JPH0535208Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は連結釘、更に詳しくは、空気圧など
を利用して釘を連続的に打込む、釘打機に用いる
連結釘に関する。

〔従来の技術〕

上記の釘打機に用いる連結釘は、多数本の釘を
一定の間隔で保持して並列状にした構造になつて
いる。

従来の連結釘において、釘を一定の間隔で保持
するため、合成樹脂の薄板製のホルダーを使用し
たものが知られている。

上記ホルダーを使用した従来の連結釘を第１図
を利用して説明する。

ホルダー１は、ポリプロピレンやポリエチレン
等の合成樹脂薄板を用いた帯状基板２の両側に対
向壁３と４を、基板２の長さ方向に一定の間隔で
設け、各対向壁３，４に先端側で開口する窪み
５，５を設けた構造になつている。

釘６はその胴部７を対向壁３，４の窪み５，５
内に少し狭くなつた先端側の開口の部分から押し
込んで挿入することにより、胴部７の先端側と頭
部側がホルダー１で保持されることになる。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、上記従来の連結釘は、釘６の胴部７
を保持する窪み５，５が先端側で開口状になつて
いるため、釘の保持力が極めて弱く、このため釘
打機内に装填したときに振動を受けるとホルダー
１から釘６が脱落し、打釘操作が不能になるとい
う問題がある。

また、振動によつて釘６がホルダー１から脱落
するのを防ぐため、例えば実開昭63−6212号によ
つて、ホルダー１の窪み５と釘６の胴部７の嵌合
部分の全周にわたつて硬化性樹脂を充填し、硬化
性樹脂の結合力によりホルダー１と釘６を固定化
する連結釘が提案されている。

しかし、硬化性樹脂を窪みと胴部の全周面に付
着させると、ホルダーと釘の固着力が強くなりす
ぎ、打釘時にホルダーと釘の離脱が得られないと
いう問題がある。

そこでこの考案の課題は、上記のような問題点
を解決するため、釘とホルダーの仮止めにより釘
の脱落を防止することができると共に、打釘時に
はホルダーから釘を確実に離脱させることができ
る連結釘を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記のような課題を解決するため、この考案
は、ホルダーの一方対向壁で釘の胴部先端側を保
持する対向壁の先端側に、この対向壁に設けた窪
みの開口部を閉鎖して胴部を仮止めする仮止部材
を、ホルダーの長さ方向に沿つて設けた構成とし
たものである。

〔作用〕

ホルダーの対向壁で釘の胴部先端側を保持する
対向壁の先端側に窪みの開口部を閉鎖する仮止部
材を設け、この仮止部材を胴部を仮止めしたの
で、釘打機の振動によつてホルダーから釘が脱落
するというようなことがなくなる。

また、仮止は胴部先端側でホルダーの長さ方向
に沿つて行なわれているため、ホルダーに対する
釘の固定が適度の仮止め強度になり、釘打時にホ
ルダーから釘を確実に剥離させることができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

図示のように、ホルダー１は前述した如く、合
成樹脂の薄板を用い、帯状基板２の両側に対向壁
３，４を設け、対向壁３，４に先端側で開口する
窪み５，５を設けて形成され、釘６は胴部７を窪
み５，５に挿入することによりホルダー１で保持
されている。

上記ホルダー１において、胴部７の先端側を保
持する一方の対向壁３に、この対向壁３の先端側
と胴部７を仮止めする仮止部材１１が付設されて
いる。

この仮止部材１１は、軟質の易破壊性材料、例
えば熱溶融性合成樹脂を用い、窪み５の開口部を
閉鎖するように、対向壁３の端部に対してホルダ
ー１の長さ方向へ連続的に塗布している。

上記仮止部材１１は、図示の場合、対向壁３の
先端部を覆うように断面コ字状に連続塗布した
が、例えば各対向壁３ごとに独立させたり、線状
の断面形状に塗布するようにしてもよい。

この考案の連結釘は上記のような構成であり、
ホルダー１に対して取付けた釘６は一方の対向壁
３の先端側に付着させた仮止部材１１よつて仮止
めされ、釘打機に装填したときの振動によつても
ホルダー１から釘６が脱落するというようなこと
がなく、連続した打釘が可能になる。

仮止部材１１は打釘時において、釘６に加わる
衝撃によつて対向壁３及び胴部７から剥離して離
落し、釘打機のノーズから外部に排出されるた
め、釘６の打ち込みに支障を与えることがない。

ちなみに、仮止部材１１で胴部７の頭部側と他
方対向壁４を仮止めすると、釘６の頭部裏面側に
まで仮止部材が付着し、釘を打ち込んでも仮止部
材は剥離せず、そのまま釘と共に打ち込まれた
り、離脱した部分が釘打機の内部に残り、ノーズ
部分に詰まりが生じて釘打ちができなくなるとい
う不都合が発生するので好ましくない。

〔効果〕

以上のように、この考案よると、ホルダーの対
向壁に設けた窪みに釘の胴部を挿入してホルダー
で釘を保持し、胴部の先端側を保持する一方対向
壁と胴部を対向壁の先端側に設けた仮止部材で仮
止めしたので、釘打機の振動によりホルダーから
釘が脱落するというようなことがなくなり、連続
的な打釘が可能になる。

また、仮止めは胴部の先端側で行なつているの
で、打釘時に剥離した仮止部材は釘打機のノーズ
から確実に排出することができ、仮止部材が打釘
に支障を与えることがない。

更に、対向壁の先端部でホルダーの長さ方向に
沿つて仮止部材を設けたので、仮止部材のホルダ
ーに対する塗布作業がホルダーの長さ方向に沿つ
て連続的に行なえ、塗布作業が能率的に行なえる
と共に、対向壁と胴部を適度な強度で仮止めする
ことができ、打釘時において対向壁からの釘の離
脱が支障なく行なえ、仮止部分が打釘時に不都合
を与えることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る連結釘の分解斜視図、
第２図は同上の組立状態を示す斜視図、第３図は
同上の縦断面図である。 １……ホルダー、３，４……対向壁、５……窪
み、６……釘、７……胴部、１１……仮止部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂の薄板で断面コ字状に形成したホルダ
   ーの両側対向壁に、この対向壁の先端側で開口す
   る窪みを対向状に設け、釘の胴部を対向する窪み
   に挿入することによりホルダーで釘を並列状に保
   持した連結釘において、ホルダーの一方対向壁で
   釘の胴部先端側を保持する対向壁の先端側に、こ
   の対向壁に設けた窪みの開口部を閉鎖して胴部を
   仮止めする仮止部材を、ホルダーの長さ方向に沿
   つて設けたことを特徴とする連結釘。