JPH053466B2 - - Google Patents

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JPH053466B2
JPH053466B2 JP59133269A JP13326984A JPH053466B2 JP H053466 B2 JPH053466 B2 JP H053466B2 JP 59133269 A JP59133269 A JP 59133269A JP 13326984 A JP13326984 A JP 13326984A JP H053466 B2 JPH053466 B2 JP H053466B2
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JP
Japan
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glycidol
allyl alcohol
hydrocarbon
azeotropic
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Takehisa Nakanishi
Nobumasa Arashiba
Eiji Koga
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明はアリルアルコールのエポキシ化反応に
より得られるグリシドールの回収精製方法に関す
る。さらに詳しくは、本発明は触媒の存在下、ア
リルアルコールと有機ハイドロパーオキサイドと
を反応させて得られる反応混合物から高収得率で
グリシドールを回収精製する方法に関するもので
ある。 従来の技術 グリシドールは分子内にエポキシ基とアルコー
ル性水酸基とを有する極めて反応性にとむ化合物
であり、各種化学品の中間原料として有用な化合
物である。 アリルアルコールのエポキシ化反応によりグリ
シドールを製造する方法は種々知られており、例
えば、特開昭50−117706号では過酸化水素により
アリルアルコールをエポキシ化する方法、特公昭
57−52341号では過酢酸によりエポキシ化する方
法、さらには特公昭44−16887号、または特公昭
53−38273号では、有機ハイドロパーオキサイド
によりエポキシ化する方法が開示されている。 これらの種々のエポキシ化剤を用いてグリシド
ールを製造する場合、該エポキシ化剤の種類によ
りグリシドールの精製方法は異なり、有機ハイド
ロパーオキサイドによりアリルアルコールをエポ
キシ化した場合、生成する反応混合物中にはグリ
シドールの他に過剰のアリルアルコール、有機ハ
イドロパーオキサイドの還元生成物であるカルビ
ノール類等が含まれている。該反応混合物から蒸
留によりグリシドールを分離回収を行なうと、有
機ハイドロパーオキサイドの先駆物質である脂肪
族、脂環式、または芳香族炭化水素化合物とグリ
シドールとが一般に共沸混合物を形成するので分
離が困難になると共に、グリシドールが熱的に不
安定であるが故に回収率の低下をきたす欠点を有
する。 該混合物よりグリシドールを回収する方法につ
いては特公昭51−7646号で提案されている。該提
案においては反応混合物を第一次真空蒸留により
アリルアルコールを留去し、第一次塔底製品を共
沸剤の存在下に第二次真空蒸留により塔頂製品と
してグリシドールと共沸剤の共沸物を回収し、し
かる後に水により液−液抽出することにより種々
の化合物の中から殆んど純粋なグリシドールを得
ている。 また、本発明者らは先に、該反応混合物から不
溶解触媒化合物を過した後、または該反応混合
物をそのまま減圧蒸留し、グリシドールを含有す
る気化液と触媒を含有する缶出液とに分離し、つ
いで該気化液を減圧蒸留してアリルアルコールを
回収し、しかる後に回収残液より液−液抽出する
ことによりグリシドールを回収精製する方法を提
案した。 発明が解決しようとする問題点 グリシドールは熱的に不安定であるために、収
率よく精製回収することはこの分野における重要
