JPH05346127A - ブレーキディスクロータ - Google Patents

ブレーキディスクロータ

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Publication number
JPH05346127A
JPH05346127A JP17910792A JP17910792A JPH05346127A JP H05346127 A JPH05346127 A JP H05346127A JP 17910792 A JP17910792 A JP 17910792A JP 17910792 A JP17910792 A JP 17910792A JP H05346127 A JPH05346127 A JP H05346127A
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JP
Japan
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flow
brake disc
partition wall
disc rotor
pin
Prior art date
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Pending
Application number
JP17910792A
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English (en)
Inventor
Takashi Shimazu
孝 志満津
Seiro Katagiri
晴郎 片桐
Akio Inatomi
昭夫 稲富
Masafumi Ishihara
雅史 石原
Shigeru Sakamoto
繁 坂本
Toru Shinoda
徹 篠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Takaoka Co Ltd
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Aisin Takaoka Co Ltd
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
Application filed by Aisin Takaoka Co Ltd, Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Aisin Takaoka Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベンチホール内の主流域を広くすることによ
り流れの圧力損失を小さくして、ロータの送風、冷却効
率を向上するとともに、冷却面積を拡大して総放熱量を
増加させる。 【構成】 車軸の軸方向に離間して並設されたインナ側
およびアウタ側の摺動板11および12と、その間に流
れの流入角の角度で配設されたピン21とディスクの半
径方向に傾斜して形成された円弧状の隔壁22とで構成
される複数のフィン2と、半径方向内方および外方に開
口した複数の開口31および32と、隣合う隔壁22と
によって形成される複数のベンチホール4と、ピン21
と隔壁22との間に形成されピン21に衝突した流れの
微小乱れが形成される連通口5と、摺動板11の内壁先
端部のアール部61と、摺動板12の先端部の突出部で
構成される方向変換部62と、摺動板11および12上
に隔壁22に平行に形成した複数の放熱フィン7とから
成るブレーキディスクロータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両その他で使用され
るディスクブレーキ装置のブレーキディスクロータに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のブレーキディスクロータは、図1
0および図11に示すように円板状の摺動板OP、IP
間に単に放射状に複数の隔壁Fを形成し、各隔壁間に入
口開口I、出口開口Oおよび放射状の通路Hを形成する
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のブレーキデ
ィスクロータは、通路内の流れを解析するための油膜観
察からも明らかであるが、スチレン粒子トレーサ法によ
る処理データを示す図12、および上記に基づく流れの
スケッチを示す図13に示すように入口開口Iに入口開
口における周方向速度成分と半径方向速度成分の速度三
角形から約50度の角度で通路H内に流入した流れが、
フィンを構成する隔壁Fの負圧面側で厚さ方向に剥離が
発生し、ベンチホールを構成する通路H内では隔壁下部
