JPH0544693Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、急速冷凍室を具備した冷凍冷蔵庫に
関し、特に、急速冷凍する被冷凍物の容量あるい
は形状に関係なく、最適な急速冷凍室内の冷凍制
御を行うことができる冷凍冷蔵庫に関する。

〔従来技術〕

第３図に、本考案の背景となる従来の冷凍冷蔵
庫内に設けられた急速冷凍室の概略側断面図を示
す。

一般に、急速冷凍室１は、ケーシング３によ
り、冷凍室と仕切られており、該ケーシング３に
は、軸４を中心として回動自在な前扉５及び、図
における上方に穿設された冷気吸込口９が設けら
れている。また、上記急速冷凍室１の内部底面に
は、金属プレート６が配設され、該金属プレート
６の裏面には、被冷凍物２を直令するための冷媒
が中を流れるパイプ７及び、上記被冷凍物２の温
度を検知し、図示せぬ冷凍制御装置に温度信号を
送り上記急速冷凍室１内の冷凍制御を行うための
温度センサ８が配設されている。

従つて、被冷凍物２を急速冷凍する場合、まず
上記急速冷凍室１の上記前扉５を図における時間
方向に回動し、上記急速冷凍室１内の上記金属プ
レート６上に、上記被冷凍物２を載置する。次
に、図示せぬスイツチをONにし急速冷凍をスタ
ートすると、コンプレツサ及び庫内フアンモータ
が作動し、上記冷気吸込口９より冷気が上記急速
冷凍室１内に入り込み、上記被冷凍物２の上方
（表面）から冷却を行う。そして、冷却が充分に
行われ、上記温度センサ８が所定の温度（例えば
４℃）以下になつたことを検知すると、上記冷凍
制御装置が作動し、上記庫内フアンモータを停止
させ、上記急速冷凍室１内への冷気の進入を停止
させる、と同時に上記パイプ７内に冷媒を流す図
示せぬ電磁弁が作動し、上記被冷凍物２を直冷
し、凍らせる。（第４図）。

〔考案が解決しようとする課題〕

このような従来の冷凍冷蔵庫内の急速冷凍室１
には、急速冷凍室１内の冷凍制御を行うための温
度センサ８が、１個しか配設されておらず、ま
た、その温度センサ８の検知方法が接触によるも
のである。このため、第３図に示すような金属プ
レート６との接触面積の大きい被冷凍物２を急速
冷凍する場合には、第４図に示すように、上記温
度センサ８は正確に上記被冷凍物２の温度を検知
しているが、第５図に示すような、金属プレート
６との接触面積が小さい被冷凍物２ａを急速冷凍
する場合、第６図に示すように上記温度センサ８
は正確に上記被冷凍物２ａの温度を検知しない。
これは、庫内フアンモータの作動により上記急速
冷凍室１内に入り込む冷気が、上記被冷凍物２ａ
を冷却すると共に、上記金属プレート６自体を直
接冷却するため、上記被冷凍物２ａが所定の温度
まで冷却されていないにもかかわらず、上記金属
プレート６の方が先に所定の温度まで冷却される
ために生じる、上記温度センサ８の誤検知であ
る。

このように、上記被冷凍物２ａが冷気によつて
充分に冷却されていないまま直冷された場合、上
記金属プレート６との接触面だけが冷却されて、
上方まで凍らすことができないという問題点があ
つた。

従つて、本考案の目的とするところは、被冷凍
物の容量あるいは形状に左右されることなく上記
被冷凍物の温度を正確に把握し、急速冷凍室内の
冷凍制御を適切に行うことのできる冷凍冷蔵庫を
提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本考案が採用する主
たる手段は、冷凍室内に被冷凍物を急速に冷凍す
るための急速冷凍室を具備した冷凍冷蔵庫におい
て、上記急速冷凍室内の被冷凍物を載置する金属
プレートの裏面と、上記急速冷凍室の天井部近傍
とに、それぞれ温度センサを配設し、両温度セン
サからの温度信号に基づいて上記急速冷凍室内の
冷凍制御を行うようにした点を要旨する冷凍冷蔵
庫である。

〔作用〕

本考案によれば、急速冷凍室内の冷凍制御を行
うための温度センサが、上記急速冷凍室内に被冷
凍物を載置する金属プレートの裏面と、上記急速
冷凍室の天井部近傍との２ケ所に配設され、上記
金属プレートの裏面に配設された温度センサから
は従来通り被冷凍物と上記金属プレートとの接触
部の温度が検知され、上記天井部近傍に配設され
た温度センサからは上記急速冷凍室内の空気の温
度が検知される。

このように、被冷凍物の温度を接触部温度と空
気温度の両方から検知するため、被冷凍物の容量
あるいは形状に関係なく、上記被冷凍物の冷却状
態を正確に把握しておくことができ、上記急速冷
凍室内の冷凍制御を適切に行うことができる。