な解決課題である。グリシドールを高収率で精製
回収する精製技術の改良がなお強く要望されてい
る所以である。また、有機ハイドロパーオキサイ
ドをエポキシ化剤とするグリシドールの製造にお
いては、一般に有機ハイドロパーオキサイドがそ
の先駆物質と特に分離することなく用いられてる
ため、この先駆物質等とグリシドールとが一般に
共沸混合物を形成し単なる蒸留では純粋なグリシ
ドールが得られない。したがつて、水等による液
−液抽出によりグリシドールをとり出すことにな
るが、抽剤の分離には高価な熱エネルギーを必要
とする上、水等の抽剤との加熱による反応により
グリシドールの損失が無視できなくなる等の欠点
を有している。 本発明者らは、前記問題点を解決すべく不安定
なグリシドールの熱履歴を短かくできる簡略なプ
ロセスで、かつグリシドールと反応するおそれの
ある抽剤を用いる抽出法によることなく、アリル
アルコールと有機ハイドロパーオキサイドとを反
応させて得られるグリシドールを高い回収率で得
るような、グリシドールの精製方法について鋭意
研究を重ねた。 問題点を解決するための手段 グリシドールと低沸点共沸混合物を形成する炭
化水素およびアリルアルコールの混合留出蒸留に
おいて、留出液中に混入するアリルアルコールを
少なくすればする程、グリシドール濃縮相と共沸
剤である炭化水素濃縮相とに効率よく分液するこ
とが出来、かつグリシドールを含む炭化水素濃縮
相をグリシドールの共沸剤として用い得ること及
びグリシドール濃縮相をアリルアルコールの存在
下で蒸留すれば高純度のグリシドールを製造する
ことができることを見出し、本発明を完成するに
至つた。 すなわち、本考案は触媒の存在下、アリルアル
コールと有機ハイドロパーオキサイドとを反応さ
せて得られるグリシドールを含有する反応混合物
からグリシドールを回収する方法において、 (1) 該反応混合物を減圧蒸留してアリルアルコー
ルを除去した後、グリシドールと低沸点共沸混
合物を形成する炭化水素の存在下に減圧蒸留す
ることにより、グリシドールを該炭化水素との
共沸混合物として取り出すか、または、該反応
混合物をグリシドールと低沸点共沸混合物を形
成する炭化水素の存在下に減圧蒸留し、グリシ
ドールと該炭化水素およびアリルアルコールの
混合物として取り出し、この混合物をさらに減
圧蒸留してアリルアルコールを除去し、グリシ
ドールを該炭化水素との共沸混合物としてとり
出し、ついで (2) グリシドールと該炭化水素との混合物を静置
冷却することにより、グリシドールと低沸点共
沸混合物を形成する炭化水素含有量が多い相
と、グリシドール含有量が多い相との2相に分
離し、前者の相を(1)の工程にグリシドールと低
沸点共沸混合物を形成する炭化水素として再循
環し、後者の相を、アリルアルコールの存在下
で蒸留することを特徴とするグリシドールの精
製方法を提供するものである。 以下、本発明の方法を更に詳しく説明する。 アリルアルコールのエポキシ化試剤である有機
ハイドロパーオキサイドは如何なる有機ハイドロ
パーオキサイドでも用いることが出来るが、工業
的に比較的容易に入手できるものとしては、エチ
ルベンゼンハイドロパーオキサイドまたはクメン
ハイドロパーオキサイドを挙げることが出来る。
これらの有機ハイドロパーオキサイドは一般的に
その先駆物質であるエチルベンゼンまたはクメン
を含んでいる。反応に供する有機ハイドロパーオ
キサイドの濃度は如何なるものをも用いることが
出来るが、先駆物質中の濃度として5〜90重量%
が好ましい。 該先駆物質であるエチルベンゼンまたはクメン
等はグリシドールと共沸混合物を形成するため、
単なる蒸留だけでは純粋なグリシドールを単離す
ることが困難である。 アリルアルコールは工業的に入手できるもので
よい。一般的にグリシドールの収得率を上げ、更
には未反応の有機ハイドロパーオキサイドを出来
うる限り低下させるため、アリルアルコールは過
剰に用いることが好ましい。 アリルアルコールと有機ハイドロパーオキサイ
ドとを反応させるために触媒が用いられる。触媒
としては自体公知の遷移金属化合物を用いること
