JPH05344960A - 磁気共鳴検査装置 - Google Patents

磁気共鳴検査装置

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Publication number
JPH05344960A
JPH05344960A JP4155038A JP15503892A JPH05344960A JP H05344960 A JPH05344960 A JP H05344960A JP 4155038 A JP4155038 A JP 4155038A JP 15503892 A JP15503892 A JP 15503892A JP H05344960 A JPH05344960 A JP H05344960A
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JP
Japan
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signal
magnetic resonance
noise
electromagnetic wave
magnetic field
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JP4155038A
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English (en)
Inventor
Munetaka Tsuda
宗孝 津田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高周波シールドを施さずとも、さらに周囲環
境の変化により電磁波ノイズのレベルが変化しても、電
磁波ノイズの影響を受けることなく高精度の検査を実施
できる磁気共鳴検査装置を実現する。 【構成】 受信用高周波コイル4からの信号は、前置増
幅器15、高周波増幅器16を介して差動入力増幅器1
7に供給される。超電導磁石1の端面には、高周波コイ
ル4と同じ周波数特性を有するアンテナ22が配設され
ており、その検出信号は高周波増幅器23、位相変移器
24を介して差動入力増幅器17に供給される。この増
幅器17において、コイル4からの電磁波ノイズと核磁
気共鳴信号との合成信号と、アンテナ22からの電磁波
ノイズとの減算処理が行われ、核磁気共鳴信号のみが抽
出される。これにより、高周波シールドを施さずとも、
電磁波ノイズの影響を受けることなく高精度の検査を実
施できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核磁気共鳴現象を利用
して、生体内の各組織の特定原子核(例えば、水素原子
核や燐原子核など)の密度分布、緩和時間、動き等を無
侵襲に測定し、医学診断のための情報を得る磁気共鳴検
査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】核磁気共鳴現象を利用して、人体の内部
を検査する磁気共鳴検査装置がある。図9は、上記核磁
気共鳴検査装置の概略構成図である。図9において、均
一な磁界を発生する超電導磁石1内に、検査対象となる
人体5を搬入する。すると、人体の組織を構成する水素
原子核は、磁場方向と反磁場方向に配向する。そして、
この二つの配向エネルギーの差に対応した周波数(通常
数MHz〜数十MHzの高周波)のエネルギーを、高周
波電力増幅器14から送信用高周波コイル3に加える
と、人体5に高周波磁界が印加され、水素原子核が核磁
気共鳴現象を起こす。この高周波磁界の印加を停止した
後の水素原子核の運動を、核磁気共鳴信号として、受信
用高周波コイル4で検出する。
【0003】ところが、このままでは、検出した核磁気
共鳴信号を病変の診断に適用できない。つまり、核磁気
共鳴信号が人体組織のどの部位から発生したかを特定す
ることができない。そこで、互いに直交するX軸,Y
軸,Z軸の方向に磁場強度を変化することができる傾斜
磁場を、高周波磁界の印加時と、核磁気共鳴信号の検出
時とに組み合わせることで、核磁気共鳴信号にX軸,Y
軸,Z軸の位置情報を与えることができる。このため、
X傾斜磁場電源9、Y傾斜磁場電源10、Z傾斜磁場電
源11からの電力が傾斜磁場コイル2に供給されるよう
になっている。そして、受信用高周波コイル4で検出さ
れた核磁気共鳴信号が、前置増幅器15、高周波増幅器
16、検波器18、可聴周波数増幅器19、A/D変換
器20を介して計算機7に供給される。この計算機7
は、供給された核磁気共鳴信号にフーリエ変換等の演算
処理を施し、人体組織の特定部位のスペクトル分布や断
層画像を得て、表示器21に表示させる。また、計算機
7は、操作卓6のキー操作に基づいて指令信号を制御回
路8に供給する。すると、制御回路8は、供給された指
令信号に従って電源9、10、11、基準信号発生器1
2、変調器13、高周波増幅器16に制御信号を供給す
る。
【0004】次に、核磁気共鳴検査装置の動作を説明す
る。図10は、人体の断層画像を得る場合に最も多く用
いられるスピンエコー法のパルスシーケンスである。図
9および図10において、Z方向の傾斜磁場31を人体
に印加すると、人体の体軸に沿って磁場強度が変化す
る。検査したい部位の磁場強度に対応した90度パルス
の高周波磁場29が、送信用高周波コイル3に印加され
る。この高周波磁場は、特定の周波数帯域成分を有する
ようにSINC関数で振幅変調が施されている。この結
果、Z方向の傾斜磁場31の強度と周波数帯域幅との関
係より検査断面の厚さを決めることが出来る。次に、Y
方向傾斜磁場32を人体に印加すると、期間Aで核磁気
