JPH0544428B2 - - Google Patents
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- JPH0544428B2 JPH0544428B2 JP63332466A JP33246688A JPH0544428B2 JP H0544428 B2 JPH0544428 B2 JP H0544428B2 JP 63332466 A JP63332466 A JP 63332466A JP 33246688 A JP33246688 A JP 33246688A JP H0544428 B2 JPH0544428 B2 JP H0544428B2
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Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は、耐摩耗性アルミナスラミツクスおよ
びその製造方法に関し、さらに詳しくは、特に高
硬度、耐摩耗性、耐エロージヨン性などが要求さ
れる機械部品、粉砕機用部材などとして好適な耐
摩耗性アルミナセラミツクスおよびその製造方法
にする。 なお、本明細書においては、“%”とあるのは、
全て“重量%”を意味する。 従来技術とその問題点 従来、耐摩耗性アルミナセラミツクスとして
は、アルミナ含有量90%程度の材料に粘土などの
添加剤を加え、焼成したものが使用されてきた
(例えば、“窯業工学ハンドブツク(新版)”(株)技
報堂、(昭和41年12月25日発行)、第1262頁)。し
かしながら、このセラミツクスは、硬度が低く、
結晶組織が不均一であるため、耐摩耗性が十分で
ないという欠点がある。 最近、アムミナ99.9%以上の高純度アルミナを
使用する耐摩耗性アルミナセラミツクスも提案さ
れている。しかしながら、焼結工程で結晶粒径が
大きくなるため、耐摩耗性はやはり満足すべきも
のとはいえない。高純度アルミナ原料にTiCなど
の非酸化物を添加し、ポツトプレスして得たもの
は、十分な耐摩耗性を発揮するが、非酸化性雰囲
気中で加圧下に焼成を行なう必要があるため、製
造コストが極めて高いという問題点がある。 問題点を解決するための手段 本発明者は、上記の如き従来技術の問題点に鑑
みて、鋭意研究を重ねてきた。その過程におい
て、従来、耐摩耗性には劣るものの、安価である
ために耐摩耗性用部材として広く使用されてきた
アルミナ焼結体に着目し、その耐摩耗性を向上さ
せるべく研究を重ねた結果、アルミナ焼結体の粒
界成分、結晶粒径、密度、硬度などを特定の範囲
内に制御することにより、耐摩耗性に極めて優れ
たアルミナ焼結体が得られることを見出した。 すなわち、本発明は、下記に示す耐摩耗性アル
ミナセラミツクスおよびその製造方法を提供する
ものである: マグネシアとシリカとを合計0.025〜0.12%
含有し、MgO/SiO2(モル比)が2〜15であ
り、残部がアルミナからなる焼結体であつて、
密度3.90g/cm3、平均結晶粒径1.5μm以下且つ
硬度1900Kgf/mm2以上であることを特徴とする
耐摩耗性アルミナセラミツクス。 平均結晶子径0.05〜0.3μmのα−アルミナ粉
末に、マグネシアとシリカとの合計含有量が
0.025〜0.12%となり且つMgO/SiO2(モル比)
が2〜15となるように平均粒径0.3μm以下のマ
グネシアとシリカとを加えて粉砕混合し、成形
した後、1300〜1550℃で焼成することを特徴と
する耐摩耗性アルミナセラミツクスの製造方
法。 マグネシアおよびシリカ成分をMgおよびSi
を含有する溶液、ゾルまたはゲルの状態で添加
する上記項に記載の耐摩耗性アルミナセラミ
ツクスの製造方法。 アルミナ水和物またはアルミナにMgおよび
Siを含有する溶液、ゾルまたはゲルを添加し、
焼成することにより得たマグネシアとシリカと
の合計含有量が0.025〜0.12%且つMgO/SiO2
(モル比)が2〜15で平均結晶子径0.05〜0.3μ
mのα−アルミナ粉末を成形した後、1300〜
1550℃で焼成することを特徴とする耐摩耗性ア
ルミナセラミツクスの製造方法。 アルミナ水和物またはアルミナにMgを含有
する溶液、ゾルまたはゲルを添加し、焼成する
ことにより得たマグネシアを含有する平均結晶
子径0.05〜0.3μmのα−アルミナ粉末に、マグ
ネシアとシリカとの合計含有量が0.025〜0.12
%となり且つMgO/SiO2(モル比)が2〜15と
なるように平均粒径0.3μm以下のシリカを加え
て混合分散させ、成形した後、1300〜1550℃で
焼成することを特徴とする耐摩耗性アルミナセ
ラミツクスの製造方法。 以下、本発明の耐摩耗性アルミナセラミツクス
が具備すべき要件とそれに基く効果などについて
詳細に説明する。なお、本発明の効果自体は、必