に広いよどみYが生ずる。そのために主流域MSが非常
に狭くなるとともに、隔壁上面への衝突による準二次流
れSSが発生し、出口開口上部には外部からの逆流RS
が発生するという問題があった。
【0004】その結果、従来のブレーキディスクロータ
は、主流域MSが狭くなるため流れの圧力損失が大きい
ので、冷却風の通路面積における表面熱伝達率が低下し
てロータの送風、冷却効率が悪いとともに、冷却面積が
縮小化するため総放熱量が減少するという問題があっ
た。
【0005】そこで本発明者らは、従来のブレーキディ
スクロータについて、油膜観察写真やトレーサ法処理画
像を用いて種々流れの解析をした結果、フィンを構成す
る隔壁の上流に微小乱れを形成して隔壁先端での境界層
の発達を阻止するとともに、隔壁の配設形態を流れの流
線に沿うようにしてやれば、隔壁の入口部での剥離を防
止して、よどみ領域を狭くすることにより主流域MSが
広がるのではないかという本発明の技術思想に着眼し
た。
【0006】本発明者らは、さらに研究開発を重ねた結
果、フィンを構成する隔壁先端の流れの方向上の上流位
置にピン状のピン部材を配設するとともに、隔壁を円弧
状にして半径方向に対して傾斜させて配設して、ピン部
材により微小乱れを形成して隔壁先端における境界層の
発達を阻止することによって上記従来の入口開口付近に
おける流れの剥離を防ぎ、ベンチホールのよどみ領域Y
を減少させて、主流域を広くすることにより流れの圧力
損失を小さくして、ロータの送風、冷却効率を向上する
とともに、冷却面積を拡大するため総放熱量を増加させ
るという目的を達成する本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に記載
の第1発明)のブレーキディスクロータは、車軸方向に
離間して左右に配設された円板状摺動板と、摺動板間に
放射状であって少なくとも内周側部分が流れの流入角以
下の角度で傾斜させて配設された円弧状の複数の隔壁
と、隔壁の入口先端より流入角に対応した一定の角度方
向上流に配設されたピン部材と、複数の隔壁間に放射状
に形成された複数の通路と、複数の通路に連絡して半径
方向内方および外方に開口した複数の入口開口および出
口開口と、複数のピン部材と隔壁との間に形成された複
数の連通口とから成るものである。
【0008】本発明(請求項2に記載の第2発明)のブ
レーキディスクロータは、第1発明において、前記ピン
部材および隔壁の内周側部分を流れの流入角に沿う方向
に形成したものである。
【0009】本発明(請求項3に記載の第3発明)のブ
レーキディスクロータは、第1発明において、インナ側
の円板状摺動板の入口開口を構成する内壁先端部の肉厚
が先端に行くに従い徐々に減少する面取り部を形成する
とともに、アウタ側の円板状摺動板の入口開口を構成す
る先端部をインナ側の円板状摺動板より半径方向内方に
突出させるとともに、先端に行くに従い徐々に厚さが増
加する突出部を形成したものである。
【0010】本発明(請求項4に記載の第4発明)のブ
レーキディスクロータは、第2発明において、アウタ側
およびインナ側の円板状摺動板の通路を構成する内壁の
少なくとも外周部において放射状であって隔壁に略平行
に幅および高さの小さな小突起で構成される放熱フィン
を形成したものである。
【0011】
【作用】上記構成より成る第1発明のブレーキディスク
ロータは、ピン部材に衝突した流れの擾乱(微小乱れ)
により、円弧状の隔壁先端での境界層の発達を防止する
とともに、隔壁を流れの流線に沿う円弧状に形成したの
で、流れが隔壁に滑らかに沿って流れるため、隔壁の入
口付近の負圧面側の剥離の発生を防止してよどみの領域
を狭くして、主流域を広くするとともに、出口開口にお
ける逆流を抑制するという作用を奏する。
【0012】上記構成より成る第2発明のブレーキディ
スクロータは、ピン部材および隔壁の内周側部分を流れ
の流入角に沿う方向に形成したので、流れがピン部材お
よび内周側部分の隔壁に滑らかに沿って流れるので、隔
壁の内周側負圧面部分において、一層有効に流れの剥離
を防止してよどみ領域を狭くすることにより、主流域を
広くするという作用を奏する。
【0013】上記構成より成る第3発明のブレーキディ
スクロータは、インナ側の摺動板の内壁先端に面取り部
を形成するとともに、アウタ側の摺動板の内壁先端に突
出部を形成したので、入口開口部において流入する流れ
の向きを滑らかに変更するという作用を奏する。
【0014】上記構成より成る第4発明のブレーキディ
スクロータは、通路内の流れの速いところに流れに沿っ
て放熱フィンを構成する小突起を形成したので、放熱面
積を増大させるとともにフィン作用を奏する。
【0015】
【発明の効果】上記作用を奏する第1発明のブレーキデ
