JPH05345022A - 生理活性物質固定化担体とその製法 - Google Patents

生理活性物質固定化担体とその製法

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JPH05345022A
JPH05345022A JP4157816A JP15781692A JPH05345022A JP H05345022 A JPH05345022 A JP H05345022A JP 4157816 A JP4157816 A JP 4157816A JP 15781692 A JP15781692 A JP 15781692A JP H05345022 A JPH05345022 A JP H05345022A
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JP4157816A
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Kazunori Inamori
和紀 稲森
Masahiro Seko
政弘 世古
Hideyuki Yokota
英之 横田
Masakazu Tanaka
昌和 田中
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生理活性を有するタンパク質あるいはペプ
チドの活性を失活させたり変性させたりすることのない
水不溶性担体への固定化方法および生理活性物質固定化
担体を提供する。 【構成】 タンパク質系の生理活性物質を、両末端に
ジグリシジルエーテルを有する親水性スペーサーを用い
て、エポキシ反応により水不溶性担体に導入することを
特徴とする生理活性物質の固定化方法および生理活性物
質固定化担体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生理活性を有するタンパ
ク質またはペプチドの水不溶性担体への固定化方法およ
び生理活性物質固定化担体に関するものであり、両末端
にジグリシジルエーテルを有する親水性スペーサーを介
することを特徴とするものである。
【0002】この方法はそのリガンドの有する生理活性
の失活あるいは変性を生ずることの少ない効果的な固定
化方法である。特定の物質を吸着除去することを目的と
した吸着材、特定の化学反応を利用したバイオセンサー
やエンザイムイムノアッセイによる物質の定量、あるい
は連続的に特定の化学反応を行なわせるバイオリアクタ
ーなど実に広範囲な領域において応用が可能なものであ
る。
【0003】
【従来の技術】酵素,抗体,ホルモン,レクチンなど生
理活性を有する種々のタンパク質やペプチドを担体に、
場合によってはスペーサーを介して固定化を行なう試み
については、特に酵素に関して古くから多くの報告例が
ある。その大部分はタンパク質を構成しているアミノ酸
残基の官能基における反応に方法ものである。たとえば
リジンのε−アミノ基,N末端のアミノ基,システイン
のスルフィドリル基,アスパラギン酸のβ−カルボキシ
ル基,グルタミン酸のγ−カルボキシル基,C末端のカ
ルボキシル基,チロシンのフェノール性水酸基,セリン
あるいはトレオニンの水酸基,アルギニンのグアニジノ
基,ヒスチジンのイミダゾリル基,トリプトファンのイ
ンドリル基,メチオニンのメチルメルカプト基などであ
る。特に水酸基,カルボキシル基,アミノ基の含量は多
い。この場合、活性中心部位を形成しているアミノ酸残
基を修飾あるいは変性させる可能性があり、それに伴い
活性を低下あるいは失活させる場合が多い。
【0004】また一般にこうしたタンパク質系の生理活
性物質は、通常の化学合成において頻繁に用いられる
熱,酸,アルカリ,有機溶媒などの作用により変性を受
けやすい。したがってリガンドである生理活性物質が固
定化前と同等にできる限り近い物理的あるいは化学的性
質を保持できるようにするには、固定化反応条件におい
て様々な面で制約が多くなる。
【0005】また固定化されたリガンドが種々の塩濃度
や広いpH範囲においてもしっかりと固定化されリガン
ドの漏出が起らないことや、固定化されたリガンドが目
的とする物質と強固に結合できることなどが条件とな
る。種々の生理活性物質の固定化方法を原理的に大別す
ると担体結合法,架橋法,包括法の3種類である。これ
らの方法はそれぞれ長所,短所を有しており、リガンド
の種類や目的に応じて使い分けられている。
【0006】タンパク質には反応性の強いアミノ酸残基
やイオン性のアミノ酸残基、疎水的な部分を含んでい