ずしも単一の要件のみにより達成されるものでは
なく、二以上の要件により相乗的に達成される場
合もある。従つて、以下の記載は、必ずしも発明
の構成と効果との対応を完全に説明するものでは
ないことを付言しておく。 (1) アルミナ焼結体中のマグネシアとシリカの合
計量を0.025〜0.12%且つMgO/SiO2(モル比)
を2〜15の範囲内とする。 本発明者の研究によれば、アルミナ原料にア
ルミナの機械的特性を阻害しない範囲内で特定
量のマグネシアとシリカとを添加して、焼結す
る場合には、緻密化の過程でアルミナ結晶粒界
にスピネル結晶(MgAl2O4)とマグネシウ
ム・シリケートおよび/またはマグネシウム・
アルミニウム・シリケートのガラス相が形成さ
れ、その結果、アルミナ結晶の粒成長が抑制さ
れ、結晶組織が均一となつて、緻密化が一層促
進されることが判明した。 アルミナ原料に添加するマグネシアとシリカ
の合計量が、アルミナ焼結体中の0.025%未満
となる量である場合には、アルミナ結晶の粒成
長抑制の効果が十分発揮されない。一方、0.12
%を上回る場合には、緻密化が阻害されるの
で、空孔の増大抑制または緻密化の促進のため
に、高温で焼成しなければならない。その結
果、アルミナ結晶粒径が大きく且つ不均一とな
るので、アルミナ結晶粒の粒界が優先的に破壊
されて生じる摩耗、すなわち、粒子離脱摩耗が
生じ易くなる。 アルミナ焼結体中のマグネシウムとシリカの
合計量は0.03〜0.1%であることがより好まし
い。 また、シリカを単独で添加する場合或いは
MgO/SiO2(モル比)が2未満である場合に
は、スピネル結晶の生成量が少なくなり、一
方、マグネシアを単独で添加する場合或いは
MgO/SiO2(モル比)が15を上回る場合には、
シリケート相の生成量が少なくなつて、いずれ
の場合にも、均一で微細な結晶組織を有する高
硬度のアルミナ焼結体は得られない。 アルミナ焼結体中のMgO/SiO2(モル比)
は、3〜15であることがより好ましい。 (2) アルミナ焼結体の密度を3.90g/cm3以上とす
る。 アルミナ焼結体の耐摩耗性は、その密度によ
つても、大きく影響され、密度が低い程、摩耗
量は増大する。これは、密度が低い程、粒内、
粒界などに存在する空孔が多くなり、この空孔
が摩耗の起点となつて、結晶粒離脱摩耗が促進
されるためと推考される。 従つて、本発明では、アルミナ焼結体の密度
を3.90g/cm3以上とし、より好ましくは3.92
g/cm3以上とする。 (3) アルミナ焼結体中のアルミナ結晶の平均粒径
を1.5μm以下とし、ビツカース硬度を1900Kg
f/mm2以上とする。 焼結体中のアルミナ結晶の粒径が大きい場合
には、同一組成の焼結体では、粒界巾が広くな
つたり、低硬度となつたりする。その結果、前
述の結晶粒離脱摩耗が発生し易くなり、摩耗量
が増大するものと推考される。本発明者の研究
によれば、平均結晶粒径を1.5μm以下且つビツ
カース硬度を1900Kgf/mm2以上とすることによ
り、耐摩耗性が著しく改善されることが判明し
た。 アルミナ焼結体中のアルミナ結晶の平均粒径
は1.2μm以下とし、ビツカース硬度を1950Kg
f/mm2以上とすることがより好ましい。 なお、本発明のアルミナ焼結体を製造するに
際し、焼成温度が1300℃未満の場合には、焼結
不十分となつて、密度が低くなり、一方、1550
℃を上回る場合には、粒成長が著しくなるの
で、焼結体の特性が低下する。従つて、焼成を
1300〜1550℃の範囲で行なうことを必須とす
る。焼成は、1300〜1500℃の範囲で行なうこと
がより好ましい。 (4) 原料として使用するα−アルミナ粉末の平均
結晶子径を0.05〜0.3μmとし、且つマグネシア
およびシリカの平均粒径を0.3μm以下とする。 α−アルミナ粉末が0.05μm未満である場合
には、凝集を生じ易いので、成形性が低下し
て、焼結体に空孔などの欠陥を生じ易くなる。
一方、α−アルミナ粉末が0.3μmを上回る場合
には、焼結体の結晶粒径が大くきなり、低硬度
となつて、耐摩耗性が低下する。α−アルミナ
粉末の平均結晶子径は、0.05〜0.2μmであるこ
とがより好ましい。 マグネシアおよびシリカの平均粒径が、α−
アルミナ粉末のそれよりも大きい場合には、原
料粉の均一な分散が困難となるため、良好な特
性を有するアルミナ焼結体が得られない。従つ
て、マグネシアおよびシリカの平均粒径は、
0.3μm以下とする必要があり、より好ましくは
0.2μm以下とする。使用量が少ないマグネシア
およびシリカの場合には、粒径が小さ過ぎて
も、成形性を阻害しないので、粒径に下限はな
い。 本発明による耐摩耗性アルミナセラミツクス
は、例えば、下記の様にして製造される。好ま
しくはアルコキシド法、明バン法などにより製
造された純度99.9%以上のα−アルミナ粉末に
