JPH0545270B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野） 本発明ほ糸巻きゴルフボールの改良に関するも
のである。 （従来の技術） 芯に糸を巻いて製造する糸巻きゴルフボールの
芯の大きさは大体１インチ〜約１ 1/8インチ
（2.54cm〜2.86cm）の範囲内にあり、典型的な大
きさは１ 1/16インチ（2.70cm）である。この芯
の大きさが大きくなるとゴルフボールの回転速度
が遅くなり、これに相応じてボールの軌道の高さ
も低くなるということが最近発見された。ゴルフ
アーの中にはこのようにボールの軌道の高さが低
くなることを好ましいと考える人もいる。 ゴルフボールの芯のまわりに巻かれる糸は通
常、不必要な糸の破損を起こさないようにしてで
きるだけ強く伸ばされた状態になつている。この
ようにするのは、弾性を有する帯状体（糸）をか
たく巻くほどボールがよく弾むようになるからで
ある。このように糸を強く伸ばした状態で巻くこ
とによつて従来、ボールのコンプレツシヨンが比
較的高くなり、初速が比較的速くなるという２つ
の利点を得てきた。 ゴルフボールの芯のまわりに巻く糸はもちろん
完全ではない。ふくれ、不純物、その他の欠陥に
よる欠点をしばしば含んでいることが知られてい
る。このため、糸巻きゴルフボールの製造業者
は、糸を極限（極限伸び）まで張ろうとはしな
い。大抵の製造業者は糸を伸ばすのを極限伸びよ
り３〜４％低いところまでにとどめているが、特
製品を作る時以外は普通極限伸びの85％以下に伸
ばしたものは使わない。 （発明が解決しようとする課題） 極限伸びよりも少ない張力で伸ばされた糸を巻
いて作つても、時々糸が切れることがある。この
ように糸が切れることが、糸を芯に巻いている間
に発生した場合はもう１度はじめから糸を巻き始
めさえすればよいが、ゴルフコース上でクラブで
ボールを打つた時に発生した場合は十分有害な結
果をもたらすものとなる。糸が切れたボールは、
ボールの速度が実質的に遅くなることもあるし、
ボールが真円でなくなつてしまう例もある。この
ような例はごく少ないものであつても製造業者の
評判に悪い影響を与える。 本出願人は、このような問題は大抵の場合、ゴ
ルフボールの芯に最も近い部分の糸がインパクト
の瞬間切れてしまうために起こるということを発
見した。被覆カバー付近の糸は、被覆カバーを成
形する工程で糸と糸の〓間に被覆カバーの材料が
流れ込んでいるために、切れてもほぐれることは
ない。被覆カバーと芯付近の部分の間の糸に関し
ては、切れてもその上下にある糸がその切れた糸
の端を決まつた場所にロツクしてしまう働きをす
るために、糸が着れてもそうひどいものでなけれ
ば有害とはならない。しかしゴルフボールの芯に
隣接する部分においては、糸が切れることによつ
て重大な問題が発生する。その中で最悪の例は、
芯の隣接する糸が切れ、切れたために今までかけ
られていた張力が緩和し、切れた糸が収縮する時
にまさにナイフのような作用をし、液体の芯を含
む中空球の薄い球面を切り裂いてしまつたもので
ある。このような状態になつたゴルフボールは、
もうその構造を保全できなくなり、これ以上プレ
ーには使えない。また、もしゴルフアーがボール
を打つた瞬間にこのようなことが起きると、ボー
ルがクラブの面を離れてから本来飛ぶ軌道から相
当ずれ、非常に短いシヨツトとなつてしまう。こ
の様な事態は両方とも非常に好ましくないもので
ある。 固体のゴルフボールの芯を使用した場合にも、
それほどひどくはないがやはり問題がある。固体
の芯は実際弾性材料でできており、強く伸ばされ
た糸が巻かれたものの硬さと比べて比較的柔かい
ので芯の付近の部分で糸が切れるとこの糸が収縮
し、ボールのコンプレツシヨンおよび初速が低下
する。 （課題を解決するための手段） 本出願人はこのような問題の原因を発見したの
に加え、さらにその解決方法も発見した。本出願
人が発見した解決方法は、ゴルフボールに糸を巻
く巻き始めの段階、即ち芯の付近の部分の糸を巻
く間は糸に加える張力を実質的に減少させるとい
うものである。 （作用および効果） 張力を減少させたために、糸の中にある欠点に
より糸が切れる可能性は低くなる。さらに、糸が
切れた場合にも糸が収縮する可能性も収縮率も以