共鳴現象を起こした水素原子核のスピン運動の周波数位
相が、Y方向傾斜磁場の軸位置によって変化することに
なる。期間Cでは、核スピンの運動の向きを反転するた
めに、180度パルスの高周波磁場30を人体に印加す
る。次に、X方向傾斜磁場33を人体に印加した状態で
核磁気共鳴信号を検出する。
【0005】検出した信号は、256点の離散的なデー
タ34として計算機7に取り込まれる。待ち時間である
期間Eを含む繰り返し時間TRの経過後に、位相エンコ
ード用のY方向傾斜磁場32の強度を変化させて信号を
検出する。Y方向傾斜磁場32の強度を、256ステッ
プ変化させることで256×256マトリクスのデータ
が得られる。このデータを二次元フーリエ変換するとX
方向およびY方向の二次元に展開された核磁気共鳴信号
の分布図が得られる。
【0006】受信用高周波コイル4で検出された核磁気
共鳴信号の検出レベルは、検査部位の大きさ、静磁場強
度、高周波コイルの効率、検査モードによって異なる
が、通常10μVから1mVの範囲である。通常は、上
述したように、検査部位を256×256のマトリクス
に分解するので、1ピクセルあたりの信号強度は検出レ
ベルを65536(256×256)で割った0.15
nVから0.015μVの微弱な電圧である。その信号
の周波数は、静磁場強度に比例した6MHzから65M
Hzに分布する。この周波数帯域は、短波放送やアマチ
ュア無線通信機器の周波数帯域と一致している。かつ、
各種電気機器や自動車のエンジンから発生する電磁波ノ
イズにも、この周波数帯域の成分が含まれている。これ
らの電磁波が、微弱な核磁気共鳴信号に混入すると検査
結果の画像等の質が低下するばかりでなく、診断不能や
誤診につながりかねない。
【0007】そこで、1988年11月25日に朝倉書
店より出版された「MRI診断学」の414頁に記載さ
れているように、静磁場を発生する磁石が配置されてい
る検査室を、銅板等で電磁波から遮蔽し、かつ、検査室
内部と外部との電気信号の送受信をフィルタ回路を介し
て行って、外部からの電磁波ノイズを遮断している。つ
まり、図9に示すように、高周波シールド27が施さ
れ、高周波シールド27内と外部との信号の送受信は、
フィルタ回路28を介して行われる。また、米国特許第
4564812号公報に記載されているように、高周波
コイルと被検体を含む必要最少限の空間を電磁波遮蔽し
た装置もある。なお、磁場発生手段等を電波シールド室
内に配置する構成としては、特開平3ー85145号公
報に記載されたMRI装置がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
磁気共鳴検査装置にあっては、電磁波ノイズを遮蔽する
高周波シールドルームが必要であったため、シールドル
ーム外のオペレーターとシールドルーム内の被検者との
間の会話や検査中の被検者の監視を直接行うことができ
ず、マイクロホンによる通話装置とモニターカメラによ
る監視装置とを設置する必要があった。このため、設備
が大がかりとなり、高価格となっていた。また、高周波
シールドルームの性能を維持するためには、定期的に煩
わしい保守点検整備が必要であった。つまり、例えば、
シールドルームの周縁部には、電磁遮蔽のために、櫛歯
状の金属(例えば、リン青銅)が配列されている。この
櫛歯状の金属は、時間とともに、塵埃等により抵抗値が
増加するばかりではなく、金属片が欠落してしまうこと
がある。したがって、その保守点検整備には、大きな時
間と労力が必要であった。
【0009】さらに、磁気共鳴検査装置の導入時に、周
囲環境の電磁波ノイズ強度を測定して高周波シールドの
高周波遮蔽能力を定めても、周辺環境が変化して電磁波
ノイズ強度が変化することがあり、この場合には、シー
ルドルームを改修しなければならなかった。
【0010】そこで、上述した米国特許第456481
2号公報に記載のように、高周波コイルと被検体を含む
必要最少限の空間を電磁波遮蔽することが考えられる。
ところが、高周波シールド空間を必要最少限とすると、
閉所恐怖症の被検者や小児の被検者に圧迫感や不安感を
与えてしまう可能性がある。被検査者に圧迫感や不安感
を与えてしまうと、被検査者が長時間の検査中に、頻繁
に動いてしまい高精度の検査ができなくなってしまう。
【0011】また、特開平1ー242057号公報記載
のように、外来の電磁波ノイズを検出し、核磁気共鳴信
号を補正するものもある。この特開平1ー242057
号公報によれば、受信用高周波コイルにて電磁波ノイズ
のみを検出し、検出した電磁波ノイズを記憶させてお
く。そして、被検体の検査部位から核磁気共鳴信号を計
測し、計測した信号のデータ処理の過程において、核磁
気共鳴信号から記憶された電磁波ノイズを差し引くよう
に構成されている。この場合、受信用高周波コイルは、
磁石及び傾斜磁場コイル内に配置されているので、外来
の電磁波ノイズを高感度で計測するためには、電磁波ノ
イズの平均加算処理を用いている。しかしながら、外来
電磁波ノイズは位相が一定でない場合があったり、平均
加算処理を行うタイミングと同期計測させることが困難
である。このため、平均加算処理が所期の効果を達成す
ることができなかった。さらに、記憶させた電磁波ノイ
ズを検査にて得られた核磁気共鳴信号から差し引くよう
になっているので、検査中に電磁波ノイズの発生源が変
化したり、ノイズのレベルが変化した場合には、対応で
きず、核磁気共鳴信号からノイズ成分を除去することが
できない。
【0012】近年、血管像等の被検体内の流体物質を鮮
明に画像表示する要望がある。このため、電磁波ノイズ
が混入していない核磁気共鳴信号を得ることが望まれて