ィスクロータは、ピン部材による微小乱れにより円弧状
の隔壁先端での境界層の発達を阻止して、円弧状の隔壁
に滑らかに沿う流れを形成して、隔壁の入口開口付近お
よび全体の負圧面側の剥離を防止して通路内の主流域を
広くするとともに、出口開口の逆流を抑制するので、流
れの圧力損失を小さくして、冷却風の表面の熱伝達率の
低下を少なくすることにより、ロータの送風・冷却効率
を向上するとともに、冷却面積を拡大するため総放熱量
を増加させるという効果を奏する。
【0016】上記作用を奏する第2発明のブレーキディ
スクロータは、ピン部材および隔壁の内周側部分を流れ
の流入角に沿う方向に形成したので、隔壁に沿う滑らか
な流れを形成して、隔壁の入口開口付近の負圧面部分に
おける剥離を一層有効に防止して通路内の主流域を更に
広くするとともに、出口開口の逆流を抑制することによ
り、第1発明より更にロータの送風・冷却効率を向上す
るとともに、有効な冷却面積を拡大するため総放熱量を
増加させるという効果を奏する。
【0017】上記作用を奏する第3発明のブレーキディ
スクロータは、入口開口において面取り部と突出部によ
り流入する流れの向きを滑らかに半径方向に変更するの
で、隔壁の負圧面側における剥離の発生を抑制するとい
う効果を奏する。
【0018】上記作用を奏する第4発明のブレーキディ
スクロータは、放熱フィンを構成する流れに沿う小突起
により放熱面積を増大させるので、総放熱量を更に増加
させるという効果を奏する。
【0019】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を用いて説
明する。
【0020】(第1実施例)第1実施例のブレーキディ
スクロータは、第1発明の実施例であり、自動車用のデ
ィスクブレーキ装置に適用したもので、図6および図7
に示すように、各ホイールWHの内側に配設したダスト
カバーDCの吸入口Sより吸入した空気をロータのベン
チホール内に導入するものであり、図1ないし図7を用
いて詳細に説明する。
【0021】(第1実施例の構成)第1実施例のブレー
キディスクロータ1は、車軸WS(図7中)の軸方向に
離間して並設されたインナ側およびアウタ側の摺動板1
1および12と、摺動板11および12の間に後述する
隔壁22に対して流れの流入角の角度で配設されたピン
部材21とディスクの半径方向に傾斜して配設された円
弧状の隔壁22とで構成される複数のフィン2と、摺動
板11および12の間において半径方向内方および外方
に開口した複数の開口31および32と、摺動板11お
よび12と隣合う隔壁2とによって形成される通路を構
成する複数のベンチホール4と、各フィン2のピン部材
21と隔壁22との間に形成されピン部材による微小乱
れが形成される連通口5と、インナ側の摺動板の内壁先
端部に面取り部を構成するアール部61を形成するとと
もにアウタ側の摺動板の先端部に突出部を構成する方向
変換部62と、インナ側およびアウタ側の摺動板の各ベ
ンチホール4を構成する内壁に放射状に配設した放熱フ
ィン7とから成る。
【0022】アウタ側の摺動板12は、図2に示すよう
に上記インナ側の摺動板とともに段部13を介して固着
用の穴を有するボス部14と一体に形成されている。ア
ウタ側の摺動板12とインナ側の摺動板11は、半径方
向外方に行くに従い直線的に厚さが増加し、ベンチホー
ル4の高さを直線的に減少させている。
【0023】フィン2は、厚さ4.5mmでアウタ側およ
びインナ側の摺動板の間に半径165mmから半径275
mmの範囲に一例として中心角で10度間隔で放射状に一
体成形されている。すなわち、中心側に配設されるピン
部材21は、図3に示すように隔壁の先端22Eとディ
スクの中心(図示せず)とを結ぶ直線Nに対し40度の
角度を成す上流に形成された直径5mmの円形断面のピン
で構成されており、隔壁22は、その先端22Eをディ
スクの半径方向に形成しても良いが、本実施例ではその
先端22Eとディスクの中心とを結ぶ直線に対し約10
〜15度傾斜させて形成し、隔壁22の長手方向に沿っ
て外側に行くに従い徐々に傾斜を大きくして、出口開口
に近い部分22Oとディスクの中心とを結ぶ線とは約5
7度傾斜させて、ブレード作用を有効に確保している。
【0024】円形ピン21の取付角度は、本第1実施例
のブレーキディスクロータにおいては流れの流入角が4
0度であるため、最も望ましい角度として40度に設定
したが、流れの流入角が変わればそれに応じてピン21
の取付角度が変わることになる。何故なら、流れの流入
角に対してピン21の取付角度が小さい場合はピン21
の微小乱れの効果が低下するが、入口での損失が低下す
るのである程度は許容できるが、逆に大きい場合は、ピ
