JPH0538359A - 空気清浄用エレメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 電子出願以前の出願であるので 要約・選択図及び出願人の識別番号は存在しない。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、空気中の悪臭を除去するための空気 清浄機に使用する脱臭及除じん用エレメントに関 するもので、特に、圧損失が低く、処理容量が大 きい場合に好適な空気清浄用エレメントである。

〔従来の技術〕 空気中の悪臭成分を吸収除去するために使用す る空気清浄機の吸着エレメントとしては、粒状活 性炭を充填した吸着層、繊維状活性炭を抄紙して コルゲーション加工・積層したフィルター、ガラ ス繊維もしくは合成繊維等の不織布に、バインダ ーを使用して活性炭微粉末を付着せしめ、コルゲ ーション加工・積層したフィルター等が使用され てきた。

しかし、最近空気清浄機用の吸着エレメントは 風量が多い状態で使用されるため、特に圧損失が 低く、しかも、比較的吸着効率も高いものが要求 されるようになってきている。従って、従来のフ ィルターでは圧損失の点で不適当である。

また、空気中の浮遊粉じんを除去するため、従 来静電空気清浄機或いは電気集じん機が使用され ていた。これらはコロナ放電によつて粉じんの粒 子を荷電させ、これらの粒子を反対の電荷を有す る電極またはフィルターによつて補集除去するも のである。しかし、コロナ放電により、粉じん粒 子を荷電するためには数KV或いは数１０KVの高電 圧が必要となり、取扱上危険があるのみならず、 火災が発生するおそれもあった。このため高電圧 を必要としない集じん装置への要望が高く、静電 効果によらないフィルターも種々提案されたが、 たばこの煙を含有する場合が多い一般の室内また は車内の空気では、径１μｍ以下の粉じんも補集 する必要があるため、圧損失が非常に高いフィル ターが必要となることは避けられなかった。従っ て、この方式では低圧損失でしかも効率よく粉じ ん微粒子を除去することは極めて困難であつた。

〔発明が解決しようとする課題〕 従来最も多く使用されている粒状活性炭吸着層 は、通気抵抗が大きいため、風量を大きくして使 用するためには不適当である。そこで、圧損失を 低下させるため、シート状吸着剤をコルゲーショ ン加工して巻き込んだものがしばしば使用されて いる。

しかし、コルゲーションした後、波形シートと 平面シートを貼り合わせるために使用した接着剤 が活性炭層に浸み込んで活性炭表面を覆うため、 吸着能力が阻害されていた。従って、風量が多い 状態で使用しても、圧損失が小さく且つ活性炭の 吸着能力が低下しないような、吸着エレメントが 要望されていた。

また、室内或いは車内の空気を浄化するために は、悪臭の他たばこの煙のような微細粉じんを除 去する必要がある。

〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等は、活性炭の吸着能力を保持して、 しかも圧損失を極めて低くすることが出来る吸着 エレメントの基材として、編物の一部が厚くなっ て、その表面に多数の畝状の形状を有するものが 適していることを見出した。

更に、たばこの煙のような微細粉じんを、安全 ・低コストで除去するためには、エレクトレット ・フィルターが好適であることが知られていたが、 この両者を組み合わせると、極めて効果的である ことを見出して本発明に到達した。

すなわち、表面が、畝状に凸部となつている部 分を有する編物に、吸着材を添着し、これを積層 または、巻いて円柱状とせしめてなる空気清浄用 エレメント及び、上記のエレメントと、エレクト レット・フィルターを複合せしめた空気清浄用エ レメントである。

以下、本発明について詳しく説明する。

本発明において吸着剤を添着せしめる基材は、 表面が、畝状に凸部となっている部分を有する編 物を使用する必要がある。畝状に凸部となってい る部分とは、例えば、第１図に示すように畑の表 面の畝のように線状に盛り上がった形状を指して いるが、畝の形は直線でも曲線でもまた不規則な 形でもよい。また、畝の断面の形も矩形でも、か まぼこ形でも、不規則な形でもよい。例えば、ダ ブルラッセル編のような構造の編地を使用すれば、 容易にこのような形状とすることが出来る。編地 ば特定の構造に限定しないが、空気との接触面積 を大きく且つ吸着剤の添着量を大きく出来るもの が好ましい。

また、このような構造のシートを積層したり、 巻き込んだりしたとき畝のように盛り上がった部 分が倒れるのを防ぐため、畝の頂上に畝を相互に 繋ぐための少量の糸が畝と直角の方向にあっても 良い。