いる。本発明の目的は、高周波シールドを施さずとも、
さらに周囲環境の変化により電磁波ノイズのレベルが変
化しても、電磁波ノイズの影響を受けることなく高精度
の検査を実施できる磁気共鳴検査装置を実現することで
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、次のように構成される。静磁場、傾斜磁場
および高周波磁場の各磁場発生手段と、検査対象からの
核磁気共鳴信号を含んだ信号を検出する信号検出手段
と、核磁気共鳴信号に基づいて検査対象の医学的情報を
得るための演算を行う計算機と、この計算機の演算結果
を出力する出力手段と、を有する磁気共鳴検査装置にお
いて、検査対象付近の電磁波ノイズを受信するノイズ受
信手段と、ノイズ受信手段により受信された電磁波ノイ
ズの振幅と位相とを調整する振幅および位相調整手段
と、上記信号検出手段が検出した信号と、振幅位相調整
手段から出力される電磁波ノイズ信号と、の加算または
減算処理を行い、信号検出手段の検出信号から電磁波ノ
イズ成分を除去して、核磁気共鳴信号のみ抽出する加減
算手段と、を備え、加減算手段から出力される核磁気共
鳴信号に対応した信号を上記計算機に供給するように構
成される。好ましくは、上記磁気共鳴検査装置におい
て、上記信号検出手段とノイズ受信手段とに、所定周波
数の電磁波を送信する電磁波送信手段をさらに備える。
【0014】また、静磁場、傾斜磁場および高周波磁場
の各磁場発生手段と、検査対象からの核磁気共鳴信号を
含んだ信号を受信する信号受信手段と、信号受信手段か
ら出力される信号に所定の処理を行う信号処理手段と、
核磁気共鳴信号に基づいて検査対象の医学的情報を得る
ための演算を行う計算機と、この計算機の演算結果を出
力する出力手段と、を有する磁気共鳴検査装置におい
て、検査対象付近の電磁波ノイズを受信するノイズ受信
手段と、上記信号処理手段と同等の機能を有し、ノイズ
受信手段から出力されるノイズ信号に所定の処理を行う
ノイズ信号処理手段と、を備え、上記信号処理手段から
の出力信号と、上記ノイズ信号処理手段からの出力信号
と、の加減算処理を上記計算機にて実行し、電磁波ノイ
ズ成分を除去して、核磁気共鳴信号に対応した成分のみ
抽出するように構成される。
【0015】好ましくは、上記磁気共鳴検査装置におい
て、計算機は、上記信号処理手段からの出力信号とノイ
ズ信号処理手段からの出力信号とを二次元フーリエ変換
するフーリエ変換処理部と、このフーリエ変換処理部か
らの出力データの絶対値を計算する絶対値計算部と、こ
の絶対値計算部からの出力データに基づき、電磁波ノイ
ズ成分を除去して核磁気共鳴信号に対応した成分のみ抽
出する画像間演算処理部と、を備える。また、好ましく
は、上記磁気共鳴検査装置において、上記信号受信手段
とノイズ受信手段とに、所定周波数の電磁波を送信する
電磁波送信手段を備える。また、好ましくは、上記静磁
場発生手段は外装カバーにより、覆われており、ノイズ
受信手段は、上記外装カバーの内部に配置されている。
また、好ましくは、上記検査対象を搭載するための検査
対象用テーブルを備え、ノイズ受信手段は、検査対象用
テーブルの内部に配置されている。また、好ましくは、
上記電磁波ノイズ成分の除去動作を監視し、表示する表
示手段をさらに備える。
【0016】
【作用】核磁気共鳴信号と電磁波ノイズとを含んだ信号
が、信号検出手段により検出される。ノイズ受信手段
は、電磁波ノイズのみを受信する。受信された電磁波ノ
イズは、信号検出手段の検出信号と対応するように、振
幅と位相とが振幅位相調整手段により調整される。加減
算手段により、信号検出手段の検出信号から、振幅位相
調整手段からの電磁波ノイズ信号が加減算され、核磁気
共鳴信号のみが、抽出される。
【0017】また、信号受信手段で受信された信号は、
信号処理手段により所定の信号処理が行われる。そし
て、ノイズ受信手段で受信されたノイズ信号は、ノイズ
信号処理手段により所定の信号処理が行われる。計算機
は、信号処理手段の出力信号とノイズ信号処理手段の出
力信号との加減算処理を行う。これにより、核磁気共鳴
信号に対応した成分のみが抽出される。
【0018】
【実施例】図1は、本発明による磁気共鳴検査装置の一
実施例の概略構成図である。図1において、中心の磁場
強度0.5Tの超電導磁石1内に、X軸,Y軸,Z軸の
互いに直交した3方向に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コ
イル2(図ではX,Y,Zの方向の区別は示していな
い)と、21.13MHzの高周波磁場を発生する送信
用高周波コイル3と、核磁気共鳴信号を検出する受信用
高周波コイル4とが配設されている。被検者5の検査部
位が、超電導磁石1の中心に一致するように、被検査者
5が磁石1内に搬入される。オペレーター(図示せず)
が、操作卓6上のキーを操作すると、計算機7は予め入
力されている処理プログラムにより、制御回路8に指令
信号を供給する。
【0019】制御回路8は、撮影シーケンスに合わせて
X傾斜磁場電源9,Y傾斜磁場電源10,Z傾斜磁場電
源11を起動する。傾斜磁場電源9、10、11の出力
電流は、傾斜磁場コイル2に供給され、所望の傾斜磁場
が発生される。また、制御回路8の他の指令信号は、基
準信号発生器12と変調器13に供給され、被検者5の
検査部位の水素原子核が共鳴する21.13MHzのパ
ルス状の高周波信号が変調器13から発生される。この
高周波信号は、高周波電力増幅器14で1.6kWに増
幅され、送信用高周波コイル3に供給される。これによ
り検査部位を含む必要空間に、高周波磁場が発生し、核
磁気共鳴現象が起きる。
