JPH0542413U - 軒先換気金物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 短い軒先の屋根でも確実な水切りができ、か
つ、装着施工が容易な軒先換気金物を得る。 【構成】 軒先３１を外に出し外壁２の上に屋根パネル
を載せた形の屋根３の軒先３１に配置する軒先換気金物
１で、軒先３１に来る軒先側水切り板４の下辺を下に延
長して外壁２に向く側面４１に空気通路６の一部となる
軒先側仕切り壁４２を設け、外壁２の壁面仕上げ材７の
上辺に配置する外壁側水切り板５の外側面５１に空気通
路６の別の一部となる外壁側仕切り壁５２を設け、両水
切り板４，５の配置に伴い両仕切り壁４２，５２で構成
し、両側端を塞がれた空気通路６が外壁２に直交する向
きのジグザグ経路を形成する関係に両仕切り壁４２，５
２を配置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は軒先を外壁の外側に若干突き出した屋根パネルで構成した屋根の軒先 換気金物に関する。

【０００２】

【従来の技術】

木製枠体の片面に合板を張った屋根パネルで屋根を構成すると、手間が少なく 、短時間で施工できるため、近年はこの構成が多く採用される。又、敷地面積等 の事情で軒先の突き出し長さが短い、所謂軒の出の少ない屋根が増している。こ のような場合でも屋根裏の換気は充分に行う必要があり、外壁の上辺に載る屋根 パネルの裏側を換気口に利用する構造がよく採られる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記従来の軒先部分の屋根パネルの裏面を換気口に利用する構 造はこの部分の水切りに難点がある。すなわち、古来の和風建築に見られるよう な充分な軒の出がある条件では、外壁上辺部にまで雨滴が吹き込むことはない。 しかし、前記のように軒の出の少ない屋根では、多少の横風で外壁上辺部にまで 雨滴が回り込み、屋根裏を濡らす危険が起こりやすい。これを避けるため、図４ に示すように屋根１０１の軒先先端の破風板を兼ねた水切り板１０２の下辺を軒 裏側に回し込んでから立ち下げた縦面部分１０３と、外壁１０４の仕上げ材１０ ５の上辺の水切り板１０６との間を狭い間隙１０７になるように配置して、雨滴 の浸入を防止している。しかし、両水切り板１０２，１０６の施工時期が異なり 、職種も変わり、作業者も当然別人になり、円滑な作業管理、工程管理を行うこ とは非常に煩雑である。

【０００４】 更に、前記間隙１０７は両側の縦面で形成されるが、この軒先下方部分は激し い渦流発生箇所であり、縦面だけで形成される間隙１０７では雨滴浸入を完全に 防止することが困難である。 本考案は、短い軒先の屋根であっても確実な雨滴浸入防止、すなわち水切りが 可能であり、しかも装着施工が容易に行える軒先換気金物を提供することを目的 とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る軒先換気金物は、軒先を外壁の外側に突き出して前記外壁の上辺 に屋根パネルを載せて構成する屋根の前記軒先に配置する軒先換気金物であって 、前記軒先の外面に配置する軒先側水切り板の下辺を下方に延長して前記外壁に 向く側面に空気通路の一部を構成する軒先側仕切り壁を設け、前記外壁に装着す る壁面仕上げ材の上辺に配置する外壁側水切り板の外側面に前記空気通路の別の 一部を構成する外壁側仕切り壁を設け、前記軒先側水切り板と前記外壁側水切り 板の配置に伴い前記軒先側仕切り壁と前記外壁側仕切り壁とによって構成する前 記空気通路が前記外壁に直交する方向に向かうジグザグ経路を形成する関係形態 にし、かつ、前記空気通路の両側端を密閉するように前記軒先側仕切り壁及び前 記外壁側仕切り壁を配置する。

【０００６】

【作用】

軒先の外面の軒先側水切り板の下辺を延長した外壁に向く側面に設けた軒先側 仕切り壁と、外壁の壁面仕上げ材の上辺の外壁側水切り板の外側面に設けた外壁 側仕切り壁とで構成する空気通路が、その両側端を密閉され、外壁に直交する方 向に向かうジグザグ経路を形成する配置になっている。これで空気通路を通過す る気流中の雨滴は、ジグザグ経路での方向変換時に重力で沈降分離され、又は遠 心分離されて、各仕切り壁の壁面に付着する。従って、雨滴が分離された、すな わち水切りされた気流が上方の屋根パネル裏面から天井裏に達して換気が行われ る。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案の軒先換気金物の一実施例を示す縦断面図、図２は図１の要部の 斜視図、図３は別の実施例の軒先換気金物の縦断面図である。 図中、１は軒先換気金物、２は外壁、３は屋根、３１は屋根３の軒先、４は軒 先側水切り板、４１は軒先側水切り板４の側面、４２は同じく軒先側仕切り壁、 ５は外壁側水切り板、５１は外壁側水切り板５の外側面、５２は同じく外壁側仕 切り壁、６は空気通路、７は壁面仕上げ材である。 図１に示すように、本実施例の軒先換気金物１は建物の外壁２の上辺に屋根パ ネルを載せて構成する屋根３の軒先３１に配置するものであり、軒先側水切り板 ４と外壁側水切り板５の２部分からなる。屋根３は軒先３１を外壁２から若干外 側に突き出していて、外壁２の上辺に載る屋根パネルの裏面の間隙３２を通じて 屋根裏の換気を行う。

