JPH0536517A - 高周波用磁性材料 - Google Patents
高周波用磁性材料Info
- Publication number
- JPH0536517A JPH0536517A JP3210089A JP21008991A JPH0536517A JP H0536517 A JPH0536517 A JP H0536517A JP 3210089 A JP3210089 A JP 3210089A JP 21008991 A JP21008991 A JP 21008991A JP H0536517 A JPH0536517 A JP H0536517A
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- Japan
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- magnetic material
- frequency
- amount
- high frequency
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 UHF帯域あるいはそれ以上の周波数領域
で、高いQを得る。 【構成】 一般式Co2(Ba1-x SrX))3Fe24O41 のXを0.1
〜0.6 として、Co2Ba3Fe24O41 のBaをSrで置換する。比
較的低い周波数では置換量を少なくし、周波数が上がる
につれて置換量を多くすることによって、使用する周波
数に最適な組成の高周波用磁性材料が得られる。
で、高いQを得る。 【構成】 一般式Co2(Ba1-x SrX))3Fe24O41 のXを0.1
〜0.6 として、Co2Ba3Fe24O41 のBaをSrで置換する。比
較的低い周波数では置換量を少なくし、周波数が上がる
につれて置換量を多くすることによって、使用する周波
数に最適な組成の高周波用磁性材料が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波用磁性材料に係
るもので、特に 100MHz 以上の高周波領域において使用
するインダクタ用に適した高周波用磁性材料に関するも
のである。
るもので、特に 100MHz 以上の高周波領域において使用
するインダクタ用に適した高周波用磁性材料に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】インダクタの使用される範囲が数百MHz
といった高周波領域に拡がりつつある。従来、高周波コ
イルにはNi−Zn系フェライトが主として用いられている
が、周波数が高くなると自己共振周波数などの問題が生
じ、フェロックスプレーナ等を用いることが検討されて
いる。しかし、ほとんど実用化されていない。また、高
周波領域では非磁性体を用いて空心コイルを構成し、利
用することも考えられているが、非磁性体を用いると高
いインダクタンス及びQを得ることが困難となる。
といった高周波領域に拡がりつつある。従来、高周波コ
イルにはNi−Zn系フェライトが主として用いられている
が、周波数が高くなると自己共振周波数などの問題が生
じ、フェロックスプレーナ等を用いることが検討されて
いる。しかし、ほとんど実用化されていない。また、高
周波領域では非磁性体を用いて空心コイルを構成し、利
用することも考えられているが、非磁性体を用いると高
いインダクタンス及びQを得ることが困難となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フェロック
スプレーナの一種であるコバルト−バリウム系フェライ
トの組成を改良し、高いQが得られ、しかも高周波領域
において使用できる磁性材料を得ようとするものであ
る。
スプレーナの一種であるコバルト−バリウム系フェライ
トの組成を改良し、高いQが得られ、しかも高周波領域
において使用できる磁性材料を得ようとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、六方晶系の磁
性材料、すなわちフェロックスプレーナ系磁性材料の組
成を改良することによって、上記の課題を解決するもの
である。
性材料、すなわちフェロックスプレーナ系磁性材料の組
成を改良することによって、上記の課題を解決するもの
である。
【0005】すなわち、本発明の磁性材料は、 一般式 Co2(Ba1-x Srx )3Fe24O41 で表される組成において 0.1 ≦X≦0.6 とすることに特徴を有するものである。
【0006】
【作用】Co2Ba3Fe24O41 のBaの一部をSrにより置換する
ことにより、高周波領域におけるQを向上させることが
できる。また、上記組成の範囲内で高いμQ積を得るこ
とができる。
ことにより、高周波領域におけるQを向上させることが
できる。また、上記組成の範囲内で高いμQ積を得るこ
とができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0008】まず、本発明による高周波磁性材料の製造
方法について説明する。材料としてCoO 、BaCO3 、SrCO
3 、Fe2O3 を所定の組成となるように秤量し、ボールミ
ルで20時間混合した。これを1200°Cの温度で2時間仮
焼し、この仮焼物を遊星ボールミルで粉砕した。これに
バインダー等を加えて成型し、1200〜1300°Cの温度で
2時間焼成することによって本発明による材料を得た。
方法について説明する。材料としてCoO 、BaCO3 、SrCO
3 、Fe2O3 を所定の組成となるように秤量し、ボールミ
ルで20時間混合した。これを1200°Cの温度で2時間仮
焼し、この仮焼物を遊星ボールミルで粉砕した。これに
バインダー等を加えて成型し、1200〜1300°Cの温度で
2時間焼成することによって本発明による材料を得た。
【0009】本発明による高周波用磁性材料の特性の測
定は、通常用いられる短絡同軸法により行った。焼成前
の寸法で外径25mm、内径18mm、厚さ 5mmに成型し、トロ
イダル状のコアを得て各種特性を測定した。測定周波数