【0020】高周波磁場印加後の核スピンの運動は、受
信用高周波コイル4に高周波電流として誘起され、前置
増幅器15、高周波増幅器16、入力端子25から差動
入力増幅器17を介して、検波器18に供給される。そ
して、検波器18により検波されて可聴周波数帯域に変
換される。可聴周波数帯域に変換された信号は、可聴周
波数増幅器19でピーク値が10V程度になるように増
幅される。検査部位の種類や検査範囲によって変化する
が、前置増幅器15と、高周波増幅器16と、可聴周波
数増幅器17との合計の増幅度は80〜120dBであ
る。
【0021】約10Vに増幅された信号は、A/D変換
器20に供給され、このA/D変換器20でデジタル信
号に変換される。そして、A/D変換器20からのデジ
タル信号は、計算機7に供給され、この計算機7のデー
タメモリ内に蓄えられる。一連のデーターが計測される
と、計算機7は、データメモリ内の信号を演算処理し
て、検査部位の断層像やスペクトル分布図を表示器21
に表示させる。一方、超電導磁石1の端面には、受信用
高周波コイル4と同じ周波数特性を有するアンテナ22
が配設されており、その検出信号は高周波増幅器23と
位相変移器24とを介して差動入力増幅器17の入力端
子26に供給される。
【0022】上述した磁気共鳴検査装置の動作を説明す
る前に、本発明の原理の概略を説明する。図2は、本発
明の原理の概略説明図である。図2において、被検体3
5からの核磁気共鳴信号は、高周波コイル36のみに誘
起して高周波信号Aとして検知される。一方、外来雑音
源(図2では雑音源37と送信アンテナ38とで示して
ある)からの電磁波ノイズは、高周波コイル36とアン
テナ素子39との双方に誘起される。高周波コイル36
に誘起された電磁波ノイズBとアンテナ素子39に誘起
された電磁波ノイズCとは、高周波コイル36とアンテ
ナ素子39との検出効率と回路構成の違いにより電圧と
位相とが異なる。高周波信号AとノイズBとの合成信号
を増幅度Gの高周波増幅器40で増幅すると、合成信号
の電圧はG(A+B)となる。一方、ノイズCは、増幅
度Hの高周波増幅器41と位相変移器24とを通過する
と、HC・sinθで表されるノイズ信号となる。
【0023】二つの高周波増幅器40、41はそれぞれ
増幅度を任意に変化できるように構成されている。これ
により、HC=GBとなるように高周波増幅器40、4
1の増幅度が調整される。位相変移器24も任意にシフ
ト量を変化出来るので、θ=90゜に調整すると、HC
・sinθ=GBの関係が成り立つ。次に、合成信号G
(A+B)とノイズ信号HC・sinθとを差動入力増
幅器17に供給すると、その出力電圧はGAのみとな
る。つまり、雑音源37からの電磁波ノイズが核磁気共
鳴信号に混入しても、電磁波ノイズを除去して、ノイズ
混入の無い核磁気共鳴信号を取り出すことができる。
【0024】次に、図1に示した一実施例の動作を説明
する。 (1)まず、オペレータは、被検者5を超電導磁石1の
中心に搬入後、操作卓6により検査前処理を選択する。 (2)この前処理は、傾斜磁場と高周波磁場を印加しな
いで信号を計測する。受信用高周波コイル4には、核磁
気共鳴信号が誘起されず、受信用高周波コイル4の近傍
の21MHz帯域の電磁波が誘起される。この電磁波の
強度に応じた電気信号が、高周波コイル4から前置増幅
器15、高周波増幅器16を介して差動入力増幅器17
の入力端子25に入力される。 (3)アンテナ22は、超電導磁石1の端面に配設され
ているので、受信用高周波コイル4との距離は1m以内
となっている。この距離は、21MHzの電磁波の1波
長以内である。このことから、受信用高周波コイル4と
アンテナ22とは、同じ電磁波を受信する。異なる点
は、受信効率の違いと、信号の位相である。アンテナ2
2の信号は、高周波増幅器23と位相変移器24とを経
て差動入力増幅器17の入力端子26に供給される。
【0025】(4)差動入力増幅器17からは、二つの
信号の差の成分を表す信号が出力される。この出力信号
は、検波器18で検波された後、可聴増幅器19で増幅
され、A/D変換器20でデジィタル信号となって、計
算機7に供給される。 (5)計算機7は、供給された信号の振幅強度が、最少
になるように高周波増幅器23の増幅度と位相変移器2
4の位相量とを制御回路8を介して制御する。修練動作
(( 2) から( 5) までの動作)を実行することで、差
動入力増幅器17の入力端子25と入力端子26とにお
ける信号は、振幅が同じで、位相が180゜異なること
になる。 (6)次に、オペレーターは、必要な検査モードを操作
卓6のキー操作により選択することで検査が開始され
る。このとき、核磁気共鳴信号の検出レベルに応じて高
周波増幅器16の増幅度が変化するが、同じ変化量にな
るように高周波増幅器23の増幅度を変化させる。つま
り、検査モードに応じて、高周波増幅器16および23
の増幅度が変化し、電磁波ノイズが除去される。
【0026】以上のように、本発明の一実施例によれ
ば、受信用高周波コイル4に混入した電磁波ノイズと同
等の電磁波ノイズを受信するアンテナ22を設置し、こ
のアンテナ22で受信した電磁波ノイズに基づいて、受
信用高周波コイル4からの信号から電磁波ノイズを除去
する構成となっている。したがって、高周波シールドを
施さずとも、さらに周囲環境の変化により電磁波ノイズ
のレベルが変化しても、電磁波ノイズの影響を受けるこ
となく高精度の検査を実施できる磁気共鳴検査装置を実
現できる。また、検査モードに応じて、受信用高周波コ
イル4に接続される回路のパラメータと、アンテナ22
に接続される回路のパラメータとを変化する構成とした
