JPH0543644B2 - - Google Patents

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JPH0543644B2
JPH0543644B2 JP17028084A JP17028084A JPH0543644B2 JP H0543644 B2 JPH0543644 B2 JP H0543644B2 JP 17028084 A JP17028084 A JP 17028084A JP 17028084 A JP17028084 A JP 17028084A JP H0543644 B2 JPH0543644 B2 JP H0543644B2
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aluminosilicate
binder
crystalline aluminosilicate
gel
sio2
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JP17028084A
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Noriaki Tagaya
Tsugio Maejima
Takao Hashimoto
Satoshi Sakurada
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
イ 発明の目的 ≪産業上の利用分野≫ 本発明は結晶性アルミノ珪酸塩に関する。更に
詳しくは、本発明は実質的にバインダーを含有し
ない、バインダーレスゼオライト触媒の製造方法
に関する。 ≪従来の技術≫ 結晶性アルミノ珪酸塩は、一般に結晶性ゼオラ
イトとして知られ、天然産及び合成品共にその結
晶構造は、珪素(Si)を中心として形成される4
個の酸素原子が頂点に配位したSiO4四面体と、
珪素の代わりにアルミニウム(Al)が置換した
AlO4四面体の三次元骨格を基本とした構造を有
する、アルミノ珪酸塩水和物である。 SiO4四面体とAlO4四面体は、4、5、6、8、
10又は12個連結して形成される4員環、5員環、
6員環、8員環、10員環又は12員環と、これらの
4、5、6、8、10及び12員環が各々重なつた二
重環が基本単位となり、これらが連結して結晶性
アルミノ珪酸塩の骨格構造が決定されることは知
られている。 これらの連結方式により決定される骨格構造の
内部には、特定の空洞が存在し、空洞構造の入口
は、6、8、10、及び12員環からなる開孔部を形
成している。形成された開孔部は、孔径が均一で
あり、特定の大きさ以下の分子のみを吸着し、大
きな分子は空洞内に入れないために吸着されな
い。このような結晶性アルミノ珪酸塩は、その作
用から「分子篩」として知られており、種々の化
学プロセスにおいて、吸着剤、化学反応用の触媒
或いは触媒担体として利用されている。 近年においては、上記分子篩的な作用と触媒作
用とを組み合わせた使用法が化学反応の各分野で
勢力的に研究されている。これは所謂分子形状選
択性反応触媒と呼ばれているもので、S.M.
Csicseryが機能面から分類しているように、(1)反
応物が特定のものしか活性点に近づくことが出来
ないもの、(2)活性点において反応した後、特定の
形をしたものしか反応の場から離脱出来ないも
の、(3)2分子反応において個々の分子は自由に反
応の場に出入りすることは出来るものの、遷移状
態が大きすぎるために反応することが出来ないも
のの3種類が存在する(“Zeolite Chemistry
and Catalysis”ACS Monograph171、ACS、
Washington D.C.1976年、680頁)。 このような分類は、結晶性アルミノ珪酸塩の空
洞内部での触媒反応についてのみ考慮してなされ
たものである。即ち結晶外表面或いは外表面近傍
の活性点上での接触反応は、上記触媒作用と異な
り、活性化エネルギーの小さい反応からあらゆる
反応が自由に起こるために、反応の選択性を低下
させることになる。 そこでこのような結晶外表面或いはその近傍で
の非選択的反応を抑制するために、結晶外表面に
化合物を被覆させることにより活性点を埋没せし
める方法や、別の固体酸性度又はアルカリ性を示
すもので活性点の固体酸性度を制御する方法が考
えられ、シリコン化合物類、リン化合物類或いは
マグネシウム化合物類等の添加が提案されてい
る。 一方結晶の大きさを制御することにより、結晶
内の分子形状選択性を有する活性点の数と結晶外
表面又はその近傍の形状選択性を有しない活性点
の数の割合を制御する方法も知られている。例え
ば結晶を大きくすると、結晶内の活性点の割合は
相対的に増加し形状選択性は高くなる。しかしな
がらこの方法によれば、反応物の活性点への接近
及び又は触媒が相対的に制限される結果全体とし
ての反応活性が低くなる。又、逆に結晶を小さく
すると、結晶外表面又はその近傍の活性点の割合
が相対的に増加する結果形状選択性は低下するも
のの、反応物の活性点への接近及び又は触媒の機
会が相対的に増加するため、反応活性は高くな
る。 結晶性アルミノ珪酸塩のAlO4四面体の電荷は、
結晶内に陽イオンを保持することにより平衡が保
たれている。そしてこれら陽イオンは、種々の方
法によりイオン交換されて、水素型或いは金属イ