吸着剤は活性炭、ゼオライト、植物精油等空気 中の悪臭除去に効果があるものならば、何でもよ い。特に、活性炭は無極性吸着剤として極めて優 れた吸着性を有する特異な材質で、殆どすべての ガス状物質に対して高い吸着性を示すため好適で ある。しかし、活性炭もたばこの煙に含まれてい るアセトアルデヒド、アンモニア、低級アミン、 炭化水素、硫化水素等に対する吸着能力は充分で ない。従って、活性炭の吸着性を改善するため、 燐酸、りんご酸、アスコルビン酸等その他の物質 を添着した活性炭を使用してもよい。

これらの吸着剤を編地に添着させる方法は特に 限定しないが、バインダーを使用する方法が最も 簡便である。しかし、バインダーを使用する場合 はある程度の吸着能力の低下は避けられないが、 比較的吸着能力の低下の少ないラテックス系のも のが好ましい。使用する活性炭・その他のガス吸 収剤の粒度はラテックスと混合したときの分散安 定性の点から、100メッシュパス以下、好ましく は、300メッシュパス以下にすると、添着性が良 好な吸収剤懸濁液を調製できる。

本発明は吸着剤を添着した、表面が畝状の凸部 を有する編物を、積層または、巻いて円柱状とし て使用する必要がある。例えば、第２図または第 ３図に示すような形状である。これらの形状は必 要に応じて変形して使用することができる。例え ば、第２図の場合側面が台形になったり、抉られ た部分を有する形、また第３図では楕円形、型に 押し込んで直方体に成形したもの等である。

また、積層する場合にはその構造から、コルゲ ーションして積層する場合と較べて、層間の接着 面積が大分小さくなるので、吸着能力の低下が少 なくなる。

前述のような形状にすると、大きな風量を流し た場合でも、圧損失が非常に低く且つ編物の組織 内部にも風が通り、空気が吸着剤と接触するため に脱臭効果が優れている。

本発明の空気清浄用エレメントにはエレクトレ ット・フィルターが組み込まれている。このフィ ルターの材質は電気的に分極されていて、換言す れば常に一定の静電荷をもった状態となっている。

従って、たばこの煙のような径１μｍ以下の極微 粒子は通常正電荷をもっているため、エレクトレ ット・フィルターの負電荷を有する部分に吸引さ れる。従って、低圧損失で、効率よく除去しうる。

このような極微粒子は通常の濾過によつて除去す ることは相当困難で、また高い圧損失を必要とす る。エレクトレット・フィルターは通常エレクト レット処理により分極化して誘電体となる材質、 例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス テル、ポリ弗化ビニル等のポリマーよりつくられ る。永久的に分極化する方法として種々の方法が 知られているが、通常誘電体を電極板にはさみ軟 化点付近迄昇温し、直流高電圧を加えた状態で室 温迄徐冷することにより作られる。またこの分極 状態は数年間は持続されるため長期間にわたって 極微粒子除去機能を有する。しかも、使用する場 合高電圧をかける必要がないので、取扱が容易で 火災を発生する危険がなく安全性が高い。

〔作用・効果〕 本発明の空気清浄エレメントは前述のように、 空気に流通路に沿って、多数のチューブ状の通路 を有するため、大きな風量の空気を流した場合で も圧損失が非常に低く、且つ編物の組織内部にも 風が通り、空気が吸着剤と接触する面積が大きい ため、室内或いは車内の空気を高速で循環させた 場合の脱臭効果が優れている。また、普通の活性 炭の他、たばこの煙に含まれているアセトアルデ ヒド、アンモニア、低級アミン等に対する吸着能 力を向上させるため燐酸、りんご酸、アスコルビ ン酸等を添着した活性炭を使用すると、たばこの 悪臭除去に極めて好適である。

更に、本発明は、エレクトレット・フィルター を複合させてあるため、低圧損失で径１μｍ以下 の空気中の浮遊粉じんを効率よく除去することが 出来る。従って、たばこの煙の除去効果も高く、 従来法のように高電圧を必要としないため取扱が 容易で且つ安全性が高い。

〔実施例〕 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明す るが、本発明はこれにより何等限定されるもので はない。

実施例１ 表面に、畝状の凸部を有する編地として、底面 の平面部分に３デニル12本撚りポリエステルマル チフィラメント、畝状に立ち上がった糸は、150 デニルナイロンモノフィラメントを使用したもの である。また、各畝の頂上を、平面部分と同じ糸 で幅１mmの平坦部分を作ったものを使用した。こ の平坦部分は、マルチフィラメントの立ち上がっ た糸の先端が、相互にばらばらにならず、畝の形 状を保持するような作用をしている。平面部分の 厚さは0.3mm、畝の間隔はピッチ７mm、編地全 体の厚さは３mmである。

