイツチ連動ア
ンロード弁を設けたことを特徴とするものであ
る。

（作用） 作業用スイツチに連動したアンロード弁を上部
油圧制御弁群に至る前記キヤリオーバ油路に配設
してあるから、前記作業用スイツチに連動したア
ンロード弁がアンロード状態となつても、その前
段に配設された下部油圧制御弁群は影響を受けず
ブーム関連動作を行うことができるようにしたも
のである。したがつて作業台に作業者が乗つてい
ない場合に押釦スイツチを押しながら下部油圧制
御弁群を制御する必要はなく、同時操作も容易に
行えるものである。

（実施例） 以下本考案の高所作業車の安全装置の実施例に
ついて第１図に基いて説明する。第１図におい
て、符号５〜１５については第３図に従来技術で
説明したものと同じであるので説明を略する。ま
た高所作業車の説明を第２図に符号１〜４，６を
用いて説明したが、前記符号のものと同一のもの
を以下の説明にも用い同符号を用いる。

第１図において、１９は、作業用スイツチであ
つて、作業台２の床上に配置したフートペタルに
組込まれており、フートペタルを踏み込まない時
にOFF、フートペタルを踏み込んだ時にONとな
るフートスイツチよりなつている。１８は、ソレ
ノイド式のアンロード弁であつて、上部油圧制御
弁群１２に至る前記キヤリオーバ油路１１に配設
している。前記フートスイツチ１９は一方を電源
に、他方をアンロード弁１８に接続されており、
前記フートスイツチ１９がONとなつた時にアン
ロード弁１８は非アンロード状態となり、前記フ
ートスイツチ１９がOFFとなつた時にアンロー
ド状態となるように作動する。緊急停止用アンロ
ード弁１３は、ソレノイド式アンロード弁であつ
て、直列に接続した上部緊急停止スイツチ１４と
下部緊急停止スイツチ１５を介して電源に接続さ
れている。上部緊急停止スイツチ１４と下部緊急
停止スイツチ１５は常時ONのスイツチであり、
常時は緊急停止用アンロード弁１３は非アンロー
ド状態となるようにしているが、上部緊急停止ス
イツチ１４または下部緊急停止スイツチ１５を操
作してどちらかのスイツチをOFFとした時緊急
停止用アンロード弁１３がアンロードし上部油圧
制御弁群１２もしくは下部油圧制御弁群１０を操
作しても、ブーム関連動作ができないようにして
いる。

このように構成された高所作業車の安全装置
は、次の様に作用するものである。いま作業台２
上に作業者が乗つてブーム関連動作を行う場合
は、作業者がフートペタルを踏み込みアンロード
弁１８を非アンロード状態とし、上部油圧制御弁
群１２を操作してブーム関連動作を行う。この時
にフートペタルを踏み込まずに上部油圧制御弁群
１２を操作してもアンロード弁１８がアンロード
状態となりブーム関連動作はできない。したがつ
て作業台２上でブーム関連動作を行う場合は、か
ならずフートペタルを踏み込み上部油圧制御弁群
１２を操作しなければならないので、作業台２上
の上部油圧制御弁群１２の操作レバー或は操作ス
イツチに作業者が不用意に接触してブーム関連動
作が生じることはない。

またブーム関連動作中に異常事態が発生した時
には、作業台２に乗つている作業者が上部緊急停
止スイツチ１４を操作するか、下部油圧制御弁群
１０の近傍に位置している作業者が下部緊急停止
スイツチ１５を操作し、緊急停止用アンロード弁
１３をアンロード状態としてブーム関連動作を不
能にするものである。

次に作業台２上に作業者が乗つていない時に、
下部油圧制御弁群１０を操作してブーム関連動作
を行う場合は、作業台２上に作業者が乗つておら
ずフートペタルを踏み込めないので、アンロード
弁１８はアンロード状態となつている。しかしな
がらアンロード弁１８は上部油圧制御弁群１２に
至る前記キヤリオーバ油路１１に配設しているの
で、アンロード弁１８の影響を受けないで下部油
圧制御弁群１０によりブーム関連動作を行える。

