JP2002017706A - 磁場変動の高精度測定機能を有する磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
磁場変動の高精度測定機能を有する磁気共鳴イメージング装置Info
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Abstract
いて、ヘリウム冷凍機による機械的振動による磁場変動
を排除して、均一で時間的に安定な磁場を有するMRI装
置を提供する。 【解決手段】 静磁場発生磁石(2)の磁場強度特性をNMR
プローブ(26)、高周波トランスミッター(6)と受信機(8)
を用いて測定する。測定データを計算機(10)で位相解析
して、その位相変位量より磁場振動成分を求める。磁場
振動成分が所望の値に以下になるようにヘリウム冷凍機
(17)やその固定ネジ(20)を調整する。
Description
グ(以下、MRIと称する)装置に係わり、特にその検査空
間の磁場特性を高精度で計測する機能を備えたMRI装置
に関する。
断層画像を得るMRI検査法は広く医療機関で利用されて
いる。このMRI検査法は正確に被検体の検査部位の内部
構造を反映する必要から、検査部位を配置する空間に均
一な磁場強度を発生する磁石を必要としている。このた
めMRI装置の多くは、細長い筒状のソレノイドコイルを
用いていたが、近年、被検者に対する圧迫感を取り除
き、また検査中の治療(MRインターベンショナル手
技)を可能にするものとして、磁石の前面を開放したオ
ープン型のMRI装置が普及している。
久磁石や常電導コイルを用いたものが開発されてきた
が、MRインターベンショナル手技におけるリアルタイ
ムの高速撮影を実現するために、超電導コイルを組込ん
だ磁気回路の開発が進められている(特開平10-179546
号公報、特開平11-155831号公報や特開平11-197132号公
報など)。
は、永久磁石や常電導コイルを用いた開放型磁気回路の
数倍の磁場強度である約1.0テスラの磁場強度を達成す
ることが可能となったが、超電導コイルを配置したクラ
イオの機械的振動がその発生磁場強度の安定性に影響を
与えるという、従来のソレノイド状超電導磁石にはなか
った問題が発生した。即ち、開放型磁気回路では、二つ
に分割したクライオにそれぞれ超電導コイルを収納し、
上下に配置しているが、これらクライオの内部構造や取
付け構造の違いとクライオに取付けられた付属機器の違
いにより、上下クライオの振動に差異を生じ、この振動
の差異に起因して磁場特性が変化する。クライオの振動
源としては、磁石を設置した建屋からの振動とへリウム
冷凍機など装置自身に組込まれた機器、例えばへリウム
冷凍機が発生する振動の二通りがある。
(磁場変化の割合)は、ppm(10の−6乗)オーダの微少な
変化ではあるが、検波された低周波領域に変換された信
号には%オーダの割合となり、画像のS/N低下や画像の
ボケの原因となる。特に、振動が規則正しい振動の場合
には、NMR信号が信号振動周波数fで変調されることにな
り、これを画像やスペクトルに変換処理すると、本来の
画像とは別にf、2f、3f………のシフトした位置に擬像
が現出したり、本来のスペクトルの両脇にf、2f、3f…
……側帯波として擬似ピークが出現する。
止する方法としては、ヘリウム冷凍機の振動がクライオ
内に伝わらないように機械的なたわみ構造材(ベローズ)
を挿入することが提案されている(米国特許公報5,363,
077号)。また装置の出荷時や保守点検時にはへリウム
冷凍機とクライオとの連結部分を調整して振動をなくす
ようにしている。
にクライオの振動に起因する磁場変動はppmオーダー以
下の微少な変化であるため、従来のMRI装置では、この
ような変動を検査に先立って高精度に磁場変動を検出す
ることができなかった。例えば、MRI装置における磁場
を測定するものとしてテスラメータが知られており、そ
の分解能は0.1ppm程度であるが、ベローズ等によって調
整された後の磁場変化量は、0.03ppm程度の微弱な値と
なるため、テスラメータでは測定不能である。また一般
に磁場変化量を検出するものとしてホール素子やコイル
素子があるが、このような素子で上述のような微弱な磁