ので、検査モードの変更にかかわらず、高精度の検査を
実施することができる。さらに、被検者5を受信用高周
波コイル4内に配置してから調整を行うので、被検者の
個体差にかかわらず、高精度の検査を実施することがで
きる。
【0027】図3は、本発明による磁気共鳴検査装置の
他の実施例の概略構成図であり、図1の例と同等な部分
には、同一の符号を付してある。図3において、高周波
磁場印加後の核スピンの運動は、受信用高周波コイル4
に高周波電流として誘起され、前置増幅器15、高周波
増幅器16を介して、検波器18に供給される。そし
て、検波器18により検波されて可聴周波数帯域に変換
される。可聴周波数帯域に変換された信号は、可聴周波
数増幅器19でピーク値が10V程度になるように増幅
される。検査部位の種類や検査範囲によって変化する
が、前置増幅器15と、高周波増幅器16と、可聴周波
数増幅器19との合計の増幅度は80〜120dBであ
る。
【0028】約10Vに増幅された信号は、A/D変換
器20に供給され、このA/D変換器20でデジタル信
号に変換される。そして、A/D変換器20からのデジ
タル信号は、計算機7に供給され、この計算機7の一方
のデータメモリ42(図4に示す)に蓄えられる。
【0029】一方、超電導磁石1の端面には、受信用高
周波コイル4と同じ周波数特性を有するアンテナ22が
配設されおり、その検出信号は、前置増幅器15A、高
周波増幅器16Aを介して、検波器18Aに供給され
る。そして、検波器18Aにより検波されて可聴周波数
帯域に変換される。可聴周波数帯域に変換された信号
は、可聴周波数増幅器19Aに供給され、増幅される。
増幅された信号はA/D変換器20Aでデジタル信号に
変換され、計算機7の他方のデータメモリ43(図4に
示す)に蓄えられる。
【0030】図4は、計算機7のデータ処理部のブロッ
ク図であり、A/D変換器20および20Aからのデジ
タル信号は、このデータ処理部により、処理される。次
に、図3および図4を参照して、本発明の他の実施例の
動作を説明する。
【0031】(1)オペレータは、被検者5を、検査部
位が超電導磁石1の中心となるように搬入し、操作卓6
のキー操作により検査を開始する。 (2)計算機7は、プログラムに従って、制御回路8を
介して傾斜磁場電源9〜11と、基準信号発生器12
と、変調器13とを動作させる。受信用高周波コイル4
で検出された核磁気共鳴信号は、前置増幅器15、高周
波増幅器16、検波器18、可聴周波数増幅器19、A
/D変換器20を介して計算機7のデータメモリ42に
供給される。 (3)核磁気共鳴信号の検出と同時期に、アンテナ22
で検出された信号は、核磁気共鳴信号と同様に前置増幅
器15A、高周波増幅器16A、検波器18A、可聴周
波数増幅器19A、A/D変換器20Aを介して計算機
7のデータメモリ43供給される。
【0032】(4)データメモリ42に記憶されたデー
タは、イメージプロセッサ44内のデータ補正部45に
より、オフセット量等のデータ補正が施される。そし
て,データ補正が施されたデータは、二次元フーリエ変
換処理部46により、フーリエ変換が行われた後に、絶
対値計算部47により、絶対値が計算される。 (5)データメモリ43に記憶されたのデータは、イメ
ージプロセッサ44内のデータ補正部45Aにより、オ
フセット量等のデータ補正が施される。そして、データ
補正が施されたデータは、二次元フーリエ変換処理部4
6Aにより、フーリエ変換が行われた後に、絶対値計算
部47Aにより、絶対値が計算される。
【0033】(6)絶対値計算部47および47Aから
の、それぞれの二次元データは、画像間演算処理部48
により、演算処理が行われ、画像データメモリ49に一
時保存される。画像間演算処理部48は、被検者5の検
査部位の核磁気共鳴信号によるデータのみが抽出される
ように、二つの二次元データの重み付け処理も実行する
ものである。 (7)最終画像は、長期間保存管理する画像データディ
スクメモリ50に供給されるとともに表示メモリ51に
供給される。そして、表示メモリ51に供給された画像
は、表示器21より表示される。
【0034】以上のように、本発明の他の実施例によれ
ば、図1に示した例と同様な効果を得ることができる。
さらに、本発明の他の実施例によれば、受信用高周波コ
イル4に接続される回路系とアンテナ22に接続される
回路系とが、同等な構成となっている。したがって、こ
れら回路系と回路系との調整作業を検査実施前に行う必
要がなく、被検者5の搬入後に、速やかに検査に移行で
きる。
【0035】図5は、本発明による磁気共鳴検査装置の
さらに他の実施例の要部概略構成図であり、図1の例と
同等な部分には、同一の符号を付してある。ただし、一
点鎖線で示した構成53は、図1の例全体を表すもので
ある。図5において、超電導磁石1より15m程度(こ
れは21MHzの1波長より長い距離)の距離に別の送
信アンテナ38が配設されている。送信アンテナ38に
は高周波送信器52が接続されており、任意の周波数の
電磁波を1mWの強度で空中に放射するように構成され
ている。
【0036】次に、図5の例の動作を説明する。 (1)まず、検査に先立ち、高周波送信器52より2
1.14MHzの高周波電力を送信アンテナ38に供給
する。 (2)オペレーターは、被検者5を超電導磁石1の中心
に搬入後、操作卓6により検査前処理を選択する。
【0037】(3)この検査前処理においては、傾斜磁
場と高周波磁場は印加されない。したがって、受信用高
周波コイル4には核磁気共鳴信号は誘起されず、受信用
高周波コイル4の近傍の21.14MHz帯域の電磁波
が誘起される。この電磁波の強度に応じた信号が前置増