ン21の微小乱れの効果が低下し、入口での損失も増加
するので余り望ましくないということになる。また、フ
ィン2の枚数が増加し、フィン2の間隔が狭くなると4
0度に設定できない場合が生ずるが、その場合はその条
件に応じたベストな角度にピンを取り付けることにな
る。
【0025】ベンチホール4は、アウタ側およインナ側
の摺動板12および11の厚みが半径方向外方に行くに
従い直線的に増加して、入口開口31における高さが1
4mmで出口開口32における高さが9mmであり、フィン
2が円弧状の隔壁22で形成され、その間隔が外側に行
くに従い徐々に広がっているので、その断面積がほぼ一
定に形成されている。
【0026】連通口5は、図3に示すように長さ6mm
で、中心側のピン21と隔壁22との間に形成され、ピ
ン部材21によって形成された微小乱れが隔壁22の先
端22Eに到達する必要充分な長さに設定されており、
短すぎても逆に長すぎても隔壁先端22Eにおける境界
層の発達を阻止する性能に悪影響が出る。
【0027】インナ側の摺動板11の内壁先端のアール
部61は、図2に示すように角部が45度に面取りされ
ており、最小厚さの部分は強度の観点より5mmに設定さ
れている。
【0028】アウタ側の摺動板12の方向変換部62
は、図2に示すようにインナ側の摺動板11より半径方
向内方に突出させるとともに内壁を内方に行くに従い徐
々に肉厚を増して凹円弧状に4mm盛り上げた形状にする
ことによって、アール部61との協働により、ロータ1
の軸方向の流れを半径方向外方への流れに変更し、入口
開口31を介してベンチホール4内に流入させる。
【0029】放熱フィン7は、図3および図4に示すよ
うに外周側の隔壁22の圧力側に近い部分に長い放熱フ
ィン71をフィン2に沿って円弧状に一体に形成し、ベ
ンチホール4の中央部分および隔壁22の負圧面側に近
い部分には短い放熱フィン72および73をフィン2に
沿って円弧状に一体に形成してあり、ベンチホール4内
の流れの抵抗を増やさないで放熱効果を高める構成にし
てある。
【0030】(第1実施例の作用)上記構成より成る第
1実施例のブレーキディスクロータは、図2に示すよう
に入口開口31におけるアール部61と方向変換部62
との協働により軸方向の流れを滑らかに半径方向の流れ
に変換して、図3に示すようにベンチホール4内に流入
角40度で流入させ、最も上流に位置するピン部材21
の後流で連通口5において微小な乱れが形成され、隔壁
22の先端22Eに到達するとともに、円弧状の隔壁2
2に滑らかに沿う流れが形成されるので、フィン2の隔
壁22の入口開口付近およびその他の負圧面側の剥離の
発生を防止して、よどみ領域41を減らし広い主流域4
2を形成する。
【0031】このことは、図5に示す流れに追従して浮
遊するスチレン粒子を追跡し、流れの可視化を行うスチ
レン粒子トレーサ法によるトレーサ粒子処理データから
も明らかである。ここにおいてスチレン粒子トレーサ法
においては、連続的に取り込まれた浮遊粒子位置の対応
付けを行うことにより局所における速度ベクトルを求め
ることが可能であり、風速測定結果とも良く対応し、主
流の観察に適しており、図5において隔壁22の先端付
近にも流れが形成されている様子、主流域42の流れの
様子、よどみ領域41の範囲が明確に示される。
【0032】(第1実施例の効果)上記作用を奏する第
1実施例のブレーキディスクロータは、図3に示すよう
に連通口5におけるピン21による微小乱れにより隔壁
22の先端での境界層の発達を阻止して隔壁22に沿う
有効な流れを形成してフィン2の隔壁22の入口開口付
近および出口開口付近の剥離を防止してよどみ領域41
の発生を抑制するため、従来の準二次流れの発生を抑制
して、最も望ましい形で円弧状の隔壁全長に亘り広い主
流域42を形成してベンチホール内の均一な流れを形成
するので、従来の出口開口における逆流も抑制出来、流
れの圧力損失を最小にして、冷却風の表面の熱伝達率の
低下を少なくすることにより、ロータ1の送風・冷却効
率を向上するとともに、有効な冷却面積を拡大するため
総放熱量を増加させるという効果を奏する。
【0033】すなわち放熱量である冷却能力は、放熱面
積と熱伝達率と温度差との積であり、強制対流熱伝達の
場合熱伝達率は流速の0.5〜0.8乗に比例するた
め、流速増加が冷却能力向上に重要であり、換言すれば
第1実施例は、剥離を防止してよどみ領域を抑制し主流
域42を広げることにより、通路抵抗を減らし流速を増
加させることができたので、放熱量、冷却能力を向上さ
せるものである。
【0034】また冷却能力は放熱面積に比例するので、
放熱面積を増加することが重要であり、第1実施例は、
従来に比べ長く且つ面積の大きい円弧状の隔壁により放