場変化量を測定しようとしても、磁場変化に応じてセン
サーに誘起される電圧(数μボルト)より、センサー内の
熱散乱電荷による熱雑音(数十μボルト)が大きいため、
検出することができない。そこで、検査結果の画像やス
ペクトルを観ながらへリウム冷凍機の固定ネジを増し締
めするなど対症療法的に対応しているのが現状である。
で、高精度で磁場の振動成分を測定することができ、こ
れにより振動による磁場変化を的確に対策できるように
したMRI装置を提供すること、またオープンMRI装置の振
動による磁場変化を防止して、得られる検査結果の信頼
性を向上することができるMRI装置を提供することを目
的とする。
みならず、定期的な保守・点検作業時にも、経時変化を
含めた振動による磁場変化を高精度且つ容易に測定で
き、それによって経時変化にも的確に対策できるMRI装
置を提供するものである。
明のMRI装置は、被検体が置かれる検査空間を一定の磁
場強度に維持する磁場発生手段と、前記磁場強度に勾配
を与える傾斜磁場発生手段と、前記検査空間に置かれた
被検体に高周波磁場を与える手段と、前記被検体から発
生する核磁気共鳴信号を処理し、その結果を表示する手
段とを備えたMRI装置において、前記検査空間の任意の
場所に設置された試料に、検査に用いる高周波磁場と同
じ周波数の高周波磁場を与える手段と、前記試料から発
生する核磁気共鳴信号を検出し、核磁気共鳴信号の位相
変動を求める手段と、前記位相変動から前記任意の場所
の磁場変動を求める手段とを備える。
おいて、試料に高周波磁場を与える手段が、試料を検査
空間内で移動する手段と、試料の周囲に配置されたプロ
ーブと、プローブを前記被検体に高周波磁場を与える手
段に接続する手段とを備えたことを特徴とする。
方法は、被検体の検査に用いる高周波磁場と同じ周波数
の高周波磁場によって核磁気共鳴信号を発生する試料を
検査空間の所望の位置に配置し、前記試料に前記周波数
の高周波磁場を照射し、これによって前記試料から発生
する核磁気共鳴信号を検出するステップを繰り返し、前
記繰り返しによって得られた核磁気共鳴信号の時系列デ
ータから、前記核磁気共鳴信号の位相変動を求め、前記
位相変動を、前記試料の配置された位置における磁場変
動として表示する。
度(Ho)とNMR信号を検波する参照信号(ω')の関連が、MR
I装置を調整する時の静磁場強度(Ho)とNMR信号を検波す
る参照信号(ω')の関連と一致させることができる。こ
れによって微少な静磁場強度変化を位相変化として正確
に検出することができる。この測定データを用いて或い
は表示された計測結果を見ながら、磁石やへリウム冷凍
機の調整の精度を上げ、磁場変動をほぼゼロにすること
ができる。また初期調整時のデータを利用して、実際の
検査結果を補正し、擬像をなくし、信頼性の高い検査結
果を得ることができる。
みならず定期的、例えば、ヘリウム冷凍機の点検時に行
うことにより、常に信頼性の高いMRI装置とすることが
できる。
いて図面を参照して説明する。図1は本発明を適用した
オープンMRI装置の全体構成図である。このオープンMRI
装置は被検体1が置かれる空間を挟むように配置された
静磁場発生磁石2と、この静磁場発生磁石2の内側に配置
された傾斜磁場コイル3と、さらにその内側に高周波磁
界を発生する高周波コイル5と、被検体1から発生するNM
R信号を検出する検出コイル7とを備えている。
の形状を阻害しないように上下一対の板状構造をしてい
る。さらに各コイルの動作タイミングを制御するシーケ
ンサ9と装置の制御を行うとともにNMR信号を処置し画像
やスペクトルに変換する計算機10を備えている。
超電導コイルを収めた上部クライオ13と下部クライオ14
と、上部クライオ13と下部クライオ14を連結するクライ
オ連結管15から構成されている。その磁束の方向は矢印
16に示すように床から天井に向っており、被検体1の配
置される球空間で例えば5ppm以下の均一度の磁場特性を
有している。このような磁場均一度は、上部クライオ13
と下部クライオ14の表面に複数の磁性体小片(図では記
載されていない)を貼り付けるパッシブシミング方式に
よって実現される。
ムの蒸発量を低減するため、上部クライオ13にはへリウ
ム冷凍機17が組込まれ、ヘリウムガスを供給する圧縮機
18と高圧パイプ19で接続されている。