下の２つの理由で相当低下する。第一に伸び率が
低くなつているため、収縮する力が低下してい
る。第二に、糸に加えられている張力が低くなつ
ているため、隣接する糸が、切れた糸を芯の球面
上に押しつけてロツクしてしまいやすくなる。従
つて、たとえ糸が切れて収縮しても、芯付近の部
分の糸を高い張力で巻いた場合に比べ収縮がより
遅い速度でより短い距離にしか起こらないので、
切れた糸が液体の芯を包むエンベロープの球面を
切り裂くことはかなり起こりにくくなる。 このような利点に加えて、芯に糸を巻く巻き始
めの段階に糸に加える張力を低くして巻くことに
よつてさらに別の利点も生じることが認められ
た。糸に加える張力を低くしても糸を巻いていく
速度は変わらない。従つて、張力を低くして巻か
れた糸は高い張力で巻かれた糸より厚い。このこ
とにより、ゴルフボールの重さの分布が微妙に変
わり、他の要素はそのままにしておいてボールの
回転速度だけを低下させることができる。さら
に、芯の付近に巻かれた糸が厚いので、１個のボ
ールを作るのに使用する糸の量が少なくなる。ボ
ール１個あたりのこの糸の量の減少量は非常に少
ないが、大手の製造業者が年間何百万ダースもゴ
ルフボールを製造する場合にはその量は相当なも
のとなり、実質的なコスト低減に結びつく。 芯に糸を巻く巻き始めの段階に糸を加える張力
を低くすることのもう１つの利点は、ゴルフボー
ルの製造工程のうちの芯に糸を巻いていく工程に
おいて糸が切れることが減少するということであ
る。糸が何も張力が加えられていない状態から短
時間の間に非常に高い張力が加えられると、芯に
糸が巻かれたために糸の中間に張力が加えられる
場合よりずつと糸が切れやすくなる。実際の商業
生産についての調査から本出願人は芯に糸を巻い
ていく工程で糸が切れるのは巻き始めの時に多発
していることを発見した。本出願人はさらに、本
発明による方法によつてこの糸の巻き始めの時に
発生する糸が切れるという事態を相当減少させる
ことができるということを発見した。 （実施例） 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に
説明する。 第１図は液体の芯１１を有するゴルフボール１
０を示す図である。液体の芯１１は、液体１４を
その内部に充填するゴム製のエンベロープ１２か
らなつている。ゴルフボール１０の外面は全面が
被覆カバー１６で覆われている。被覆カバー１６
はバラタ、ガタパーチヤ、イオノマー、ポリウレ
タンあるいはこれらの組み合わせからなる通常の
構造をしたものである。被覆カバー１６とエンベ
ロープ１２の間には弾性糸１８および２０が巻き
込まれている。本発明のゴルフボールにおいて
は、エンベロープ１２に最も近い糸２０は残りの
糸１８よりも低い張力で巻かれている。第１図に
は低い張力で巻かれた糸２０と高い張力で巻かれ
た糸１８との間の境界を示す線２２が示されてい
るが、この線２２は仮想線であり実際には存在し
ない。実際は、糸１８は糸２０に連続するもので
あり、このゴルフボールに巻き込まれている糸は
すべて１本の連続ストランドが何回も巻かれたも
のである。 第２図には、液体の芯１１に代わつて用いるこ
とができる固体の芯１１ａが示されている。この
芯１１ａは通常「固体」の芯と呼ばれているが、
実際は天然ゴムあるいはポリブタジエンのような
弾性材料でできている。 第１図に示したゴルフボールにおいて液体の芯
１１に当接する糸２０の量が重要である。低い張
力で巻かれた糸２０の量が少なすぎると、例えば
ゴルフボールの強度が増すという本発明の効果が
得られなくなつてしまい、低い張力で巻かれた糸
２０の量が多すぎると、極めて高い強度をもつ
が、競技用のボールとしてはコンプレツシヨンお
よび初速が低すぎるゴルフボールになつてしま
う。 第３図にはゴルフボール巻き装置が示されてい
る。この基本的な装置は産業界では周知のもので
ある。この装置において、モータ２４がベルト車
２６を駆動する。ベルト車２６の周囲にはゴムベ
ルト２８がかけられており、このゴムベルト２８
は、ベルト車３０の周囲を回り、ベルト車２６に
戻つてくる。ホイール３２はゴルフボールの芯３
４を押し付け、この芯をゴムベルト２８に接触し
た状態にしておく。ゴルフボールは回転すると、
この回転により糸３６の供給箱３８から緊張糸を