オン交換型となつて、固体酸触媒として機能する
ことはよく知られた理論である。 天然の結晶性アルミノ珪酸塩では、その陽イオ
ンは元素周期律表第族又は同表第族の金属、
特にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネ
シウム及びストロンチウムである。合成結晶性ア
ルミノ珪酸塩においても上記の金属用イオンが使
用されるが、金属用イオンのほかに、近年、有機
窒素用イオン、例えばテトラアルキルアンモニウ
ムイオンの如き第4級アルキルアンモニウムイオ
ンが提案されている。そして、シリカ/アルミナ
比の高い結晶性アルミノ珪酸塩の合成には、アル
カリ源として上記の如き含窒素有機化合物の使用
は不可欠であるとされていた。 しかしながら、含窒素有機化合物を使用する場
合には、原料価格が高いという不利益に加えて、
製造された合成アルミノ珪酸塩を触媒として使用
するためには、合成物中に存在する含窒素有機化
合物を、高温にて焼成により除去することが必要
であり、製造工程を複雑化するという不利益があ
つた。 更に、上記のような、テトラアルキルアンモニ
ウム化合物又は、C2〜C10の第1級アミン等の如
きアミン系有機化合物を使用した従来の製造法に
おいては、その合成工程及び乾燥並びに焼成工程
時に該有機化合物の有する潜在的毒性又は、該有
機化合物の分解等に伴う種々の危険性が生じ、作
業上の安全の点で問題があつた。 又、含酸素有機化合物や含硫黄有機化合物等の
使用も提案されているが、これらの場合も含窒素
有機化合物を使用する場合の問題を解決するもの
ではない。 これらの問題を解決する方法として、近年実質
的に無機反応材料のみからなる水性反応混合物か
ら、結晶性アルミノ珪酸塩を製造する方法が開示
されている(特開昭58−45111号)。 それは酸化物のモル比で表示して、0.8〜
1.5M2/nO・Al2O3・10〜100SiO2・ZH2O(ここ
でMは、金属用イオンであり、nは、その金属陽
イオンの原子価であり、Zは、0〜40である。)
の化学組成を有し、且つ、少なくとも第1表に表
わした格子面間隔、即ち、d−距離を示す粉末X
線回折図形を有する結晶性アルミノ珪酸塩に関す
るものである。 第1表格子面間隔d(A) 相対強度(I/I0) 11.2±0.2 S. 10.1±0.2 S. 7.5±0.15 W. 6.03±0.1 M. 4.26±0.07 M. 3.86±0.05 V.S. 3.82±0.05 S. 3.76±0.05 S. 3.72±0.05 S. 3.64±0.05 S. 上記の如き、X線回折図形により特徴づけられ
る結晶構造を有するアルミノ珪酸塩は、TSZと
命名された。 第1表の相対強度において「V.S.」は最強、
「S.」は強、「M.」は中強、「W.」は弱、「V.W.」
は非常に弱いことを示す。 又、常法とは別の粉末X線回折分析による、と
りわけ精度の高い2θ(θはブラツグ角)の測定結
果の解析から、該発明による結晶性アルミノ珪酸
塩(TSZ)は結晶学的に単斜晶系に属すると結
論されている。この場合、水性反応混合物中の
SiO2/Al2O3比及びNaO2/SiO2比を制御するこ
とにより、結晶粒子径を制御することも可能であ
る(特願昭58−30797号、同58−46684号)。 一方、ゼオライト触媒を工業的に使用する場
合、例えば気体及び液体供給原料の固定床或いは
接触分解のような流動床操作に使用される場合に
は、ある種の形状を付与した粒子、例えばペレツ
ト型粒子、小球形粒子で供給する。この場合、気
相反応は一般に大きな空間速度で行われ、又、重
質油の液相反応では触媒表面からの拡散が限定さ
れるために、殆ど触媒粒子の外表面のみが利用さ
れる(米国特許第3966644号においてこの拡散限
度は約1/120インチであることが示されている)
ことから、活性を有するゼオライト触媒表面の面
積をできるだけ大きくすることが望まれる。この
ことは、触媒粒子を球状とした場合、その直径を
小さくすることにより改善されるが、他方触媒粒
子の強度が減少し触媒粒子の破壊が生ずるため
に、この方法によつて触媒性能を高めることには
限度がある。又、ゼオライト結晶粉体の粒子径を
小さくすることによつても改善されるが、他方、
ゼオライト結晶粉体のみから成る成形触媒粒子で
は、工業的使用に耐え得る十分な強度を保持し得
ない欠点がある。従つて、従来、ゼオライト触媒
を工業的に使用する場合には、粉体ゼオライトを
適当なバインダーを用いて、例えばペレツト型に
成型していた。 しかしながらこの方法によれば、使用するゼオ
ライトの利用率が低下するために反応物質の空間
速度を低下させることが余儀なくされる等、生産
性の低下が避けられないだけでなく、バインダー
中に含まれるアルカリ又はアルカリ土類金属等が
ゼオライト中に移動する結果、ゼオライトが被毒
されやすいという欠点を有していた。又、このよ
うなペレツト型触媒の製造方法はゼオライトと非
晶質のバインダーを圧縮し成型するものであるの
で、ゼオライトの結晶間に存在する所謂二次細孔
の中に非晶質のバインダーが入り込むために、物
理的強度は増加するものの二次細孔の量も分布も
制御することはできなかつた。 ≪発明が解決しようとする問題点≫ 二次細孔は、主として非晶質粉末或いは結晶粉
末を成型した場合の粒子と粒子の間に生ずるもの
であるから、ペレツトの強度を減ずることなくこ