定方法によってその磁場強度の変動が測定され、高度の
磁場強度安定性を維持するように調整が行われている。
この調整にはへリウム冷凍機17内のたわみ構造(図では
記載されていない)のばね定数の調整とへリウム冷凍機1
7の固定ネジ20の締め付け位置の調整や締め付けトルク
の調整が行われている。
y、zの3軸方向に磁束密度を変化させるように巻かれた3
組のコイルからなり、それぞれ傾斜磁場電源4に接続さ
れ、傾斜磁場発生手段を構成する。後述のシーケンサ9
からの制御信号に従って傾斜磁場電源4を駆動して傾斜
磁場コイル3に流れる電流値を変化させることにより3軸
からなる傾斜磁場Gx、Gy、Gzを被検体1に印加するよう
になっている。この傾斜磁場は、被検体1の検査部位か
ら得られるNMR信号の空間的な分布を把握するのに用い
られる。
の高周波電力トランスミッター6に接続され、被検体1の
検査部位の原子核(通常、水素原子核が用いられている)
を共鳴励起するための高周波磁場を発生する。
に示すように、クリスタル発振器を内蔵した基準信号発
生器23と高周波アンプ24を備え、基準信号発生器23は周
波数の変位率が10の-10乗以下の高安定な高周波信号を
発生する。この高周波信号は高周波アンプ24でシーケン
サ9の制御信号によりパルス変調とその出力レベルが調
整される。
NMR信号を検出する手段を構成する。受信器8は、図2に
示すようにNMR信号を増幅する高周波電圧増幅器28と、N
MR信号を基準信号発生器23の発生する参照信号で位相検
波する位相検波器29と、検波後の低周波領域に変換され
たNMR信号をデジタル信号に変換するA/D変換器30とを備
え、検出コイル7で検出したNMR信号を増幅・検波すると
ともに、計算機10による処理が可能なディジタル信号に
変換する。位相検波器29には高周波トランスミッター6
より検波のための参照信号が印加されている。この受信
器8もシーケンサ9でその動作タイミングが制御されてい
る。
号を用いて画像再構成やスペクトル計算等の演算を行う
とともに、シーケンサ9を介してMRI装置の各ユニットの
動作を定められたタイミングで制御する。計算機10とデ
ータを記憶する記憶装置11と処理後のデータを表示する
ディスプレイ装置12とで演算処理系が構成されている。
のNMR信号のみならず、磁場変動測定のために検査空間
に置かれる試料からのNMR信号を処理する機能を有す
る。このような機能は計算機10にプロブラムとして予め
組み込まれており、計算機10の入力手段を通して実行さ
せることができる。NMR信号の処理については後に詳述
するが、概略を説明すると、まず異なる時間に検出され
た複数のNMR信号についてそれぞれ位相を求める計算を
行い、位相の時間変動を求め、結果をディスプレイ装置
12に表示させる。
生する磁場の特性を測定するための機構として、図2に
示すように、被検体1と同じ周波数(以下、検査周波数
という)の高周波磁場によって核磁気共鳴する(励起さ
れる)試料を内蔵し、この試料に高周波電力トランスミ
ッター6からの高周波磁場を印加するとともに試料が発
生するNMR信号を検出するNMRプローブ26と、このNMRプ
ローブ26を検査空間内の任意の位置に移動するためのXY
Zテーブル27と、NMRプローブ26を高周波電力トランスミ
ッター6及び受信器8に接続する方向性結合器25を備えて
いる。方向性結合器25は、ダイオードの組み合わせから
成る当業者に周知のものであり、高周波電力トランスミ
ッター6からの高周波電力を受信器8に対してはつなげる
ことなくNMRプローブ26に供給し、NMRプローブ26からの
微弱なNMR信号を受信器8に送る。
は、検査時には前述の高周波コイル5、検出コイル7にそ
れぞれ接続されるが、磁場特性測定時には、方向性結合
器25と接続されるように接続端子を有している。
よって励起されるもの、即ちプロトンを含むものであれ
ばよいが、プロトンの縦緩和時間が短いものが好まし
い。プロトンの縦緩和時間が短いものを用いた場合、比
較的短い時間間隔で高周波磁場を連続印加した場合にも
飽和しないので、測定に必要な信号を短時間で連続して
計測することが可能となる。このような試料として例え
ば硫酸銅水溶液を採用することができる。
の入った容器)を取り囲むように設けられる。図3にNMR