マグネシアとシリカとを加え、常法に従つて、
ボールミルなどの粉砕機を使用して乾式または
湿式で均一に粉砕混合し、乾燥して原料粉体を
得る。次いで、常法に従つて、鋳込み成形、射
出成形、押出形成、プレス成形などの方法で所
定の形状に成形した後、常圧下に1300〜1550℃
で焼成し、アルミナ焼結体を得る。成形に際し
て、必要ならば、スラリーを調製したり、成形
助剤を使用して予備造粒したりすることは、常
法と同様である。 なお、マグネシア成分とシリカ成分は、アル
ミナ成分との混合分散性を改善するために、
MgとSiとを含有する溶液、ゾルまたはゲルの
状態でα−アルミナ粉末またはアルミナ水和物
に添加した後、1300℃未満で焼成することによ
り得られたMgおよびSi含有α−アルミナ粉末
(0.05〜0.3μm)を形成し、次いで常圧下に
1300〜1550℃で焼成しても良い。或いは、Mg
を含有する溶液、ゾルまたはゲルの状態でα−
アルミナ粉末または水和アルミナにMgを添加
した後、1300℃未満で焼成することにより得ら
れたMg含有α−アルニナ粉末(0.05〜0.3μm)
にシリカ粉末を粉砕混合させ、成形し、次いで
常圧下に1300〜1550℃で焼成しても良い。 なお、上記の焼結体の製造に際しては、成形
助剤、水などの純度および種類の選択、粉砕機
器類、焼成治具などの選択などを適宜行なうこ
とにより、焼結体の特性に悪影響を及ぼす不純
物の混入を防止することが望ましい。また、焼
結体の結晶粒径、密度、硬度などを所定の範囲
内とするためには、(イ)焼結過程で粒成長を促進
するTiO2、Na2Oなどの混入を防止する、(ロ)粉
砕などの処理により、原料を微粉砕して、焼結
性を改善する、(ニ)焼結前の成形体の密度を1.60
g/cm3以上としておくことなどが好ましい。 発明の効果 本発明によれば、粒界成分、結晶粒径、密度、
硬度などを特定の範囲内に制御することにより、
緻密で、高硬度の耐摩耗性に極めて優れたアルミ
ナ焼結体が得られる。また、その製造に際して
は、常圧下での焼結を行なうだけでも、耐摩耗性
に優れた焼結体が得られる。 実施例 以下に実施例および比較例を示し、本発明の特
徴とするところをより一層明確にする。 実施例 1 純度99.995%のα−アルミナ粉末と平均粒径
0.2μm以下のマグネシア粉末とシリカ粉末とを下
記第1表に示す割合で配合し、ボールミルにて10
時間湿式粉砕混合した後、成形助剤としてアクリ
ル酸共重合体を原料重量の3%加え、スプレード
ライヤーで平均粒径60μmに整粒して、成形用粉
体を得た。 第1表に()α−アルミナ粉末の平均結晶子
径(μm)、()原料中に占めるマグネシア粉末
とシリカ粉末と割合(%)、および()MgO/
SiO2(モル比)を示す。 なお、第1表において、No.1、2および4が、
実施例であり、その他は比較例である。 第1表 () () () No. 1 0.10 0.040 3.5 2 0.15 0.055 6.75 3 0.15 0.070 1.13 4 0.20 0.090 12 5 0.20 0.150 3 6 0.35 0.075 6 7 0.15 0.065 − (MgOのみ) 次いで、この粉体を2ton/cm2の成形圧で65mm×
65mm×7mmに板状にCIP成形し、下記第2表に示
す条件で常圧下に焼成した。 得られた焼結体の()密度(g/cm3)、()
平均結晶粒径(μm)、()マイクロビツカース
硬度(Kgf/mm2)および()耐摩耗性(重量
減:g)を下記第3表に示す。 第3表は、以下の実施例2および実施例3で得
られた焼結体についての結果をも併せて示す。第
3表において、試料No.1、3、6、10及び11が実
施例であり、他は比較例である。 なお、マイクロビツカース硬度は、500g荷重
にて測定した。また、耐摩耗性は、ダイヤモンド
砥石により、焼結体を研削した後、表面粗さ
Rmax=0.8μm以下に仕上げした50mm×50mm×5
mmの焼結体に電融アルミナ粒(35〜60メツシユ)
を5Kgf/mm2の圧力で10分間吹付け、焼結体の重
量減を測定した。 実施例 2 純度99.995%のα−アルミナ粉末に、原料中の
マグネシアとシリカとの合計量が0.060%、
MgO/SiO2(モル比)が5となる様に、硝酸マグ
ネシウム溶液とケイ酸エチル溶液とを配合した
後、実施例1と同様にして、成形体を作成し、第
2表に示す条件で常圧下に焼成した。 実施例 3 アルミナ水和物に、原料中のマグネシアとシリ
カとの合計量が0.050%、MgO/SiO2(モル比)
が7となる様に、硝酸マグネシウム溶液とケイ酸
エチル溶液とを配合し、乾燥した後、1200℃で焼
成して、α−アルミナ粉末を得た。得られたα−
アルミナ粉末をボールミルにて平均結晶子径が
0.15μmとなるまで湿式粉砕し、以後実施例1と