の細孔を生かすことができれば、反応物が容易に
結晶から結晶へ移動できるばかりでなく、触媒活
性を有する結晶表面の面積を実質的に増加せしめ
るためにペレツトの触媒活性を改善することがで
きる。 本発明者らは、特願昭58−3972号(昭和58年3
月9日出願)においてこれらの問題点を解決し、
二次細孔を生かし(TSZゼオライトを有し)、触
媒活性に優れた特異の形状のバインダーレス触媒
体及びその製造方法を提供した。 しかしながらこの方法においてえられる結晶は
比較的大きい上、水熱反応水溶液中にはナトリウ
ム塩が存在することが必須であり、又、原料粉体
の製造方法及びバインダーとして使用するアルミ
ノシリケートゲルの具体的製造方法については明
示されていない。 従つて、本発明の第1の目的は、鉱化剤を使用
することなしに、二次細孔が生かされた実質的に
結晶性アルミノ珪酸塩からなるバインダーレスゼ
オライト触媒を製造する方法を提供することであ
る。 本発明の第2の目的は、小さな結晶粒子で構成
されていながら十分な強度をも有する、実質的に
結晶性アルミノ珪酸塩からなるバインダーレスゼ
オライト触媒を容易に製造する方法を提供するこ
とである。 更に本発明の第3の目的は、鉱化剤を使用する
ことなく容易にバインダーレスゼオライトを合成
するに適したアルミノシリケートゲルを調整する
方法を提供することである。 ロ 発明の構成 ≪問題を解決するための手段≫ 即ち本発明は、原料粉体と、バインダーとして
のアルミノシリケートゲルとを混練し、加圧成形
せしめた成型体から実質的に結晶性アルミノ珪酸
塩のみからなるバインダーを有しない結晶性アル
ミノ珪酸塩を製造する方法において、原料粉体の
使用量が30〜70重量%であり、バインダーとして
使用するアルミノシリケートゲルの量が70〜30重
量%であることを特徴とする結晶性アルミノ珪酸
塩の製造方法及びアルミノシリケートゲルの調整
方法である。 ≪発明の開示≫ 本発明にかかる実質的に結晶性アルミノ珪酸塩
からなるバインダーレスゼオライト触媒には、前
述のバインダーレスゼオライト触媒も含まれる
が、特に本発明のバインダーレスゼオライト触媒
は、水銀圧入法により測定した全細孔溶液が0.3
c.c./g以上であり、細孔半径が75〜75000Åであ
つて、細孔容積の25%以上が該半径の平均細孔径
の±20%の反域に含まれ、比較的小さな結晶粒子
で構成される実質的にTSZ結晶性アルミノ珪酸
塩のX線回折図形を与えることを特徴とする。 一般に、成型粒子の強度は構成する粒子の大き
さ、充填構造、粒子の配位数、粒子の形状等によ
つて変化し、更に形成された細孔容積や細孔半径
により変化する。特に、成型ゼオライト触媒は
色々な形状を有する結晶粒子の集合体で、細孔構
造は所謂二元細孔構造で結晶粒子そのものが持つ
ミクロ孔と結晶粒子間に形成されるマクロ孔とで
構成される。しかし、このような結晶粒子同志で
は通常の場合、殆ど結合力を有せず、なんらかの
バインダーを用いて成型し、ペレツトの強度を付
与している。 以上のことから、本発明における実質的に結晶
性アルミノ珪酸塩からなるバインダーレスゼオラ
イトが、マクロ孔が数千Åにシヤープな分布を有
し、且つ細孔容積(75〜75000Å、半径)が比較
的多いにもかかわらず、実用に耐え得る程度の強
度を持ち得ることは実に驚くべきことである。 本発明に係るバインダーレスゼオライト触媒の
製造工程の概要は次の如く、 原料粉体を製造する工程 バインダー用のアルミノシリケートゲルを製
造する工程 原料粉体とバインダーを混練し成型する工程 成型物を乾燥又は焼成する工程 成形物を水熱処理する工程 等々の工程を包含する。 本発明において使用する原料粉体とは、予め合
成された結晶性アルミノ珪酸塩を意味する。この
ような、原料粉体として用いる好ましい、予め合
成された結晶性アルミノ珪酸塩としては、TSZ
アルミノ珪酸塩及び所謂ZSM−5を使用するこ
とができる。ここで用いる予め合成された結晶性
アルミノ珪酸塩は、未焼成の合成されたままのも
ので十分であり、更に完全な結晶の形でなくても
よく、単に予備結晶させただけであり、非晶質に
近いX線回折図形を示すアルミノ珪酸塩を用いる
こともできるが、特にTSZ結晶性アルミノ珪酸
塩を使用した場合にはTSZ結晶性アルミノ珪酸
塩に富むバインダーレスゼオライトを製造するこ
とができて好ましい。TSZ結晶性アルミノ珪酸
塩以外の他のゼオライトを使用する場合には、特
にナトリウム塩の形で使用することが好ましい。 上記の原料粉体の組成については、SiO2
Al2O3比とNa2O/SiO2比が、後記するTSZの生
成域にあることが好ましく、又その結晶は小粒子
径であることが、製造されるバインダーレスゼオ
ライトの活性及び強度の点から好ましい。又、原
料粉体の製造においては、ゲルの流動性を改善す
る目的で、例えばNaCl等の鉱化剤を添加しても
良い。 本発明にかかるTSZ結晶性アルミノ珪酸塩は、
常法の粉末X線回折によつて得られるX線回折図
形によつて特徴ずけられる。即ち、2θ=14.7°(d
=6.03Å)の回折線が単一線(Singlet)である
こと、及び2θ=23°(d=3.86Å)及び2θ=23.3°
(d=3.82Å)の両回折線が明瞭に分離している
点で従来提案されている結晶性ゼオライトの結晶
構造と大きく異なる。かかる特異的なX線回折図
形は、合成珪酸塩の置換陽イオンの変化、特に水