プローブ26の構造の一例を示す。図3(a)は上部カバ
ー32の一部を透視して内部構造が見えるようにした正面
図で、図3(b)はその側面図である。
球形のガラス容器34と、その周囲を囲むように巻かれた
ソレノイドコイル35と、整合回路を構成する可変容量素
子36、37とを備えている。ソレノイドコイル35は可変容
量素子36、37及び方向性結合器25を介して高周波電力ト
ランスミッター6又は受信器8に接続され、可変容量素子
36、37とともに検査周波数で共振する共振回路を構成す
る。
るケース31と上部カバー32で囲まれ、ケース側面の一方
に同軸コネクター33が取付けられている。これによりNM
Rプローブ26は外部と電磁気的に完全に遮蔽され、ガラ
ス容器34の占める空間の磁場のみをNMR信号に反映させ
ることができ、測定の位置分解能を高めることができ
る。また、外部の電磁界の干渉によるNMR信号のS/N低下
を避けることができ、測定精度の向上を計ることができ
る。
ーブル27に搭載されており、静磁場発生磁石2に挟まれ
た検査空間の任意の位置に移動することができる。XYZ
テーブル27としては、NMRプローブ26を搭載したヘッド
部分を3次元方向の任意の位置に移動可能にしたもので
あれば公知の機構を採用することができる。
磁石2の磁場変動を測定する方法について説明する。
26を検査空間の所望の位置に配置する。次に高周波アン
プ24の出力信号を方向性結合器25を介して、NMRプロー
ブ26に印加する。これによりNMRプローブ26内で検査周
波数の回転磁界が形成され、NMRプローブ内の試料からN
MR信号が誘起される。誘起されたNMR信号は再び方向性
結合器25を経由して受信器8に印加される。受信器8はNM
R信号をその高周波電圧増幅器28で増幅し、位相検波器2
9で基準信号発生器23の発生する参照信号(検査周波数
の信号)で位相検波し、A/D変換器30でデジタル信号に
変換し、計算機10に入力する。
すようなスピンエコー型のシーケンスを用い、スピンエ
コー信号として計測することができる。即ち、まずπ/2
高周波磁界パルス41をNMRプローブ26に印加し、ガラス
容器34内の硫酸銅水溶液の核スピンを共鳴励起する。τ
時間経過した時点で、π高周波パルス42をNMRプローブ2
6に印加し、先に励起された核スピンを反転させて、さ
らにτ時間経過した時点で、スピンエコー信号43を、例
えば256点のA/D変換データとして検出する。
例えば256回繰返すことにより、図5(a)に示す256×256
マトリクスデータが計算機10のメモリーに記録される。
このデータは複素データであるので、これから位相を求
めることができ、図5(b)に示す位相マトリクス図を得
る。尚、位相は、図5(a)のマトリクスデータを一次元フ
ーリエ後のデータから得てもよい。エコー信号から直接
位相を求めた場合にはマトリクス図の横軸はkxとな
り、フーリエ変換後に求めた場合には横軸はx軸となる
が、いずれの場合にも縦軸を時間軸とする位相の変動が
求められることになる。
値52は、静磁場強度の変化が皆無であれば、すべてのス
ピンエコー信号43、44、………について全く同じ値の信
号が得られることになり、その位相値52も同じ値とな
る。静磁場強度に周期的な変動があれば、同図に拡大し
て示すように、位相値も周期的に変動する。即ち、周期
的な位相変動は、磁場強度の変動に対応している。
最大である点)における各位相値の平均を計算し、次に
すべてのエコー信号について中心線における位相値の平
均からのずれ(変化量)を計算する。これを時間軸に対す
る位相変動としてディスプレイ装置12に表示させる。或
いは数値としてずれ量を表示させてもよい。
た位相変動、即ち磁場強度の変動をモニターとして、こ
の変化量が所定値以下になるよにへリウム冷凍機17やそ
の固定ネジ20の調整を行う。所定値は、画像にした場合
に擬像が問題とならない範囲であり、ファントム等を用
いて撮像することにより求めておくことができる。所定
値は、例えば±3度とする。
行い、すべての位置で位相変動が所定値以内になるよう
に調整を繰り返すことにより最終的に位相の変化量を所
定値以内に収斂することができる。尚、オープンMRI装
置の磁場変動は、通常上下のクライオを連結している部