は50MHz 、100MHz、300MHz、500MHzとした。
定は、通常用いられる短絡同軸法により行った。焼成前
の寸法で外径25mm、内径18mm、厚さ 5mmに成型し、トロ
イダル状のコアを得て各種特性を測定した。測定周波数
は50MHz 、100MHz、300MHz、500MHzとした。
【0010】以下、上記の測定結果について説明する。
図1は、各々の周波数におけるQの変化を示す説明図で
ある。XすなわちBaのSrによる置換量を横軸にとり、そ
の時のQを縦軸に示したものである。50MHz では0.1 〜
0.3 の範囲でQが大幅に向上し、0.3 を越えると減少し
初めている。置換量が多くなると、置換しないものに近
い状態までQが低下してしまった。100MHzでもほぼ同じ
傾向であるが、置換量が多くなってもQの低下の度合い
は小さくなっている。
図1は、各々の周波数におけるQの変化を示す説明図で
ある。XすなわちBaのSrによる置換量を横軸にとり、そ
の時のQを縦軸に示したものである。50MHz では0.1 〜
0.3 の範囲でQが大幅に向上し、0.3 を越えると減少し
初めている。置換量が多くなると、置換しないものに近
い状態までQが低下してしまった。100MHzでもほぼ同じ
傾向であるが、置換量が多くなってもQの低下の度合い
は小さくなっている。
【0011】300MHzの高周波領域になると、Xが0.3 ま
では置換量が増えるにしたがってQが向上し、そこをピ
ークに置換量が増えるとQが低下していた。ただ、50MH
z や100MHzの例に比較すると低下の量は少なくなってお
り、0.5 以上ではほとんど変化がない。500MHzでも置換
量が増えるに従ってQが向上するのは同様であるが、X
が0.6 のときにピークとなり、それ以上ではほとんど変
化がなかった。
では置換量が増えるにしたがってQが向上し、そこをピ
ークに置換量が増えるとQが低下していた。ただ、50MH
z や100MHzの例に比較すると低下の量は少なくなってお
り、0.5 以上ではほとんど変化がない。500MHzでも置換
量が増えるに従ってQが向上するのは同様であるが、X
が0.6 のときにピークとなり、それ以上ではほとんど変
化がなかった。
【0012】上記の結果からQに関しては、周波数が低
い範囲では置換量の少ない範囲で効果が顕著となり、周
波数が高くなるにしたがって置換量を多くした方が効果
があることが分かった。このことから、インダクタとし
て使用する帯域に応じて置換量を選択することによって
高いQが得られる。
い範囲では置換量の少ない範囲で効果が顕著となり、周
波数が高くなるにしたがって置換量を多くした方が効果
があることが分かった。このことから、インダクタとし
て使用する帯域に応じて置換量を選択することによって
高いQが得られる。
【0013】図2は、各々の周波数におけるμ×Qの変
化を示す説明図である。XすなわちBaのSrによる置換量
を横軸にとり、その時のμ×Qの値を縦軸に示したもの
である。50MHz では置換量が増えるに従って値が減少す
る。図1で示したようにQが向上するにもかかわらずそ
の値が減少するのは透磁率μが減少していることを示し
ている。しかし、100MHzになると傾向は変わっている。
すなわち、Xが0.2 程度までは値が向上しており、そこ
をピークに置換量が増えるにつれて減少している。
化を示す説明図である。XすなわちBaのSrによる置換量
を横軸にとり、その時のμ×Qの値を縦軸に示したもの
である。50MHz では置換量が増えるに従って値が減少す
る。図1で示したようにQが向上するにもかかわらずそ
の値が減少するのは透磁率μが減少していることを示し
ている。しかし、100MHzになると傾向は変わっている。
すなわち、Xが0.2 程度までは値が向上しており、そこ
をピークに置換量が増えるにつれて減少している。
【0014】300MHzの高周波領域になると、Xが0.3 ま
では置換量が増えるにしたがって値が向上し、そこをピ
ークに置換量が増えると値が低下する。ただ、50MHz や
100MHzの例に比較すると低下の量は少なくなっており、
置換しない時の値より小さくなることはない。500MHzで
も同様であるが、Xが0.5 のときにピークとなってい
る。0.5 から上では変化が少ない。
では置換量が増えるにしたがって値が向上し、そこをピ
ークに置換量が増えると値が低下する。ただ、50MHz や
100MHzの例に比較すると低下の量は少なくなっており、
置換しない時の値より小さくなることはない。500MHzで
も同様であるが、Xが0.5 のときにピークとなってい
る。0.5 から上では変化が少ない。
【0015】上記の結果からμQ積特性に関しては、周
波数が低い範囲では効果があまりなく、高周波となるに
従って効果が現れている。また、周波数が高くなるにし
たがって置換量の大きいポイントで効果が生じることが
分かった。このことから、インダクタとして使用する帯
域に応じて置換量を選択することによって高いμQ積が
得られる。
波数が低い範囲では効果があまりなく、高周波となるに
従って効果が現れている。また、周波数が高くなるにし
たがって置換量の大きいポイントで効果が生じることが
分かった。このことから、インダクタとして使用する帯
域に応じて置換量を選択することによって高いμQ積が
得られる。
【0016】二つの測定結果から、本発明による磁性材
料はおおよそ100MHz以上の周波数帯域で効果が現れ、10
0MHz程度以下の比較的低い領域では、置換量Xを0.1 〜
0.3程度としたときに効果が顕著となる。それに対し
て、300MHz以上の高い周波数領域になると置換量Xを大
きくした方が効果がある。すなわち、0.3 〜0.6 程度の
範囲で選択するのが望ましい。
料はおおよそ100MHz以上の周波数帯域で効果が現れ、10
0MHz程度以下の比較的低い領域では、置換量Xを0.1 〜
0.3程度としたときに効果が顕著となる。それに対し
て、300MHz以上の高い周波数領域になると置換量Xを大
きくした方が効果がある。すなわち、0.3 〜0.6 程度の
範囲で選択するのが望ましい。