幅器15、高周波増幅器16を介して差動入力増幅器1
7の入力端子25に供給される。 (4)アンテナ22は、超電導磁石1の端面に配設さ
れ、受信用高周波コイル4との距離は1m以内である。
この距離は、21MHzの電磁波の1波長以内である。
このことから、受信用高周波コイル4とアンテナ22は
同じ21.14MHzの電磁波を受信する。異なる点は
受信効率の違いと、信号の位相である。アンテナ22で
受信された信号は、高周波増幅器23、位相変移器24
を介して差動入力増幅器17の入力端子26に供給され
る。 (5)差動入力増幅器17の出力信号は、検波器18で
検波された後、可聴増幅器19で増幅され、A/D変換
器20に供給される。このA/D変換器20でデジタル
信号となり、計算機7に供給される。 (6)計算機7は、供給された信号の振幅強度が最少に
なるように、高周波増幅器23の増幅度と位相変移器2
4の位相量とを制御回路08を介して制御する。修練動
作((3)から(6)までの動作)を実行することで、
差動入力増幅器17の入力端子25と入力端子26の信
号は、振幅が同じで、位相が180゜異なることにな
る。
【0038】(7)次に、オペレータは、必要な検査モ
ードを操作卓6のキー操作により選択することで検査が
開始される。このとき、核磁気共鳴信号の検出レベルに
応じて高周波増幅器16の増幅度が変化するが、同じ変
化量になるように高周波増幅器23の増幅度を変化させ
る。このように構成することで、常に21.14MHz
の電磁波の信号レベルは、計算機7の入力端で最少値に
維持される。
【0039】以上のように、図5に示した例によれば、
超電導磁石1から約15m離れた送信アンテナ38から
21.14MHzの電磁波を送信し、この電磁波に基づ
いて、高周波増幅器16、23、位相変移器24の調整
を行うように構成した。したがって、図1の例と同様な
効果が得られる他に、周囲環境の電磁界強度が変化する
場所や、微弱な場所であっても、高周波増幅器16、2
3、位相変移器24の調整を確実に行うことができる。
【0040】図6は、本発明による磁気共鳴検査装置の
さらに他の実施例の要部概略構成図であり、図3の例と
同等な部分には、同一の符号を付してある。ただし、一
点鎖線で示した構成54は、図3の例全体を表すもので
ある。図6において、超電導磁石1より15m程度(こ
れは21MHzの1波長より長い距離)の距離に別の送
信アンテナ38が配設されている。送信アンテナ38に
は高周波送信器52が接続されており、任意の周波数の
電磁波を1mWの強度で空中に放射するように構成され
ている。
【0041】次に、図6の例の動作を説明する。 (1)まず、検査に先立ち、高周波送信器52より2
1.14MHzの高周波電力を送信アンテナ38に供給
する。 (2)オペレーターは、被検者5の検査部位が超電導磁
石1の中心となるように搬入後、操作卓6のキー操作に
より検査を開始する。 (3)計算機7は、プログラムに従って、制御回路8を
介して傾斜磁場電源9〜11と、基準信号発生器12
と、変調器13とを動作させる。受信用高周波コイル4
で検出された核磁気共鳴信号は、前置増幅器15、高周
波増幅器16、検波器18、可聴周波数増幅器19、A
/D変換器20を介して計算機7のデータメモリ42に
供給される。
【0042】(4)核磁気共鳴信号の検出と同時期に、
アンテナ22で検出された信号は、前置増幅器15A、
高周波増幅器16A、検波器18A、可聴周波数増幅器
19A、A/D変換器20Aを介して計算機7のデータ
メモリ43に供給される。 (5)データメモリ42内に記憶されたデータは、イメ
ージプロセッサ44内で、データ補正、二次元フーリエ
変換処理、絶対値計算が行われる。 (6)データメモリ43内に記憶されたデータは、イメ
ージプロセッサ44内で、データ補正、二次元フーリエ
変換処理、絶対値計算が行われる。
【0043】(7)二次元データは、画像間演算処理が
行われ、画像データメモリ49に一時保存される。この
画像間演算処理は、被検者5の検査部位からの核磁気共
鳴信号によるデータのみが抽出されるように、二つの二
次元データの重み付け処理も実行するものである。 (8)最終画像は、長期間保存管理する画像データディ
スクメモリ50に供給されるとともに、表示メモリ51
に供給され、表示器21より表示される。
【0044】以上のように、図6に示した例によれば、
超電導磁石1から約15m離れた送信アンテナ38から
21.14MHzの電磁波を送信し、この電磁波を利用
して、電磁波ノイズを除去するように構成した。したが
って、図3の例と同様な効果が得られる他に、外部の電
磁波の中に基準信号が含まれているので、二次元データ
と基準信号の関係より、画像データ内の基準信号強度を
判別して自動的に上記(7)に示した重み付け処理が可
能となる。
【0045】図7は、図1、図3、図5、図6の例にお
ける、アンテナ22の設置例である。図7において、5
5は超電導磁石1の外装ケースの全面カバーであり、ア
ンテナ22はこの全面カバー55内に埋め込まれてい
る。全面カバー55は、FRP(繊維強化プラスチック
( Fiber Reinforced Plastic
s ) )で作られており、21MHzの電磁波に対して
は遮蔽効果は無い。このため、アンテナ22を全面カバ
ー55内に埋め込んでもアンテナ22の本来の機能特性
には影響しない。このようにアンテナ22を全面カバー
55内に埋め込むことにより、アンテナ22を受信用高
周波コイル4に接近させることができるので、高周波コ
イル4で検出される電磁波ノイズと、アンテナ22で検
出される電磁波ノイズとの相関がより強くなる。この結
果、より高精度の補正を行うことができる。さらに、ア