同様にして、成形体を作成し、第2表に示す条件
で常圧下に焼成した。 第2表 試料No. 使用粉末 焼成温度(℃) 1 No.1 1400 2 No.2 1250 3 No.2 1350 4 No.2 1600 5 No.3 1400 6 No.4 1450 7 No.5 1350 8 No.6 1400 9 No.7 1400 10 実施例2 1400 11 実施例3 1400
びその製造方法に関し、さらに詳しくは、特に高
硬度、耐摩耗性、耐エロージヨン性などが要求さ
れる機械部品、粉砕機用部材などとして好適な耐
摩耗性アルミナセラミツクスおよびその製造方法
にする。 なお、本明細書においては、“%”とあるのは、
全て“重量%”を意味する。 従来技術とその問題点 従来、耐摩耗性アルミナセラミツクスとして
は、アルミナ含有量90%程度の材料に粘土などの
添加剤を加え、焼成したものが使用されてきた
(例えば、“窯業工学ハンドブツク(新版)”(株)技
報堂、(昭和41年12月25日発行)、第1262頁)。し
かしながら、このセラミツクスは、硬度が低く、
結晶組織が不均一であるため、耐摩耗性が十分で
ないという欠点がある。 最近、アムミナ99.9%以上の高純度アルミナを
使用する耐摩耗性アルミナセラミツクスも提案さ
れている。しかしながら、焼結工程で結晶粒径が
大きくなるため、耐摩耗性はやはり満足すべきも
のとはいえない。高純度アルミナ原料にTiCなど
の非酸化物を添加し、ポツトプレスして得たもの
は、十分な耐摩耗性を発揮するが、非酸化性雰囲
気中で加圧下に焼成を行なう必要があるため、製
造コストが極めて高いという問題点がある。 問題点を解決するための手段 本発明者は、上記の如き従来技術の問題点に鑑
みて、鋭意研究を重ねてきた。その過程におい
て、従来、耐摩耗性には劣るものの、安価である
ために耐摩耗性用部材として広く使用されてきた
アルミナ焼結体に着目し、その耐摩耗性を向上さ
せるべく研究を重ねた結果、アルミナ焼結体の粒
界成分、結晶粒径、密度、硬度などを特定の範囲
内に制御することにより、耐摩耗性に極めて優れ
たアルミナ焼結体が得られることを見出した。 すなわち、本発明は、下記に示す耐摩耗性アル
ミナセラミツクスおよびその製造方法を提供する
ものである: マグネシアとシリカとを合計0.025〜0.12%
含有し、MgO/SiO2(モル比)が2〜15であ
り、残部がアルミナからなる焼結体であつて、
密度3.90g/cm3、平均結晶粒径1.5μm以下且つ
硬度1900Kgf/mm2以上であることを特徴とする
耐摩耗性アルミナセラミツクス。 平均結晶子径0.05〜0.3μmのα−アルミナ粉
末に、マグネシアとシリカとの合計含有量が
0.025〜0.12%となり且つMgO/SiO2(モル比)
が2〜15となるように平均粒径0.3μm以下のマ
グネシアとシリカとを加えて粉砕混合し、成形
した後、1300〜1550℃で焼成することを特徴と
する耐摩耗性アルミナセラミツクスの製造方
法。 マグネシアおよびシリカ成分をMgおよびSi
を含有する溶液、ゾルまたはゲルの状態で添加
する上記項に記載の耐摩耗性アルミナセラミ
ツクスの製造方法。 アルミナ水和物またはアルミナにMgおよび
Siを含有する溶液、ゾルまたはゲルを添加し、
焼成することにより得たマグネシアとシリカと
の合計含有量が0.025〜0.12%且つMgO/SiO2
(モル比)が2〜15で平均結晶子径0.05〜0.3μ
mのα−アルミナ粉末を成形した後、1300〜
1550℃で焼成することを特徴とする耐摩耗性ア
ルミナセラミツクスの製造方法。 アルミナ水和物またはアルミナにMgを含有
する溶液、ゾルまたはゲルを添加し、焼成する
ことにより得たマグネシアを含有する平均結晶
子径0.05〜0.3μmのα−アルミナ粉末に、マグ
ネシアとシリカとの合計含有量が0.025〜0.12
%となり且つMgO/SiO2(モル比)が2〜15と
なるように平均粒径0.3μm以下のシリカを加え
て混合分散させ、成形した後、1300〜1550℃で
焼成することを特徴とする耐摩耗性アルミナセ
ラミツクスの製造方法。 以下、本発明の耐摩耗性アルミナセラミツクス
が具備すべき要件とそれに基く効果などについて
詳細に説明する。なお、本発明の効果自体は、必
ずしも単一の要件のみにより達成されるものでは
なく、二以上の要件により相乗的に達成される場
合もある。従つて、以下の記載は、必ずしも発明
の構成と効果との対応を完全に説明するものでは
ないことを付言しておく。 (1) アルミナ焼結体中のマグネシアとシリカの合
計量を0.025〜0.12%且つMgO/SiO2(モル比)
を2〜15の範囲内とする。 本発明者の研究によれば、アルミナ原料にア
ルミナの機械的特性を阻害しない範囲内で特定
量のマグネシアとシリカとを添加して、焼結す