【0017】上記の結果から、置換量Xの範囲は透磁率
μの減少の影響が大きくなる範囲以下とすることが必要
である。上記のように、周波数によっても異なるが、0.
6 を超えるとQの上昇の効果はなく、μの低下によるμ
Q積の減少が生じることから0.6 までの範囲とするのが
望ましい。
μの減少の影響が大きくなる範囲以下とすることが必要
である。上記のように、周波数によっても異なるが、0.
6 を超えるとQの上昇の効果はなく、μの低下によるμ
Q積の減少が生じることから0.6 までの範囲とするのが
望ましい。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、100MHz以上の高周波領
域において、Qの大きなインダクタが得られ、しかも比
較的大きなμを有する磁性材料が得られる。これによっ
て、インダクタンスが大きくしかもQの高い、UHF帯
からそれ以上の周波数帯域に適したインダクタ用の磁性
材料が得られる。
域において、Qの大きなインダクタが得られ、しかも比
較的大きなμを有する磁性材料が得られる。これによっ
て、インダクタンスが大きくしかもQの高い、UHF帯
からそれ以上の周波数帯域に適したインダクタ用の磁性
材料が得られる。
【0019】なお、本発明による磁性材料はインダクタ
だけでなく、高周波領域の磁性材料として広く利用でき
る。
だけでなく、高周波領域の磁性材料として広く利用でき
る。
【図1】本発明による磁性材料のQ特性の説明図。
【図2】本発明による磁性材料のμQ積特性の説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂倉 光男 埼玉県比企郡玉川村大字玉川字日野原828 番地 東光株式会社玉川工場内
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式 Co2(Ba1-x Srx )3Fe24O41 で表される組成において 0.1 ≦X≦0.6 である高周波用磁性材料。
- 【請求項2】 一般式 Co2(Ba1-x Srx )3Fe24O41 で表される組成において 0.1 ≦X≦0.6 である高周波インダクタ用磁性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3210089A JPH0536517A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 高周波用磁性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3210089A JPH0536517A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 高周波用磁性材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0536517A true JPH0536517A (ja) | 1993-02-12 |
Family
ID=16583642
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3210089A Pending JPH0536517A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 高周波用磁性材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0536517A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004002110A (ja) * | 2002-05-31 | 2004-01-08 | Sanyo Electric Co Ltd | 磁性セラミック焼結体及びその製造方法 |
US7202766B2 (en) | 2003-07-10 | 2007-04-10 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetic element |
WO2007111122A1 (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-04 | Hitachi Metals, Ltd. | コイル部品およびその製造方法 |
US7378930B2 (en) | 2003-07-14 | 2008-05-27 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetic ferrite and magnetic device containing the ferrite |
-
1991
- 1991-07-26 JP JP3210089A patent/JPH0536517A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004002110A (ja) * | 2002-05-31 | 2004-01-08 | Sanyo Electric Co Ltd | 磁性セラミック焼結体及びその製造方法 |
US7202766B2 (en) | 2003-07-10 | 2007-04-10 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetic element |
US7378930B2 (en) | 2003-07-14 | 2008-05-27 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetic ferrite and magnetic device containing the ferrite |
WO2007111122A1 (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-04 | Hitachi Metals, Ltd. | コイル部品およびその製造方法 |
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