る。これらのうちで生理活性の発現に可能な限り悪影響
を与えない部分の特に水酸基,カルボキシル基,アミノ
基を選択して、担体に共有結合,イオン結合,疎水結
合,生化学的特異結合などを介して固定化するものが担
体結合法である。共有結合による固定化には臭化シアン
による活性化、カルボン酸のアジド誘導体化、カルボジ
イミド試薬やWoodward試薬Kなどによる縮合反
応、ジアゾカップリング反応、グルタルアルデヒドのよ
うな2つ以上の反応性に富む官能基を有する化合物によ
り架橋する方法などがある。これらの方法は結合が強固
であり、安定性を増す場合があるなどの長所があるが、
タンパク質の変性の恐れや、目的物質との相互作用が起
りにくくなる場合があるなどの短所がある。
【0007】特開昭58ー53757にはさらに炭水化
物部位を酸化切断し、アルデヒド基を有する抗体と側鎖
にアミノ基またはヒドラジド基を有する担体とが、−C
2−NH−または−CH2−NH−NH−CO−の構造
を介して固定化する方法が記載されている。しかしこの
方法においても、担体と抗体の結合が直接的であるた
め、抗体の機能を十分に保持し固定化することが困難で
ある。また他のタンパク質の非特異的吸着を防止できな
い。
【0008】またイオン結合による固定化は操作の簡便
さや再生の可能な点が有利であるが、反応液に用いる緩
衝液の種類,pH,イオン強度,温度などの影響を受け
やすい。物理的吸着による固定化では結合が一般に弱い
ことが多い。
【0009】架橋法はグルタルアルデヒド,トルエンジ
イソシアナート,ヘキサメチレンジイソシアナート,シ
アヌルクロリドなどの2つ以上の官能基を有する試薬と
リガンドを反応させて分子間で架橋させて巨大分子とす
る方法である。この方法は微生物菌体の固定化にはしば
しば用いられるが、タンパク質系の生理活性物質の固定
化にはあまり有効なものではない。
【0010】包括法は高分子ゲル内にリガンドを閉じ込
める方法である。これにはタンパク質や多糖類のような
天然高分子あるいは種々の合成高分子のゲルの内部にリ
ガンドを閉じ込める格子型,半透膜性の高分子被膜によ
りリガンドを包み込むマイクロカプセル型,リン脂質の
ような液体膜にリガンドを包み込むリポソーム型などが
ある。また中空子膜内や限外濾過膜で仕切られた空間中
にリガンドを閉じ込める方法もある。これらの方法は固
定化によりリガンドの修飾が起りにくく、自然な状態を
保ったままで固定化が可能である長所があるが、高分子
量の物質の作用を受けにくいことや条件により失活が起
こるなどの欠点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術における種々の欠点を解決し、生理活性を有するタン
パク質あるいはペプチドを効率よく、しかもその生理活
性を低下させたり変性させたりする可能性をできる限り
小さくした生理活性物質の固定化方法を提供しようとす
るものである。また本発明における固定化技術は極めて
広範囲な分野において適用されうるものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成した本発
明は生理活性を有するタンパク質あるいはペプチドをジ
グリシジルエーテルを両末端に有する親水性スペーサー
を介して水不溶性担体ヘのエポキシ反応による固定化方
法およびそれにより得られる生理活性物質固定化担体を
要旨とするものである。本発明は酵素,抗体,ホルモン
などの種類を特に問わず広範囲なタンパク質系物質への
適用が可能である。
【0013】また水不溶性担体としては、エポキシ基と
反応性のあるたとえばチオール基,アミノ基,ヒドロキ
シル基,カルボキシル基,ヒドラジド基,フェノール基
のような求核性の官能基を有しているか、あるいは修飾
することによりこれらの官能基が導入されており、しか
もその目的に応じたゲル強度,粒子径,細孔径などの特
徴を有していれば特に限定されるものではないが、たと
えばセルロース,架橋ポリアクリル酸,ポリビニルアル
コール,ポリスチレンおよびその誘導体などが挙げられ
る。担体の形態に関しても特に限定されるものではな
く、その用途や目的に応じてビーズ状,繊維状,膜状
(中空糸膜を含む)などいずれにおいても適用できるも
のである。これらの担体に親水性スペーサーとして化1
に示すような両末端にジグリシジルエーテルを有するポ
リ(オキシエチレン)(以下PEOエポキシと言う)を
結合させたものに、さらに上記のような生理活性物質を
リガンドとして導入する。
【0014】
【化1】
【0015】担体における求核性官能基の含量はある程
