JPH053453Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、ハンガーレールに吊架して移動し
着床時には該レールから離脱して自由移動が可能
なトロリーコンベヤ用運搬台車に関する。

従来技術及びその問題点 従来、ハンガーレールにトロリーコンベヤ用運
搬台車を吊架して収納棚の周辺を移動させつつこ
の台車と収納棚との間において物品の搬出入を行
う場合、運搬台車はカーブにおいて遠心力により
左右に揺動するから、搬出入の作業能力が低下す
るばかりでなく、搬送台車の壜などの積載物品が
倒れて破損するおそれがある。

本案の目的は上記揺動を防止したトロリーコン
ベヤ用運搬台車を提案するにある。

問題点を解決するための手段 上記目的達成のため、本案は、ハンガーレール
に吊架して移動し着床時に該レールより離脱して
自由走行可能な走行車輪付きトロリーコンベヤ用
運搬台車に走行車輪より下方に突出可能で且つ下
方に付勢され昇降自由で前記吊架した状態で床面
に圧接する自在車輪を取付けたことを特徴とす
る。

作 用 運搬台車がハンガーレールに吊架して移動する
ときは、自在車輪は走行車輪より下方に突出して
床面に圧接し、この圧接による摩擦力により運搬
台車の左右揺動を阻止ないし軽減する。運搬台車
を着床させると、自在車輪は上方に押し上げられ
て走行車輪と共に運搬台車を支持し、走行する。

実施例 第１図、第２図は本案搬送台車１のハンガーレ
ール吊架状態における夫々立面図及び側面図であ
り、搬送台車１は外枠２内に棚３を有する台車本
体４に床走行用の自在車輪５を具え、本体上部に
水平旋回自由に取付けた一側開放のＣ形ハンガー
６の上部が走行ローラ７を介してハンガーレール
８に吊架して手動により搬送される。

台車本体４の下部には第３図に示すゴムボール
９を有するボールキヤスタ１０を１個又は２個取
付ける。キヤスタ１０はその支持軸１１が本体４
の下面に固定したスリーブ１２内に昇降自在に嵌
入し、圧縮ばね１３により下圧されており、且つ
支持軸１１に突設した突子１４がスリーブ１２に
形成した垂直長溝１５内に嵌入してボールキヤス
タ１０の昇降高さを制限する。支持軸１１が最下
位置にあるとき、ボール９は自在車輪５より下方
に突出することができ、この突出長ａは、前記吊
架状態における自在車輪５と床面１６との距離ｂ
より充分大となるように定められる。また支持軸
１１が最上位置にあるとき、ボール９は自在車輪
５より高く上ることができて車輪５の走行を妨げ
ない。

搬送台車１が前記吊架状態にあるとき、ボール
９は床面１６により長さＣ＝ａ−ｂだけ押し上げ
られており、したがつて、ボール９はこの押し上
げ長さＣに相当するばね１３の圧縮力にて床面１
６に圧接する。

いまボール９が台車本体４の下面中央に１個あ
るとすれば、第４図のように、本体４の左右揺動
時に、ボール９はもし床面１６がなければハンガ
ーレール８を中心とする半径Ｒ１の円弧Ｓに沿つ
て移動しようとし、該円弧が床面１６より下方に
なる斜線部分ではボール９が床面１６に圧接し、
両者間の摩擦力によつて搬送台車１の揺動は阻止
ないし軽減される。また搬送台車１が前後方向に
揺動するときは、第５図に示すように、ボール９
はもし床面１６がなければ一方のＣ形ハンガー６
の上端を中心とする半径Ｒ２の円弧Ｓ１又はＳ２
に沿つて移動しようとし、前記と同様に斜線を施
した範囲でボール９と床面１６との間に生ずる摩
擦力によつて揺動が阻止ないし軽減される。

第６図のように、ボールキヤスタ１０を台車本
体４の下部に間隔ｌをもつて２個並設すれば、ボ
ール９は第４図における半径Ｒ１より大なる半径
Ｒ３の円弧Ｓ３上を移動しようとし、横方向の広
い斜線範囲内で床面１６に圧接する。この圧接力
は第４図の場合のそれの２倍以上で、横方向に広
い範囲で有効な揺動阻止効果を発揮しうる。

第７図のように、２個のボールキヤスタ１０を
台車本体４の下面に千鳥状に設ければ、前後左右
方向に大なる揺動防止効果が得られる。

第８図はボールキヤスタ１０の代りにゴムボー
ル９を支持する他の支持構造を示し、台車本体４
の下面に突設したブラケツト１７に移送方向と直
角の方向に向けてアーム１８の上端を枢着し、ス
トツパ１９と２０とによりアーム１８の水平角を
制限するとともに、ばね２１によりアーム１８を
下方に圧し、アーム１８の下端にボールキヤスタ
２２を取付けた構造であり、その揺動防止作用は
ボールキヤスタ１０と同様である。

搬送台車１を床上走行させる場合は、ボール９
が床面１６に接して任意の方向に転動しうるの
で、搬送台車１の走行に支障を与えることはな
い。

考案の効果 本案は上記構成を有し、搬送台車がハンガーレ
ールに吊架して走行するときはボールキヤスタが
床面に圧接しているので、カーブにおいて揺動す
ることがなく、搬送台車への物品搬出入作業に好
都合でピツキング等を能率的に行いうる効果があ
り、またボールキヤスタが搬送台車の荷重の一部
を支持するので、その分とカーブにおける遠心力
に対抗する分だけハンガーレールの支持強度を減
少させうる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の実施例を示し、第１図は立面図、
第２図は側面図、第３図はボールキヤスタの取付
構造を示す立面図、第４図ないし第６図はボール
キヤスタの異なる取付構造における作用説明図、
第７図はボールキヤスタの他の設置例の下面図、
第８図はボールキヤスタの他の取付構造を示す概
略立面図である。 １……運搬台車、５……走行車輪、８……トロ
リーレール、１０……自在車輪、１６……床面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハンガーレールに吊架して移動し着床時に該レ
   ールより離脱して自由走行可能な走行車輪付きト
   ロリーコンベヤ用運搬台車に走行車輪より下方に
   突出可能で且つ下方に付勢され昇降自由で前記吊
   架した状態で床面に圧接する自在車輪を取付けた
   ことを特徴とするトロリーコンベヤ用運搬台車。