分から最も遠い部分において最大であるので、このよう
な部分を計測し、その部分における磁場変動が所定値以
内になるように調整してもよい。
とMRIの検査時に用いる高周波磁場が同じ基準発信器を
用いて発生させているので、MRI検査時と同一条件で磁
場強度の特性を測定することができ、高精度の測定が可
能となる。また磁場強度の絶対値を求める必要はなく、
NMR信号の位相変動を求めることにより、微少な磁場変
動を確実に検出することができる。これにより調整の精
度を高めることができる。
NMRプローブを用いることにより、NMR信号に雑音が混入
することがなく、正確に静磁場強度特性を測定すること
ができる。更に、試料が小さく検査に必要とする空間内
を走査することができるので、磁場強度の位置依存性に
ついても測定することができる。
動の測定法を示す。この実施形態でもXYZテーブル27に
搭載されたNMRプローブ26を用いる点は、上述の実施形
態と同じである。
示すように、高周波磁場として、基準信号発生器23から
の信号を制御信号61でパルス変調するとともにレベル
(振幅)を調整した信号62を用いる。そして、このよう
な高周波磁場を試料に印加することによって試料から発
生するNMR信号63の位相が、静磁場の変動によって64、6
5で示すように変動することを利用して磁場変動を検出
する。
することができる高周波磁場(信号62)発生及びNMR信
号検出のための回路構成を示す。図7に示す高周波磁場
発生用回路は、所定(例えば、10MHz)の高周波信号を
発生するクリスタル発信器71と、クリスタル発信器71か
らの信号を所定の割合(例えば1/2000)に分周する分周
回路72と、高周波電力トランスミッター6からの高周波
信号(基準信号、例えば42MHz)を端子73を介して入力
するとともに分周回路72からNAND回路74を介して送られ
る低周波信号(前掲の例では5KHzの矩形波信号となる)
を入力し、この矩形波信号によって基準信号をパルス変
調するダブルバランスドミキサー75と、ダブルバランス
ドミキサー75から出力された信号を増幅し、方向結合器
25に接続された端子77に出力する高周波増幅器76と、分
周回路72から出力された信号を入力し、NMR信号検出用
の参照信号(5KHzの矩形波)として端子79に出力するNA
ND回路78を備えている。
を検出するための回路構成で、端子81を介して方向結合
器25からのNMR信号を入力する低域フィルター回路(LP
F)82と、LPF82から出力される信号を高周波増幅器83を
介して入力するとともに高周波電力トランスミッター6
の基準信号発生器23から入力される基準信号を端子85を
介して入力するダブルバランスドミキサー84と、ダブル
バランスドミキサー84からの信号を入力するLPF86と、L
PF86からの信号を、端子88及び位相シフト回路89を介し
て入力された参照信号を用いて位相検波する位相検波器
87と、位相検波器87からの信号を入力するLPF90と、LPF
90の出力を増幅して端子92に出力する直流増幅器91とを
備えている。端子92は図示しない電圧計または記録計に
接続される。
では、クリスタル発信器71で発生した高安定の信号を分
周回路72で分周し、矩形波とした信号(例えば図6の信
号61)がダブルバランスドミキサー75に印加されてい
る。ここで高周波電力トランスミッター6から端子73を
介して高周波、例えば42MHz、の基準信号がダブルバラ
ンスドミキサー75に入力されると、この信号は矩形波信
号61で100%変調を受け、例えば42MHz+5KHzの、図6に
示すような信号62となる。この信号は高周波増幅器76、
端子77、方向結合器25を介してNMRプローブ26に印加さ
れる。
イル35内の空間では、前掲の例で42MHz+5KHzの高周波
磁場が形成され、ガラス容器34内の硫酸銅水溶液の核ス
ピンは連続的に励起される。この核スピンから生じるNM
R信号は方向性結合器25を介して、図8に示す回路の端
子81に入力される。この場合、試料として核スピンの緩
和時間が非常に短いものを用いるとともにSteady State
Free Precession (SSFP)状態となる条件で高周波磁場
を印加しているので、飽和による信号の低下が殆どない
