JPH0544260Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、複数個の包装箱を連結して一体とし
て取扱えるようにすると共に、必要に応じて、単
位包装箱に分割することができるようにした連結
包装箱に関するものである。

従来の技術及び考案が解決しようとする課題 従来、この種の連結包装箱としては、第５図
イ，ロ，ハに示すものが知られており、第５図イ
は蓋フラツプを開いた状態の連結包装箱、第５図
ロは連結板、第５図ハは包装箱１０Ｂの展開図を
示している。包装箱１０Ｂの展開体は、側面壁１
３Ｂ，１３Ｂと妻面壁１４Ｂ，１４Ｂが交互に連
設され、その一端縁１３０Ｂには糊代片１５Ｂが
連設されている。側面壁１３Ｂ，１３Ｂ及び妻面
壁１４Ｂ，１４Ｂの上端縁には、蓋フラツプ１２
Ｂ，１２Ｂ，１１Ｂ，１１Ｂが連設されており、
下端縁には底面壁を形成する底フラツプ（番号省
略）が連設されている。

また、一方の側面壁１３Ｂの両端には、上方に
開口するスリツト１３１Ｂ，１３１Ｂが設けられ
ている。包装箱１０Ｂは、この展開体を用い糊代
片１５Ｂを他端縁１４０Ｂに固着し、底フラツプ
を係合させて組立てられる。一方、連結板２０Ｂ
は、包装箱１０Ｂの妻面壁１４Ｂを２枚合わせた
程度の大きさで、下方に開口するスリツト２００
Ｂを有している。従つて、この連結包装箱は、包
装箱１０Ｂを、複数個、その側面壁１３Ｂ，１３
Ｂ同士を重合させて集合させ、重合させた各側面
壁１３Ｂの両端部の上方に開口するスリツト１３
１Ｂ，１３１Ｂに跨つて挿入して係合するスリツ
ト２００Ｂを有すると共に、複数個の包装箱１０
Ｂに跨つてその妻面壁１４Ｂ内側に重合する連結
板２０Ｂにより、連結するもので、蓋フラツプ１
１Ｂ，１１Ｂ，１２Ｂ，１２Ｂを接着テープ等に
より固定して組立が完了するものであつた。この
ものは軽量物品の収納には適したものであつた
が、酒びん等の重量のある物品を収納した場合
は、輸送途上において、収納物品３０Ｂの揺動に
より連結板２０Ｂが折れて、第６図に示すよう
に、連結包装箱の連結状態が損われる欠点があつ
た。また、従来の、この種の連結包装箱において
は、連結板２０Ｂは、下部に開口するスリツト２
００Ｂだけで複数個の包装箱１０Ｂの下部同士を
連結していたので、連結された各包装箱１０Ｂの
上部は、第７図に示すように、運搬中に、相互に
遠ざかるように離れる欠点があつた。

本考案は、収納物品の揺動を極力防止し、連結
板の上端部の強度を向上させ、複数個の包装箱が
常に密着して安定した状態に連結される連結包装
箱を提供するものである。

課題を解決するための手段 本考案連結包装箱は、上記課題を達成するため
に、上部に蓋フラツプ１１，１１，１２，１２を
備えた包装箱１０を、複数個、その側面壁１３，
１３同士を重合させて集合させ、重合させた各側
面壁１３の両端部に、上方に開口するスリツト１
３１，１３１を設け、重合する側面壁１３の各一
端部のスリツト１３１に跨つて挿入して係合する
スリツト２００を有すると共に、複数個の包装箱
１０，１０に跨つて各妻面壁１４内側に重合する
連結板２０により、複数個の包装箱１０，１０を
連結した連結包装箱において、連結板２０の上端
縁に、折線２１１，２２１，２３１を介して各包
装箱内に屈曲し、両端縁が各包装箱１０内面に当
接する上面板２１、垂下板２２及び傾斜支持板２
３を順次連設して箱内に屈曲せしめ、傾斜支持板
２３の先端縁２３２を連結板２０の上端縁内側に
当接させると共に、垂下板２２及び傾斜支持板２
３に収納物品３０の頭部３１と嵌合する切欠き２
４を設けてなるものである。

実施例 本考案の実施例が第１図乃至第４図に示されて
いる。

本例の連結包装箱は、２個の包装箱１０，１０
と、上面板２１、垂下板２２及び傾斜支持板２３
が連設された２個の連結板２０，２０とからなつ
ている。包装箱１０は、従来例の説明で示したも
のとほぼ同様なもので、詳細な説明は省略する
が、本考案では、両端部にスリツト１３１，１３
１を設けた側面壁１３に連設した蓋フラツプ１２
の上縁両端角部１２１，１２１に丸味をつけて連
結板２０を包装箱１０，１０内に挿入しやすくし
ているほか、スリツト１３１の先端部１３２は包
装箱１０，１０の連結を強固にするため先細に形
成され、また、スリツト１３１の上端には包装箱
１０，１０に分割しやすくするための切欠き１１
１が設けられ、独自の工夫がなされている。連結
板２０は、包装箱１０，１０の重合した側面壁１
３，１３の各一端部のスリツト１３１，１３１に
跨つて挿入し係合するスリツト２００が下方に開
口している。スリツト２００の溝巾は、包装箱１
０の段ボール厚み２枚分より若干小さくして、連
結する包装箱１０，１０に跨つて挿入したとき、
強固に係合できるようにすることが望ましい。ス
リツト２００の上方には、スリツト２００に連続
する位置にテープ２０１とその両側にミシン目２
０２が設けられている。連結板２０の上端縁に
は、折線２１１を介して各包装箱１０内に屈曲可
能な上面板２１が各包装箱数連設されると共に、
中央部にはテープ２０１の上端をつまみ易くする
切込み把手２１２が設けられている。各上面板２
１には、その端縁に収納物品３０の頭部３１上面
に当接する舌片２１３が連設されている。