度多い方がリガンド導入率の向上に結びつくが、あまり
多過ぎるとゲル強度が低下するので適当ではない。した
がってサクションドライ状態で0.01ないし0.80
meq/gの範囲になるように導入するのが望ましく、
リガンドや目的物質の大きさに応じてその値を調整する
必要がある。
【0016】親水性スペーサーの鎖長についてもリガン
ドに結合させる目的物質の大きさや性質に応じて適当に
調整する必要があるが、分子量が200ないし2000
0の範囲、好ましくは1000ないし15000、さら
に好ましくは5000ないし13000の両末端にジグ
リシジルエーテルを有するPEOエポキシを用いるのが
適している。親水性スペーサーを導入することにより立
体障害が小さくなり、目的物質との結合性を大きく向上
させることができる。さらに親水性スペーサーの排除体
積効果および親水性の向上により、非特異的な吸着を抑
えることができる。
【0017】エポキシ基に対する反応性は−SH>−N
H(−NH2)>−OHの順であり、脂肪酸のヒドロキ
シル基を結合させるときにはpH11ないし13の強い
アルカリ性の条件を必要とするが、第一級アミノ基,チ
オール基となるにしたがってそれほどの強アルカリ性条
件である必要性はなくpH9ないし11での反応が可能
である。したがってアルカリ性条件下で安定な物質の固
定化に有利な方法である。
【0018】シッフ塩基反応による固定化反応ではリガ
ンドを導入した後に還元反応を行なう必要があり、リガ
ンドの活性を低下させやすくなる。これに対し本発明で
はリガンドを導入後に別な反応を与える必要がない点は
有利である。またシアン化臭素(CNBr)法のように
有毒物質を用いることがなくでないのも安全性の点で有
利である。
【0019】本発明における水不溶性担体に、PEOエ
ポキシを介して生理活性を有するタンパク質あるいはペ
プチドをリガンドとして導入するには、上記のような方
法を基本とすれば特に限定されるのもではないが、たと
えばセルロースを担体として抗体を導入する場合には、
以下の方法が好ましい。
【0020】(1)セルロースの改質 平均粒子径が20ないし2000μm、平均細孔径が2
00ないし30000Åの粒状多孔質セルロースに、1
規定ないし2規定の水酸化ナトリウム水溶液を加えた後
エピクロルヒドリンをを添加し、20℃から50℃好ま
しくは30℃から40℃で2時間から6時間好ましくは
4時間から5時間反応させる。上記粒状多孔質セルロー
スのアルカリ水溶液への浴比は10容量%から30容量
%好ましくは15容量%から25容量%である。上記反
応物を回収し十分に洗浄して、0.10ないし0.95
meq/gのエポキシ基を有する[エポキシ化セルロー
ス]を得る。
【0021】上記[エポキシ化セルロース]に20ない
し30%のアンモニア水溶液を加えて、20℃から50
℃好ましくは30℃から40℃で1時間から5時間好ま
しくは2時間から4時間反応させる。上記粒状[エポキ
シ化セルロース]のアルカリ水溶液への浴比は10容量
%から30容量%好ましくは15容量%から25容量%
である。上記反応物を回収し十分に洗浄して、0.01
ないし0.80meq/gのアミノ基を有する[アミノ
化セルロース]を得る。
【0022】(2)親水性スペーサーの導入 化1に示したような分子量が200ないし20000、
好ましくは1000ないし15000のPEOエポキシ
を、pH9ないし12の好ましくはpH10ないし11
の炭酸緩衝液に溶解しておく。これに上記(1)で得た
[アミノ化セルロース]をを添加して攪拌しながら10
℃から50℃好ましくは20℃から30℃で、10時間
から30時間好ましくは15時間から25時間反応させ
る。上記PEOエポキシの濃度は0.2重量%から5.
0重量%好ましくは0.4重量%から3.0重量%で、
この溶液への[アミノ化セルロース]の浴比は3容量%
から20容量%好ましくは5容量%から15容量%であ
る。この反応混合物を濾過して生成物を回収、水洗して
[PEOエポキシ]−[セルロース]を得る。
【0023】(3)抗体の導入 ウサギにヒトアルブミン(以下hAlbと言う)を免疫
して得られた抗血清を、硫安塩析により精製して得た抗
hAlb抗体10ないし20mgを、pH9ないし10
の炭酸緩衝液に溶解して、上記(2)で得た[PEOエ
ポキシ]−[セルロース]3ないし5g(膨潤状態)を
添加し、5℃で20時間ないし30時間反応させてシッ
フ塩基を形成させる。この反応混合物を濾過して生成物
を回収し、十分に洗浄して、膨潤状態でpH9.0の炭
酸緩衝液を加え、さらに水素化ホウ素ナトリウムを0.