ンテナ22を核磁気共鳴検査装置とは別個に配置する場
合に比較して、アンテナ22を設置するための新たなス
ペースを確保する必要がなく、また、外観上も好ましい
ものとなる。なお、図7の例において、56は患者テー
ブルであり、この患者テーブル56内にアンテナ22を
組み込むように構成してもよい。
【0046】図8は、この発明のさらに他の実施例の概
略構成図であり、図1の例と同等な部分には、同一の符
号を付してある。図8の例においては、図1の例にコン
パレータ57と表示器58が追加されており、その他の
構成は同様となっている。そして、制御回路8から高周
波増幅器23及び位相変移器24に供給される制御信号
が、コンパレータ57にも供給される。コンパレータ5
7において、供給された2つの制御信号の電圧レベルが
比較され、電磁波ノイズの検出及び補正が正常に実行さ
れているか否かが判定される。上記検出及び補正が正常
に実行されていれば、コンパレータ57は表示器58を
駆動し、正常動作中を示す表示を行う。このように構成
することにより、核磁気共鳴検査装置を操作するオペレ
ータは、電磁波ノイズの検出及び補正が正常に実行され
ているか否かを常に把握することができる。したがっ
て、もし、ノイズ除去動作が不良であった場合には、そ
れを把握して、再検査等の処理を行うことができる。な
お、電磁波ノイズの検出及び補正動作が実行中であるこ
とを表示する表示手段は、図1の例のみならず、図3、
図5、図6の例に追加することもできる。
【0047】また、図8の例においては、制御回路8か
ら高周波増幅器23及び位相変移器24に供給される制
御信号を用いて、電磁波ノイズの検出及び補正動作が実
行中であることを表示したが、計算器7の処理過程を表
示器に表示させ、上記検出及び補正動作が実行中である
か否かを判断するように構成してもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、以下のような効果がある。磁場発生手段
と、核磁気共鳴信号を含んだ信号を検出する信号検出手
段と、核磁気共鳴信号に基づいて演算を行う計算機と、
計算機の演算結果を出力する出力手段と、を有する磁気
共鳴検査装置において、検査対象付近の電磁波ノイズを
受信するノイズ受信手段と、受信された電磁波ノイズの
振幅と位相とを調整する振幅および位相調整手段と、核
磁気共鳴信号検出手段が検出した信号と振幅位相調整手
段の出力電磁波ノイズ信号との加算又は減算処理を行
い、電磁波ノイズ成分を除去して、核磁気共鳴信号のみ
抽出する加減算手段と、を備え、加減算手段から出力さ
れる核磁気共鳴信号に対応した信号を計算機に供給する
ように構成される。したがって、高周波シールドを施さ
ずとも、さらに周囲環境の変化により電磁波ノイズのレ
ベルが変化しても、電磁波ノイズの影響を受けることな
く高精度の検査を実施できる磁気共鳴検査装置を実現で
きる。
【0049】また、上記磁気共鳴検査装置において、上
記信号検出手段とノイズ受信手段とに、所定周波数の電
磁波を送信する電磁波送信手段をさらに備える構成とす
れば、周囲環境の電磁界強度が変化しやすい場所や微弱
な場所であっても、振幅及び位相調整手段の調整を確実
に行うことができる。
【0050】また、磁場発生手段と、核磁気共鳴信号を
受信する信号受信手段と、信号受信手段からの出力信号
に所定の処理を行う信号処理手段と、核磁気共鳴信号に
基づいて演算を行う計算機と、この計算機の演算結果を
出力する出力手段と、を有する磁気共鳴検査装置におい
て、検査対象付近の電磁波ノイズを受信するノイズ受信
手段と、信号処理手段と同等の機能を有し、ノイズ受信
手段からの出力ノイズ信号に所定の処理を行うノイズ信
号処理手段と、を備え、信号処理手段からの出力信号
と、ノイズ信号処理手段からの出力信号と、の加減算処
理を計算機にて実行し、電磁波ノイズ成分を除去して、
核磁気共鳴信号に対応した成分のみ抽出するように構成
される。したがって、高周波シールドを施さずとも、さ
らに周囲環境の変化により電磁波ノイズのレベルが変化
しても、電磁波ノイズの影響を受けることなく高精度の
検査を実施できる。さらに、信号処理手段とノイズ信号
処理手段とが同等な構成となっているので、これら信号
処理手段とノイズ信号処理手段との調整作業を検査実施
前に行う必要がなく、被検体の搬入後に、速やかに検査
に移行できる。
【0051】また、上記磁気共鳴検査装置において、ノ
イズ受信手段は、磁場発生手段の外装カバーの内部に配
置し、信号受信手段により接近した位置となるように構
成すれば、信号受信手段とノイズ受信手段とが検出する
電磁波ノイズの相関が大となり、電磁波ノイズの除去処
理精度が向上される。また、上記磁気共鳴検査装置にお
いて、電磁波ノイズ成分の除去動作を監視し、表示する
表示手段をさらに備えれば、オペレータは除去動作を常
時監視できるので、もし、ノイズ除去動作が不良であっ
た場合には、それを把握して、再検査等の処理を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気共鳴検査装置の一実施例の概
略構成図である。
【図2】本発明の原理を説明する図である。
【図3】本発明による磁気共鳴検査装置の他の実施例の
概略構成図である。
【図4】計算機内におけるデータ処理部のブロック図で
ある。
【図5】本発明による磁気共鳴検査装置のさらに他の実
施例の要部概略構成図である。
【図6】本発明による磁気共鳴検査装置のさらに他の実
施例の要部概略構成図である。
【図7】アンテナ22の設置例を示す磁気共鳴装置の概
略斜視図である。
【図8】本発明による磁気共鳴検査装置のさらに他の実