ヤシ殻活性炭微粉末100部を水120部に分散さ せ、接着剤として、２％ＣＭＣ水溶液40部と、45 ％アクリロニトリルブタジエン系ラテックス260 部を加えた懸濁液を調製した。次に、編地を懸濁 液に浸漬し、引き上げた後、絞って、120℃で乾 燥した。

畝の頂上部分に、酢ビ系エマルジョン接着剤を 塗布して積層し、編地の面に垂直にスライスして 厚さ５mmのエレメントを作成した。セル１ケの開 口部面積は0.14mmであった。

第１表に活性炭目付量と、エレメントの圧損失 の関係を示した。

活性炭目付量は、JIS M-8812「石炭類およびコ ークス類の工業分析法」に準じて測定し、圧損失 は１ｍ／secの風速で、25℃、試料の厚さ５mmで 測定した。

エレメントの吸着性能を第４図に示す。吸着性 能は、空気清浄装置運転時間と硫化水素ガスの残 存率の関係で示した。その測定方法は下記のよう である。

試料を10mm×30cmに裁断したエレメントを、風 速１ｍ／secのガスを処理できる空気清浄装置に 装着して、予め硫化水素ガス濃度を100ppmに調 製した１m³アクリル製ボックス内にセットした。

空気の循環時間と、残存硫化水素ガス濃度の関 係を調べた。その結果を第５図に示す。

ガス濃度測定は、FPD検出器（Flame Ionization Detector）付き高感度ガスクロを用 した。

比較例１ ポリウレタン発泡シートのセル抜き品（１イン チ間のセル数８ケ、厚さ５mm）を、実施例１と同 じ活性炭懸濁液に浸漬し、活性炭付着量が、実施 例１と同量になるように添着し、120℃で乾燥し た。更に、実施例１と同様なエレメントを作成し た。セル１ケの開口部面積は0.14cm²であった。

活性炭目付量と、エレメントの圧損失の関係及 び、空気清浄装置運転時間と硫化水素ガスの残存 率の関係を実施例１と同様に測定した。その結果 を第１表及び、第５図に示す。

比較例２ 活性炭繊維の含有率50％、厚さ0.25mmの活性炭 含有紙を抄紙し、コルゲーション加工後積層して 成形体を作成し、厚さ５mmにスライスした。セル １ケの開口部面積は0.15cm²であった。

活性炭目付量と、エレメントの圧損失の関係及 び、空気清浄装置運転時間と硫化水素ガスの残存 率の関係を実施例１と同様に測定した。その結果 を第１表及び第５図に示す。

実施例２ 第３図に示した脱臭フィルターとシート状のエ レクトレット・フィルターを複合した第４図に示 すエレメントを作成した。

実施例１において、硫化水素ガスの吸着試験に 使用した装置で、硫化水素ガスの代わりにたばこ の煙を封入し、実施例１と同じサイズの第４図に 示した構成のエレメントを入れて循環した。その 結果、約10分で煙の臭気及び紫色が完全に消失し た。

【図面の簡単な説明】

第１図は畝状の凸部を有する編地を拡大した斜 視図を示す。第２図は畝状の凸部を有する編地に 活性炭を添着し、それを積層した脱臭エレメント の斜視図を示す。第３図は畝状の凸部を有する編 地に活性炭を添着し、それを巻き込んで成形した 脱臭エレメントの斜視図を示す。第４図は第２図 で示した脱臭エレメントと、エレクトレット・フ ィルターを複合した、空気清浄エレメントの斜視 図を示す。 １…編物の表面で、畝状に凸部となっている 部分 ２…編物の地 ３…外部のカバー ４…エレクトレット・フィルター ５…実施例１ ６…比較例１ ７…比較例２

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【手続補正書】

【提出日】平４年９月１４日 (1)明細書、第16頁、第５行「４…エレクトレット・フ
ィルター」と、第６行「５…実施例１」の間に下記の２
行を挿入する。 「第５図は空気清浄装置の運転時間と硫化水素ガスの残
存率の関係を示したものである。」

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面が、畝状に凸部となっている部分を
   有 する編物に、吸着剤を添着し、これを積層または 巻いて円柱状とせしめてなる空気清浄用エレメン ト。
2. 【請求項２】 表面が、畝状に凸部となっている部分を
   有 する編物に、吸着剤を添着し、これを積層または 巻いて円柱状としたガス吸収フィルターの部分と、 エレクトレット・フィルターを複合せしめてなる 空気清浄用エレメント。
3. 【請求項３】 吸着剤として活性炭を使用した特許請求
   の 範囲、第１項及び第２項記載の空気清浄用エレメ ント。