が出来る。例えば、パナジウム、モリブテン、タ
ングステン等の金属および/または金属化合物が
その代表例である。これら触媒は、エポキシ化反
応において均一系、不均一系いずれの触媒も用い
ることが出来るが、不均一系触媒を用いる場合に
おいても、極性の比較的強いアリルアルコールお
よび/または有機溶媒に部分的に溶解しているの
が一般的である。このようにして触媒の存在下、
アリルアルコールと有機ハイドロパーオキサイド
とを反応させて得られる反応混合物は、グリシド
ールの他に有機ハイドロパーオキサイドの還元生
成物であるカリビノール類、有機ハイドロパーオ
キサイドの先駆物質である炭化水素類、触媒、そ
の他低沸点化合物および/または高沸点化合物を
含有している。 本発明の方法では、このグリシドールを含む反
応混合液をグリシドールと低沸点共沸混合物を形
成する炭化水素の存在下減圧蒸留し、グリシドー
ルをその炭化水素との共沸混合物としてとり出
す。しかし、この操作に先だつてまず、不溶性ま
たは難溶性のエポキシ化触媒、例えば、無機バナ
ジウム化合物を触媒として用いた場合には予め
過を行ない、不溶性化合物を別するのが望まし
い。過を行なわないと加熱時にグリシドール分
解が促進されるばかりではなく、ひきつづいて行
なう各種操作における装置内でのスケーリング発
生の原因となりかねない。また、均一触媒を用い
た場合はもとより、難溶性触媒を用いて、例え予
め過処理を行なつた場合でも、比較的極性の強
いアリルアルコール、グリシドール等を含む反応
混合物に触媒が部分的に溶存しているのが普通で
ある。したがつて、熱時のグリシドール分解の促
進剤となるようなこれら触媒成分との完全分離を
行なうべく減圧下全蒸発処理し、蒸発可能な液混
合物と不揮発性の触媒を含む高沸点化合物とに分
離してもよい。ここで言う高沸点化合物とは、減
圧下でもその蒸気圧がかなり低いポリグリセリン
のような化合物群のことである。 次に上記のようにして得た触媒成分を含むもし
くは含まない反応混合液は、生成したグリシドー
ルと、エポキシ化反応において有機ハイドロパー
オキサイドに対して過剰に用いたアリルアルコー
ルを含有する。 したがつて、アリルアルコールをグリシドール
と別に回収するか、同時に回収する方法が取られ
る。 前者の方法では、前記の反応混合物を減圧蒸留
して予めアリルアルコールを回収除去して、グリ
シドールとその共沸剤である炭化水素との共沸混
合物として、グリシドールを共沸回収する。 後者の方法では、前記の反応混合物に直接共沸
剤である炭化水素を加えて共沸混合物とし、グリ
シドールとアリルアルコールを同時に共沸回収す
る。 この共沸蒸留において、グリシドールと低沸点
共沸混合物を形成する炭化水素(以下、単に共沸
用炭化水素という)としてはベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサ
ン類等の脂環式感化水素や脂肪族炭化水素を用い
ることが出来る。しかし、最も好ましい共沸用炭
化水素としては、エポキシ化剤として用いる有機
ハイドロパーオキサイドの前駆物質である同一の
基幹炭素骨格を有する脂肪族、芳香族炭化水素類
であり、例えば、使用される有機ハイドロパーオ
キサイドが、エチルベンゼンハイドロパーオキサ
イドではエチルベンゼン、クメンハイドロパーオ
キサイドではクメンを共沸剤として用いるのが良
い。特にこれら有機ハイドロパーオキサイドをエ
ポキシ化反応に用いる際には、一般にその前駆物
質に稀釈された有機ハイドロパーオキサイドとし
て用いるのが普通であり、これら以外の第三物質
による共沸蒸留を行なうことは、各成分の回収が
さらに複雑になるばかりで余り有利ではない。 本蒸留に於けるグリシドールに対する共沸用炭
化水素の使用量については、グリシドールとの共
沸組成よりもやや過剰に用いるのが良く、少なく
とも1%以上、好ましくは5%以上用いるのがよ
い。少な過ぎるとグリシドールを塔底成分として
損失したり、またはグリシドールおよび炭化水素
共沸留分中、次に高沸点の不純物を混入し易くす