熱フィンを構成するので最も効率良く放熱面積および熱
交換時間を増加させることにより、冷却能力を格段に高
めることができた。
【0035】また、第1実施例のブレーキディスクロー
タ1は、図2に示すように入口開口31においてアール
部61と方向変換部62との協働により、軸方向の流れ
を滑らかに半径方向の流れに変換するので、インナ側の
摺動板11の内壁先端付近に発生する流れの剥離を有効
に抑制するという効果を奏する。
【0036】さらに、第1実施例のブレーキディスクロ
ータ1は、図3および図4に示すようにインナ側および
アウタ側の摺動板の外周側の内壁に3個の小さな放熱フ
ィン71〜73を形成したので、ベンチホール4内の流
れの抵抗を増やすことなく、有効に放熱効果を高めると
いう効果を奏する。
【0037】また、第1実施例においては、ピン21の
後流の連通口5の長さを最適な6mmに設定したので、ピ
ン21によって発生した微小乱れ11よりフィン2の隔
壁22の先端22Eにおける境界層の発達を阻止して負
圧面側の剥離を防止してよどみを最も効率良く抑制する
ことができるという効果を奏する。
【0038】(第2実施例)第2実施例のブレーキディ
スクロータは、第2発明の実施例であり、ベンチホール
4内の流れの改善に一層重点を置く観点から、第1実施
例におけるフィン2の隔壁22の負圧面側の流れの剥離
によって形成されるよどみ域の形態を考慮して、特にピ
ン部材23および隔壁24の形状を変更したものであ
る。
【0039】図8に示すように、フィン2のピン部材を
略三角形の断面を有するピン23で構成するとともに、
隔壁24の中心側部分24Cを半径方向に対し流れの流
入角にほぼ等しい40度に傾斜させ外周側部分24Eは
第1実施例と同様の角度で傾斜しており中間部分24M
は両者24Cと24Eの変曲部であり両者を滑らかに結
ぶように徐々に角度が変化し、全体として逆S字状に形
成されている。
【0040】上記構成より成る第2実施例のブレーキデ
ィスクロータは、図8に示すようにベンチホール4に流
入した流れは、略三角形をしたピン23に衝突し両側を
通過した流れは微小乱れとなり、擾乱が発生し、隔壁2
4の中心側部分24Cの先端表面での境界層の発達を抑
制して、剥離の発生を防止するものである。また、隔壁
24を逆S字状に形成して第1実施例の隔壁22の負圧
面側に生じていたよどみ域を減少させるので、隔壁の全
長に亘り滑らかに沿う流れが形成されるので、第1実施
例に比べ一層有効に放熱効果、冷却性能を高めるという
作用効果を奏する。
【0041】(第3実施例)第3実施例のブレーキディ
スクロータは、第2発明の実施例であり、図9に示すよ
うにフィン2のピン25を流線形の前半部分のような断
面形状とするとともに、隔壁26を第1実施例と同様の
円弧形状にして、その中心側部分26Cを半径方向に対
し流れの流入角より若干小さな角度である40度に傾斜
配設するものである。すなわち、第3実施例において
は、流れがピン25および隔壁26全体に滑らかに沿っ
て流れるような配設形態にした点に特徴が有る。
【0042】本第3実施例は、ピン25を流線形にした
ため発生する微小乱れを必要最小限にして抵抗の増加を
抑制するとともに、隔壁26の中心側部分26Cをほぼ
流入角に近い角度に形成したので、隔壁26の負圧面全
体における剥離を第1および第2実施例に比べ一層有効
に防止するため、放熱効果および冷却性能を更に高める
という作用効果を奏する。
【0043】上述の実施例は、説明のために例示したも
ので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無
く、特許請求の範囲の記載から当業者が認識することが
できる本発明の技術思想に反しない限り変更および付加
が可能である。
【0044】上記実施例ではフィンのピン部材につい
て、円形、三角形、流線形について説明したが、それ以
外の形状でも微小乱れの発生量と抵抗の関係で同様の作
用効果を奏するものであれば使用可能である。
【0045】上記実施例において隔壁の形状および配設
角度、角度間隔、円弧状および逆S字状および各配設角
度について例示したが、滑らかな流れを形成し、剥離の
発生を防止し得るものであればその他の形状および配設
角度、角度間隔が適用可能である。
【0046】上記第1実施例において、入口開口の方向
変換部の肉盛高さは4mmの例について述べたが、流入抵
抗、製作不良その他の製造上の観点より第1実施例のロ
ータサイズにおいては5mm以内の適当な厚さが適用可能
であり、ロータサイズが大きくなれば5mm以上の高さに
設定しても良い。
【0047】上記第1実施例において放熱フィンの高さ
を1mmとしたが、ベンチホールの面積が第1実施例と同
様の面積であれば3mm以下の任意の高さにすることも可