る場合には、緻密化の過程でアルミナ結晶粒界
にスピネル結晶(MgAl2O4)とマグネシウ
ム・シリケートおよび/またはマグネシウム・
アルミニウム・シリケートのガラス相が形成さ
れ、その結果、アルミナ結晶の粒成長が抑制さ
れ、結晶組織が均一となつて、緻密化が一層促
進されることが判明した。 アルミナ原料に添加するマグネシアとシリカ
の合計量が、アルミナ焼結体中の0.025%未満
となる量である場合には、アルミナ結晶の粒成
長抑制の効果が十分発揮されない。一方、0.12
%を上回る場合には、緻密化が阻害されるの
で、空孔の増大抑制または緻密化の促進のため
に、高温で焼成しなければならない。その結
果、アルミナ結晶粒径が大きく且つ不均一とな
るので、アルミナ結晶粒の粒界が優先的に破壊
されて生じる摩耗、すなわち、粒子離脱摩耗が
生じ易くなる。 アルミナ焼結体中のマグネシウムとシリカの
合計量は0.03〜0.1%であることがより好まし
い。 また、シリカを単独で添加する場合或いは
MgO/SiO2(モル比)が2未満である場合に
は、スピネル結晶の生成量が少なくなり、一
方、マグネシアを単独で添加する場合或いは
MgO/SiO2(モル比)が15を上回る場合には、
シリケート相の生成量が少なくなつて、いずれ
の場合にも、均一で微細な結晶組織を有する高
硬度のアルミナ焼結体は得られない。 アルミナ焼結体中のMgO/SiO2(モル比)
は、3〜15であることがより好ましい。 (2) アルミナ焼結体の密度を3.90g/cm3以上とす
る。 アルミナ焼結体の耐摩耗性は、その密度によ
つても、大きく影響され、密度が低い程、摩耗
量は増大する。これは、密度が低い程、粒内、
粒界などに存在する空孔が多くなり、この空孔
が摩耗の起点となつて、結晶粒離脱摩耗が促進
されるためと推考される。 従つて、本発明では、アルミナ焼結体の密度
を3.90g/cm3以上とし、より好ましくは3.92
g/cm3以上とする。 (3) アルミナ焼結体中のアルミナ結晶の平均粒径
を1.5μm以下とし、ビツカース硬度を1900Kg
f/mm2以上とする。 焼結体中のアルミナ結晶の粒径が大きい場合
には、同一組成の焼結体では、粒界巾が広くな
つたり、低硬度となつたりする。その結果、前
述の結晶粒離脱摩耗が発生し易くなり、摩耗量
が増大するものと推考される。本発明者の研究
によれば、平均結晶粒径を1.5μm以下且つビツ
カース硬度を1900Kgf/mm2以上とすることによ
り、耐摩耗性が著しく改善されることが判明し
た。 アルミナ焼結体中のアルミナ結晶の平均粒径
は1.2μm以下とし、ビツカース硬度を1950Kg
f/mm2以上とすることがより好ましい。 なお、本発明のアルミナ焼結体を製造するに
際し、焼成温度が1300℃未満の場合には、焼結
不十分となつて、密度が低くなり、一方、1550
℃を上回る場合には、粒成長が著しくなるの
で、焼結体の特性が低下する。従つて、焼成を
1300〜1550℃の範囲で行なうことを必須とす
る。焼成は、1300〜1500℃の範囲で行なうこと
がより好ましい。 (4) 原料として使用するα−アルミナ粉末の平均
結晶子径を0.05〜0.3μmとし、且つマグネシア
およびシリカの平均粒径を0.3μm以下とする。 α−アルミナ粉末が0.05μm未満である場合
には、凝集を生じ易いので、成形性が低下し
て、焼結体に空孔などの欠陥を生じ易くなる。
一方、α−アルミナ粉末が0.3μmを上回る場合
には、焼結体の結晶粒径が大くきなり、低硬度
となつて、耐摩耗性が低下する。α−アルミナ
粉末の平均結晶子径は、0.05〜0.2μmであるこ
とがより好ましい。 マグネシアおよびシリカの平均粒径が、α−
アルミナ粉末のそれよりも大きい場合には、原
料粉の均一な分散が困難となるため、良好な特
性を有するアルミナ焼結体が得られない。従つ
て、マグネシアおよびシリカの平均粒径は、
0.3μm以下とする必要があり、より好ましくは
0.2μm以下とする。使用量が少ないマグネシア
およびシリカの場合には、粒径が小さ過ぎて
も、成形性を阻害しないので、粒径に下限はな
い。 本発明による耐摩耗性アルミナセラミツクス
は、例えば、下記の様にして製造される。好ま
しくはアルコキシド法、明バン法などにより製
造された純度99.9%以上のα−アルミナ粉末に
マグネシアとシリカとを加え、常法に従つて、
ボールミルなどの粉砕機を使用して乾式または
湿式で均一に粉砕混合し、乾燥して原料粉体を
得る。次いで、常法に従つて、鋳込み成形、射
出成形、押出形成、プレス成形などの方法で所
定の形状に成形した後、常圧下に1300〜1550℃
で焼成し、アルミナ焼結体を得る。成形に際し
て、必要ならば、スラリーを調製したり、成形
助剤を使用して予備造粒したりすることは、常
法と同様である。 なお、マグネシア成分とシリカ成分は、アル