素イオン型への変化、SiO2/Al2O3比の変化等に
よつても、その格子面間隔は著しい変化を受ける
ものではない。 次ぎに、本発明で使用する原料粉末としての結
晶性アルミノ珪酸塩の製造方法について説明す
る。 本発明で使用することのできる結晶性アルミノ
珪酸塩は、一般に珪素源としてSiO2、アルミニ
ウム源としてAl2O3をある範囲の比率で用い、適
当なアルカリ源と水を各々一定の範囲の比率にな
るように加えた、実質的に無機反応材料からなる
水性反応混合物を調製し、この水性反応混合物を
結晶が生成するまで結晶化温度に加熱維持するこ
とにより製造することが出来る。製造条件は、例
えば、自己圧下約120℃〜約230℃で約10時間〜10
日間維持することにより実現される。 TSZ結晶性アルミノ珪酸塩はシリカ源、アル
ミナ源、アルカリ源、水及びアルカリ金属の中性
塩を含有する、実質的な無機反応材料からなる水
性反応混合物から製造されるが、その水性反応混
合物の組成は酸化物のモル比で表すと次の如くで
ある。 SiO2/Al2O3 10〜130 Na2O/SiO2 0.01〜0.5 (Na2O+M2/nO)/SiO2 0.03〜0.3 H2O/(Na2O+M2/nO) 150〜800 X-/SiO2 0.01〜20 上式において、Mは元素周期律表の第族及び
第族、好ましくはリチウム、ナトリウム、バリ
ウム、カルシウム及びストロンチウムから選択さ
れる金属陽イオンであり、nはその金属陽イオン
の原子価であり、X-は沈澱助剤及び/又は鉱化
剤の塩のイオンである。M2/nO及びNa2Oはそ
れぞれ遊離のM2/nO及びNa2Oであり、一般に
水酸化物及びゼオライト合成において効果を示す
ような極弱酸塩、例えばアルミン酸塩、珪酸塩等
の形態である。又、上記の「遊離のNa2O」は、
硫酸アルミニウム、硫酸、塩酸又は硝酸等の添加
により調節することができる。 又、TSZ結晶性アルミノ珪酸塩は上記水性反
応混合物の組成比の内、特にSiO2/Al2O33モル
比とNa2O/SiO2モル比とを変化させることによ
り、生成する結晶性アルミノ珪酸塩の結晶粒径が
変化する。即ち、水性反応混合物のSiO2
Al2O33モル比に応じてNa2O/SiO2モル比を変化
させてNa2O/Al2O33モル比が同等になるように
した上で、SiO2/Al2O33モル比を変化させた場
合には、略同等の結晶粒径を有する結晶性アルミ
ノ珪酸塩が生成する。これに対し、Na2O/
Al2O3モル比を1〜15の範囲で変えることによ
り、約0.1μ〜10μの範囲で、所望する結晶粒径を
有する結晶性アルミノ珪酸塩を製造することがで
きる。 本発明のバインダーレスゼオライトの合成に際
しても、上記の如き従来法を使用する場合には、
アルミノシリケートゲルの生成時に所謂鉱化剤と
しての働きをするアルカリ金属の中性塩を添加す
ることが、アルミノシリケートゲルの流動性を良
くするという沈澱助剤としての働きもするので好
ましいが、本発明の好ましい実施態様は特定の組
成を選択することによりアルミノシリケートゲル
の流動性を良好なものとし、特にアルカリ金属の
中性塩を添加することなく、鉱化剤を添加した場
合と同等の結晶性を有し、且つ触媒活性の点から
好ましい小粒径の結晶性アルミノ珪酸塩を製造す
ることがである。 本発明で使用する流動性の良いゲルは、ゲルの
凝集(アルカリ側の場合)が急激に起こるPH域
(水性反応混合物の組成比によつても異なるが、
約11.0〜約12.0)で、一旦溶液の添加を止め、撹
拌によりスラリー状のゲルの流動性が良くなつて
から再び溶液を添加することにより調製すること
ができる。 鉱化剤を使用しない本発明の場合においても、
TSZ結晶性アルミノ珪酸塩は、シリカ源、アル
ミナ源、アルカリ源及び水を含有する実質的に無
機反応材料からなる水性混合物から製造される
が、該水性反応混合物を酸化物のモル比で表す
と、好ましい範囲は、 SiO2/Al2O3 10〜100 Na2O/SiO2 0.01〜0.5 H2O/SiO2 5〜150 であり、より好ましい範囲は、 SiO2/Al2O3 25〜80 Na2O/SiO2 0.02〜0.2 H2O/SiO2 10〜130 である。 上記のNa2Oは「遊離のNa2O」であり、一般
に水酸化物及びゼオライト合成において効果を示
すような極弱酸、例えばアルミン酸塩、珪酸塩等
の形態である。又、上記の「遊離のNa2O」は、
硫酸アルミニウム、硫酸、塩酸又は硝酸等の添加
により調節することができる。 又、組成比のうち、Na2O/SiO2比が低いと相
対的に小さな結晶が生成しやすく、Na2O/SiO2
比が高いと相対的に大きな結晶が生成しやすいの
は、鉱化剤添加の場合と同様である。 特に、本発明における比較的小さな結晶粒子で
構成され、且つ、高強度のバインダーレスゼオラ
イト触媒を製造するための原料粉体を製造するた
めには、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び
水を含有する実質的に無機反応材料からなる水性
混合物は、酸化物のモル比で表すと、 好ましい範囲は、 Na2O/Al2O3 1.0〜10 SiO2/Al2O3 15〜100 Na2O/SiO2 0.01〜0.15 H2O/SiO2 5〜150 であり、より好ましい範囲は、 Na2O/Al2O3 1.5〜8 SiO2/Al2O3 20〜80 Na2O/SiO2 0.02〜0.12 H2O/SiO2 10〜130 である。第1図は上記範囲を図示したものであ