2ないし1g添加して5℃で5時間ないし20時間攪拌
により還元反応を行なった。この反応混合物を濾過して
生成物を回収し、十分に洗浄することにより、抗hAl
b抗体をPEOエポキシをスペーサーに介してセルロー
スに固定化したものを得る。
【0024】
【実施例】以下実施例を用いて本発明を説明する。 <実施例1> プロテアーゼの固定化 Bacillus属由来であり、その培養液をゲル濾
過、アニオンおよびカチオン交換カラムにより精製して
凍結乾燥して得られたプロテアーゼのセルロースへの固
定化を次のようにして実施した。
【0025】多孔質セルロース(チッソ製セルロファイ
ンGCL−1000m)15gに1規定水酸化ナトリウ
ム水溶液100mlおよびエピクロルヒドリン25ml
を加えて、攪拌により20時間反応させた後、反応混合
物を濾過して生成物を回収し、十分に洗浄して[エポキ
シ化セルロース]を得た。エポキシ含量はチオ硫酸ナト
リウムを用いた酸滴定により定量を行ない、0.87m
eq/gであった。
【0026】上記[エポキシ化セルロース]に28%ア
ンモニア水溶液100mlを加えて室温で5時間攪拌に
より反応させた。上記反応物を回収し十分に洗浄して
[アミノ化セルロース]を得た。アミノ基含量は塩酸に
よる電位差滴定(平沼産業製COMTITE101を使
用)により定量を行ない、0.68meq/gであっ
た。
【0027】分子量5000のPEOエポキシ50gを
pH10の炭酸緩衝液に溶解しておく。これを上記[ア
ミノ化セルロース]に添加して攪拌しながら室温で25
時間攪拌により反応させた。この反応混合物を濾過して
生成物を回収、水洗して[PEOエポキシ]−[セルロ
ース]を得た。エポキシ含量は先と同様にして定量を行
ない、0.55meq/gであった。
【0028】上記プロテアーゼを50mgをpH10の
炭酸緩衝液に溶解しておく。これを上記[PEOエポキ
シ]−[セルロース]に添加して攪拌しながら室温で2
5時間攪拌により反応させた。この反応混合物を濾過し
て生成物を回収、水洗して固定化プロテアーゼを得た。
固定化反応の残液にトリクロロ酢酸(以下TCAとい
う)溶液でタンパク質成分を沈殿させた後に遠心分離し
て上清を除去し、0.1規定水酸化ナトリウム溶液に再
溶解させて、BCAタンパク質定量用試薬(ピアス社
製)を用いてタンパク質量を定量することにより残存率
を求め(以下TCA−BCA法という)、固定化量を算
出し22.3mgが固定化されていた。
【0029】酵素活性の定量は0.1%濃度のカゼイン
のグリシン緩衝液(pH10)溶液中にて、上記固定化
プロテアーゼを固定化量が10mgに相当するように懸
濁して30℃で30分間反応をさせた後、30%TCA
溶液を加えて沈殿させ、その濾液中のタンパク質量を2
80nmの吸光度測定により定量して行なった。結果は
表1に示す通りである。なお固定化していない遊離状態
のインベルターゼ10mgにおける同様の実験結果にお
けるプロテアーゼ活性を100として表示した。
【0030】
【表1】
【0031】<実施例2> 抗mIgG(マウス免疫グ
ロブリン)抗体の固定化 mIgG(カッペル社製)を免疫したウサギ抗血清を硫
安塩析により精製して得た抗mIgG抗体のセルロース
への固定化を次のようにして実施した。
【0032】多孔質セルロース(チッソ製セルロファイ
ンGCL−1000m)15gに1規定水酸化ナトリウ
ム水溶液100mlおよびエピクロルヒドリン25ml
を加えて、攪拌により30時間反応させた後、反応混合
物を濾過して生成物を回収し、十分に洗浄して[エポキ
シ化セルロース]を得た。エポキシ含量は実施例1と同
様にして求め、0.92meq/gであった。
【0033】上記[エポキシ化セルロース]に28%ア
ンモニア水溶液100mlを加えて室温で5時間攪拌に
より反応させた。上記反応物を回収し十分に洗浄して
[アミノ化セルロース]を得た。アミノ基含量は実施例
1と同様にして定量を行ない、0.74meq/gであ
った。
【0034】分子量2000のPEOエポキシ50gを