ミナ成分との混合分散性を改善するために、
MgとSiとを含有する溶液、ゾルまたはゲルの
状態でα−アルミナ粉末またはアルミナ水和物
に添加した後、1300℃未満で焼成することによ
り得られたMgおよびSi含有α−アルミナ粉末
(0.05〜0.3μm)を形成し、次いで常圧下に
1300〜1550℃で焼成しても良い。或いは、Mg
を含有する溶液、ゾルまたはゲルの状態でα−
アルミナ粉末または水和アルミナにMgを添加
した後、1300℃未満で焼成することにより得ら
れたMg含有α−アルニナ粉末(0.05〜0.3μm)
にシリカ粉末を粉砕混合させ、成形し、次いで
常圧下に1300〜1550℃で焼成しても良い。 なお、上記の焼結体の製造に際しては、成形
助剤、水などの純度および種類の選択、粉砕機
器類、焼成治具などの選択などを適宜行なうこ
とにより、焼結体の特性に悪影響を及ぼす不純
物の混入を防止することが望ましい。また、焼
結体の結晶粒径、密度、硬度などを所定の範囲
内とするためには、(イ)焼結過程で粒成長を促進
するTiO2、Na2Oなどの混入を防止する、(ロ)粉
砕などの処理により、原料を微粉砕して、焼結
性を改善する、(ニ)焼結前の成形体の密度を1.60
g/cm3以上としておくことなどが好ましい。 発明の効果 本発明によれば、粒界成分、結晶粒径、密度、
硬度などを特定の範囲内に制御することにより、
緻密で、高硬度の耐摩耗性に極めて優れたアルミ
ナ焼結体が得られる。また、その製造に際して
は、常圧下での焼結を行なうだけでも、耐摩耗性
に優れた焼結体が得られる。 実施例 以下に実施例および比較例を示し、本発明の特
徴とするところをより一層明確にする。 実施例 1 純度99.995%のα−アルミナ粉末と平均粒径
0.2μm以下のマグネシア粉末とシリカ粉末とを下
記第1表に示す割合で配合し、ボールミルにて10
時間湿式粉砕混合した後、成形助剤としてアクリ
ル酸共重合体を原料重量の3%加え、スプレード
ライヤーで平均粒径60μmに整粒して、成形用粉
体を得た。 第1表に()α−アルミナ粉末の平均結晶子
径(μm)、()原料中に占めるマグネシア粉末
とシリカ粉末と割合(%)、および()MgO/
SiO2(モル比)を示す。 なお、第1表において、No.1、2および4が、
実施例であり、その他は比較例である。 第1表 () () () No. 1 0.10 0.040 3.5 2 0.15 0.055 6.75 3 0.15 0.070 1.13 4 0.20 0.090 12 5 0.20 0.150 3 6 0.35 0.075 6 7 0.15 0.065 − (MgOのみ) 次いで、この粉体を2ton/cm2の成形圧で65mm×
65mm×7mmに板状にCIP成形し、下記第2表に示
す条件で常圧下に焼成した。 得られた焼結体の()密度(g/cm3)、()
平均結晶粒径(μm)、()マイクロビツカース
硬度(Kgf/mm2)および()耐摩耗性(重量
減:g)を下記第3表に示す。 第3表は、以下の実施例2および実施例3で得
られた焼結体についての結果をも併せて示す。第
3表において、試料No.1、3、6、10及び11が実
施例であり、他は比較例である。 なお、マイクロビツカース硬度は、500g荷重
にて測定した。また、耐摩耗性は、ダイヤモンド
砥石により、焼結体を研削した後、表面粗さ
Rmax=0.8μm以下に仕上げした50mm×50mm×5
mmの焼結体に電融アルミナ粒(35〜60メツシユ)
を5Kgf/mm2の圧力で10分間吹付け、焼結体の重
量減を測定した。 実施例 2 純度99.995%のα−アルミナ粉末に、原料中の
マグネシアとシリカとの合計量が0.060%、
MgO/SiO2(モル比)が5となる様に、硝酸マグ
ネシウム溶液とケイ酸エチル溶液とを配合した
後、実施例1と同様にして、成形体を作成し、第
2表に示す条件で常圧下に焼成した。 実施例 3 アルミナ水和物に、原料中のマグネシアとシリ
カとの合計量が0.050%、MgO/SiO2(モル比)
が7となる様に、硝酸マグネシウム溶液とケイ酸
エチル溶液とを配合し、乾燥した後、1200℃で焼
成して、α−アルミナ粉末を得た。得られたα−
アルミナ粉末をボールミルにて平均結晶子径が
0.15μmとなるまで湿式粉砕し、以後実施例1と
同様にして、成形体を作成し、第2表に示す条件
で常圧下に焼成した。 第2表 試料No. 使用粉末 焼成温度(℃) 1 No.1 1400 2 No.2 1250 3 No.2 1350 4 No.2 1600 5 No.3 1400 6 No.4 1450 7 No.5 1350 8 No.6 1400 9 No.7 1400 10 実施例2 1400 11 実施例3 1400
【表】
第3表に示す結果から明らかなように、成形体
の焼成温度が1300℃未満である場合には(試料No.