る。ここで得られる原料粉体は、結晶質、結晶質
と非晶質の混合物及び非晶質のものでもよい。ア
ルカリ量が上記範囲より少ない場合、結晶化に長
時間を要するが、更に少ない場合、前処理として
の効果がなくなつてしまうことがある。又、アル
カリ量が上記範囲より多い場合は結晶化の時間を
短縮することができるが、生成する結晶粒子が大
きくなり過ぎたり、或いは異なつた結晶相が生成
したりして好ましくない。 本発明においてバインダーとして使用されるア
ルミノシリケートゲルは、シリカ源、アルミナ
源、アルカリ源及び水を含有する実質的に無機反
応材料からなる水性反応混合物から製造される
が、該水性反応混合物の好ましい組成を酸化物の
モル比で表すと、 好ましい範囲は、 Na2O/Al2O3 1.2〜10 SiO2/Al2O3 10〜100 Na2O/SiO2 0.01〜0.20 H2O/SiO2 5〜150 であり、より好ましい範囲は、 Na2O/Al2O3 1.5〜8 SiO2/Al2O3 15〜80 Na2O/SiO2 0.02〜0.15 H2O/SiO2 10〜130 である。 上記Na2Oは遊離のNa2Oであり、一般に水酸
化物及びゼオライトの合成において効果を示すよ
うな極弱酸塩、例えばアルミン酸塩、珪酸塩等の
形態である。又、上記の「遊離のNa2O」は、硫
酸アルミニウム、硫酸、塩酸又は硝酸等の添加に
より調節することができる。 ここで生成したアルミノシリケートゲルをバイ
ンダーとして使用する場合、生成したゲルを濾過
し、好ましい組成になるまで洗浄し、水切りを行
い、含水率を約65重量%から約95重量%にするの
が好ましい。 バインダー中のアルカリ量は、バインダーレス
ゼオライトを製造するための重要な要素である。
即ち、アルカリ量が少ない場合は、結晶化に長時
間を要したり、非晶質のままであつたりすること
があり、又アルカリ量が多い場合は、過度の結晶
成長により大結晶を生成したり、他の好ましくな
い結晶相が生成したり、或いは粉化などの原因と
なることがあり、特定の組成範囲にするのが好ま
しい。 バインダーとしてのもう一つの重要な要素は、
成型されたペレツトの強度付与であるが、これは
アルミノシリケートゲルの粘着性、成型性、或い
は乾燥収縮力等に強く影響される。そのため、ア
ルミノシリケートゲルの調製時に分散性の良いコ
ロイド状粒子にすることが好ましく、必要に応じ
てアルカリ金属の中性塩を沈澱助剤として少量添
加することができるが、撹拌及び後処理等、ゲル
の取り扱い上問題がなければ添加しない方が好ま
しい。 本発明における比較的小さな結晶粒子で構成さ
れ、且つ高強度のバインダーレスゼオライト触媒
を製造するためのバインダーとして使用するアル
ミノシリケートゲル(乾燥基準)の組成は、酸化
物のモル比で表すと、 好ましい組成は、 Na2O/Al2O3 1.2〜7.0 SiO2/Al2O3 10〜80 Na2O/SiO2 0.02〜0.15 であり、より好ましい組成は、 Na2O/Al2O3 1.5〜4.0 SiO2/Al2O3 15〜60 Na2O/SiO2 0.03〜0.12 である。 第2図は、上記のバインダーの組成範囲を示し
たものである。 本発明においては、上記の如く製造された
TSZ結晶性アルミノ珪酸塩等の原料粉体及びア
ルミノシリケートゲルを混練してペレツトに成型
する。この場合、原料粉体としての予め合成され
た結晶性アルミノ珪酸塩を30〜70重量%と予めア
ルカリ量を調整したアルミノシリケートゲル70〜
30重量%とを混練して成型することにより、強度
の強いペレツトが得られる。次に、得られたペレ
ツトを水熱処理することにより、結晶粒子間に生
ずる独特な二次細孔を有し、且つ実用に十分耐え
得る強度を保持した実質的に結晶性アルミノ珪酸
塩からなるバインダーレスゼオライト触媒が得ら
れる 上記結晶性アルミノ珪酸塩の混合割合が約30重
量%より少ない場合には、ペレツトの強度は強く
なる傾向にあるが、乾燥又は焼成によりペレツト
の収縮とそれに伴うクラツクの発生など、安定し
た物性のものが得られにくく、又、原料粉体とし
ての結晶性アルミノ珪酸塩の混合割合が約70重量
%より多い場合には、十分なペレツト強度を得ら
れないので好ましくない。 又、予め合成された結晶性アルミノ珪酸塩の組
成と、バインダーとして使用されるアルミノシリ
ケートゲルの組成とは、それぞれ異なつたものを
使用してもよいが、両者をほぼ同一にした場合に
は触媒性能の良好なバインダーレスゼオライトを
得ることができるので好ましい。 上記混練したものをペレツトに成型するに際
し、成型助剤を使用することができる。成型助剤
としては、通常の押し出し成型に用いられる公知
のものの中から任意に選択することができるが、
特に、後処理で焼失する有機系のものが好まし
い。しかしながら、ペレツトの最終的な強度を考
慮すれば、成型助剤の添加は必要最小限とする
か、或いは添加しない方が好ましい。なお、アル
ミノシリケートゲルのアルカリ量に過不足がある
場合、混練前或いは混練中に所定の値に調整する
ことができる。 成型されたペレツトは、できるだけ乾燥収縮等
で歪みができないような条件、例えば風乾を十分
行つた後、50〜200℃、好ましくは100〜150℃で
加熱を行う。もし乾燥後のペレツトが十分強度が
あれば、焼成の必要はないが、十分でない場合や
成型助剤を使用した場合は、400〜700℃、好まし
くは450〜600℃で焼成するのが好ましい。乾燥状
態及び焼成後でも水熱処理することにより、バイ
ンダーレスゼオライトを製造することができる。 本発明における水熱反応に用いる固体の形状は
特に限定されるものではないが、成型のしやす
さ、或いは触媒として使用する場合の使用効率の
点から、特にペレツト型、異形型(polylobal)、
中空円筒型(hollow tube)であることが好まし
く、大きさとしては取り扱いの上から、外径約
1.5mm程度のものが好ましい。 本発明の水熱反応は、公知の方法によつて行う
ことができるが、結晶性アルミノ珪酸塩として
TSZ結晶性アルミノ珪酸塩以外のものを使用す
る場合には、特に鉱化剤もしくは陽イオン供給源
を使用することが好ましく、このようなものとし
て特にNaClを使用することが好ましい。 結晶化のための条件は、結晶が生成するまで結
晶化温度に加熱維持すれば良いので特に限定され
ない。例えば温度約120℃〜230℃の場合、反応時
間は約10時間〜約10日間である。 好ましい結晶化の条件は、乾燥又は焼成したペ
レツトの組成比及び水溶液とペレツトの重量比な
どに依存するが、温度が高いほど時間が短く、温
度が低いほど長い時間を要するのが一般点であ
る。しかし、過度に低い温度域には過度に高い温
度では非晶質になつたり、望まざる結晶を生成し
たりするので好ましくない。 ペレツトを水熱処理する際、特に撹拌の必要は
ないが、少なくとも系全体の均質な加熱を図る上
で撹拌するのが好ましい。 本発明において使用する水溶液は、ペレツト自
体が予め結晶化可能な組成比に調整されるため水
のみでもよいが、結晶化の速度を早めたり、時間
を短縮するために鉱化剤を使用することができ
る。特にこの選択は、結晶粒子の成長程度、更に
はこれが及ぼす物性、或いは触媒性能の面から決
めるのが好ましい。ペレツトは水又は水溶液と共
に密閉容器、例えば鉄製、ステンレス製或いはテ
フロンで内張りしたオートクレーブに入れて自己
圧の下で結晶化させる。 このようにして得られた実質的に結晶性アルミ
ノ珪酸塩からなるバインダーレスゼオライトは、
水洗し、乾燥され、そのままで後処理を行うこと
ができるが、必要に応じて焼成することがある。
乾燥は50〜250℃、好ましくは100〜200℃で10分
以上、好ましくは30分〜48時間行われる。焼成は
300〜700℃で10分以上、好ましくは400〜600℃で
30分〜24時間行われる。 本発明で行う水熱処理の結果、バインダーは結
晶化して結晶性アルミノ珪酸塩となる。従つて、
バインダーとしてTSZ結晶性アルミノ珪酸塩を
生成する生成域を有するアルミノシリケートゲル
を使用する場合には、有機カチオンを使用せずに
合成する場合の特徴をそのまま表すTSZ結晶性
アルミノ珪酸塩のX線回折図を示し、二次細孔の
分布は極めてシヤープである。本発明において制
御する二次細孔の半径を測定する方法は必ずしも
確立しているものではないが、その平均の半径は
所謂水銀圧入法によつて推定することができる。
本発明においては、この水銀圧入法で得られる全
細孔容積の1/2の細孔容積累積値を示す半径を平
均細孔半径と定義するが、この細孔半径の大きさ
は実質的な触媒表面積を関係するばかりでなく、
反応する分子及び生成した分子の拡散速度にも影
響することなど、触媒活性の観点から重要であ
る。 本発明によつて得られたバインダーレスゼオラ
イトは全体の結晶性が良好であり、例えば出発ゼ
オライトとしてTSZ結晶性アルミノ珪酸塩を使
用した場合には、バインダーが結晶して形成され
たTSZ結晶性アルミノ珪酸塩と出発原料のTSZ
結晶性アルミノ珪酸塩とは、顕微鏡写真では区別
ができないほど一体となつたゼオライト構造体を
得ることができる。 本発明の方法によつて得られた実質的にTSZ
結晶性アルミノ珪酸塩からなるバインダーレスゼ
オライトのペレツトは、その利用目的により更に
いくつかの処理を受けるが、粉末と異なり、その
後の洗浄、水素型への変換、活性金属種のイオン
交換操作等において極めて取り扱いが容易にな
る。触媒として利用する場合には、アンモニウム
イオン、水素イオン或いは2価、3価金属陽イオ
ン、例えば希土類金属イオン等を含む水溶液でイ
オン交換し、ゼオライトに固体酸性を付与せしめ
るのが一般的である。固体酸性を有する多くの反
応、例えば異性化、不均化、アルキル化、脱アル
キル化、分解、リフオーミング、重合、水添分解
等の反応に対して著しく高い触媒作用を示す。イ
オン交換処理後、水洗し、乾燥され、その後の使
用に先立つて焼成される。更にイオン交換以外
に、鉄、コバルト、ニツケル、クロム、マンガ
ン、モリブデン、タングステン、バナジウム、レ
ニウム、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウ
ムなどの成分を含浸操作により担持することもで
きる。 ≪発明の効果≫ このようにして得られた本発明のバインダーレ
スゼオライトは、結晶粒子径が小さい上二次細孔
制御が生かされたために活性に優れているのみな
らず、活性を維持する能力にも優れており、特に
n−パラフイン類炭化水素の選択的分解及びアル
コール類、オレフイン類等のアルキル化剤による
芳香族アルキル化反応の触媒として優れた性能を