状態でNMR信号を検出することができる。
Hz通過のLPF82を介して高周波増幅器28で増幅された
後、ダブルバランスドミキサー84において、端子85から
入力された基準信号(42MHz)で検波される。これによ
りダブルバランスドミキサー84の出力には、NMR信号±
基準信号(42MHz)の2信号が出力される。すなわち前
掲の例で、84MHz+5KHzと5KHzの2波の混合信号とな
る。
た後の信号は、位相検波器77において端子88から入力さ
れた参照信号(5KHz)により正確に位相検波される。こ
の際、参照信号は位相シフト回路89において、NMRプロ
―ブや受信回路全体の位相誤差を補償することができ
る。こうして位相検波器77の出力端には、5KHz±5KHzの
成分が出力される。このうち10KHz成分はLPF90で除外さ
れ、LPF90を通過した信号は直流増幅器91で増幅された
後、端子82に出力される。
ような信号63であり、この信号63の時間平均値は磁場変
動がなければゼロを示すことになる。ここで、磁場強度
が僅かに高い値に変化すると、NMR信号の周波数も高く
なり、検波後のNMR信号は信号64に示すように位相が右
にシフトする。その結果、この信号64の時間平均値はプ
ラスになる。逆に、磁場強度が僅かに低い値に変化する
と、NMR信号は信号65に示すように位相が左にシフト
し、信号65の時間平均値はマイナスになる。
録計に接続することで磁場強度の変化を連続的に観察す
ることができる。この電圧計等に表示された値、例えば
電圧の時間平均値を見ながら、この値が所定の値以下と
なるようにへリウム冷凍機17やその固定ネジ20の調整を
行う。この実施形態でも、前述の実施形態と同様の効果
を得ることができ、さらに磁場強度の変化がリアルタイ
ムで表示されるので、ヘリウム冷凍機17や固定ネジ20の
調整をその効果を確認しながら行うことができる効果が
得られる。
の取り付け時のみならず、定期点検時や保守時に行うこ
とができ、これにより磁場変動の経時変化にも対処する
ことができ、信頼度の高いMRI装置を維持することがで
きる。
磁場発生磁石の特性を実際の検査と同条件で高精度に測
定することができ、その測定結果を基にMRI装置の調整
を行うことができる。また本発明によれば、磁場変動を
NMR信号の位相変動として求め表示させることができる
ので、この表示をモニターしながら適切な調整を行うこ
とができる。
図。
体構成を示す図。
構造を示す図。
られるシーケンスの一例を示す図。
図。
図。。
の一例を示す図。
す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 被検体が置かれる検査空間を一定の磁場
強度に維持する磁場発生手段と、前記磁場強度に勾配を
与える傾斜磁場発生手段と、前記検査空間に置かれた被
検体に高周波磁場を与える手段と、前記被検体から発生
する核磁気共鳴信号を処理し、その結果を表示する手段
とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、 前記検査空間の任意の場所に設置された試料に、検査に
用いる高周波磁場と同じ周波数の高周波磁場を与える手
段と、前記試料から発生する核磁気共鳴信号を検出し、
核磁気共鳴信号の位相変動を求める手段と、前記位相変
動から前記任意の場所の磁場変動を求める手段とを備え
たことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 【請求項2】 被検体の検査に用いる高周波磁場と同じ
周波数の高周波磁場によって核磁気共鳴信号を発生する
試料を検査空間の所望の位置に配置し、 前記試料に前記周波数の高周波磁場を照射し、これによ
って前記試料から発生する核磁気共鳴信号を検出するス
テップを繰り返し、 前記繰り返しによって得られた核磁気共鳴信号の時系列
データから、前記核磁気共鳴信号の位相変動を求め、 前記位相変動を、前記試料の配置された位置における磁
場変動として表示する磁気共鳴イメージング装置におけ
る磁場変動の測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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