るので良くない。また、必要以上に大過剰の共沸
剤を用いることも産業上決して有利ではなく避け
るべきである。蒸留温度は、グリシドールの熱に
よる損失を極力避けるために出来るだけ低温にす
る必要があり、したがつて、減圧による蒸留が不
可欠である。しかしながら、必要以上の減圧度を
とると、留出蒸気の凝縮捕集が著しく困難となる
ので、グシリドールと共沸用炭化水素との共沸蒸
留の前に予めアリルアルコールの回収を行なつた
場合、または行なわない場合のいずれの場合でも
蒸留塔頂温度が0℃以下、より好ましくは5℃以
下にならないような減圧度としなければ凝縮冷却
に必要な冷熱コストが高くなり有利ではない。し
かし、使用する共沸用炭化水素の種類、アリルア
ルコールを事前に分離するかしないかの差異、そ
の他蒸留条件の設定の差異により必ずしも一定に
決めることは出来ないが、本蒸留におけるグリシ
ドールの加熱は110℃以下、より好ましくは90℃
以下となるように塔頂の圧力を制御し、その温度
を定めるようにしなければならない。およその塔
頂圧力条件としては、2Torr乃至100Torr、より
好ましくは5Torr乃至20Torrとするのが良い。 以上の方法により事前にアリルアルコールを除
去した場合は、グリシドールと共沸用炭化水素と
の混合物が得られる。 一方、事前にアリルアルコール除去を行なわな
かつた場合には、アリルアルコール、グリシドー
ル、共沸用炭化水素の混合物が塔頂液として得ら
れ、次にこのアリルアルコールを通常の減圧蒸留
により留去し、蒸留塔底成分としてグリシドール
および共沸用炭化水素の混合物を得る。この蒸留
においても、塔底部でのグリシドールの加熱は
110℃以下、より好ましくは90℃以下となる様に
塔頂の圧力を制御し、かつ、塔頂部留出のアリル
アルコールの凝縮冷却が容易な塔頂温度、即ち0
℃以上、より好ましくは5℃以上となるような塔
頂圧力とするのが望ましい。この設定条件は、先
のグリシドールと共沸用炭化水素との共沸蒸留の
前に、アリルアルコールを蒸留回収する場合の蒸
留条件にも適用される。回収したアリルアルコー
ル留分はグリシドールの合成反応に再利用でき
る。 つぎに、以上のような操作を経て得られる主と
してグリシドールおよび共沸用炭化水素の混合物
を冷却静置することにより、グリシドール含有量
の多いグリシドール相と、共沸用炭化水素含有量
の多い相との2相に分液する。一般的には共沸炭
化水素含有量の多い相は上相となり、溶解量のグ
リシドールを微かに含む。一方、グリシドール含
有量の多い相は下相となり、これから溶解量の共
沸用炭化水素を分離除去してグリシドールを得る
ことができる。 本発明の方法では、グリシドールと共沸用炭化
水素との留出混合物を冷却することによつて2相
に分離する。この2相分離における分離効率は冷
却の温度と、特に事前にアリルアルコール分離を
行なわなかつた場合には、当該留分に混入してい
るアリルアルコールの量により変わる。例えば、
グリシドールの共沸剤としてクメンを用いた場合
に形成するグリシドール−アリルアルコール−ク
メン三成分系の2℃における液−液平衡線図を第
1図に示す。グリシドールおよびクメン留分に混
入するアリルアルコール量が増大すればする程、
クメン相のグリシドール濃度が増大する。一方、
グリシドール相のクメン濃度が増大し、冷却2相
分離することによるグリシドール相へのグリシド
ール濃縮効果が減少するのみならず、共沸用炭化
水素と共に循環するグリシドール量が増大し、回
収効率が悪くなる。さらに、アリルアルコール量
が増大すれば2相に分離しなくなる。また、冷却
温度が高くなる程グリシドールとクメンとの相互
溶解度が高くなる傾向がある。したがつて、冷却
2相分離を行なうには、グリシドールと共沸用炭
化水素の共沸留分中に混入するアリルアルコール
は一般的には10wt%以下、好ましくは5wt%以下
とする。 一般には、共沸蒸留の前に過剰のアリルアルコ
ールを蒸留除去するか、また、事前の蒸留除去を
行なわなかつた場合には共沸蒸留して得られたグ
リシドール、共沸用炭化水素およびアリルアルコ