pH10の炭酸緩衝液に溶解しておく。これを上記[ア
ミノ化セルロース]に添加して攪拌しながら室温で25
時間攪拌により反応させた。この反応混合物を濾過して
生成物を回収、水洗して[PEOエポキシ]−[セルロ
ース]を得た。エポキシ含量は実施例1と同様にして定
量を行ない、0.63meq/gであった。
【0035】上記抗mIgG抗体50mgをpH11の
炭酸緩衝液に溶解しておく。これを上記[PEOエポキ
シ]−[セルロース]に添加して攪拌しながら10℃で
40時間攪拌により反応させた。この反応混合物を濾過
して生成物を回収、水洗して固定化抗体を得た。実施例
1と同様にして固定化反応の残液中のタンパク質量をT
CA−BCA法により残存率を求め、固定化量を算出し
21.2mgが固定化されていた。
【0036】上記抗体を固定化したセルロースゲル1m
lをオープンカラム管に充填して、抗原であるmIgG
をpH8.0の50mMリン酸緩衝液に0.2%濃度で
溶解して10mlをカラムに供した。カラム通過液の抗
体濃度をTCA−BCA法により定量して、吸着しなか
ったmIgG量からカラムへの吸着率を算出した。結果
は表2に示す通りである。
【0037】
【表2】
【0038】<実施例3> 抗hLDL(ヒト低比重リ
ポタンパク質)抗体の固定化 hLDL(ケミコン社製)を免疫したウサギ抗血清を硫
安塩析により精製して得た抗hLDL抗体のセルロース
への固定化を次のようにして実施した。
【0039】多孔質セルロース(チッソ製セルロファイ
ンCPCm)15gに1規定水酸化ナトリウム水溶液1
00mlおよびエピクロルヒドリン25mlを加えて、
攪拌により30時間反応させた後、反応混合物を濾過し
て生成物を回収し、十分に洗浄して[エポキシ化セルロ
ース]を得た。エポキシ含量は実施例1と同様にして求
め、0.93meq/gであった。
【0040】上記[エポキシ化セルロース]に28%ア
ンモニア水溶液100mlを加えて室温で5時間攪拌に
より反応させた。上記反応物を回収し十分に洗浄して
[アミノ化セルロース]を得た。アミノ基含量は実施例
1と同様にして定量を行ない、0.76meq/gであ
った。
【0041】分子量6000のPEOエポキシ50gを
pH10の炭酸緩衝液に溶解しておく。これを上記[ア
ミノ化セルロース]に添加して攪拌しながら室温で25
時間攪拌により反応させた。この反応混合物を濾過して
生成物を回収、水洗して[PEOエポキシ]−[セルロ
ース]を得た。エポキシ含量は実施例1と同様にして定
量を行ない、0.64meq/gであった。
【0042】上記抗hLDL抗体50mgをpH11の
炭酸緩衝液に溶解しておく。これを上記[PEOエポキ
シ]−[セルロース]に添加して攪拌しながら10℃で
40時間攪拌により反応させた。この反応混合物を濾過
して生成物を回収、水洗して固定化抗体を得た。実施例
1と同様にして固定化反応の残液中のタンパク質量をT
CA−BCA法により残存率を求め、固定化量を算出し
22.6mgが固定化されていた。
【0043】上記抗体を固定化したセルロースゲル1m
lをブタ血清(LDL値161.2mg/ml)3ml
と20mlのバイヤル中で混合して、30℃で30分間
振盪することによりインキュベートして、遠心上清のL
DL値をβリポ蛋白Cテストーワコー(和光純薬工業
製)により定量した。得られた残存LDL値からLDL
吸着率を算出した結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】<比較例1> プロテアーゼの固定化 分子量5000の両末端にアミノ基を有するポリ(オキ
シエチレン)(以下PEOアミンという)20gをpH
9.5の炭酸緩衝液100mlに溶解して、実施例1と
同様にして調整した[エポキシ化セルロース](エポキ
シ基含量は0.69meq/g)を加えて室温で30時
間攪拌してシッフ塩基を形成させ、反応混合物を濾過し
て生成物を回収し十分に洗浄して、[PEOアミン]−
[セルロース]を得た。
【0046】25%グルタルアルデヒド溶液4mlをp