また、上面板２１には、折線２２１，２３１を
介して垂下板２２、傾斜支持板２３が順次連設さ
れており、上面板２１、垂下板２２及び傾斜支持
板２３は、各包装箱１０内に屈曲させられたと
き、これらの両端縁が各包装箱１０の内面に当接
する寸法に設定されている。垂下板２２と傾斜支
持板２３には、双方に跨がつて、収納物品３０の
頭部と嵌合する切欠き２４が設けられており、更
に、傾斜支持板２３は、梱包時に先端縁２３２が
連結板２０の上端縁２１１内側に当接する寸法に
設定されている。

従つて、包装箱１０，１０を複数個、その側面
壁１３，１３同士を重合させて集合し、重合させ
た各側面壁１３の両端部のスリツト１３１，１３
１に跨がるように、各連結板２０のスリツト２０
０を挿入して係合すると共に、各連結板２０に連
設する上面板２１、垂下板２２及び傾斜支持板２
３を、第２図に示すように、各包装箱１０内に屈
曲せしめて、切欠き２４を収納物品３０の頭部３
１に嵌合させると共に、舌片２１３を収納物品３
０の頭部３１上面に当接させ、蓋フラツプ１１，
１１，１２，１２を閉めて接着テープ等により封
緘すれば出来上がる。なお、蓋フラツプは各包装
箱に４枚は必ずしも必要でなく、他の蓋フラツプ
構造のものでもよい。

運搬の際は、切欠き２４に収納物品３０の頭部
３１が嵌合されるので、その揺動が防止され、ま
た傾斜支持板２３の先端２３２が連結板２０の上
端部２１１内側に当接し、連結板２０の上端部が
強化されて箱の内側方向に折れるのが防止される
ので、連結された複数個の包装箱１０のうち、い
ずれかが、ずり落ちるという事故は皆無となつ
た。更に、上面板２１、垂下板２２及び傾斜支持
板２３が、それぞれ各包装箱１０内の上部に屈曲
して嵌入し、その両端縁が包装箱１０の内面に当
接して重合した側面壁を挟持しているので、連結
された複数個の包装箱１０の上部が相互に遠ざか
るように離れる不都合がなくなつた。

本考案の連結包装箱を分割するときは、切込み
把手２１２を下方に引けば、テープ２０１の両側
のミシン目２０２部分から連結板２０が切断され
るので、連結包装箱は、それぞれ単位包装箱１
０，１０に容易に分離されることになる。

考案の効果 以上のように、本考案によれば、連結板を改良
することにより、収納物品の揺動を防止し、連結
包装箱の連結状態の安定性を著しく向上させるこ
とができた。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は、本考案の一実施例を示
し、第１図は、封緘前の斜視図、第２図は連結板
の斜視図、第３図は連結板の平面図、第４図は包
装箱の展開図、第５図乃至第７図は従来例を示
し、第５図イは組立中の連結包装箱の斜視図、第
５図ロは連結板の斜視図、第５図ハは包装箱の展
開図、第６図及び第７図は連結包装箱の使用中に
おける事故発生時の各説明図である。 １０……包装箱、２０……連結板、１１，１２
……蓋フラツプ、２００……スリツト、１３……
側面壁、２１……上面板、１３１……スリツト、
２２……垂下板、１４……妻面壁、２３……傾斜
支持板、２３２……先端縁、２４……切欠き、２
１１，２２１，２３１……折線、３０……収納物
品、３１……頭部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に蓋フラツプを備えた包装箱を、複数個、
   その側面壁同士を重合させて集合させ、重合させ
   た各側面壁の両端部に、上方に開口するスリツト
   を設け、重合する側面壁の各一端部のスリツトに
   跨つて挿入して係合するスリツトを有すると共
   に、複数個の包装箱に跨つて各妻面壁内側に重合
   する連結板により、複数個の包装箱を連結した連
   結包装箱において、連結板の上端縁に、折線を介
   して各包装箱内に屈曲し、両端縁が各包装箱内面
   に当接する上面板、垂下板及び傾斜支持板を順次
   連設し、傾斜支持板の先端縁を連結板上端縁内側
   に当接させると共に、垂下板及び傾斜支持板に収
   納物品の頭部と嵌合する切欠きを設けてなること
   を特徴とする連結包装箱。