2)、焼結が不十分となり、密度、硬度および耐
摩耗性が低い。 また、成形体の焼成温度が1550℃を上回る場合
には(試料No.4)、密度は高くなるものの、平均
結晶粒径が大きくなり、硬度および耐摩耗性が劣
つている。 さらに、MgO/SiO2(モル比)が2未満である
場合には(試料No.5)、密度および硬度が低く、
耐摩耗性が劣つている。 マグネシアとシリカの含有量が0.12%を上回る
場合には(試料No.7)、粒界の特性が不良である
ため、耐摩耗性が劣つている。 α−アルミナ粉末の平均結晶子径が0.3μmを上
回る場合には(試料No.8)、密度、硬度および耐
摩耗性のいずれもが劣るものとなつている。 また、マグネシアのみを配合する場合には(試
料No.9)、密度および平均結晶粒径は好ましい範
囲のものが得られが、結晶組織が、不均一であ
り、低硬度となるため、耐摩耗性が低下した。 これに対し、本発明の要件を全て充足する試料
No.1、3、6、10および11の場合には、優れた耐
摩耗性を発揮することが出来る。 実施例 4 焼成物中のアルミナ、マグネシア及びシリカの
合計重量中のマグネシア及びシリカの合計量が
0.065%となる様に且つMgO/SiO2(モル比)が
10となる様に、アルミナ水和物、硝酸マグネシウ
ム溶液およびケイ酸エチル溶液を秤量した。 次いで、アルミナ水和物に硝酸マグネシウム溶
液を混合し、乾燥し、1200℃で焼成して、Mg含
有α−アルミナ粉末を得た後、ケイ酸エチル溶液
を加え、混合し、ボールミルにて平均結晶子径が
0.1μm以下となるまで湿式粉砕し、実施例1と同
様にして成形し、1350℃で常圧下に焼成した。 得られた焼結体の物性は、以下の通りの優れた
ものであつた。 密度:3.97g/cm3、平均結晶粒径:0.8μm、硬
度:2140Kgf/mm2、耐摩耗性:0.03g 実施例 5 実施例3の第2表の試料No.3及び5と同様の条
件で粉末を成形し、直径5mmのボールを製造し、
その表面をバレル研摩した。 かくして得たボールを容量5のアトリシヨン
ミル中に3.5入れ、さらに水1.6とジルコニア
粉1.6Kgを加えた後、アトリシヨンミルを200rpm
で8時間運転して、ボールの摩耗量を求めた。 試料No.3によるボールの1時間当りの摩耗量
は、20ppmであつたのに対し、試料No.5によるボ
ールの1時間当りの摩耗量は、1900ppmであつ
た。 この結果からも明らかな様に、本発明によるア
ルミナセラミツクスは、粉砕用ボールとした場合
にも、優れた耐摩耗性を発揮する。
の焼成温度が1300℃未満である場合には(試料No.
2)、焼結が不十分となり、密度、硬度および耐
摩耗性が低い。 また、成形体の焼成温度が1550℃を上回る場合
には(試料No.4)、密度は高くなるものの、平均
結晶粒径が大きくなり、硬度および耐摩耗性が劣
つている。 さらに、MgO/SiO2(モル比)が2未満である
場合には(試料No.5)、密度および硬度が低く、
耐摩耗性が劣つている。 マグネシアとシリカの含有量が0.12%を上回る
場合には(試料No.7)、粒界の特性が不良である
ため、耐摩耗性が劣つている。 α−アルミナ粉末の平均結晶子径が0.3μmを上
回る場合には(試料No.8)、密度、硬度および耐
摩耗性のいずれもが劣るものとなつている。 また、マグネシアのみを配合する場合には(試
料No.9)、密度および平均結晶粒径は好ましい範
囲のものが得られが、結晶組織が、不均一であ
り、低硬度となるため、耐摩耗性が低下した。 これに対し、本発明の要件を全て充足する試料
No.1、3、6、10および11の場合には、優れた耐
摩耗性を発揮することが出来る。 実施例 4 焼成物中のアルミナ、マグネシア及びシリカの
合計重量中のマグネシア及びシリカの合計量が
0.065%となる様に且つMgO/SiO2(モル比)が
10となる様に、アルミナ水和物、硝酸マグネシウ
ム溶液およびケイ酸エチル溶液を秤量した。 次いで、アルミナ水和物に硝酸マグネシウム溶
液を混合し、乾燥し、1200℃で焼成して、Mg含
有α−アルミナ粉末を得た後、ケイ酸エチル溶液
を加え、混合し、ボールミルにて平均結晶子径が
0.1μm以下となるまで湿式粉砕し、実施例1と同
様にして成形し、1350℃で常圧下に焼成した。 得られた焼結体の物性は、以下の通りの優れた
ものであつた。 密度:3.97g/cm3、平均結晶粒径:0.8μm、硬
度:2140Kgf/mm2、耐摩耗性:0.03g 実施例 5 実施例3の第2表の試料No.3及び5と同様の条
件で粉末を成形し、直径5mmのボールを製造し、
その表面をバレル研摩した。 かくして得たボールを容量5のアトリシヨン
ミル中に3.5入れ、さらに水1.6とジルコニア
粉1.6Kgを加えた後、アトリシヨンミルを200rpm
で8時間運転して、ボールの摩耗量を求めた。 試料No.3によるボールの1時間当りの摩耗量
は、20ppmであつたのに対し、試料No.5によるボ
ールの1時間当りの摩耗量は、1900ppmであつ
た。 この結果からも明らかな様に、本発明によるア
ルミナセラミツクスは、粉砕用ボールとした場合