H9.5の炭酸緩衝液100mlに溶解して、上記[P
EOアミン]−[セルロース]を加え室温で30時間攪
拌してアルデヒド基の導入反応を行なった。反応混合物
を濾過して生成物を回収し十分に洗浄を行なった。
【0047】上記生成物にpH9.0の炭酸緩衝液50
ml,水素化ホウ素ナトリウム500mgを加えて室温
で18時間還元反応を行なった。反応混合物を濾過して
生成物を回収し、十分に洗浄して[PEOアルデヒド]
−[セルロース]を得た。アルデヒド含量はオキシム法
により行ない0.50meq/gであった。
【0048】実施例1におけるプロテアーゼ50mgを
pH10.0の炭酸緩衝液100mlに溶解して、上記
[PEOアルデヒド]−[セルロース]を加え、室温で
25時間攪拌によりシッフ塩基反応を行なった。反応混
合物を濾過して生成物を回収し十分に洗浄を行なった。
上記生成物にpH9.0の炭酸緩衝液50ml,水素化
ホウ素ナトリウム500mgを加えて室温で18時間還
元反応を行なった。反応混合物を濾過して生成物を回収
し、十分に洗浄して固定化プロテアーゼを得た。プロテ
アーゼ固定化量は実施例1と同様にして求め、28.7
mgが固定化されていた。酵素活性について実施例1と
同様にして行なった。結果は表1に示す通りである。
【0049】<比較例2> 抗mIgG抗体の固定化 分子量2000の両末端にアミノ基を有するポリ(オキ
シエチレン)(以下PEOアミンという)20gをpH
9.5の炭酸緩衝液100mlに溶解して、実施例2と
同様にして調整した[エポキシ化セルロース](エポキ
シ基含量は0.64meq/g)を加えて室温で30時
間攪拌してシッフ塩基を形成させ、反応混合物を濾過し
て生成物を回収し十分に洗浄して、[PEOアミン]−
[セルロース]を得た。
【0050】比較例1と同様に、25%グルタルアルデ
ヒド溶液4mlをpH9.5の炭酸緩衝液100mlに
溶解して、上記[PEOアミン]−[セルロース]を加
え室温で30時間攪拌してアルデヒド基の導入反応を行
なった。反応混合物を濾過して生成物を回収し十分に洗
浄を行なった。
【0051】比較例1と同様に、上記生成物にpH9.
0の炭酸緩衝液50ml,水素化ホウ素ナトリウム50
0mgを加えて室温で18時間還元反応を行なった。反
応混合物を濾過して生成物を回収し、十分に洗浄して
[PEOアルデヒド]−[セルロース]を得た。アルデ
ヒド含量はオキシム法により行ない0.48meq/g
であった。
【0052】実施例2における抗mIgG抗体50mg
をpH10.0の炭酸緩衝液100mlに溶解して、上
記[PEOアルデヒド]−[セルロース]を加え、室温
で25時間攪拌によりシッフ塩基反応を行なった。反応
混合物を濾過して生成物を回収し十分に洗浄を行なっ
た。上記生成物にpH9.0の炭酸緩衝液50ml,水
素化ホウ素ナトリウム500mgを加えて室温で18時
間還元反応を行なった。反応混合物を濾過して生成物を
回収し、十分に洗浄して固定化抗体を得た。抗体の固定
化量は実施例1と同様にして求め、31.3mgが固定
化されていた。得られた担体の性能評価を実施例2と同
様にして行なった。結果は表2に示す通りである。
【0053】<比較例3> 抗hLDL抗体の固定化 分子量6000の両末端にアミノ基を有するポリ(オキ
シエチレン)(以下PEOアミンという)20gをpH
9.5の炭酸緩衝液100mlに溶解して、実施例2と
同様にして調整した[エポキシ化セルロース](エポキ
シ基含量は0.64meq/g)を加えて室温で30時
間攪拌してシッフ塩基を形成させ、反応混合物を濾過し
て生成物を回収し十分に洗浄して、[PEOアミン]−
[セルロース]を得た。
【0054】比較例1と同様に、25%グルタルアルデ
ヒド溶液4mlをpH9.5の炭酸緩衝液100mlに
溶解して、上記[PEOアミン]−[セルロース]を加
え10℃で40時間攪拌してアルデヒド基の導入反応を
行なった。反応混合物を濾過して生成物を回収し十分に
洗浄を行なった。
【0055】比較例1と同様に、上記生成物にpH9.