ール混合物からさらにアリルアルコールを除去
し、より好ましくは0.5wt%以下のアリルアルコ
ール混入量とする。また、冷却温度は35℃以下、
より好ましくは10℃以下とする。必要以上に冷却
してもグリシドール相に溶解する共沸用炭化水素
の濃度がそれ程減少しなくなり、冷熱コストが増
大するばかりで有益ではなくなる。例えば、表−
1に芳香族炭化水素としてクメンを用いたクメン
−グリシドール2成分系の相互溶解度を示す。こ
れによると、低温程クメン相に溶解するグリシド
ールは減少し、反面グリシドール相に溶解するク
メンはある程度以下にはなり難く、低温の割には
その分離効果が小さくなる傾向がある。
【表】 以上のようにグリシドール、共沸用炭化水素化
合物および場合によつてはアリルアルコールを含
有する共沸留出混合物を冷却して、2相分離す
る。 2相分離して得られる共沸用炭化水素を含有す
る相は、グリシドールの含有量が極めて減少して
いるので、この相をアリルアルコールと有機ハイ
ドロパーオキサイドとの反応混合物からグリシド
ールを共沸蒸留させる際の共沸用炭化水素として
循環し再使用できる。 一方、グリシドール含有量の多い相から溶解量
の共沸用炭化水素を除去し、グリシドールを得
る。分離方法としては、グリシドールとよりもさ
らに低温で共沸混合物を形成するような共沸剤即
ち、アリルアルコールの存在下減圧蒸留を行なつ
てグリシドールを塔底または塔底付近のサイドカ
ツト留分として取り出すことによつて行なうこと
が出来る。 発明の効果 以上のような本発明のグリシドールの精製方法
では、グリシドールにかかる熱負荷が小さく加熱
によるグリシドールの分解を抑制することが出
来、また、2相分離することにより効率良くグリ
シドールを濃縮分離することが出来る。また、得
られる製品グリシドールの純度も極めて高く、回
収率の高い非常にすぐれたグリシドールの精製プ
ロセスである。 実施例 以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 温度計、攪拌機、還流冷却管を備えた50の反
応槽にアリルアルコール8.3Kgと触媒としてメタ
バナジン酸アンモニウム0.08Kgを加え、攪拌しな
がら90℃に加熱した。ついで反応温度を90℃に保
つように冷却しながら61wt%のクメンハイドロ
パーオキサイド/クメン溶液23.9Kgを約50分間を
要して加え、添加終了後、更に85〜90℃で2時間
30分反応熟成を行ない、直ちに冷却した。得られ
た反応混合物にはグリシドール、未反応アリルア
ルコール、ジメチルフエニルカルビノール、クメ
ンハイドロパーオキサイドが各々20.7wt%、
8.5wt%、43.5wt%、0.3wt%含まれている外はク
メンおよび若干量の不純物であつた。 得られた反応混合物中には触媒の一部が不溶解
分として存在しており、減圧下で過し不溶解分
を除去した。 以上のようにして得た液を毎時1.6Kgの割合
で薄膜蒸発器で供給し、蒸発成分を全て蒸発させ
塔径1Bφで理論段約10段のヘリパツク充填式連続
蒸留塔に蒸気でフイードし還流比1、温度2℃、
圧力5Torrの塔頂条件でアリルアルコール:クメ
ン約81:19(重量比)の割合で毎時約163gの抜出
を行なつた。 この時の蒸発器の熱媒には大気開放した水蒸気
を用い、加熱温度が100℃を越えない様に行なつ
た。蒸発残渣は若干のジメチルフエニルカルビノ
ールを含む高粘性の黒色物として得られた。 缶出液としてアリルアルコール、グリシドー
ル、ジメチルフエニルカルビノールを各々約
0.3wt%、23.1wt%、48.4wt%含むクメン溶液を
毎時約1.43Kgの割合で得た。本液40重量部に対し
て共沸剤としてアリルアルコールおよびグリシド
ールを各々0.2wt%、9.0wt%含むクメン溶液60重
量部を混合し、毎時約3.61Kgの割合で塔径2Bφで
理論段約12段のヘリパツク充填式連続蒸留塔に中
段フイードし、還流比1、温度44℃、圧力20mm
Hgの塔頂条件で毎時約2.67Kgの割合で微量のア
リルアルコールを含むクメン、グリシドール重量