なお上記実施例では作業用スイツチ１９をフー
トペタルに組込まれたフートスイツチとしたが、
上部油圧制御弁群１２の各操作レバーの把持部に
常時OFFのスイツチを配置し、これらの各スイ
ツチを並列接続してその両端に、電源と前記アン
ロード弁１８を接続しておき、この操作レバーを
操作してブーム関連動作を行うときには、操作レ
バーの把持部に配置した前記スイツチとともに作
動させなければブーム関連動作を行えないように
してもよい。

さらに上記実施例では第１図に図示するよう
に、上部油圧制御弁群１２はマニアル式の油圧制
御弁で構成したが、マニアル式の油圧制御弁にか
わつて電磁比例制御弁群で構成し、この電磁比例
制御弁群に至る前記キヤリオーバ油路１１に同様
アンロード弁１８を配置することも可能である。
このように電磁比例制御弁群を配置する時は、電
磁比例制御弁に操作量の信号を伝える信号回路を
切断すると電磁比例制御弁はその内部に配置した
スプリングにより中立位置となることから、前記
信号回路に前記作業用スイツチを直列に接続する
ようにするのが一般的である。こうすることによ
り前記アンロード弁１８を用いないで構成するこ
とができる。この場合前記作業用スイツチは、電
磁比例制御弁に操作量の信号を送る信号発生用操
作レバーの把持部に常時OFFのスイツチとして
配置し、前記信号発生回路に直列に接続しておけ
ばよい。そして電磁比例制御弁群の各電磁比例制
御弁の各信号回路にこれに対応する各操作レバー
の把持部に配置した前記スイツチを同様に直列に
接続しておけばよい。

（考案の効果） 本考案は、以上の如く構成し作用するものであ
るから、作業台に作業者が乗つていない場合に従
来技術の如く押釦スイツチを押しながら下部油圧
制御弁群を操作する必要はなく、同時操作も容易
に行えるものでその効果大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る高所作業車の安全装置
の説明図、第２図は、高所作業車の説明図、第３
図は、従来の高所作業車の安全装置の説明図であ
る。 １……車体、２……作業台、３……ブーム、４
……旋回台、８……高圧油路、９……油圧ポン
プ、１０……下部油圧制御弁群、１１……キヤリ
オーバ油路、１２……上部油圧制御弁群、１３…
…緊急停止用アンロード弁、１４……緊急停止用
スイツチ、１９……作業用スイツチ、１８……作
業用スイツチ連動アンロード弁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体上に、先端に作業台を取り付けたブームを
   旋回台を介して配設し、ブーム関連動作を、当該
   ブームの基端部又は旋回台に配設され高圧油路を
   介して油圧ポンプから圧油を供給される下部油圧
   制御弁群と、ブームの先端部又は作業台に配設さ
   れ前記下部油圧制御弁群の中立時に連通するキヤ
   リオーバ油路を経て前記油圧ポンプから圧油を供
   給される上部油圧制御弁群の双方によつて行うよ
   うにした高所作業車において、 前記下部油圧制御弁群の前段の高圧油路に緊急
   停止用アンロード弁を設け、この緊急停止用アン
   ロード弁を、前記上部油圧制御弁群の近傍に設け
   た緊急停止用スイツチの操作時にアンロードする
   ように当該緊急停止用スイツチと関連接続すると
   共に、上部油圧制御弁群に至る前記キヤリオーバ
   油路に、作業台上の適所位置に配置した作業用ス
   イツチの操作時に非アンロード状態となり非操作
   時にアンロード状態となる作業用スイツチ連動ア
   ンロード弁を設けたことを特徴とする高所作業車
   の安全装置。