能であり、ベンチホールの面積が大きくなればベンチホ
ールの高さの30%以下の適切な高さのものであっても
良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のブレーキディスクロータ
を示す図2のA−A線に沿う横断面図である。
【図2】第1実施例のブレーキディスクロータを示す縦
断面図である。
【図3】第1実施例のブレーキディスクロータ内の流れ
を示す横断面図である。
【図4】第1実施例のベンチホール内の放熱フィンを示
す断面図である。
【図5】第1実施例のブレーキディスクロータ内の流れ
をトレーサ粒子処理データにより示した断面図である。
【図6】第1実施例のブレーキディスクロータが車両に
搭載された状態を示す一部欠截斜視図である。
【図7】第1実施例のブレーキディスクロータがホイー
ルに取り付けられた状態を示す断面図である。
【図8】第2実施例のブレーキディスクロータおよび流
れを示す断面図である。
【図9】第3実施例のブレーキディスクロータおよび流
れを示す断面図である。
【図10】従来のブレーキディスクロータを示す図11
のB−B線に沿う横断面図である。
【図11】従来のブレーキディスクロータを示す縦断面
図である。
【図12】従来のブレーキディスクロータ内の流れをト
レーサ粒子処理データにより示した断面図である。
【図13】従来のブレーキディスクロータ内の流れを示
す断面図である。
【符号の説明】
1 ブレーキディスクロータ 2 フィン 4 ベンチホール 5 連通口 7 放熱フィン 11 インナ側摺動板 12 アウタ側摺動板 21、23、25 ピン 22、24、26 隔壁 31 入口開口 32 出口開口 41 よどみ領域 42 主流域 61 アール部 62 方向変換部 71、72、73 放熱フィン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志満津 孝 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 片桐 晴郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 稲富 昭夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 石原 雅史 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 坂本 繁 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 篠田 徹 愛知県豊田市高丘新町天王1番地 アイシ ン高丘株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸方向に離間して左右に配設された円
    板状摺動板と、 摺動板間に放射状であって少なくとも内周側部分が流れ
    の流入角以下の角度で傾斜させて配設された円弧状の複
    数の隔壁と、 隔壁の入口先端より流入角に対応した一定の角度方向上
    流に配設されたピン部材と、 複数の隔壁間に放射状に形成された複数の通路と、 複数の通路に連絡して半径方向内方および外方に開口し
    た複数の入口開口および出口開口と、 複数のピン部材と隔壁との間に形成された複数の連通口
    とから成ることを特徴とするブレーキディスクロータ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記ピン部材および隔壁の内周側部分を流れの流入角に
    沿う方向に形成したことを特徴とするブレーキディスク
    ロータ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 インナ側の円板状摺動板の入口開口を構成する内壁先端
    部の肉厚が先端に行くに従い徐々に減少する面取り部を
    形成するとともに、 アウタ側の円板状摺動板の入口開口を構成する先端部を
    インナ側の円板状摺動板より半径方向内方に突出させる
    とともに、先端に行くに従い徐々に厚さが増加する突出
    部を形成したことを特徴とするブレーキディスクロー
    タ。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 アウタ側およびインナ側の円板状摺動板の通路を構成す
    る内壁の少なくとも外周部において放射状であって隔壁
    に略平行に幅および高さの小さな小突起で構成される放
    熱フィンを形成したことを特徴とするブレーキディスク
    ロータ。
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