にも、優れた耐摩耗性を発揮する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 マグネシアとシリカとを合計0.025〜0.12%
含有し、MgO/SiO2(モル比)が2〜15であり、
残部がアルミナからなる焼結体であつて、密度
3.90g/cm3、平均結晶粒径1.5μm以下且つ硬度
1900Kgf/mm2以上であることを特徴とする耐摩耗
性アルミナセラミツクス。 2 平均結晶子径0.05〜0.3μmのα−アルミナ粉
末に、マグネシアとシリカとの合計含有量が
0.025〜0.12%となり且つMgO/SiO2(モル比)が
2〜15となるように平均粒径0.3μm以下のマグネ
シアとシリカとを加えて粉砕混合し、成形した
後、1300〜1550℃で焼成することを特徴とする耐
摩耗性アルミナセラミツクスの製造方法。 3 マグネシアおよびシリカ成分をMgおよびSi
を含有する溶液、ゾルまたはゲルの状態で添加す
る請求項2に記載の耐摩耗性アルミナセラミツク
スの製造方法。 4 アルミナ水和物またはアルミナにMgおよび
Siを含有する溶液、ゾルまたはゲルを添加し、焼
成することにより得たマグネシアとシリカとの合
計含有量が0.025〜0.12%且つMgO/SiO2(モル
比)が2〜15で平均結晶子径0.05〜0.3μmのα−
アルミナ粉末を成形した後、1300〜1550℃で焼成
することを特徴とする耐摩耗性アルミナセラミツ
クスの製造方法。 5 アルミナ水和物またはアルミナにMgを含有
する溶液、ゾルまたはゲルを添加し、焼成するこ
とにより得たマグネシアを含有する平均結晶子径
0.05〜0.3μmのα−アルミナ粉末に、マグネシア
とシリカとの合計含有量が0.025〜0.12%となり
且つMgO/SiO2(モル比)が2〜15となるように
平均粒径0.3μm以下のシリカを加えて混合分散さ
せ、成形した後、1300〜1550℃で焼成することを
特徴とする耐摩耗性アルミナセラミツクスの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63332466A JPH02180747A (ja) | 1988-12-28 | 1988-12-28 | 耐摩耗性アルミナセラミックスおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63332466A JPH02180747A (ja) | 1988-12-28 | 1988-12-28 | 耐摩耗性アルミナセラミックスおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02180747A JPH02180747A (ja) | 1990-07-13 |
JPH0544428B2 true JPH0544428B2 (ja) | 1993-07-06 |
Family
ID=18255288
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63332466A Granted JPH02180747A (ja) | 1988-12-28 | 1988-12-28 | 耐摩耗性アルミナセラミックスおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02180747A (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2592223B2 (ja) * | 1993-12-27 | 1997-03-19 | 品川白煉瓦株式会社 | ボンディングキャピラリー用アルミナセラミックスおよびその製造方法 |
JP3859354B2 (ja) * | 1998-04-30 | 2006-12-20 | 日本特殊陶業株式会社 | スパークプラグ及びスパークプラグ用絶縁体及びその製造方法 |
JP5236203B2 (ja) * | 2006-04-18 | 2013-07-17 | 株式会社松風 | 顎歯模型用の歯牙 |
JP2007323052A (ja) * | 2006-05-02 | 2007-12-13 | Shiyoufuu:Kk | 顎歯模型用複合歯牙及びその製造方法とその応用 |
JP5236204B2 (ja) * | 2006-05-23 | 2013-07-17 | 株式会社松風 | 顎歯模型用の歯牙及びその製造方法 |
JP5351405B2 (ja) * | 2007-10-09 | 2013-11-27 | 株式会社ニッカトー | 耐摩耗性にすぐれたアルミナ質セラミックス |
-
1988
- 1988-12-28 JP JP63332466A patent/JPH02180747A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02180747A (ja) | 1990-07-13 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |