JPH0542653U

JPH0542653U - 空燃混合器付エンジンの遠心式ガバナ

Info

Publication number: JPH0542653U
Application number: JP9850591U
Authority: JP
Inventors: 由雄新野
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1991-11-01
Filing date: 1991-11-01
Publication date: 1993-06-11

Abstract

(57)【要約】【目的】空燃混合器付きエンジンのシリンダブロック
及びギヤケース等をディーゼルエンジンのものと共通化
して製造コストを引き下げ、また、ギヤケースの増締めや
再組み立ての際に、ガバナの再調整を無くする。【構成】空燃混合器付きエンジンEのシリンダブロッ
クの1一側面で、シリンダヘッド4及びギヤケース5に近い
部分に、ディーゼルエンジン用の燃料噴射ポンプ7のポン
プハウジング2を一体に形成し、このポンプハウジング2
内にガバナ力発生装置30を設ける。ガバナレバー軸16は、
ギヤケース5ではなくて、このポンプハウジング2の一側
壁2aにを貫通させて枢支する。これにより、ギヤケースの
増締めや再組み立ての際に、ガバナレバー軸16のセッテ
ィング位置に狂いが出ることもなくなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、空燃混合器（ガソリンエンジンでは気化器、ガスエンジンでは混合器）を有するエンジンの遠心式ガバナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の装置としては従来より、例えば図４で示すもの(以下従来例１という) 、あるいは図５〜図６に示すもの(以下従来例２という)が知られている。これらの遠心式ガバナの基本構造は、エンジンＥの空燃混合器１０のスロットルレバー１１を、ロッド１３とガバナレバー１４とを介して、ガバナスプリング２１でスロットル弁１１の開弁側Ｌへ弾圧するのに対し、ガバナウエイト３４で閉弁側Ｒへ押圧するように構成し、エンジンＥの一側面の外側に上記空燃混合器１０・ロッド１３・及びガバナレバー１４を設けるのに対し、そのエンジンＥの一側面のケース壁の内部にガバナウエイト３４を設け、このガバナウエイト３４のガバナフォースＦをガバナレバー１４に伝達するように構成し、このガバナレバー軸１６を上記ケース壁に貫通させて回転自在に枢支させて構成されている。

【０００３】そして従来例１では、図４に示すように、ガソリンエンジン専用機として構成され、クランクケース３内にガバナ力発生装置（図示せず）を設け、このクランクケース３の横側壁にガバナレバー軸１６を略水平に貫通させていた。一方従来例２では、図５〜図６に示すように、シリンダブロック１及びギヤケース５をディーゼルエンジンのものと共通化して、ギヤケース５内にガバナ力発生装置３０を設け、ガバナレバー軸１６をギヤケース５の上蓋５Ｆに縦向きに貫通させ、ガバナ力発生装置３０のガバナスリーブ３５・揺動レバー１７のスリーブ当接ローラ１８・当該揺動レバー１７及びガバナレバー軸１６を介して、このガバナ力発生装置３０のガバナフォースＦをガバナレバー１４に伝達するように構成されていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来例１は、ガソリンエンジン専用機として構成されており、シリンダブロック１及びギヤケース５等をディーゼルエンジンのものと共通化して、その製造コストを引き下げることができない。他方従来例２は、ガバナレバー軸１６をギヤケース５の上蓋５Ｆに貫通させているので、ギヤケース５の増締めや再組み立てにより、ガバナレバー１４のガバナレバー軸１５の位置がスロットル弁１１の開閉方向へ変動するため、遠心式ガバナのセッティングに狂いが出る。このため、ギヤケース５の増締めや再組み立て後に、ガバナの再調整をする必要がある。

【０００５】本考案はこのような事情を考慮してなされたもので、イ．シリンダブロック及びギヤケース等をディーゼルエンジンのものと共通化して、その製造コストを引き下げること、ロ．ギヤケースの増締めや再組み立てにより、ガバナのセッティングに狂いが出るのを無くし、ギヤケースの増締めや再組み立て後に、ガバナの再調整を不要にすること、を技術課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決するために、空燃混合器付きエンジンの遠心式ガバナの基本構造を、前記従来例１及び従来例２と同様に構成しながらも、例えば図１〜図３に示すように、次のように改良したものである。前記エンジンＥのシリンダブロックの１一側面で、シリンダヘッド４及びギヤケース５に近い部分に、ディーゼルエンジン用の燃料噴射ポンプ７のポンプハウジング２を一体に形成し、このポンプハウジング２内にガバナ力発生装置３０を設け、このポンプハウジング２のケース壁２ａにガバナレバー軸１６を貫通させて回転自在に枢支させて構成したことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】本考案では、シリンダブロックの１一側面にディーゼルエンジン用のポンプハウジング２が一体に形成されているので、空燃混合器付きエンジンのシリンダブロック１及びギヤケース５をディーゼルエンジン用のものと共通化できる。また、ポンプハウジング２のケース壁２ａにガバナレバー軸１６が貫通させあるので、ギヤケースの増締めや再組み立ての際に、ガバナレバー軸１６の位置がスロットル弁１１の開閉方向へ変動するおそれはない。これによりガバナのセッティングに狂いが出なくなり、ギヤケースの増締めや再組み立て後に、ガバナの再調整をする必要が無くなる。