通して糸３６を引き出す。糸３６は供給箱３８か
ら引き出されるとまず遊びローラ４０を通りテン
シヨンホイール４２に達する。テンシヨンホイー
ル４２は糸３６が通る溝（図示せず）を有してい
るのが好ましい。この溝は緊張装置４４が糸３６
にニツプ圧力をかけられるように糸３６の厚さよ
り小さい深さをしている。緊張装置４４はゴム製
のテンシヨンホイール４６と金属製テンシヨンホ
イール４８からなつている。金属製のテンシヨン
ホイール４８は上下運動をするように付勢されて
いる。金属製テンシヨンホイール４８が上の位置
にある時は糸３６に張力は加えられない。通常の
糸巻き操作の間は金属製テンシヨンホイール４８
は下の位置にありゴム製のテンシヨンホイール４
６が糸３６とかみ合うようにする。ゴム製のテン
シヨンホイール４６はテンシヨンホイール４２と
ともに事実上糸３６を引き込むニツプローラの働
きをする。 この最初の緊張装置４４を通過した後糸３６は
遊びローラ５０を通り、低テンシヨンホイール５
２に達する。低テンシヨンホイール５２は最初の
緊張装置４４と同様のテンシヨンホイール４６お
よび４８を有しているが、この低テンシヨンホイ
ール５２においてはテンシヨンホイール４６およ
び４８は低テンシヨンホイール５２の車軸５４に
のつている。テンシヨンホイール４６および４８
によつて車軸５４に加えられる圧力は、糸３６が
ゴルフボールの芯３４に巻かれていく時のこの弾
性糸３６の延びの程度に直接影響することがわか
るであろう。糸３６の供給速度は緊張装置４４を
通る供給速度のみに影響されるので、低テンシヨ
ンホイール５２とゴルフボールの芯３４との間の
張力を高めても糸３６の供給速度は変わらない。 低テンシヨンホイール５２を通過した後、糸３
６は高テンシヨンホイール５６を通る。高テンシ
ヨンホイール５６の車軸５８に十分な力を加えら
れるように２対のテンシヨンホイール４８および
４６が備えられている。糸３６は高テンシヨンホ
イール５６を通過した後遊びローラ６０を通るゴ
ルフボールの芯３４に達する。第３図においてゴ
ルフボールの芯３４はその周囲に何回か糸が巻か
れた状態で示されている。このゴルフボールの芯
３４にさらに糸３６が巻かれていき、芯３４の大
きさが大きくなつていくにつれてホイール３２は
上方が上がつていき、ホイール３２に取り付けら
れているロツド６２もまた上方に上がつていく。
ロツド６２によつてゴルフボールの芯の直径の変
化を表示器６４に伝達して表示することができ
る。モータ２４にタイマー６６が接続され使用さ
れている。 本発明においては、モータ２４が作動している
間低テンシヨンホイール５２は常に作動している
が、糸３６を巻き始めてからの始めのいくらかの
時間の間は糸３６に低い張力が加えられるよう
に、高テンシヨン５６はこの時間の間は作動して
いない。ある所定の時点で張力が高テンシヨンホ
イール５６に加えられる。高テンシヨンホイール
５６の作動開始の時点はタイマー６６あるいは表
示器６４あるいは好ましくはこの両方によつて決
定される。タイマーが使用される場合には、糸３
６がゴルフボールの芯３４の周囲に巻かれ始めて
からの時間がモータ２４が作動し始めた時間を基
準に制御される。ある所定の時点でタイマー６６
は高テンシヨンホイール５６を作動させる信号を
発生する。表示器６４をタイマー６６に変えてあ
るいはタイマー６６とともに使用してもよい。表
示器６４はゴルフボールの芯３４の直径を検出す
るものである。糸３６がゴルフボールの芯３４の
周囲に巻かれていくにつれて芯３４の大きさは大
きくなる。ゴルフボールの芯３４が、低い張力で
巻く糸の量に相当する所定の直径に達した時点で
表示器６４は高テンシヨンホイール５６を作動さ
せる信号を発生する。タイマーと表示器を両方と
も使用した時に最良の結果が得られることが認め
られた。タイマーと表示器の両方を使用するのは
ゴルフボール巻き装置の性能低下を測定する付加
的なチエツクである。タイマー６６および／また
は表示器６４はまた、ゴルフボールの芯に糸３６
が十分な量巻かれた時点を示すためにも用いられ
る。 本発明によるゴルフボールの大きさは、製造業
者により様々に異なるものとなるであろう。直径
1.75インチ（4.45cm）やそれより大きいゴルフボ
ールを製造する製造業者もいるが、大抵の製造業