〔実施例〕

続いて、添付した図面を参照して本考案を具体
化した実施例につき説明し、本考案の理解に供す
る。ここに第１図は、本考案の一実施例に係る冷
凍冷蔵庫の急速冷凍室の概略側断面図，第２図
は、この急速冷凍室内の冷凍制御の状態を示すタ
イムチヤートである。

尚、以下の説明中、第３図及び第５図に示した
従来の急速冷凍室１と共通の要素には、同一の符
号を使用して説明を省略する。また、以下の実施
例は、本考案の具体的一例にすぎず、本考案の技
術的範囲を限定する性格のものではない。

この実施例において、従来の急速冷凍室１と異
なる点は、第１図に示すように、急速冷凍室１１
内に被冷凍物２ｂを載置しておく金属プレート６
の裏面と、上記急速冷凍室１１のケーシング３の
天井部近傍との２ケ所にそれぞれ温度センサ８，
１０を配設し、両温度センサ８，１０からの温度
信号に基づいて上記急速冷凍室１１内の冷凍制御
を行うようにした点である。

従つて、第１図に示すような上記金属プレート
６との接触面積が小さい被冷凍物２ｂを急速冷凍
する場合、まず図示せぬスイツチをONにしスタ
ートすると、第２図に示すようにコンプレツサ及
び庫内フアンモータが作動し、冷気吸込口９より
冷気が急速冷凍室１１内に入り込み、上記被冷凍
物２ｂの上方（表面）及び上記金属プレート６自
体を冷却する。そして、上記被冷凍物２ｂがほと
んど冷却されていない状態で、上記金属プレート
６が所定温度（例えば４℃）以下まで冷却され、
上記金属プレート６の裏面に配設された温度セン
サ（以下第１温度センサ）８は、上記金属プレー
ト６の温度を上記被冷凍物２ｂの温度とみなして
検知し、上記急速冷凍室１１内の冷凍制御を行う
冷凍制御装置へ例えば庫内フアンモータを停止し
てもよい旨の信号を送る。

しかし、上記冷凍制御装置は、もう一方のケー
シング３の天井部近傍に配設された温度センサ
（以下第２温度センサ）１０からの温度信号が所
定温度以下になつていないため庫内フアンモータ
を停止せず、そのまま冷気による上記被冷却物２
ｂの冷却が続けられる。そして、上記被冷却物２
ｂが所定温度に近づくと、上記急速冷凍室１１内
の空気の温度も、ほぼ所定温度に近づくため、上
記第２温度センサ１０から上記冷凍制御装置に温
度信号が送られ、上記第１温度センサ及び第２温
度センサの両方からの温度信号に基づいて、庫内
フアンモータが停止される。該庫内フアンモータ
が停止され、冷気による上記被冷凍物２ｂの冷却
が停止すると、パイプ７内に冷媒を流す電磁弁が
作動し、上記被冷凍物２ｂを直冷して凍らせる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、冷凍室内に被冷凍物を急速に
冷凍するための急速冷凍室を具備した冷凍冷蔵庫
において、上記急速冷凍室内の被冷凍物を載置す
る金属プレートの裏面と、上記急速冷凍室の天井
部近傍とに、それぞれ温度センサを配設し、両温
度センサからの温度信号に基づいて上記急速冷凍
室内の冷凍制御を行うようにしたことを特徴とす
る冷凍冷蔵庫が提供され、これにより急速冷凍す
る被冷凍物の容量あるいは形状に関係なく、最適
な急速冷凍室内の冷凍制御を行なうことができ、
効率よく被冷凍物を凍らすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例に係る冷凍冷蔵庫
の急速冷凍室の概略側断面図，第２図は、その急
速冷凍室内の冷凍制御の状態を示すタイムチヤー
ト、第３図は、本考案の背景となる従来の冷凍冷
蔵庫内に設けられた急速冷凍室の概略側断面図，
第４図はその急速冷凍室内の冷凍制御の状態を示
すタイムチヤート，第５図は、金属プレートとの
接触面積の小さい被冷凍物を急速冷凍する場合の
第３図相当図，第６図は、その急速冷凍室内の冷
凍制御の状態を示すタイムチヤートである。 符号の説明、１……急速冷凍室、２……被冷凍
物、６……金属プレート、８……温度センサ（第
１温度センサ）、１０……温度センサ（第２温度
センサ）、１１……急速冷凍室。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 冷凍室内に被冷凍物を急速に冷凍するための急
   速冷凍室を具備した冷凍冷蔵庫において、 上記急速冷凍室内の被冷凍物を載置する金属プ
   レートの裏面と、上記急速冷凍室の天井部近傍と
   に、それぞれ温度センサを配設し、両温度センサ
   からの温度信号に基づいて上記急速冷凍室内の冷
   凍制御を行うようにしたことを特徴とする冷凍冷
   蔵庫。