0の炭酸緩衝液100ml,水素化ホウ素ナトリウム5
00mgを加えて室温で18時間還元反応を行なった。
反応混合物を濾過して生成物を回収し、十分に洗浄して
[PEOアルデヒド]−[セルロース]を得た。アルデ
ヒド含量はオキシム法により行ない0.49meq/g
であった。
【0056】実施例3における抗hLDL抗体50mg
をpH9.5の炭酸緩衝液100mlに溶解して、上記
[PEOアルデヒド]−[セルロース]を加え、10℃
で40時間攪拌によりシッフ塩基反応を行なった。反応
混合物を濾過して生成物を回収し十分に洗浄を行なっ
た。上記生成物にpH9.0の炭酸緩衝液50ml,水
素化ホウ素ナトリウム500mgを加えて室温で18時
間還元反応を行なった。反応混合物を濾過して生成物を
回収し、十分に洗浄して固定化抗体を得た。抗体の固定
化量は実施例1と同様にして求め、32.6mgが固定
化されていた。得られた担体の性能評価を実施例3と同
様にして行なった。結果は表3に示す通りである。
【0057】<比較例4> 抗hLDL抗体の固定化 過ヨウ素酸ナトリウム400mgを1規定硫酸に溶解し
てCPCm10gに加え、室温で20時間攪拌により反
応させて[アルデヒド]−[セルロース]を調製した。
アルデヒド含量はオキシム法により定量を行ない、0.
50meq/gであった。
【0058】一方実施例3における抗hLDL抗体50
mgをpH9.5の炭酸緩衝液100mlに溶解して、
上記[アルデヒド]−[セルロース]を加えて10℃で
40時間攪拌してシッフ塩基を形成させた。反応混合物
を濾過して生成物を回収し、十分に洗浄してpH9.0
の炭酸緩衝液100ml,水素化ホウ素ナトリウム40
0mgを加えて室温で18時間還元反応を行なった。反
応混合物を濾過して生成物を回収し、十分に洗浄して固
定化抗体を得た。抗体の固定化量は実施例3と同様にし
て求め、37.6mgが固定化されていた。実施例3と
同様にして、ブタ血清におけるLDL吸着率を求めた。
結果は表3に示す通りである。
【0059】
【発明の効果】本発明により、種々の生理活性物質をそ
の活性を失活させたりあるいは変性させたりすることな
く水不溶性担体に固定化することが可能となり、固定化
前に近い活性を維持した生理活性物質固定化担体を提供
することが可能となった。本発明は吸着材,アフィニテ
ィクロマト用担体,バイオセンサー,エンザイムイムノ
アッセイ,バイオリアクターなどをはじめ広範囲な領域
において有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 昌和 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生理活性を有するタンパク質またはペプ
    チドを、両末端にジグリシジルエーテルを有する親水性
    スペーサーを介して、水不溶性担体に固定化したことを
    特徴とする生理活性物質固定化担体。
  2. 【請求項2】 生理活性を有するタンパク質またはペプ
    チドを、両末端にジグリシジルエーテルを有する親水性
    スペーサーを介して、水不溶性担体に固定化することを
    特徴とする生理活性物質固定化担体の製法。
  3. 【請求項3】 両末端にジグリシジルエーテルを有する
    親水性スペーサーの分子量が200ないし20000で
    ある請求項第2項記載の生理活性物質固定化担体の製
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007159874A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Asahi Kasei Corp リガンド固定化用基材および細胞選択吸着材
WO2020218291A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29 東レ株式会社 可溶性腫瘍壊死因子受容体の吸着材料

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CN113677429A (zh) * 2019-04-26 2021-11-19 东丽株式会社 可溶性肿瘤坏死因子受体的吸附材料
CN113677429B (zh) * 2019-04-26 2023-08-18 东丽株式会社 可溶性肿瘤坏死因子受体的吸附材料
US11992598B2 (en) 2019-04-26 2024-05-28 Toray Industries, Inc. Adsorbing material for soluble tumor necrosis factor receptor

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