者は最小直径を1.68インチ（4.27cm）（USGA規
格の最小直径）、最大直径を1.70インチ（4.32cm）
としている。例外は英国サイズのボールで、ロイ
ヤルアンドエインシヤントルール（Royal and
Ancient rules）が最小直径を1.62インチ（4.11
cm）としていることから普通直径1.62インチ〜
1.64インチ（4.11cm〜4.17cm）の大きさをしてい
る。 ゴルフボールの芯の大きさも3/4インチ〜１ 3/
８インチ（1.91cm〜3.49cm）の範囲にわたる多く
のものがあるが、（J.S.Martin、The Curious
History of the Golf Ball、Horizon、1968を参
照）１インチ〜１ 3/16インチ（2.54cm〜3.02cm）
のものが好ましい。同様に、ゴルフボールの芯を
覆うエンベロープの厚さも広範囲、例えば0.02イ
ンチ〜0.25インチ（0.05cm〜0.64cm）にわたるが、
0.075インチ〜0.150インチ（0.191cm〜0.381cm）
のものが好ましい。 被覆カバーの厚さもまた広範囲にわたつて様々
のものがある。被覆カバーは厚さが0.02インチ〜
0.25インチ（0.05cm〜0.64cm）のものが使用され
得るが、厚さ0.03インチ〜0.075インチ（0.08cm〜
0.19cm）のものが好ましい。 糸のサイズは、張力を加えない状態で計られ、
この状態で普通幅0.02インチ〜0.2インチ（0.05cm
〜0.51cm）、厚さ0.01インチ〜0.1インチ（0.03cm
〜0.25cm）のものが用いられるが、幅0.05インチ
〜0.15インチ（0.13cm〜0.38cm）、厚さ0.02インチ
〜0.05インチ（0.05cm〜0.03cm）のものが好まし
い。 糸の量は当然芯の大きさ、ボールの大きさおよ
び被覆カバーを厚さに関連して変化する。また、
糸が芯の外表面と被覆カバーの内表面の間を埋め
る量でなくてはならないということは明らかであ
る。 低い張力で芯に巻かれる糸２０の量は、少なく
とも現在一般に使用されている糸に関しては、ボ
ールに要求されるコンプレツシヨンに応じて多少
変わつてくる。ボールに巻き込まれる糸の全量の
少なくとも３％の量の糸が低い張力で巻かれるこ
とが望ましい。許容できる使用適性にあうゴルフ
ボールを作るためには低い張力で巻かれる糸の量
は全体の75％を超えてはいけない。今日市販され
ているゴルフボールはコンプレツシヨン50〜60の
ものもあるが、大抵の「最高級」ゴルフボールは
公称コンプレツシヨン90あるいは100である。こ
のような「最高級」のゴルフボールを作るために
は低い張力で巻かれる糸の量を全量の約５〜20％
に限るのが望ましい。この範囲のうち下限（５
％）は、通常芯の直径が大きく高いコンプレツシ
ヨンが要求されるゴルフボール、例えば直径１
１／８インチ（2.86cm）の芯をもちコンプレツシヨ
ン100のものに適合するものであり、上限（20％）
は、芯の直径がより小さく、コンプレツシヨンも
もう少し低くてもよいもの、例えば直径１インチ
（2.54cm）の芯をもちコンプレツシヨン80のもの
に適合するものである。 本願において使用されているように、低い張力
で巻かれた糸とは高い張力で巻かれる糸に加えら
れる張力より少なくとも20％低い張力で巻かれた
糸のことをいう。ゴルフボール業界では普通張力
はグラムで表わされる。張力が表わす数値は、極
限伸び（1000％の伸び率）に達するのに何ｇ必要
かを表現する。例えば、1000ｇまで段階的に荷重
していつた時、1000ｇの荷重下で糸の長さが1000
％伸びる場合、この糸は1000ｇの極限伸びをもつ
という。1000ｇの極限伸びをもつ糸には要求され
るゴルフボールのコンプレツシヨンに応じて例え
ば850〜950ｇの高い張力が加えられた状態で通常
の工程が行われる。本発明においては、950ｇの
高い張力が加えられた場合、低い張力は約760ｇ
を超えないようにする。同様にして、高い張力で
糸を巻くのが張力850ｇで行われた場合、低い張
力で巻くのは張力約680ｇを超えないようにする。
20％が低い張力で糸を巻く時の張力として高い張
力で糸を巻く時の張力を減少させる最小の減少率
であるが、低い張力を高い張力より少なくとも35
％減少させることが望ましい。低い張力で巻く糸