施例の要部概略構成図である。
【図9】従来の磁気共鳴検査装置の概略構成図である。
【図10】スピンエコー法のパルスシーケンス図であ
る。
【符号の説明】
1 超電導磁石 2 傾斜磁場コイル 3 送信用高周波コイル 4 受信用高周波コイル 5 被検者 7 計算機 9、10、11 傾斜磁場電源 15 前置増幅器 16、23 高周波増幅器 17 差動入力増幅器 18 検波器 19 可聴周波数増幅器 20 A/D変換器 21、58 表示器 22 アンテナ 24 位相変移器 38 送信アンテナ 44 イメージプロセッサ 45 データ補正手段 46 二次元フーリエ変換処理部 47 絶対値計算部 48 画像間演算処理部 52 高周波送信器 55 全面カバー 56 患者テーブル 57 コンパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9118−2J G01N 24/02 N 8203−2G G01R 33/22 T

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静磁場、傾斜磁場および高周波磁場の各
    磁場発生手段と、検査対象からの核磁気共鳴信号を含ん
    だ信号を検出する信号検出手段と、核磁気共鳴信号に基
    づいて検査対象の医学的情報を得るための演算を行う計
    算機と、この計算機の演算結果を出力する出力手段と、
    を有する磁気共鳴検査装置において、 検査対象付近の電磁波ノイズを受信するノイズ受信手段
    と、 ノイズ受信手段により受信された電磁波ノイズの振幅と
    位相とを調整する振幅および位相調整手段と、 上記信号検出手段が検出した信号と、振幅位相調整手段
    から出力される電磁波ノイズ信号と、の加算または減算
    処理を行い、信号検出手段の検出信号から電磁波ノイズ
    成分を除去して、核磁気共鳴信号のみ抽出する加減算手
    段と、 を備え、加減算手段から出力される核磁気共鳴信号に対
    応した信号を上記計算機に供給するように構成したこと
    を特徴とする磁気共鳴検査装置。
  2. 【請求項2】 静磁場、傾斜磁場および高周波磁場の各
    磁場発生手段と、検査対象からの核磁気共鳴信号を含ん
    だ信号を受信する信号受信手段と、信号受信手段から出
    力される信号に所定の処理を行う信号処理手段と、核磁
    気共鳴信号に基づいて検査対象の医学的情報を得るため
    の演算を行う計算機と、この計算機の演算結果を出力す
    る出力手段と、を有する磁気共鳴検査装置において、 検査対象付近の電磁波ノイズを受信するノイズ受信手段
    と、 上記信号処理手段と同等の機能を有し、ノイズ受信手段
    から出力されるノイズ信号に所定の処理を行うノイズ信
    号処理手段と、 を備え、上記信号処理手段からの出力信号と、ノイズ信
    号処理手段からの出力信号と、の加減算処理を上記計算
    機にて実行し、電磁波ノイズ成分を除去して、核磁気共
    鳴信号に対応した成分のみ抽出するように構成したこと
    を特徴とする核磁気共鳴検査装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の磁気共鳴検査装置におい
    て、上記信号検出手段とノイズ受信手段とに、所定周波
    数の電磁波を送信する電磁波送信手段を備えることを特
    徴とする磁気共鳴検査装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の磁気共鳴検査装置におい
    て、上記計算機は、上記信号処理手段からの出力信号と
    ノイズ信号処理手段からの出力信号とを二次元フーリエ
    変換するフーリエ変換処理部と、このフーリエ変換処理
    部からの出力データの絶対値を計算する絶対値計算部
    と、この絶対値計算部からの出力データに基づき、電磁
    波ノイズ成分を除去して核磁気共鳴信号に対応した成分
    のみ抽出する画像間演算処理部と、を備えることを特徴
    とする磁気共鳴検査装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の磁気共鳴検査装置におい
    て、上記信号受信手段とノイズ受信手段とに、所定周波
    数の電磁波を送信する電磁波送信手段を備えることを特
    徴とする磁気共鳴検査装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のうちのいずれか
    1項記載の磁気共鳴検査装置において、上記静磁場発生
    手段は外装カバーにより、覆われており、上記ノイズ受
    信手段は、上記外装カバーの内部に配置されていること
    を特徴とする磁気共鳴検査装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項5のうちのいずれか
    1項記載の磁気共鳴検査装置において、上記検査対象を
    搭載するための検査対象用テーブルを備え、上記ノイズ
    受信手段は、上記検査対象用テーブルの内部に配置され
    ていることを特徴とする磁気共鳴検査装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7のうちのいずれか
    1項記載の磁気共鳴検査装置において、上記電磁波ノイ
    ズ成分の除去動作を監視し、表示する表示手段をさらに
    備えることを特徴とする磁気共鳴検査装置。
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