有する。又、本発明の方法によれば鉱化剤や
NaOHを使用する必要がないので、反応装置の
腐食の心配がない等本発明の意義は極めて大き
い。 以下、本発明を実施例によつて更に詳述する
が、本発明はこれにより限定されるものではな
い。 ≪実施例≫ 実施例 1 194.8gの純水中に24.0gの硫酸アルミニウム
(Al2O3;15.4重量%)を溶解し、これに25.3gの
濃硫酸(95重量%)を添加し、硫酸アルミニウム
水溶液(A液)を調製した。 280.8gの水ガラス(Na2O;9.36重量%、
SiO2;29.4重量%の3号水ガラス)に142.0gの
純水を添加し、撹拌した後、塩化ナトリウム水溶
液(NaCl;86.2g、H2O;556.1g)に添加し、
水ガラス溶液(B液)とした。 これをオートクレーブに張り込み、昇温し、自
己圧において182℃で20時間加熱維持した。 結晶化終了後、固体生成物を濾過分離し、純水
で洗浄後、110℃で乾燥した。このようにして得
たゼオライト粉末50gとアルミノシリケートゲル
370.4gをニーダーで乾燥しながら成型可能な水
分量になるまで混練し、押出成型機にて外径約
1.5mmペレツトに成型した。 ここで使用したアルミノシリケートゲルは、硫
酸アルミニウム44.3g、95%硫酸43.5g及び純水
389.6gの硫酸アルミニウム水溶液と、水ガラス
(3号水ガラス)561.6g、純水284.0gの水ガラ
ス水溶液を、塩化ナトリウム53.7gを純水1112g
中に溶解した液に添加し、調製し、濾過洗浄し、
十分水切りした。このアルミノシリケートゲルの
組成比は表1に示した。 ペレツトを約110℃で16時間乾燥した後、更に
600℃で約3時間仮焼した後、50gを分取し、純
水350gと共にオートクレーブに入れ、180℃で48
時間結晶化を行つた。結果は表2に示した。 実施例 2 硫酸と純水の添加量が異なること、及び塩化ナ
トリウムを添加しない他は実施例1と同様にして
行つた。結晶化条件としては、183℃で40時間行
い、塩化ナトリウムを添加した場合と同等の結晶
性の良いゼオライト粉末を得た。 こうして得た原料分体50gと実施例1で製造し
たアルミノシリケートゲル370.4gをニーダーで
乾燥しながら成型可能な水分量になるまで混練
し、押出成型機にて外径約1.5mmペレツトに成型
した。 ペレツトを約110℃で16時間乾燥した後、更に
600℃で約3時間仮焼した後、50gを分取し、純
水690g、塩化ナトリウム25gと共にオートクレ
ーブに入れ、180℃で40時間結晶化を行つた。結
果は表2に示した。
【表】
【表】 実施例 3 194.8gの純水中に29.6gの硫酸アルミニウム
を溶解し、これに95%硫酸24.1gを添加し、硫酸
アルミニウム水溶液(A液)を調製した。 280.8gの水ガラスに142.0gの純水を添加し、
水ガラス溶液(B液)とした。 このA液及びB液を、塩化ナトリウム水溶液
(NaCl;72.2g、H2O556.1g)に撹拌しながら添
加し、表1に示した水性反応混合物を得た。これ
をオートクレーブに入れ、自己圧において182℃
で24時間加熱維持した。 結晶化終了後、固体生成物を濾過分離し、純水
で洗浄後、110℃で乾燥した。このようにして得
られた粉末50gとアルミノシリケートゲル414g
をニーダーで乾燥しながら成型可能な水分量にな
るまで混練し、押出成型機にて外径約1.5mmペレ
ツトに成型した。 ここで使用したアルミノシリケートゲルは、硫
酸アルミニウム29.6g、95%硫酸18.3g及び純水
194.8gの硫酸アルミニウム水溶液と、水ガラス
280.8g、純水700.0gの水ガラス水溶液に添加
し、調製し、濾過洗浄後、十分水切りした。この
アルミノシリケートゲルの組成比は表1に示し
た。 ペレツトを約110℃で16時間乾燥した後、更に
600℃で約3時間仮焼した後、50gを分取し、純
水690g及び塩化ナトリウム24.2gと共にオート
クレーブに入れ、180℃で40時間結晶を行つた。
結果は表2に示した。 実施例 4 292.5gの純水中に8.3gのアルミン酸ソーダ
(Al2O3;35.7重量%、Na2O;29.1重量%)を溶
解し、これを273.8gの水ガラスと純水135.7gの
水ガラス溶液に添加し、均一溶液とする。 これと35%塩酸58.3gと純水175.5gの塩酸溶
液を純水1100g中に添加し、表3に示した水性反
応混合物を得た。これをオートクレーブに入れ、
昇温し、自己圧において182℃で24時間加熱維持
した。撹拌は300rpmで行つた。 結晶化終了後、固体生成物を濾過分離し、純水
で洗浄後、110℃で16時間乾燥した。このように
して得られたゼオライト粉末50gとアルミノシリ
ケートゲル365gをニーダーで乾燥しながら成型
可能な水分量になるまで混練し、押出成型機にて
外径約1.5mmペレツトに成型した。 ここで使用したアルミノシリゲートは、実施例
1と同様な方法で調製した。この組成比は表3に
示した。 ペレツトを約110℃で16時間乾燥した後、50g
を分取し、純水350gと共にオートクレーブに入
れ、180℃で48時間加熱維持した。結果は表4に
示した。 比較例 194.8gの純水中に17.7gの硫酸アルミニウム
を溶解し、これに95%硫酸15.6gを添加し、硫酸
アルミニウム水溶液(A液)を調製した。
【表】
【表】
【表】 280.8gの水ガラスに142.0gの純水を添加し、