【０００８】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいてさらに詳しく説明する。図１は本考案の実施例に係る空燃混合器付きエンジンの遠心式ガバナの縦断正面図で、図２はその要部の縦断側面図、図３はその遠心式ガバナを具備して成る空燃混合器付きガソリンエンジンを模式的に示す斜視図である。

【０００９】このガソリンエンジンＥは、図３で示すように、ディーゼルエンジン用のシリンダブロック１及びギヤケース５等を、そのまま空燃混合器付きエンジン用に共通化したもので、シリンダブロックの１左側面にディーゼルエンジン用のポンプハウジング２を一体に形成し、シリンダブロック１の前側面にギア伝動機構Ｋを構成する各ギア５ａ〜５ｅを設け、そのギア伝動機構Ｇをギヤケース５で着脱自在に覆い、シリンダヘッド４の左側面に吸気マニホールド９を設け、吸気マニホールド９の吸気口に空燃混合器である気化器１０を設け、この気化器１０を遠心式ガバナＧで操作するように構成されている。

【００１０】上記遠心式ガバナＧは、図１〜図３で示すように、空燃混合器１０のスロットルレバー１２を操作するロッド１３及びガバナレバー１４と、ガバナレバー１４と調速レバー２０とに架着されたガバナスプリング２１と、ガバナレバー１４を揺動自在に支持するガバナレバー軸１６と、ガバナレバー軸１６に固定され、一体に揺動するように設けられた揺動レバー１７と、ガバナ力発生装置３０とを具備して成り、上記気化器１０のスロットルレバー１２を、ロッド１３とガバナレバー１４とを介して、ガバナスプリング２１でスロットル弁１１の開弁側Ｒへ弾圧するのに対し、ガバナ力発生装置３０のガバナ力Ｆで、スロットルレバー１２を閉弁側Ｌへ押圧するように構成されている。

【００１１】上記空燃混合器１０、ロッド１３、ガバナレバー１４、調速レバー２０及びガバナスプリング２１は、エンジンＥの左側面の外側に設けられ、ガバナレバー軸１６、揺動レバー１７及びガバナ力発生装置３０は、エンジンＥの左側面のポンプハウジング２内に設けられている。このポンプハウジング２内には、シリンダヘッド１側からクランクケース３側に向かって上から順に、ディーゼルエンジン用の燃料噴射ポンプ７の収容空間２Ａ・燃料噴射カム収容空間２Ｂ・及びガバナ力発生装置収容空間２Ｃが形成されており、上記ガバナ力発生装置３０は、このガバナ力発生装置収容空間２Ｃに設けられている。

【００１２】上記ガバナレバー軸１６は、上記ガバナ力発生装置収容空間２Ｃの上側に位置し、その一端部１６ａは、ケース側壁２ａにボス２ｄを形成して略水平に貫通させ、他端部１６ｂはシリンダブロック１側のケース側壁２ｂにボス２ｅを形成して回転自在に枢支させている。そしてガバナレバー軸１６の突出端部１６ａに、上記ガバナレバー１４の基端部１４ａが固定具１５で固定されている。また、ポンプハウジング２内に位置する上記揺動レバー１７は、上記ガバナレバー軸１６に揺動基端部１７ａを固定し、その揺動基端部１７ａより垂下させた一対の揺動アーム１７ｂ・１７ｂに各スリーブ当接ローラ１８を付設して成り、このガバナレバー軸１６を揺動支点として揺動可能に設けられている。

【００１３】上記ガバナ力発生装置３０は、回転伝動軸３１と、回転伝動軸３１に遊嵌されたガバナスリーブ３２と、ガバナウエイト３４を有するウエイトホルダ３３とを具備して成り、前記ガバナ駆動ギヤ５ｅで、軸支ホルダ３５を介して回転伝動軸３１を回転させ、ガバナウエイト３４の回転遠心力でガバナフォースＦを発生させるように構成されている。このガバナフォースＦは、ガバナスリーブ３２・スリーブ当接ローラ１８・揺動アーム１７ｂ及びガバナレバー軸１６を介してガバナレバー１４に伝達される。

【００１４】上記調速レバー２０は、図３に示すように、前記吸気マニホールド９に略水平に突設した支軸ボス２７に、支軸２２を介して回動自在に支持されている。なお、図１〜図２中の符号２５は、レリーズワイヤ２４の先端部及びストッパー２６の保持具であり、レリーズワイヤ２４で調速レバー２０の位置を調節して、ガバナスプリング２１の張力を調節するように構成されている。