【０００８】 軒先側水切り板４は軒先３１の外面に破風板を兼ねて配置するが、その下辺を 下方に延長して外壁２に向く側面４１に、空気通路６の一部を構成する軒先側仕 切り壁４２を設ける。外壁側水切り板５は外壁２に装着するサイディング等の壁 面仕上げ材７の上辺に配置するもので、その外側面５１に空気通路６の別の一部 を構成する外壁側仕切り壁５２を設ける。空気通路６は軒先３１の下方付近と前 記外壁２の上辺の間隙３２とを結ぶ通路であり、図示するように、外壁２に直交 する方向に向かうジグザグ経路を形成する関係形態にし、かつ、この空気通路６ の両側端を密閉するように両側端部に側壁６１を備えて、前記軒先側仕切り壁４ ２と外壁側仕切り壁５２を配置する。具体的には、例えばアルミニュームの押し 出し成形によって、図２に示すような形態の外壁側仕切り壁５２付きの外壁側水 切り板５を得る。

【０００９】 軒先側水切り板４及び外壁側水切り板５は、いずれも図１のように、軒先３１ あるいは外壁２に対して釘打ち固定するため、簡単に取付けられ、しかもこの取 付けで空気通路６も同時に形成される。つまり、この構造では従来のような板金 作業は不要であり、専門の板金工でなく一般の大工でも取付けができるため、工 程管理、作業者手配等が格段に容易になる。この空気通路６はジグザグ経路であ り、ここを通過する気流は旋回を繰り返す。その間に気流の通過速度が遅ければ 雨滴が重力で沈降し、あるいは通過速度が早ければ雨滴は遠心分離されて各仕切 り壁面に付着する。すなわち、ここで確実な水切りが行われる訳である。そして この場合は空気通路６の間隔を狭めなくても水切りができ、気流に対する圧力損 失が少なく、大量の換気が可能である。

【００１０】 次に図３に示す別の実施例について述べる。これは空気通路６が前記図１の場 合は縦向きであったものに対して、本実施例ではほぼ横向きに配置した。このた め、軒先３１の先端に三角形断面の横部材３３を取付け、その縦面に接するよう に軒先側水切り板４の側面４１を立ち下げた。従って、図１に比較して軒先側水 切り板４の破風板に相当する面がやや幅の広い垂直な側面４１であり、軒先３１ から軒裏の範囲の外観が若干簡素になる。その他の構成、作用等については前記 実施例と同様につき説明は省略する。

【００１１】

【考案の効果】

本考案に係る軒先換気金物によれば、短い軒先の屋根であっても確実な水切り ができ、しかも装着施工を容易に行うことが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す軒先換気金物の縦断面
図である。

【図２】図１の要部の拡大斜視図である。

【図３】本考案の別の実施例を示す軒先換気金物の縦断
面図である。

【図４】従来の軒先換気構造の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 軒先換気金物 ２ 外壁 ３ 屋根 ４ 軒先側水切り板 ５ 外壁側水切り板 ６ 空気通路 ７ 壁面仕上げ材 ３１ 軒先 ３２ 間隙 ４１ 側面 ４２ 軒先側仕切り壁 ５１ 外側面 ５２ 外壁側仕切り壁 ６１ 側壁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軒先を外壁の外側に突き出して前記外壁
   の上辺に屋根パネルを載せて構成する屋根の前記軒先に
   配置する軒先換気金物であって、 前記軒先の外面に配置する軒先側水切り板の下辺を下方
   に延長して前記外壁に向く側面に空気通路の一部を構成
   する軒先側仕切り壁を設け、 前記外壁に装着する壁面仕上げ材の上辺に配置する外壁
   側水切り板の外側面に前記空気通路の別の一部を構成す
   る外壁側仕切り壁を設け、 前記軒先側水切り板と前記外壁側水切り板の配置に伴い
   前記軒先側仕切り壁と前記外壁側仕切り壁とによって構
   成する前記空気通路が前記外壁に直交する方向に向かう
   ジグザグ経路を形成する関係形態とし、かつ、前記空気
   通路の両側端を密閉するように前記軒先側仕切り壁及び
   前記外壁側仕切り壁を配置したことを特徴とする軒先換
   気金物。