水ガラス溶液(B液)を調製した。 このA液及びB液を、塩化ナトリウム水溶液
(NaCl;86.2g、H2O556.1g)に撹拌しながら添
加し、表3に示した組成比を有する水性反応混合
物を得た。これをオートクレーブに張り込み、自
己圧において180℃で18時間加熱維持した。 結晶化終了後、固体生成物を濾過分離し、純水
で洗浄後、110℃で乾燥した。このようにして得
られたゼオライト粉末50gとアルミノシリケート
ゲル360gをニーダーで乾燥しながら成型可能な
水分量になるまで混練し、押出成型機にて外径約
1.5mmペレツトに成型した。 ここで使用したアルミノシリケートゲルは、硫
酸アルミニウム14.8g、95%硫酸22.5g及び純水
194.8gの硫酸アルミニウム水溶液と、水ガラス
280.8g、純水142.0gの水ガラス水溶液を、塩化
ナトリウム26.8gを純水556.1g中に溶解した液
に添加し、撹拌して調製し、濾過洗浄後、十分水
切りした。このアルミノシリケートゲルの組成比
は表3に示した。 ペレツトを約110℃で16時間乾燥した後、更に
600℃で約3時間仮焼した後、50gを分取し、純
水690g及びNacl27.6gと共にオートクレーブに
入れ、180℃で20時間結晶化を行つた。結晶は表
4に示したが、構成する結晶粒子は相対的に大き
く、強度も弱かつた。これらの結果は、本発明に
より得られたバインダーレスゼオライトが、その
粒子径が小さいにもかかわらず、実用に十分に耐
えることのできる強度を有することが実証され
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明で使用する原料粉体の水性反
応混合物組成比の好ましい範囲を表すグラフであ
る。内側の範囲は特に好ましい範囲を表す。図中
の数字はNa2O/Al2O3のモル比を表す。第2図
は、本発明で使用するバインダー組成比の好まし
い範囲を表すグラフである。内側の範囲は特に好
ましい範囲を表す。図中の数字はNa2O/Al2O3
のモル比を表す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原料粉体と、バインダーとしてのアルミノシ
    リケートゲルとを混練し、加圧成型せしめた成型
    体から実質的に結晶性アルミノ珪酸塩のみからな
    るバインダーを有しない結晶性アルミノ珪酸塩を
    製造する方法において、原料粉体の使用量が30〜
    70重量%であり、バインダーとして使用するアル
    ミノシリケートゲルの量が70〜30重量%であるこ
    とを特徴とする結晶性アルミノ珪酸塩の製造方
    法。 2 原料粉体製造の際の水性反応混合物の組成比
    が、酸化物のモル比で表して、 M2/nO/Al2O3:1.0〜10 SiO2/Al2O3:15〜100 M2/nO/SiO2:0.01〜0.15 H2O/SiO2 5〜150 (但し、Mは元素周期律表第族及び同表第族
    の金属の群から選択される少なくとも一種の金属
    陽イオンであり、nはその金属陽イオンの原子価
    である。) であることを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載の結晶性アルミノ珪酸塩の製造方法。 3 原料粉体製造の際の水性反応混合物の組成比
    が、酸化物のモル比で表して、 M2/nO/Al2O3:1.5〜8 SiO2/Al2O3:20〜80 M2/nO/SiO2:0.02〜0.12 H2O/SiO2 10〜130 であることを特徴とする特許請求の範囲第2項に
    記載の結晶性アルミノ珪酸塩の製造方法。 4 バインダーとして使用するアルミノシリケー
    トゲルの組成比が、酸化物のモル比で表して、 M2/nO/Al2O3:1.2〜7.0 SiO2/Al2O3:10〜80 M2/nO/SiO2:0.02〜0.15 (但し、Mは元素周期律表第族及び同表第族
    の金属の群から選択される少なくとも一種の金属
    陽イオンであり、nはその金属陽イオンの原子価
    である。) であることを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載の結晶性アルミノ珪酸塩の製造方法。 5 バインダーとして使用するアルミノシリケー
    トゲルの組成比が、酸化物のモル比で表して、 M2/nO/Al2O3:1.5〜4.0 SiO2/Al2O3:15〜60 M2/nO/SiO2:0.03〜0.12 であることを特徴とする特許請求の範囲第4項に
    記載の結晶性アルミノ珪酸塩の製造方法。 6 原料粉体と、バインダーとしてのアルミノシ
    リケートゲルとを混練し、加圧成型せしめた成型
    体から実質的に結晶性アルミノ珪酸塩のみからな
    るバインダーを有しない結晶性アルミノ珪酸塩を
    製造するためのアルミノシリケートゲルの調整方
    法において、シリカ源、アルミナ源及びアルカリ
    源を混合する際に、ゲルの凝集が急激に起こるPH
    域で一旦溶液の添加を止め、撹拌によりスラリー
    状のゲルの流動性が良くなつてから再び溶液を添
    加することを特徴とするアルミノシリケートゲル
    の調整方法。
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