を高い張力の50％以上減少させた張力で巻いた時
に最良の結果が得られた。 低い張力で巻かれる糸に加えられる張力とこの
低い張力で巻かれる糸の量との間には当然相関関
係がある。低い張力で巻かれる糸に加えられる張
力が高くなるにつれて、この低い張力で巻かれる
糸の量が、ボールのコンプレツシヨンに悪影響を
及ぼさない範囲内で増加する。反対に低い張力で
巻かれる糸に加えられる張力が低くなるにつれ
て、この低い張力で巻かれる糸の量が少なくな
る。特に、高いコンプレツシヨンが要求され、大
きな芯が使用される場合は後者のように張力を低
くして糸の量を少なく形成する。 以下に示す実施例には、本発明によるゴルフボ
ールの製造の実験の結果があげられている。均等
性を保つために以下の６点はすべての実験におい
て一貫して守られた。 １ ゴルフボールの芯には液体が充填され、直径
は1.125インチ（2.86cm）である。 ２ 糸は横断面が0.022インチ×1/16インチ
（0.056cm×0.159cm）で、シユワルツ値
（Schwartz value）185〜208、極限伸び1100ｇ
である。 ３ 糸を巻く時の高い張力を1060ｇとし、低い張
力を400ｇとする。 ４ 被覆カバーはバラタで製造する。 ５ 芯に糸が巻き終わつた状態の直径が1.610イ
ンチ（4.089cm）である。 ６ 成形されたゴルフボールの完成品の直径が
1.680インチ（4.267cm）である。 以下に示す一連の実験において変化するのは低
い張力で巻かれる糸の量である。下記の表におい
て、この低い張力で巻かれる糸の量は、糸が低い
張力で巻かれ終わるのに要した時間（秒）と低い
張力で巻き終わつた時点での芯の直径との両方で
表わされている。

【表】 上記の表に関して最も意気のあるデータは平均
破裂範囲の欄のものである。表の中で破裂とは、
ゴルフボールに力を加えた時にゴルフボールを破
裂させた力の大きさ（ポンド）を示すものであ
る。前述したようにゴルフボールの芯の破裂は、
芯に隣接する糸が切れ、切れた糸が液体の芯を覆
う薄いエンベロープを切り裂くことによつて起こ
る。実質的に糸が切れるのは、実際にゴルフボー
ルが破裂し始める前に起きていることが知られて
いるが、切れた糸の数を測定するのは非常に困難
であるので、最も容易な、ボールが破裂する時点
に関してのデータを記載している。 破裂実験で実際ゴルフアー達がゴルフボールを
打つのを測定すると、ゴルフボールは3000ポンド
近くの大きさの力でインパクトを与えられている
ことがわかつた。上記の表の中の基準のゴルフボ
ールの中には2500ポンド程度の低いレベルで破裂
するものもあるので、強いゴルフアーがフルシヨ
ツトをするとこのようなボールは破裂してしま
う。基準のゴルフボールの平均破裂範囲に関し
て、平均破裂範囲は2500ポンド〜5250ポンド
（1132.5Kg〜2378.3Kg）であつたが、大抵のもの
は3350ポンド〜5250ポンド（1517.6Kg〜2378.3
Kg）の範囲内にあつたことを指摘しておく。がま
た、小さい力で破裂してしまつたものもあつた。
さらに、3350ポンドの力でも、芯は破裂していな
くても糸が切れたものが多くあつた。 以上、好ましい実施例について本発明を説明し
てきたが、本発明は、その要旨を越えない範囲に
おいて種々の変更態様を取ることができることは
言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による液体の芯をもつゴルフボ
ールを示す図、第２図は第１図に示した液体の芯
に代わつて用いることができるゴルフボールの固
体の芯を示す図、第３図は典型的なゴルフボール
巻き装置を示す図である。 １０……ゴルフボール、１１……芯、１８，２
０……弾性糸、１６……被覆カバー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 芯、被覆カバーおよび該芯と該被覆カバーの
   間に巻き込まれた弾性糸からなるゴルフボールに
   おいて、 前記弾性糸のうち、芯に近い部分の弾性糸が弾
   性糸全体の３％〜75％の量を構成し、該芯に近い
   部分の弾性糸は、残りの部分の弾性糸より少なく
   とも20％低い張力で巻かれていることを特徴とす
   るゴルフボール。