比で約80:20の共沸混合物を抜出した。塔底温度
は86℃で缶出液中のジメチルフエニルカルビノー
ル濃度は74%であつた。 この留出液を氷冷水にて5℃に冷却してアリル
アルコール、クメン、グリシドールが各々0.2wt
%、91.8wt%、8.0wt%の組成を有する上層と同
じく各々1.0wt%、22.1wt%、76.9wt%の下層に
分離し、上層は再循環して共沸剤として利用し
た。下層中のグリシドール回収率は合成液から換
算すると98.4%であつた。 以上のようにして得られた留出液52.3重量部と
アリルアルコール47.7重量部とを混合し、毎時約
0.86Kgの割合で塔径1Bφ理論段約10段のヘリパツ
ク充填式連続蒸留塔に中段フイードし還流比1、
温度16℃、圧力15Torrの塔頂条件で毎時約0.51
Kgの割合でクメン:アリルアルコール重量比約
19.3:80.6の混合液を抜き出した。この時の塔底
温度は約70℃で塔底直上のサイドカツトによりグ
リシドール留分を毎時約340gの割合で回収した。 合成液から換算したグリシドール回収率は97.2
%で非常に高回収率であつた。また、FFAPを充
填したガスクロマトグラフイーにより不純物分析
を行なつた結果より求めたグリシドール純度は
99.9%以上であり、また、塩酸−ジオキサン法に
よるエポキシ基の化学分析により求めたグリシド
ール純度は98.5%と成り、非常に高純度のグリシ
ドールを回収することが出来た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、グリシドールの共沸剤としてクメン
を用いた場合に形成するグリシドール−アルコー
ル−クメン三成分系の2℃における液−液平衡線
図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 触媒の存在下、アリルアルコールと有機ハイ
    ドロパーオキサイドとを反応させて得られるグリ
    シドールを含有する反応混合物からグリシドール
    を回収する方法において、 (1) 該反応混合物を減圧蒸留してアリルアルコー
    ルを除去した後、グリシドールと低沸点共沸混
    合物を形成する炭化水素の存在下に減圧蒸留す
    ることにより、グリシドールを該炭化水素との
    共沸混合物として取り出すか、または、該反応
    混合物をグリシドールと低沸点共沸混合物を形
    成する炭化水素の存在下に減圧蒸留し、グリシ
    ドールと該炭化水素およびアリルアルコールの
    混合物として取り出し、この混合物をさらに減
    圧蒸留してアリルアルコールを除去し、グリシ
    ドールを該炭化水素との共沸混合物として取り
    出し、ついで (2) グリシドールと該炭化水素との混合物を静置
    冷却することにより、グリシドールと低沸点共
    沸混合物を形成する炭化水素含有量が多い相
    と、グリシドール含有量が多い相との2相に分
    離し、前者の相を(1)の工程にグリシドールと低
    沸点共沸混合物を形成する炭化水素として再循
    環し、後者の相を、アリルアルコールの存在下
    で蒸留することを特徴とするグリシドールの精
    製方法。
JP13326984A 1984-06-29 1984-06-29 グリシド−ルの新規精製方法 Granted JPS6112680A (ja)

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JPS517636A (ja) * 1974-07-08 1976-01-22 Jidosha Kiki Co Doryokukajitorisochiniokeru sodaryokuno okajuseigyosochi

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JPS6112680A (ja) 1986-01-21

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