【００１５】なお、上記実施例ではガソリンエンジンについて例示したが、本考案はこれに限るものではなく、ガスエンジンの空燃混合器（ミキサー）を操作する遠心式ガバナについても、適宜変更を加えて実施し得ることは、多言を要しない。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は前記のように構成され、作用するから以下の効果を奏する。イ．上記のように、シリンダブロックの１一側面にディーゼルエンジン用のポンプハウジング２を一体に形成することにより、空燃混合器付きエンジンのシリンダブロック１及びギヤケース５をディーゼルエンジン用のものと共通化できる。ロ．また、ポンプハウジング２のケース側壁２ａにガバナレバー軸１６を貫通させることにより、ギヤケースの増締めや再組み立ての際に、ガバナレバー軸１６の位置がスロットル弁１１の開閉方向へ変動するおそれが無くなる。これによりガバナのセッティングに狂いが出なくなり、ギヤケースの増締めや再組み立て後に、ガバナの再調整をする必要が無くなる。ハ．ポンプハウジング２のケース壁２ａにガバナレバー軸１６を貫通させることにより、従来例２のギアケース５のケース壁にガバナレバー軸１６を貫通させたものに比べて、ガバナレバー１４をスロットルレバー１２に近づけることができ、ガバナロッド１３の長さを短縮して軽量化できる。これに伴って、ガバナレバー１４も軽量化できるから、ガバナロッド１３及びガバナレバー１４の運動慣性が小さくなり、作動誤差が無くなって全体としてガバナの応答感度を高めることができる。ニ．特に請求項２の考案では、ケース側壁２ａにガバナレバー軸１６を水平に貫通させたので、従来例２のギアケース５の上蓋５ａにガバナレバー軸１６に縦向きに貫通させたものに比べて、ガバナレバー１４の揺動半径を長くできるため、ガバナ力発生装置３０のリフト量を小さくして、ガバナ力発生装置を小型のものにできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る遠心式ガバナの縦断正面図であ
る。

【図２】本考案に係る遠心式ガバナの要部の縦断側面図
である。

【図３】本考案に係る遠心式ガバナを具備して成る空燃
混合器付きエンジンの模式的斜視図である。

【図４】従来例１に係る遠心式ガバナを具備して成る空
燃混合器付きエンジンの斜視図である。

【図５】従来例２に係る遠心式ガバナの要部縦断側面図
である。

【図６】従来例２に係る遠心式ガバナの要部縦断正面図
である。

【符号の説明】

Ｅ…エンジン、１…シリンダブ
ロック、２…ポンプハウジング、２Ａ…燃
料噴射ポンプ７の収容空間、２Ｂ…燃料噴射カム収容空
間、２Ｃ…ガバナ力発生装置収容空間、２ａ…
ケース壁、３…クランクケース、４…シリンダヘ
ッド、５…ギヤケース、７…燃料噴
射ポンプ、１０…空燃混合器、１１…
スロットル弁、１２…スロットルレバ
ー、１３…ガバナロッド、１４…ガバナレバ
ー、１６…ガバナレバー軸、２１…ガバ
ナスプリング、３０…ガバナ力発生装置、
Ｆ…ガバナフォース。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】エンジンＥの空燃混合器(10)のスロット
ルレバー(12)を、ロッド(13)とガバナレバー(14)とを介
して、ガバナスプリング(21)でスロットル弁(11)の開弁
側(Ｒ)弾圧するのに対し、ガバナ力発生装置(30)で閉弁
側(Ｌ)へ押圧するように構成し、エンジン(Ｅ)の一側面の外側に上記空燃混合器(10)、ロ
ッド(13)及びガバナレバー(14)を設けるのに対し、その
エンジン(Ｅ)の一側面のケース壁(2a)の内部にガバナ力
発生装置(30)を設け、このガバナ力発生装置(30)のガバナフォース(Ｆ)をガバ
ナレバー軸(16)を介してガバナレバー(14)に伝達するよ
うに構成し、このガバナレバー軸(16)を上記ケース壁(2
a)に貫通させて回転自在に枢支させて構成した空燃混合
器付きエンジンの遠心式ガバナにおいて、前記エンジン(Ｅ)のシリンダブロックの(１)一側面で、
シリンダヘッド(４)及びギヤケース(５)に近い部分に、
ディーゼルエンジン用の燃料噴射ポンプ(７)のポンプハ
ウジング(２)を一体に形成し、このポンプハウジング(２)内にガバナ力発生装置(30)を
設け、このポンプハウジング(２)にガバナレバー軸(16)
を貫通させて回転自在に枢支させて構成したことを特徴
とする空燃混合器付きエンジンの遠心式ガバナ。
【請求項２】前記ポンプハウジング(２)内には、シリ
ンダヘッド(１)側からクランクケース(３)側に向かって
順に、ディーゼルエンジン用の燃料噴射ポンプ(７)の収
容空間(2A)・燃料噴射カム収容空間(2B)・及びガバナ力
発生装置収容空間(2C)を形成し、このガバナ力発生装置収容空間(2C)に前記ガバナ力発生
装置(30)を設け、このガバナ力発生装置収容空間(2C)から見てシリンダブ
ロック(１)側とは反対側に位置するハウジング一側壁(2
a)にガバナレバーー軸(16)を貫通させて構成した請求項
１に記載の空燃混合器付きエンジンの遠心式ガバナ。